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「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」4/10


「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」



238 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:19:05.31 ID:UMizhDZoo

勇者父「そういえば、勇者はどこにいるんだ?」

魔王「あぁ……勇者さんですか。えぇ、と、すいません、まだ寝てるんです」

勇者父「え、ちょ、もう正午なんだけど」

魔王「すいません。そ、その、昨日は夜遅くまで……は、話し合いをしていたものですから……。ふ、ふふっ……」

勇者父(……怪しい)

戦士(……怪しい)

側近「……」






元スレ
「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」
[SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板]




239 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:19:35.02 ID:UMizhDZoo

勇者父「まぁ、とりあえず魔王さんよ。メタル系の武器くだしあ」

魔王「あら、勇者様。以前もっていませんでしたか?」

勇者父「全部売りましたwwwww」

戦士「俺も売ったわwwwwww」

魔王「あら~……。わかりました、勇者様方の装備品や道具などはこちらで揃えさせていただきますね」

側近「はい、それでは今すぐ持ってきます」

戦士「使い終わったらまた売ってもいいですかwwww」

魔王「ええ、いいですよ」

戦士「気前良すぎwwwwwwwww」

勇者父「あ、僧侶の装備品とかもあったらください」

魔王「はい、わかりました」


240 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:20:04.81 ID:UMizhDZoo

戦士「まじでくれるとか信じられないわ」

勇者父「俺たちが現役だった頃、王様に頼んだらこんぼうと100ゴールドしかくれなかったのに」

戦士「魔王ちゃんが天下統一すべきなんじゃね、これ」

勇者父「勇者にメタル装備くれる魔王とか新ジャンルwwwwwww」

魔王「喜んでくれたようでよかったです~。どうかがんばってくださいね」

戦士「うぃーっすwwwwwww」

勇者父「うぇーいwwwww」

勇者父「とりあえず僧侶とこいって仲間にすっかwwwww」



241 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:20:32.17 ID:UMizhDZoo

勇者父「僧侶が勤めている教会にやってきました」

戦士「僧侶ちゃーん!!!」

勇者父「あれ、いなくね? というかなんかほこりかぶってね?」

戦士「確か僧侶ちゃん、一人でここやってたんだよね。どうしたんだろ」

勇者父「……さあ?」

戦士「僧侶ちゃーん!!」

勇者父「僧侶―!! どこやー? おるんかー?」

戦士「何故関西弁なんだよwwww」

勇者父「うるせえwwww」

戦士「教会の周りにもいないなあ」

勇者父「教会兼自宅だから、あまり外にでることもしなかったしなあ……」



242 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:20:59.95 ID:UMizhDZoo

戦士「思いついたwwwwww」

勇者父「え?何?」

戦士「お前んちにいるんじゃね?wwwwww」

勇者父「あぁ……、そういや黙って出てきちゃったな」

戦士「ひどいやつだwwwww僧侶ちゃん、お前に惚れてたのに」

勇者父「何十年前の話だよ……」

戦士「お前の家で暮らしていたらまじストーカーレベルだな。おめでとう!!」

勇者父「うれしくないよそれ!」


243 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:21:36.04 ID:UMizhDZoo

勇者父「自宅前にやってきたけど……なにこれ」

戦士「……僧侶の服と……骨?」

戦士「ちょ……おい、まてよ……どうして……?」

勇者父「……」

戦士「……」


勇者父は僧侶を調べた。

返事がない、ただのしかばねのようだ。

勇者父は骨を調べた。

返事がない、ただのしかばねのようだ。


244 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:22:02.95 ID:UMizhDZoo

戦士「……魔物にやられたのか」

勇者父「…………」

戦士「……」

勇者父「………………」

勇者父「……いこう、戦士」

戦士「……!」

戦士「…………ああ、そうだな。勇者」

戦士「俺たちみたいな馬鹿は、結局魔王を倒す事しかできない」

戦士「できないんだ、勇者……」

勇者父「……」


245 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:22:32.73 ID:UMizhDZoo

魔物「ヤバイwwwwwユウシャッポイノキタwwwwwwギャァアアアア!!」

魔物「ヤラレテヤンノwwwwwwダセフャアァァアッアア!!!!」

戦士「百匹ぐらい倒したwwwwwこいつら弱すぎwwwww」

魔物「ゴメンナサイ!!オネガイダカラコロサナイデ!!シニタクナイ!!」

戦士「るっせーwwwwwwwえーい!! きっちゃうぞーwwwww」

魔物「シニタクナイヨォオオオ!!!」

魔物「アアァァァア!!ヨクモカアサンヲコロシタナ!!!」

魔物「イタイヨォ……オニイチャンイタイヨォ……」

魔物「セメテイモウトダケハ……イモウトダケハニガシテクレ!!」

戦士「兄妹愛最高すぎwwwwww でもだめですwwwww絶対許しませんwwww」

魔物「ギャァァアアア!!!」

戦士「許しませんwwwww絶対にwwwwwwうはwwwww」



246 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:23:06.58 ID:UMizhDZoo

勇者父「なんとかやつらの本拠地の城っぽいところにきたけど、魔物多すぎワロエない」

戦士「なんか魔物がいってた話なんだが、今日魔王城に攻めるらしいよ」

勇者父「まじかよ」

戦士「魔物じゃないよ、兵士とか人間が」

勇者父「は?」

戦士「王がね、決めたらしいんだって、勇者全員集めて猛攻撃だーって」

勇者父「……ちょ、それ、やばいんじゃねーの?」



247 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:23:35.40 ID:UMizhDZoo

勇者父「今からでも戻って魔王に加勢したほうがいいんじゃないか」

戦士「ああ、俺も同じ意見だ」

戦士「といいたいところだがだめだ」

勇者父「どうしてだ。あいつらが人間を殺せないのは分かっているだろう?」

戦士「仮に戻って加勢したとしても、元凶を潰さなきゃまた同じ事だ」

戦士「またここに来て、また戻り、来て、戻り、繰り返してもどうにもならないだろう」

戦士「今は魔物が弱いが、これから強くなっていく可能性だってあるんだ」

戦士「大丈夫だ、魔王たちだって何かしら考えてるよ」

勇者父「……」


248 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:24:02.85 ID:UMizhDZoo

勇者父「わかった。さっさとゴルゴを倒して魔王のところへいこう」

戦士「そうそう、そのいきだよwwwwww目の前に魔王がいるなら倒さなきゃ勇者ないっしょwwwwww」

勇者父「そうだな。よっしゃあああああ!! 強行突破じゃー!! メラ! メラ!」

戦士「今のはメラゾーマではない、メラだ」キリッ

勇者父「wwwwwwwwwwww」

戦士「wwwwwwwwwwwww」



249 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:24:29.87 ID:UMizhDZoo

勇者父「やばいwwwwwもう最上階まできちゃったwwwwww」

戦士「これがwwwwレベル100のwwwwクオリティ!!wwwwwww」

教皇「確かに、ものすごい速さでしたね」

戦士「賢者キターwwwwww」

勇者父「余裕ぶっこいてるんじゃねーぞwwwwwww」

教皇「それは私のセリフですよ」

教皇「どうしてあなた方は笑いながら泣いているんです」



250 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:24:58.83 ID:UMizhDZoo

戦士「うるさいwwwwwwwお前にはわからねーよwwwwww」

勇者父「おうおうwwwwそのとおりだwwwwww」

勇者父「以前のお前ならわかったかもしれんが、今はわからなそうwwwwww」

戦士「だって賢者じゃなくて教皇(笑)ですものねーwwwwww」

戦士「たのしいでちゅかー?wwwwwww ははっwwwwwははっ……」

勇者父「うぇwwwっうぇwww……うぇ……」



251 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:25:28.57 ID:UMizhDZoo

勇者父「……賢者、どうしてお前はこんなことやってるんだ」

教皇「魔物を滅ぼすことについていってるんでしょうか?」

勇者父「そうだ」

教皇「当たり前じゃないですか。私は勇者様の仲間ですよ」

教皇「勇者の仲間が魔物を倒さず、一体何を倒すというんですか?」

勇者父「魔物を倒すために魔物の力を借りるのが勇者のやり方なのか」

教皇「魔王に手を貸す勇者には言われたくありませんね」

教皇「それに彼らは魔物ではありません。神の使いです」

教皇「勇者が神の使いを使うのは当然のことです」

戦士「ドヤ顔でいわれてもあれは魔物なんだよー!!」



252 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:26:39.96 ID:UMizhDZoo

教皇「いいえ、違います。あなた方の目が霞んでいるからそう見えるだけなのですよ」

勇者父「うるせえ! 賢者モード! ゴルゴだか、オルゴだか、いう魔王はどこにいる!」

教皇「あぁ……。オルゴ・デミーラ様のことですか。オルゴ様なら、私の……中に」

戦士「膣内か!!」

勇者父「今そういうこというなよ!!」

戦士「だってどういう意味かわからなかったんだもん!」

勇者父「あれだろ! 賢者が魂売ってゴルゴこっちに呼んだというオチだろ!!」

勇者父「そういうのよくあるから俺だって分かるんだからね!!」

教皇「そのとおり、確かに私は魂をオルゴ様の下に返しました」

教皇「しかしそれは当然のこと。神にわが命捧げるのであれば喜ばしいことです」

戦士「よくわかんねーけど、お前は賢者じゃなくてゴルゴだってことだな!!」

教皇「そうですね、そういうことになるんでしょうか。あとゴルゴじゃなくて、オルゴです」


253 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:27:07.59 ID:UMizhDZoo

勇者父「ゴルゴ! どうして賢者はお前なんかに魂を売ったんだ!」

教皇「そんなこと、私がしるはずがないでしょう」

教皇「ただ、そうですね。とても悲しんでいたんでしょうね。とても、乗っ取りやすかったですし」

教皇「今となっては誰も知る事は出来ない……。ふふ、魔王に毒された勇者よ。この私が闇に葬ってくれよう!」

勇者父「上等じゃゴルァァァアアア!!!!! 100レベなめんじゃねーぞおおおお!!」


オルゴ・デミーラがあらわれた!



254 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:27:36.64 ID:UMizhDZoo

勇者父「やべえええ!!脳みそみえとるよこいつ!!!きっも!!まじきっも!!」

勇者父「とりあえずミナデインじゃああああああああああ!!!」

戦士「まて勇者。俺にはMPなんてもの存在しないぞー!!!!」

勇者父「そうだった。落ち着いていこう」

勇者父「あいつドラコンぽいし、お前にバイキルトやってドラゴン斬りしたら一発で死ぬんじゃね?」

戦士「天才現る。よしやってみよう」


勇者父はバイキルトを唱えた! 戦士の攻撃力が二倍になった!


戦士「ドラゴン斬りwwwwwズバシュwwwwwwwww」


オルゴ・デミーラに9999のダメージ


勇者父「やばいwwwwwwwこれドラクエじゃなくてFFだわwwwwww」


255 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:28:05.63 ID:UMizhDZoo

デミーラ「ほほ、ぼうやたち。あなたの攻撃はその程度なの?」

戦士「脳みそがオカマになったwwwwwwwwww」

勇者「こんな魔王はじめてwwwwwwwww」

デミーラ「うるさいわね! 私の攻撃にひれ伏しなさい!!」


オルゴ・デミーラの攻撃!

勇者父は0のダメージをうけた!


デミーラ「なんですって!?」


256 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:28:34.68 ID:UMizhDZoo

勇者父「うはは!! きかぬ、きかぬぞ魔王!!」

勇者父「それが貴様の本気か! ぬるいっ、実にぬるいっ!!ぬん!!」ズバシュ!


オルゴ・デミーラに7000のダメージ


デミーラ「ぐぬ……ぬ……」


戦士「オカマからゾンビになったwwwwwww」

勇者父「さすがの俺もびっくりですwwwwwwwwwwwwwww」



257 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:29:01.90 ID:UMizhDZoo

デミーラ「デクの人形共が。終わりにしてくれよう。お前らなどオレ様の相手ではないわ!!」


オルゴ・デミーラの攻撃!


戦士は1のダメージをうけた!


デミーラ「どうしてこーなるの!!」

戦士「逆ギレして身体とけとるwwwwwwwwwwwww」

勇者父「これが魔王とか信じられないwwwwwwwwwwwwwww」

デミーラ「うググ……」



258 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:29:29.28 ID:UMizhDZoo

戦士「これは俺の分wwwwwこれが勇者の分wwwwwwこれが何もできずに死んでいった人たちの分、そしてこれが僧侶の分だあぁああああああああ!!」


オルゴ・デミーラに9999のダメージ!


デミーラ「グゴゲゲ……グググ……ゴゴゴ……か、身体が崩れていく……おのれ……デクの人形が……」


勇者父「それが最終形態? やっべ、スーパーとかで売っているスライムみたいwwww」

勇者父「はい、メラゾーマっと」


オルゴ・デミーラに9999のタメージ!


デミーラ「アァァアアアアアア!!!」


勇者父「スライムで鍛えた腕、そう簡単には衰えないぜwwwwwww」キリッ



259 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:30:00.00 ID:UMizhDZoo

デミーラ「ど……どうしてオレさまは……こっちの世界でも……まけるのだ……」ドロドロ

勇者父「うわ、めっちゃ溶けてる!!wwwwwwww」

戦士「ざまぁあwwwwwwwwwwwwwwww」

デミーラ「おのれ……おのれ……たかがデクの人形ごときが……」

デミーラ「貴様らも道連れだ!! 骨すら残さん!!」チッチッチッ

勇者父「ちょ、おま、それ、ばくはt――――!!」



260 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:30:26.73 ID:UMizhDZoo

――

――――

――――――


勇者父「…………」

勇者父「はっ!? ここはどこ!? 天国?」

賢者「勇者様、何を馬鹿なことをいってるんですか」

勇者父「え? あ? 賢者!? お前若すぎだろ!!」

賢者「はぁ? 勇者様どうしたんですか」

戦士「勇者―!! 明日は魔王城なのに大丈夫なのかよー!!」

勇者父「魔王城?」


261 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:30:54.37 ID:UMizhDZoo

勇者父「あ、ほんとだ。こうみると今よりピカピカしてたんだなあ」

僧侶「ど、どうしたんですか? 勇者様、いつも以上におかしいですよ……」

勇者父(どういうことだ。俺はタイムリープしてしまったのか?)

勇者父(でも、どうして……。爆発に巻き込まれただけだぞ!)

勇者父「いや、なんでもない。明日は決戦だ。はやく寝よう」

勇者父(まぁ、なんにせよ、賢者があんな風になった理由もわかるかもしれない……)

賢者「ともかく明日は朝はやいんです。寝て体力を回復させましょう」

僧侶「うん、そうだね。賢者ちゃんの言うとおりだね。えへへ……」

勇者父(おきたばかりで眠くないんだけどなあ。確かこのときちゃんと寝たような気がするから、寝ないとまずいな……)

勇者父「ああ、おやすみ~」

262 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:31:21.96 ID:UMizhDZoo

賢者「いい朝ですね」

戦士「朝から賢者モードなのか?」

賢者「だからそれは言うなといっている!!」

勇者父(ぜんぜんねむれなかった……)

戦士「さあー勇者はきりって魔王城だー!!」

勇者父「そんなにはりきっても損するだけだよ」

戦士「あー?」

勇者父「まぁいいや、いくか」


263 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:31:49.67 ID:UMizhDZoo

勇者父「魔王に契約されました」

魔王「ごめんなさい、勇者様。私がちゃんと言わなかったばっかりに」

勇者父「もう気にしてないんでいいです。あなたはいい魔王だしね」

魔王「あら~……えっと、それはどういう意味なんでしょう~?」

勇者父「気にするな。んじゃ、30年後に会いましょう」

魔王「はい~。お待ちしていますね」

賢者「……」

264 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:32:18.40 ID:UMizhDZoo

勇者父「なんの面白みもなく、ゲームのエンディングを終えた感じです」

戦士「ご馳走うめええええええ!! 戦士やっててよかったー!!」

賢者「勇者様、少しお話があります。ちょっといいですか?」

勇者父「ん? うん、わかった。いいよ」



265 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:33:21.58 ID:UMizhDZoo

勇者父「んで城の中庭なんかに移動してどうしたんだ?」

賢者「勇者様、どうして魔王とあんな簡単に契約したんですか!」

勇者父「ああ、その話? あの魔王を殺せゆーたほうが無理っていう話じゃけん」

賢者「どんな方言ですかそれ! ともかく、あなたは30年後、もしかすると魔王の手下になってしまうんですよ!」

賢者「勇者としてそれでいいんですか!」

勇者父「んー、いいんじゃない。それでも」

勇者父「そういう勇者がいてもさ。悪いわけじゃないでしょ」


賢者「悪いですよ!! どうして魔物と手を組もうとするんですか!」

勇者父「どうして賢者はそんなに必死なの?」

賢者「……え?」

勇者父「俺がどうなったところで賢者にはあまり関係ないじゃん」

賢者「っ……」



266 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:33:51.96 ID:UMizhDZoo

賢者「勇者様はわかっていない!」

賢者「そんなの勇者様じゃありません!!」

賢者「そんなの、私が好きな勇者様じゃありません!!」

勇者父「……え?」

賢者「……あ……」

勇者父(……そうか。俺はあの日賢者に告白に告白されたのか)

勇者父(まったく覚えてなかったけど)

勇者父(俺はここで、確か……付き合わなかったような……)

勇者父(しかし何故。俺はなんで賢者と付き合わなかったんだ?)

勇者父(スタイルもいいし、頭もいいし、顔もいいし……何故俺は……)



267 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:34:48.40 ID:UMizhDZoo

賢者「ご、ごめんなさい。忘れてください!!」

勇者父「え? でも……」

賢者「お願いです! いわないで。何もいわないでください」

――

勇者父『そうそうwww当時の写真みたらやばかったwww』

勇者『どうして結婚しなかったのか、実に不思議である』

勇者父『あの頃は駄目だったんです』

――

勇者父(だめ。どうして俺はだめだと……)

勇者父(賢者……賢者……賢者……賢者……モード……)

勇者父「!? そうか思い出したぞ!!」

賢者「ひっ」

勇者父「賢者、そういえばお前男の娘だったな!」



268 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:35:18.21 ID:UMizhDZoo

賢者「男の……娘?」

勇者父「あー思い出した!思い出した! 当時は男の娘なんて気持ち悪い外道とか思っていたから賢者のことを好きになれなかったのか!」

勇者父「そうだそうだ、確かここで「男とは付き合えません」といったような気がする」

勇者父「あー、そうか。そうか!」

勇者父「だから女である魔王に嫉妬してたのか。お前!」

勇者父「あー、くそ。あー、こんな簡単な問題だったなんて……」



269 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:35:46.27 ID:UMizhDZoo

賢者「えっと、つまりどういうことですか……?」

勇者父「つまりだな。付き合おう、賢者。俺はたとえお前が男の娘でも愛せる自信がある」

賢者「っ……////// ちょ、勇者様待ってください! 私は男ですよ? 本当にいいんですか!?」

勇者父「いいんじゃないかな。ある意味では貧乳だし、どうやら30年後も賢者はかわいいようだし」

賢者「…………」


 
270 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:36:15.87 ID:UMizhDZoo

賢者「で、でも、私は子供産めません」

勇者父「いいんじゃないwww ほかにも勇者いるし、あの魔王なら勇者いなくても大丈夫だし」

賢者「801穴なんてないんですよ?」

勇者父「かまわんwwwwどんとこいwwwwちゃんと愛してやんよwwww」

賢者「勇者様……っ……」ダキッ

勇者父「ヌホホwwwそんないきなり抱きつかなくてもwwwww」


賢者「ゆうしゃさまあ……っ……ありがとうございます……うぅ……」

勇者父「おーよしよし」ナデナデ

賢者「はぅ……」

271 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:36:53.34 ID:UMizhDZoo

勇者父「まさかの致してしまいました」

賢者「//////」

勇者父「賢者よ、魔王の下にいくことだけは許してくれ」

勇者父「いや、むしろ賢者、お前も俺と一緒に人と魔物の世界をつくってくれないか」

賢者「……」

勇者父「俺巨乳には興味ないから!!」

賢者「そういうことではないんですが……わかりました」

賢者「それがあなたの目指す正義だというならば、私はついていきましょう」

勇者父「うおおおぉ!! 賢者ありがとうううう!!!」

賢者「そ、そんな抱きつかないでください//////」

勇者父「頑張って一緒に良い世の中にしてこうなぁ!!」

賢者「は、はい//////」




272 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:37:20.63 ID:UMizhDZoo

――――――


――――


――

戦士「おぉぉおおおおい!! 勇者あぁああどこにいるううううう!!!」

魔物A「ジュウショウノセンシダケダゾwwwwwww」

魔物B「サスガニwwwオレタチデモwwwwカンタンニカテルレベルwwww」

魔物C「100レベルデモアタマタベレバシヌモンネwwwwww」

戦士「お前ら邪魔だぞどけえええええ!!!」

魔物A「ギャアァァアアアアア!!!!!」

戦士「勇者お願いだ返事してくれええぇえええ!! 俺だけ残して皆いなくなるなんてずるいぞおおおお!!!」

273 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:37:46.98 ID:UMizhDZoo

戦士「勇者ぁああああぁぁあ!!!!!!!」

戦士「あぁぁあああぁぁぁああ!!!?」

魔物B「ザットコンナモンデスヨwwwwwコイツアセクサクテwwwwキモチワルイwwww」

魔物C「ホントホントwwwwニンゲンッテモロイヨネーwwwwww」

戦士「ぬぐ……ぐ……」

魔物「マオウジョウトカイウトコロデwwwwセンソウシテイルラシイwwww」

魔物C「ナニソレメッチャタノシソウwwwwwミニイコウズwwwwwww」

魔物B「テンションアガッテキターwwww」

魔物C「キターwwww」

戦士「ゆう……しゃ……」





勇者父 END




277 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:45:17.97 ID:UMizhDZoo

勇者√

――


勇者「魔王城にきましたよっと」

魔王「あらー、勇者さん。おはようございます~」バサッバサッ

勇者「今日は洗濯ですか」

魔王「はい。今日は風が心地よくて素敵ね~」

勇者「あまり天候とか変わらないような気がするんですが」

魔王「それは勇者さんが魔界にあまりいないからわからないのよ~」

魔王「魔界はずーっと同じような天候でわかりにくいけれど、これでも毎日違うのよ?」

勇者「勉強になったなあ」


278 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:50:34.37 ID:UMizhDZoo

魔王「そういえば昨日スライムたちが魔界に帰ってきましたけど、何かあったんですか?」

勇者「ちょっとキャバクラいきたかったので」

魔王「キャバ……?」

勇者「ちょっと一人で遊びたかったので」

魔王「あぁ、そういうことですか。よかった、スライムを嫌いになっちゃったのかと思いました」

勇者「天に誓ってそれだけはありませぬ」キリッ


279 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:57:56.80 ID:UMizhDZoo

魔王「今日は夜に側近ちゃんと報告会を開くのよね?」

勇者「そうですよ」

魔王「それまでここにいるのかしら?」

勇者「そのつもりです。魔王と一緒にいたいですしね」キリッ

魔王「あ、あら~……、も、もうっ。年上にそんなこといわなくてもいいのに」

勇者「本心です」キリッ

魔王「こ、こういうのは反応に困りますね……」テレテレ



280 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:06:10.10 ID:UMizhDZoo

勇者「こういうことを言っているときに来る側近さんはどうしたんですか?」

魔王「少し政務が忙しいらしくて……」

魔王「私も手伝わなくてはいけないので、報告会には参加できないと思うわ」

勇者「じゃ狭い個室で側近と二人きりの夜の報告会になるんですか」

魔王「ごめんなさいね。次からはちゃんと参加できるようにします~」



281 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:12:20.38 ID:UMizhDZoo

勇者「あ、じゃ、魔王。今から仕事するんですか?」

魔王「いいえ。確か側近が午後の~……何時か忘れちゃいましたけど、呼びにくるまで暇ですね」

勇者「そうですか。魔王ちょっと付き合ってほしいんですけどいいですかね?」

魔王「あら~、魔界でよければ何にでも付き合いますよ」

勇者「何にでも? 仮に私が魔王と夜の組体操をしたいとか言い出しても付き合ってくれるんですか?」

魔王「夜の組体操?」



282 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:17:19.45 ID:UMizhDZoo

魔王「……よくわからないのですけど、勇者さんがやりたいのであれば付き合いますよ」

勇者「それじゃそれは今後の楽しみにしておきますwwwww」

魔王「今後、ということは~……、他に何かやりたいことがあるのかしら?」

勇者「うっす。魔王、ちょっと私とお手合わせ願いたいのですが」

魔王「あら、どうして?」

勇者「これから旅していくのにただの11レベルじゃつらいとおもったんでwwwwww」

勇者「せめて技術面だけでも伸ばしたいなって」

283 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:23:51.60 ID:UMizhDZoo

魔王「私はかまわないのだけれど……本当に私が相手でもいいんですか?」

勇者「魔王なら手加減してくれるって信じています」

魔王「それはもちろんしますけど……」

勇者「じゃいいじゃないですか、どっか広いところにいってやりましょう」

魔王「えぇ…………。あ、そういえば勇者さん、ちゃんとした武器と防具持ってませんよね?」

勇者「忘れてた」



284 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:28:32.59 ID:UMizhDZoo

魔王「えぇ、と、メタル系の装備が一番いいんでしたっけ?」

勇者「さあ、たぶんそうじゃないですか」

魔王「ではそれを持ってきますのでちょっと待っていてもらえますか?」

勇者「…………」

勇者「ちょ、魔王。え、マジですか?」

魔王「確か城の倉庫に結構あまりがあったような気がするので~……」

魔王「兎にも角にも持ってきますね~」タッタッタッ

勇者「ちょ、ま……! ……いっちゃった」


285 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:35:53.45 ID:UMizhDZoo

魔王「はい、勇者さん。メタル系の装備です」

勇者「剣から鎧まで全部ある……」

魔王「ふふっ……。ではこの城の近くに大きな草原がありますので、そこで戦いましょうか~」

勇者「あれ、魔王。魔王の分の武器は?」

魔王「素手で戦います~」

勇者「なんだろう、すごくいやな予感がする」



286 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:39:59.81 ID:UMizhDZoo

勇者「草原という枯れた野原につきました」

魔王「それでは勇者さん、はじめましょうか。あまり痛くしないでくださいね」


魔王があらわれた!


勇者「私から攻撃してもいいですか? というか本当に剣でやっちゃっても大丈夫ですか?」

魔王「あ、はい。えぇ、と、たぶん大丈夫だとおもうわ~」

勇者「やっべ、すっげ手震える。やっべ。ぇいやっと!」


287 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:46:06.85 ID:UMizhDZoo

勇者のこうげき!

ミス!魔王にダメージをあたえられない!


魔王「あらら、勇者さん。もっと強くやってくださっても構いませんよ?」

勇者「自分でいっておいてアレですが、罪悪感を覚えます」

魔王「う~ん……、どうしましょう~……」

勇者「大丈夫です、ノってきたらちゃんと攻撃するんで」


288 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:52:25.13 ID:UMizhDZoo

魔王「そ、そう? それじゃ、今度は私が攻撃しますね~」

魔王「え~い」チョン



魔王のこうげき!


勇者は 9999 のダメージを受けた!


勇者「チョァアアアァッァアアアア!!!!!!!!」ブッシャアアァアアアアアアア

勇者「腕が飛んだァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!血めっちゃ出てるよぉおおおおお!!!!」

魔王「あぁあ! 勇者さん大丈夫ですか!? ベホマズン!!」


289 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 19:56:12.40 ID:UMizhDZoo


勇者は全回復した!


勇者「しぬかとおもった」

魔王「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、大丈夫ですか!?」

勇者「なんで人差し指で可愛らしくチョンとやっただけで人の腕を飛ばせるんですか」

魔王「さ、さぁ?」

勇者「あれで手加減してたんですか?」

魔王「えぇ……。していたつもりなんですけど……」

勇者(魔王が人間好きで本当によかった。この人と戦うとか無理ゲーだろ)



290 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:01:18.44 ID:UMizhDZoo

勇者「結局100回ぐらい斬りつけてやっと1ダメージ与えられました」

魔王「れ、レベルが低いからですよ」

勇者「というか、1ダメージ与えただけで20もレベルあがったんですけど。魔王あんたいったい何者ですか」

魔王「え~と……、魔王?」

勇者「……他の魔王もこのくらい強いんですか?」

魔王「う~ん……そうだと思いますよ。魔王ですからね」

勇者「ですよねー。さすがに1ターンで第二形態や第三形態とかにはなりませんよね」

魔王「ふふっ、そうね。そんな魔王なんているのかしら~……」




291 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:05:10.79 ID:UMizhDZoo

勇者「この世に魔王倒せる人が何人いるのか……」

魔王「でも私は心臓にグサっとやられたら死にますよ」

勇者「そうなんですか。硬いようで脆いんですね」

魔王「私も生き物ですからね」

勇者「どんなにレベルあげても、忍者に首をきられたら死にますしね」

魔王「……?」

293 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:07:59.41 ID:UMizhDZoo

勇者「これからも稽古お願いします」

魔王「はい、わかりました~」

勇者(今おもったんだけど、魔王の処女奪った奴はどのくらいレベル上がるんだろう……)

勇者「……」ジー

魔王「……? 勇者さん、どうしたんですか。じっと私の顔見て」

勇者「いえ、もう少しはやく魔王に会っていたら面白かったんだろうな、って」

魔王「……?」



294 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:10:31.66 ID:UMizhDZoo

勇者「そういえば魔王ってどうして人と魔物が共存する世界をつくりたいとおもったの?」

魔王「あら~……、勇者さんにその話一度もしたことがありませんでしたね」

魔王「ごめんなさい、すっかり忘れていました~」

勇者「いえいえ、気にしないでください。ちょっと気になっただけですから」

魔王「……はい。話すと少し長くなってしまうのですが、大丈夫ですか?」

勇者「構いませんよ」


295 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:14:29.09 ID:UMizhDZoo

魔王「前の魔王、私の父なんですけれど、父は、たくさんの人を殺し、この世界を魔物の世界にしようとしていました」

魔王「私も小さい頃はそんな父にあこがれていました」

勇者「ロリ魔王は、ふぇぇ……人間はゴミだよぉ~……、とか言っていたということですか」

魔王「そ、そこまではいきませんでしたが、人間に対して嫌なイメージを持っていたことは確かですね」

魔王「仲間の魔物は勇者にやられてしまいますし、人間は処分直前の豚肉だとずっと教わってきましたから」

勇者「なにその微妙にむかつく人間のたとえ方」




296 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:19:06.05 ID:UMizhDZoo

魔王「ごめんなさい、本当にそうやって教えられてきたものですから」

勇者「いえ……。それはこっちも同じですし……。ところでそんなこと教えられてきたのに、どうして共存なんて?」

魔王「……」

魔王「私、とてもお母さん子だったんです」

魔王「父は確かにあこがれてはいましたけれど、怖くて、近づくこともできませんでした」

勇者「……お母さんって、確か人間なんでしたっけ?」

魔王「はい」


297 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:25:07.77 ID:UMizhDZoo

魔王「その当時の私は知らなかったんですけど、母は魔物達にいじめられていたんです」

魔王「父もそれを知っていたはずなのに知らない振りをし、母を助けてくれる魔物は誰一人いませんでした」

魔王「そして、私も……人間だから、という理由で母を嫌ってしまったんです」

魔王「だけど母は、それでも私を大切に育ててくれました」

魔王「……でも耐え切れなかったんでしょうね」

魔王「私が勇者さんよりもう少し幼いときに自殺してしまいました」


298 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:28:52.37 ID:UMizhDZoo

魔王「母が私のためにいろんなことをしてくれていたことを、私は亡くなった後、気づきました」

魔王「もう少しで取れてしまいそうなボタンも、少しほこりをかぶってしまった部屋も」

魔王「母が亡くなってしまったあとは綺麗な状態には戻りませんでした」

魔王「……当たり前ですけどね。今まですべて母がやってくれていたものですから」

魔王「とても後悔しました。なんて身勝手な理由で私は母を一人ぼっちにしてしまったんだろうって」

魔王「そして歩み寄ることもせずに、人間だからという理由で襲う魔物のあり方を、考え直すべきだ、思ったんです」



299 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/08/31(水) 20:36:34.30 ID:UMizhDZoo

勇者「……そうですか。魔王も、お母さん亡くしているんですね」

魔王「魔王も、ということは……。勇者さんも、ですか?」

勇者「そうですね。母さんの場合は、強盗にはいられて殺されたんですけどね」

勇者「あのババア、父さんの大切なものだかなんだかしらないけど、それをとられなくない一心で強盗と戦ったんですよ」

勇者「ばかですよね、勇者でも、旅人でもない、ただの普通の村人出身なのに」



317 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:07:31.19 ID:+dzWyMwwo

勇者「勝手に飛び込んで、勝手にさされて勝手に死んだんですよ」

魔王「勇者さん……」

勇者「あの時は勇者っていったいなんなんだって思いましたよ。人間の世を守るのが勇者なのに、人間が勇者の母を殺すんですよ」

勇者「だから正直、そんなときは魔王に世界滅ぼしてもらいたかったですね」

勇者「今は……そんなことないですけど」

魔王「……」


318 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:08:06.12 ID:+dzWyMwwo

勇者「おっと、すいません。自分語りしてしまいました。魔王、どうぞ続きを」

魔王「……勇者さん、どうして人と魔物は争うんだと思います?」

勇者「いきなりですね」

魔王「……ごめんなさい」

勇者「いえ、謝らないでください。そうですね……」

勇者「私は歴史を知らないので、単純に思っていることなんですけど」

勇者「国をまとめる、ため、とかかなと」

魔王「……」



319 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:08:37.37 ID:+dzWyMwwo

勇者「あとは……、自分と種類が違う賢い生物が嫌いなんじゃないんですか」

勇者「絶対に縄張り争いになりますし」

勇者「魔王はどう思ってるんですか?

魔王「……そうね。私も勇者さんとほぼ同じだわ」

魔王「あとは、そうね。争っている歴史があること、それも関係するんでしょうか」

魔王「……きっと、お互いに勇気がないんでしょうね」



320 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:09:05.56 ID:+dzWyMwwo

勇者「それなら魔王は勇気ありますね」

魔王「……そうね。何事にも臆することなき勇気。私は、自分の中にあると信じているわ」

魔王「私が私の望む世界をつくるためだったら」

魔王「私は絶対負けない。絶対に」

魔王「たとえそれが…………」

魔王「……」



321 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:09:33.16 ID:+dzWyMwwo

魔王「……わがままな魔王につき合わせちゃってごめんなさい」

勇者「いえいえ。いいじゃないですか、付き合いますよ」

勇者「私勇気ある人間代表の勇者ですし」

勇者「勇者としてその何事にも臆することなき勇気、ってのも持ってみたいですしね」

勇者「参考にさせていただきますwwww」

魔王「それは、それで、恥ずかしいわ……」



322 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:09:59.22 ID:+dzWyMwwo

勇者「夜になったんで、側近の話し合いなう」

側近「勇者よ、報告はお前からだ」

勇者「へんたい倒して知名度アップさせました。オワリ」

側近「その後、スライムを魔界においてどこかにいっていたんだろう?」

勇者「ゲーセンいってた」

側近「……」

勇者「勇者だって遊びたいんです」



323 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:10:25.17 ID:+dzWyMwwo

側近「まったくお前は……」

勇者「次は側近さんの報告ですよ」

側近「……私たち魔物達は、お前と同じように昨日魔界から出発した」

側近「できるだけ人に近い魔物や可愛らしい魔物だけを集めて、人と接触した」

側近「昨日だけで10の町をいったのだが、その中で魔物を受け入れてくれたのは3」

勇者「案外多いですね。魔物だけでいったんでしょ?」

側近「ああ、そうだ。今はその3つとも問題を解決している最中だ」

勇者「順調っすね」


324 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:10:52.07 ID:+dzWyMwwo

側近「――私からの報告は以上だ」

勇者「そうっすか」

側近「質問がないようなら終わりにするが、何かあるか」

勇者「ちょっと関係ないことでもいいですか」

側近「……一応いってみろ」

勇者「側近さんはどうして魔王に協力してるんですか?」

側近「ほう」

勇者「ちょっと昼間も魔王とそんなような会話してたんですよ。教えてください」



325 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:11:18.79 ID:+dzWyMwwo

側近「いいだろう。教えてやろう」

側近「貴様はカオスの縁というものを知っているか?」

勇者「なにそれ」

側近「この世には二つの状態がある、混沌と秩序だ」

勇者「……自由な状態と、法とかが厳しい状態ってとこっすか」

側近「まぁ、そんな感じだな。それが平衡している点、といってもわからないか?」

勇者「わからないっすね」

側近「天秤はわかるか?」

勇者「しってますよ。あの右と左の大きさ調べるやつですよね」

側近「ああ、それと同じだ。混沌と秩序同じ重さで釣り合っている状態がカオスの縁と呼ぶ」

勇者「へー、物知りっすね。それがどうしたんですか」

326 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:11:44.74 ID:+dzWyMwwo

側近「カオスの縁はその文化、生物がこの先絶滅するか、しないか、を判断するのにとても役に立つのだよ」

勇者「絶滅っすか、怖いっすね」

側近「そうだな。混沌と秩序、どちらも釣り合っていなければいけないんだ」

側近「秩序のほうに傾きすぎてしまった場合、そうだな、きつい法に縛られている状態のとき、私たちは考えることをしなくなる」

側近「法に従ってさえいれば生きられるからな」

側近「だがもし災害や予想外のことが起こってしまった場合、考えられなくなった頭の所為で絶滅する」



327 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:12:24.41 ID:+dzWyMwwo

側近「では逆に混沌であったら。これは物事が自由すぎる場合だな」

側近「まず社会として成り立たないだろう。一人ひとりが違う方向に向かってしまうからな」

側近「団結しなければいけないときにできない、これは致命的だろう」

側近「その結果、滅びる」

勇者「確かにいわれてみればそんな気がします」

側近「ああ。私は思うのだよ。お前たち人間界は秩序に傾きすぎていて、魔界は混沌に傾きすぎている」

側近「このままいけば近い将来、必ず私たちは滅びる。それは阻止しなくてはいけない」

側近「だから人間に力を借りるんだよ。魔界は秩序を取り入れ、人間界は混沌と取り入れる」

側近「これが成功したならば、私たちは滅びることはなく、そして人間に殺される心配もなくなる」

側近「一石二鳥だろう」

勇者「そうっすね」



328 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:12:53.30 ID:+dzWyMwwo

側近「感情抜きでいえば、魔王様に協力する理由はこれだな」

勇者「意外にしっかりしている理由で驚きました」

側近「失礼な」

勇者「魔王様ラブなので協力しているものだと」

側近「殴るぞ」

勇者「そういわれながら今回は殴られない!!」

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中



329 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/09/01(木) 16:13:19.73 ID:+dzWyMwwo

側近「ということで今回の話し合いはこれで終わりだ」

勇者「うっすうっす」

側近「……今日も魔王様と一緒に寝るのか?」

勇者「当たり前です。今日も今日とてにゃんにゃんします」

側近「ふん、冗談だということはわかっている。好きにすればいいさ」

勇者「いいましたね。今、いいましたね」

側近「……魔王様がお前みたいな奴に身も心も差し出すわけがない」

勇者「wwwwwwwwww」



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[ 2012/02/27 23:06 ] 勇者「」or魔王「」 | TB(0) | CM(0)
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