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「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」3/10


「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」



169 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:37:28.55 ID:UMizhDZoo

勇者「……(やっぱたのしくねーわ)」

勇者「…………って、あれ、魔王?」

勇者「やっべ、なんか空みてたら魔王いなくなってたやっべ」

勇者「スライムたち魔王がどこにいったのかわかる?」

スライムs「「「zzz」」」

勇者「くそおおおおおおお!!! どうしてこのタイミングで寝てるんだよおおおおお!!!」

勇者「側近に怒られる! 絶対怒られる! 探さなきゃ!!」ダダダダッ







元スレ
「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」
[SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板]




170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:38:04.57 ID:UMizhDZoo

勇者「魔王――――!!」


勇者「魔王ぁあああぁぁぁ!!!」


勇者「巨乳うぅぅうううう!!!」


勇者「どこじゃあああぁぁぁー!!!」


勇者「巨乳はどこじゃあっぁぁぁぁあああ!!」


勇者「ころされたくないよおおおお!!!」

171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:38:36.83 ID:UMizhDZoo

魔王「あら~……? ここはどこでしょう」

魔王「小鳥さんを追いかけていたら、わけの分からないところについてしまうなんて」

魔王「どうしましょう。勇者さんに迷惑かかってしまうわ……」

魔王「あ、あそこに男の人がいらっしゃいますね」

魔王「すいません。勇者さんがどこにいるかご存知ですか?」



172 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:39:02.77 ID:UMizhDZoo

男「……へ? だれそれ」

魔王「あら~、ご存知ないのですね。すいません、忙しい中声などかけてしまって」

男「……ん~、いや、知ってるよ。勇者さんどこにいるか」

魔王「あら~、本当ですか? よろしければ案内していただけると助かります~」

男「何、姉ちゃん。誘ってるの?」

魔王「誘う? 何にですか?」


173 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:39:30.32 ID:UMizhDZoo

男「まぁいいや。へへ。ついておいでよ」

魔王「はいー、ご親切ありがとうござ……きゃっ! え、あ、ど、どうして肩をつかむんですか?」

男「へ? へへっ、そうしないと姉ちゃんどっかにいっちゃいそうじゃん」

魔王「そんなことは……、あ、や。だ、だめです。腰とかは……その……」

男「へへっ、勇者さんに会いたいんだろ。黙ってついてくりゃいいんだ。分かったか?」

魔王「は、はい……」

174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:39:57.42 ID:UMizhDZoo

魔王(ど、どうしましょう。どことなくこの人からは危ないものを感じます)

魔王(逃げるにしても……人間がどのくらいの強さで死んでしまうかわかりませんし……)

魔王(ここでこの人を殺してしまったら、計画が元も子もなくなってしまうわ……)

魔王(どうしましょう……。いっそのこと流れに身をまかせて……)

魔王(……もしかしたら、私の勘違いで、良い人なのかもしれないですし)

魔王(うぅ……勇者さん……)

勇者「まおうみつけたああぁぁああ!!」

魔王「きゃっ!?」

男「!?」

175 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:40:26.29 ID:UMizhDZoo

勇者「あれ、誰ですかそのチャラい男は。恋人っすか?」

魔王「あ、あの、勇者さんの居場所が、その、わかると、えっと、わかるらしいので、道案内を」

魔王「だから恋人とかじゃなくて、今さっき会った、ような……ので」

勇者(あ、これ、ヤられるフラグだったんじゃね? ギリギリセーフだったんじゃないこれ)

勇者「おいてめえ、何恋人みたいに魔王の腰つかんでんだよ。殴るぞ」



176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:40:54.17 ID:UMizhDZoo

男「へ、へへっ。嬢ちゃん、大人に対する口の利き方がなってねぇな。へへっ」

男「へへっ、大人のお兄さんとお姉さんは忙しいの。一発やったら相手してやるからそこどきな」

魔王 「ん! あ、ちょ、い、いや。む、胸はっ……さわらないで! ぁっ……ん」

勇者「全勇者が今怒りに震えた瞬間だった」


178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:41:28.30 ID:UMizhDZoo

勇者「ぶっちゃけマジギレだったわ」

男「」ピクピク……

魔王「ゆ、勇者さん、この男の人、だ、大丈夫ですか。死んでいませんか?」

勇者「大丈夫です、加減はしたので死んでいないと思います」

魔王「でも泡ふいてますよ?」

勇者「痴漢してきた男のことなんか心配しなくてもいいんですよ」


179 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:41:55.90 ID:UMizhDZoo

勇者「それより魔王大丈夫ですか?」

魔王「え?」

勇者「痴漢されて怖かったでしょう」

魔王「……は、はい」

勇者「もうされたくないですよね?」

魔王「はい……」

勇者「なら私の前から消えてないでください。分かりましたか?」

魔王「はい……ごめんなさい」

魔王(男の人は怖いのね。今度から気をつけないと……)シュン

勇者(側近にばれたらどうしよおおおおお!!! 絶対半殺しにされるよぉぉぉ!!)



180 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:42:24.47 ID:UMizhDZoo

勇者「よよよるるになりまひたね、側近しゃん」

側近「なんだ、そんなに震えて。盗賊が怖いのか? ん?」

勇者「盗賊より目の前の魔物が……」ボソッ

側近「今何かいったか?」

勇者「いえ!! 何も!! 頑張って盗賊退治しないといけないっすね!!」

側近「おお! いつにもなく燃えてるな!!」

魔王「……」

側近「魔王様はいつにもなく落ち込んでいますが、何があったんですか?」

魔王「いいえ、何も……」

側近(ま、魔王様が私に隠し事だと!?)ガーン

側近「……」

勇者「側近さんどうしたんですか、いきなり黙って」

側近「なんでもない」ショッボーン



181 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:42:51.80 ID:UMizhDZoo

スライム「盗賊が住んでいる洞穴についたよ」

スライム2「うわあ、入り口が機械でできてるんだね。かっこいいなあー」

スライム3「ぷるぷる、あれにはさまったら死んじゃうよね……」

勇者「見張りは二人か。ラリホーマで眠らせていくのはどうでしょうか?」

側近「わかった。私が眠らせよう」

側近「ラリホーマ!」

盗賊A「zzz……」

盗賊B「zzz……」

勇者「11レベルの勇者は見守ることしかできなかったぜ!!」



182 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:43:23.18 ID:UMizhDZoo

海賊のアジト

魔王「まっくらですね~」

勇者「そうですね~。スライムたち大丈夫? 足元みえてる?」

スライム「だいじょうぶだよ~」

勇者「よかった」

側近「……」ビクビク

勇者「あれ、側近さんどうしたんですか。私の服なんてつかんで」

側近「こ、これは、お前がはぐれないためだ」ビクビク

勇者「……なんかこういうところって幽霊とかでそうですよねwwww」

側近「……は、はは、何をばかなことを言っている」

勇者「でたーーー!!!!」

側近「にゃあぁ!?」

勇者「うそです」

側近「びびびびびっびっくりさせるな!!!!!」バシバシッ!



183 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:44:24.22 ID:UMizhDZoo

勇者「魔王は暗いところ大丈夫ですか」

魔王「zzz……」

勇者「大丈夫じゃなかった。どうしてこの人歩きながら寝れるんだよ」

側近「まままま、まおうさま、おきて! おきてください! ここ、こここ敵のアジトですよ!!」

魔王「あじさいはきれいですね……」

勇者「スライム魔王見守っててね」

スライム「わかったー、がんばるー」


184 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:44:49.64 ID:UMizhDZoo

勇者「最深部につきました」

カンダタ「誰だお前ら!!」

勇者「うわ、へんたいがいる。お前が盗賊の長ですか?」

カンダタ「いかにも。俺の名はカンダタ。大泥棒のカンダタだ!」

勇者「盗賊と泥棒って何が違うの?」

魔王「zzz……」


185 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:45:16.69 ID:UMizhDZoo

勇者「てかお前魔物だよね。図鑑でみたことある」

側近「魔物だと!? って、お前、カンダタか!! こんなところで何をやっている」

カンダタ「側近さん!? どうして人間と一緒に!?」

勇者「皆の魔王様もいるよ。寝てるけど」

魔王「zzz……」

カンダタ「!?」

カンダタ「えっ? えっ? なんで!?」

カンダタ「俺死ぬの!?」

勇者「たぶん」

カンダタ「うわぁー!! 魔王様お許しくださいー!!」

勇者「うわ、土下座したよこのへんたい」



186 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:45:43.95 ID:UMizhDZoo

魔王「zzz……。……あ、あら? あら、ここはどこでしょう?」

カンダタ「お許しください魔王様!! このカンダタ、なんでもしますのでどうか命だけはー!!」

魔王「あら、カンダタちゃんじゃない。どうしたの泣いたりして」

勇者「そいつなんですよ、盗賊」

魔王「あら~……。カンダタちゃん、人間さん達のお金取ったりしてたの?」

カンダタ「そうです。ごめんなさい! 出来心でやってしまったんです!!」

魔王「……そう。悪いことしちゃったのね」


187 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:46:53.38 ID:UMizhDZoo

魔王「ちょっとこっちにきなさい。ね?」グイ

カンダタ「ちょ、ま、魔王様おねが、ゆるひ、ひぃいいいいいい」ズリズリズリ

魔王「悪いことしたらおしおきですよ~。うふふ、っふふ。うふふっ……」

勇者「あんな巨体のへんたいが魔王に引きずられて泣いている」

勇者「しかも魔王は片腕でへんたい持っているよ」

側近「魔王様だからな」

勇者「ああ……魔王は魔王でしたね。すっかり忘れてました」


188 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:48:29.91 ID:UMizhDZoo

勇者「あーゆー女性は怒らせると怖いと聞いたんですが、なんとなくわかった気がします」

カンダタ「あが……が……」ピクピク

勇者「正直見た目グロくて吐きそうなんですけど。皮まではがす必要性あったんですか?」

魔王「カンダタちゃんは丈夫な男の子ですから、すぐに元気になりますよ」

魔王「ね? カンダタちゃん」

カンダタ「……は……ひぃ……」ピクピク

魔王「もう悪いことしちゃだめよ? 私と約束できる?」

カンダタ「は…………ぃ……も、ひ……ない……す。イギッ!」ボロボロ

勇者「うわ涙が傷口にあたっていたそう」



189 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:49:12.28 ID:UMizhDZoo

魔王「ちゃんと契約書も書かせましたので、もう大丈夫でしょう」

勇者「その契約書を町長に渡せば完璧ですね」

魔王「はい。お疲れ様でした~」

魔王「ふぁ~……。眠いですねぇ…………」

勇者(なんやかんらで魔王が一番働いたような気がするなあ……)

側近「暗闇は苦手だ……」ビクビク

勇者(一番働いていないのは私だがな!!!)


190 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:49:47.21 ID:UMizhDZoo

勇者「おはようございます、朝です」

魔王「おっはーです。勇者さん。はぁ~……」

勇者「どうしたんですか、首なんてさすって」

魔王「慣れないベッドで寝た所為か首が痛くなってしまって……」

勇者「立って寝れる人もベッドは気にするんですね」



191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:50:36.28 ID:UMizhDZoo

側近「それでは、魔王様と私は一足先に戻させてもらうな」

勇者「わかりました。明日の夜あたりにでも報告しに行きますね」

側近「ああ。それじゃあな」

魔王「勇者さん、スライムちゃんまた明日」

勇者「うぃーす」

勇者「……」

勇者「じゃ、町長とこいきますか」


192 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:51:04.87 ID:UMizhDZoo

町長「ほう……かわった契約書だねぇ……」

勇者「勇者の秘蔵アイテムのひとつです」

町長「勇者殿、本当に感謝します。まさか本当に一晩で解決してくださるとは……」

勇者「まぁ、余裕っすよ」ドヤッ

町長「本当にありがとう。君のような若者が増えてくれるとうれしいんだけどね」

勇者「ソウッスネwww あ、町長、ちゃんと約束は守ってくださいよ」

町長「ああ、わかっているよ。今日の夕刊の一面はこれで決まりだね」


193 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:51:34.28 ID:UMizhDZoo

勇者「ちゃんと私だけじゃなく、お供のスライムたちも活躍したと書いてくださいよ」

町長「ああ、わかっているよ」

スライム(ぼくたちなにもやってない……)

スライム2(ぷるぷるしてたことが活躍なのかなあ……)

スライム3(ぷるぷる……)

勇者「よっしゃ、町長失礼しました。これからも頑張ってくださいね」

町長「ああ、ありがとう」



194 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:52:01.17 ID:UMizhDZoo

宿

勇者「はぁ……スライムかわいいなぁ」プニプニ

スライム「えへへ、勇者さまに気に入ってもらってうれしいな」

勇者「スライムかわいいなぁ……うへへ」プニプニ

スライム2「勇者様そんなにぷにぷにすると、僕、生暖かくなっちゃうよー」

勇者「ヌッフッフフフwwwwww」プニプニ

スライム3「ぷるぷる……勇者さまがちょっとこわいよぉ……」



195 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:52:28.60 ID:UMizhDZoo

勇者「勇者はスライムで三時間すごしたのでとても機嫌がいいです」

スライム「……」

勇者「ただスライムたちは疲れたらしく無言モードにはいっちゃいました」

勇者「やりすぎちゃった☆」

勇者「そしてスライムたちよ。ちょっと話があるんだけど聞くだけきいて」

勇者「私、ちょーっと行きたいところあるから行ってくるんだけど君たち連れて行けないのよ」

勇者「だから元気でたらこのキメラの翼で一回魔界に帰ってもらえる? 本当ごめんね」

スライム「……」コクリ

勇者「ごめんね、本当ごめんええぇぁああぁぁぁああスライムかわいいよおおああぁあ!!」


196 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:53:10.60 ID:UMizhDZoo

勇者「もう夕方です。場所がわからなくて迷いました」

勇者「ちょっとそこの人、ここってゴルゴだかを信じている教会かい?」

信者「ええそうですよ」

勇者「そうですか。私興味があって、教皇にお会いすることってできますか?」

信者「えぇもちろん!! うれしいですねぇ、私たちの仲間がまた一人ふえるのですか!」

信者「しかし教皇様は忙しい身! 少々時間をいただきますがいいですよね!?」

勇者「はいはい」


197 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:53:36.96 ID:UMizhDZoo

教会内部

勇者「……」

勇者「…………」

勇者「……………………三時間たっても教皇がこない」

勇者(しっかしへんな女神像、というか女神かこれ)

勇者(天使の羽というより竜の羽っぽいし……気持ち悪いな)

勇者(うぅ……こんなところに長時間いたら頭が狂いそうだ)



198 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:54:09.56 ID:UMizhDZoo

教皇「いやはや、お待たせしましたね。勇者様」

勇者(五時間たってやっときたわ~)

勇者「いえ、こちらこそ突然お邪魔してすいませんなぁ」

教皇「いえいえ魔王の手から世界を救う勇者様がわざわざ来てくださったんだ。うれしいかぎりですよ」

勇者「……」

勇者「んで、あんたに聞きたいことがあってきたんだけどさ」

教皇「はい?」

勇者「あんた、父さんの仲間だった賢者さんだよね?」



199 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:54:51.73 ID:UMizhDZoo

――

勇者『さっき王様と話していて、神様がなんちゃら、といっていたんですがなんの神様でしょう』

兵士『あぁ、はい。あれですね。あまり私も詳しくはないんですが、構いませんか?』

勇者『はい、いいっすよ。できれば場所とかも教えてもらえると助かります』

兵士『わかりました。勇者殿は地図を持っていますか?』

勇者『はい一応。マークつけてくれるだけでいいんで』

兵士『わかりました。えぇと、ですね、あの神様は、確かゴル……。すいません、忘れてしまいました』

兵士『全能の神とか呼ばれていた気がします』

兵士『確か教皇は、かつてあなたのお父上と一緒に魔王を倒した賢者さんだと聞きますが』

勇者『……は?』

勇者『え、な、なんですか。賢者さんが、魔物が悪だといってまわってるんですか!?』

兵士『は、はい、ま、まあ、話だけ聞けばそうなんじゃないですか?』

勇者(でも、賢者さんは父さんの話だと魔王も魔物も人間に攻撃しないことは知っているんじゃないのか……)

勇者(そしていつかは父か私が魔王に協力をしなくてはいけないことも)

勇者(なのに……いったいどうして、そんなことを?)

兵士『―― ということです。場所は、ここですね。母がよくいっているので』

勇者『そうですか。ありがとうございます。とても参考になりました』

兵士『いえ。それでは私はこれで』

勇者『ありがとうございました』ペコリ

勇者『……』

勇者『……ま、たぶん、なんとかなるっしょ』


200 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:55:40.47 ID:UMizhDZoo

――

教皇「……ええ、そうですね。私もそう呼ばれている時代がありました」

勇者「賢者さん、ちょっと聞いてほしい話があるんです」

教皇「はい、なんでしょうか?」

勇者「父さんったら、いきなり魔王を助けろ、なんていうんです」

教皇「ほう」

勇者「おかしいとおもいませんかwwww魔王を助けろですってwwwww」

勇者「なんで賢者さんに助けを求めにきたんですよwwwww」

教皇「そうですか。そういえば、あれから30年たちましたね」

勇者「あれから? なんかあったんすか?」

教皇「えぇ、あなたのお父さんが50年、魔物が人間を襲わなかったら魔王の手下になるという約束をしてから30年がたちましてね」

勇者「30年じゃまだ余裕あるじゃないですかwwww」

教皇「契約書に魔王が間違えて30年とかいてしまったらしく、君のお父さんはそれに同意してしまったのだよ」

勇者(魔王らしいな~……)

201 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:56:10.25 ID:UMizhDZoo

勇者「私どうすればいいですかねwwww 父親見殺しフラグしか立ってないんですけど」

教皇「あぁ……それなら大丈夫ですよ。いい方法があります」

勇者「なんすかwwww」

教皇「魔王を殺しなさい」

勇者「は?」



202 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:57:25.97 ID:UMizhDZoo

教皇「私も私なりに契約書のことを調べてみたんですが、あれは契約書を書いた人物が倒される、死亡すると無効になるらしいですよ」

教皇「だから魔王を倒せばいいんです。あいつさえ殺せれば……全部が丸く……なるんですよ。ふふふ……」

勇者「そうっすかwwwwでも私レベル低いんで。低いんで、最初の内は魔王に従おうと思うんですよwwww」

勇者「あまり殺すまで時間かけすぎると父さんも死にますしねwwwww」

教皇「あぁ……確かに不本意ですが、そのほうがよいでしょうな」

勇者(うそでもいうのがつらいです)



203 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:58:27.22 ID:UMizhDZoo

勇者「それで功績あげないと魔王の部下がめっちゃこわいんすよwwww」

勇者「賢者さん、力かしてくれませんか?」

勇者「フリでいいんです。少しでも魔物と人間が近づけばいいんです」

勇者「そういう風に演出すること、教皇である賢者さんならできますよね?」

勇者「父親の命がかかってるんです。力をかしてください」ペコリ

教皇「頭をあげてください。私たちは勇者の仲間です。勇者様がそうおっしゃるのなら力を貸しましょう」



204 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:59:04.75 ID:UMizhDZoo

教皇「ただ、その代わり……」

教皇「必ずや魔王を、魔物を、倒してください。一匹残らず、すべて」

教皇「そうすれば、この世は、平和に、平和ふふ……」

勇者(この人、こんな不気味な人だっけ……?)

勇者「わかりましたwwww絶対倒しますわwwwww」


205 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 17:59:34.02 ID:UMizhDZoo

勇者「父さん、勇者は帰宅しました」

勇者父「おー、おかえり。疲れたような顔しているが大丈夫か?」

勇者「うーん、そうだなあ。父さん、ちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」

勇者父「おうなんだ?」

勇者「賢者さんのことなんだけど」

勇者父「賢者? 懐かしい名前がでてきたなあー」

勇者「名前というよりジョブ名ですけどね」


206 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:00:04.82 ID:UMizhDZoo

勇者「それで賢者さんってどんな人だったの?」

勇者父「一言でいえば真面目なやつだった」

勇者「何か魔物を憎むような裏設定とかねーの?」

勇者父「……う~ん……。あると思うから、今考える」

勇者「今から考えるんですか」



207 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:00:37.80 ID:UMizhDZoo

勇者父「考えたけど思いつかなかった」

勇者「それを話されても困るのでこちらとしては好都合だね」

勇者父「真面目で、賢者モードっていうと怒って、いいやつだったよ」

勇者「それにかわいかったっすよねwww」

勇者父「そうそうwww当時の写真みたらやばかったwww」

勇者「どうして結婚しなかったのか、実に不思議である」

勇者父「あの頃は駄目だったんです」



208 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:01:11.22 ID:UMizhDZoo

勇者「父さんにも駄目なタイプがあったんだね」

勇者父「あの頃は若かったので、受け付けられないものは本気で受け付けられなかった」

勇者「僧侶さんと結婚しなかったわけは?」

勇者父「夜中にわら人形作っていたとき、やめようとおもいました」

勇者「僧侶さんにそんな趣味があったなんて……」

勇者父「でもどうしていきなり賢者のこと聞いたんだ?」

勇者「実はですね――」



209 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:01:48.75 ID:UMizhDZoo

勇者父「そんなことが……。あいつになにがあったというのか」

勇者「この30年間。人を変えるのには充分すぎる時間だったということか」キリッ

勇者父「勇者も忙しいだろうから、俺が調べてやるよ」キリッ

勇者「父さんありがとう。これでGTAやる時間が増えるよ……」

勇者父「やっぱやめようかな」



210 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:02:49.95 ID:UMizhDZoo

勇者父「お前、明日になったらまた出かけるんだよな?」

勇者「うん、そうだよ」

勇者父「なら俺も明日から調べてやんよ」

勇者「ほう」

勇者父「だからしばらく家に帰ってきても、俺はいないぞ」

勇者「なら魔王とお布団の中でにゃんにゃんすることにするね」

勇者父「俺も混ぜろよ」

勇者「寝言は寝ていえよ」



211 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saeg saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:03:27.24 ID:UMizhDZoo

勇者「朝になりました。久々の自宅はいいものですな」

勇者父「お父さん知ってるよ、寝ないでGTAやってたってこと」

勇者「Civilizationにはまるよりは健全だとおもっている」

勇者父「よくわからないゲームにはまる娘をみているとお父さんは心配で仕方ありません」

勇者「よくわからないエロ本にはまる父親をみて育つとこうなるんですよ父さん」

勇者父「ぬぐぐ……」


212 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:03:59.18 ID:UMizhDZoo

勇者「それじゃ、父さん。お願いするね」

勇者父「おう、まかせとけ。こういえても100レベルなんだから、一人でなんでもできるぞー!」

勇者「うん、じゃ、私は魔王とにゃんちゃんちゅちゅしてくるので」

勇者「父さんは一人で頑張ってください」

勇者父「勇者さん、かわってもらってもいいっすか?」

勇者「だが断る」ヒュン

勇者父「あ、いっちゃった……」

勇者父「よっし、俺もいっちょ仲間から探すかな!!」


213 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:05:49.65 ID:UMizhDZoo

勇者父√

――

勇者父「こういう時に頼れるのは男という相場が決まっている」

戦士「だから俺のところにきたのか」

勇者父「すまん、忙しいとは思うがまた一緒に世界を救ってくれ」

戦士「かまわんよ」

勇者父「いいのか。仕事とかないのか?」

戦士「先日カミさんに逃げられて剣以外残っていないんだ」

勇者父「うわぁ……、お前なにしたの?」

戦士「浮気」

勇者父「ババアのカミさんよりも若い女を選んだかこいつwwwww」

戦士「男なら普通のことだろwwwwwっうぇっうぇwww」


214 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:06:18.85 ID:UMizhDZoo

戦士「確かお前って魔王に呪いか何かかけられてなかったっけ」

勇者父「それは勇者が頑張って解いてくれている」

戦士「おお、ならそれは問題にしなくてもいいな。ところで世界つっても今更何を救うんだ?」

勇者父「どうやら賢者が変な宗教つくって俺つえーやっているらしい」

戦士「昔から厨二病っぽいと思ってたが、そこまで悪化してたとは……」





215 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:06:56.30 ID:UMizhDZoo

勇者父「ということで俺達がその宗教を潰す」

戦士「魔王ちゃんと勇者ちゃんたちはなにしてんの?」

勇者父「魔物のイメージをアップさせるとか言っていたな」

戦士「そういや俺の町にも魔物来てトイレ掃除してたな」

勇者父「トイレ掃除とかwwwww地味すぎるwwwwww」



216 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:07:23.56 ID:UMizhDZoo

戦士「あと一年ぐらい頑張れば結構いい線いくかもよwwww」

勇者父「よっし、俺たちもいいことするときはモシャスで魔物になってからやろうぜ」

戦士「斬新なアイディア。知り合いの雑誌のライターやっている友達にそれ勧めとくわ」

勇者父「モシャスで魔物になるのが今時のかわいい!! モテ☆かわ魔物スタイルで彼氏のハートをギガデインにしちゃお☆」

勇者父「がはやるってことですねwwww」

戦士「やばいwwwそれやばいwww」



217 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:08:05.97 ID:UMizhDZoo

勇者父「でも実際、賢者のとこいくのは一年後くらいにしようぜ」

戦士「なにその一年後に本気出すみたいなwwwww」

勇者父「いやwwww魔物が一般化したら、魔物嫌いな宗教とか今より権力落ちるかもしれないからさwwww」

勇者父「あまり大きな権力に喧嘩うったら、お先真っ暗でござるよ」

戦士「それもそうだな」

勇者父「ということでこの一年間は情報収集と、魔物観察と人間観察メインで」

戦士「後半勇者がする仕事じゃねーよwwww」


218 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:08:33.80 ID:UMizhDZoo

――

僧侶「……おはようございます、僧侶です」

僧侶「今日も勇者様のところにいってお話したいなあ」

僧侶「……どうして私、僧侶なんて選んじゃったんだろ」

僧侶「この歳まで独身だなんて……。ぐすん……勇者様と結婚したかったのになぁ……」

僧侶「おはようございます、神様。どうか人間にとっても魔物にとっても今日が良い一日になりますように」

僧侶「……」

僧侶「そういえば賢者さんが変な宗教つくって、もう20年かぁ……」

僧侶「どうして賢者さんは魔物を殺したがるんだろう」



219 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:09:00.91 ID:UMizhDZoo

僧侶「それに勇者様の奥さんのことだって……」

僧侶「……」

僧侶「もう昔の事だし、考えても仕方ないよね」

僧侶「勇者ちゃんが頑張ってくれるし、別にいいよね」

僧侶「うん、勇者様のところへいこっと」


220 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:09:32.78 ID:UMizhDZoo

僧侶「ごめんくださーい、僧侶ですけど、勇者様いますかー?」トントン

僧侶「……」

僧侶「…………いないや」

僧侶「どこにいったんだろう。いつもならいるはずなのに」

僧侶「……勇者様」

僧侶「…………かえろ」クルッ


221 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:10:01.27 ID:UMizhDZoo

僧侶「いたっ……」ゴツッ

僧侶「あれ、ドアの前に壁なんてあったっけ……」

魔物「オ、イタイタwwwwホントオイシソウッスネwwwww」

僧侶「ひっ。ま、魔物!? ど、どうしてこんなところに」

魔物「オレジュクジョモエナンスヨwwwwwwチョットイタダキマスネwwwwww」

僧侶「い、ひ……いやっあ!! こないで!! こな――――……」

魔物「ウメェェエエエエエ!!」バリバリ

僧侶「」

魔物「ケイケンチウメェエエエ!!マオウサマノwwwwイウコトハwwwwホントアタリスギテwwwwコワイワー!!!」

魔物「ティヒヒwwwww」



僧侶「」


222 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:10:28.84 ID:UMizhDZoo

――


勇者父「あれから三ヶ月たったんですが、恐ろしいニュースが流れています」

戦士「おおおお、おい、ちょっと、魔物がまた人襲いだしたとかどういうことだよ」

勇者父「これは直接話を聞くしかないな」

戦士「折角もて☆かわ魔物がはやってんのによー!! 魔王ちゃんなんちゅーことしてくれたんだよー!!」



223 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:10:57.26 ID:UMizhDZoo

勇者父「ということで何十年ぶりの魔王城です」

戦士「ルーラで余裕でしたな」

魔王「そこにいらっしゃいますのは、勇者様!? あら~、お久しぶりです~」

勇者父「5秒もたたずに魔王に会うとか大丈夫なのか魔界は」

戦士「巨乳やっべwwwwかわいいままじゃんwwwww結婚してくれwwww」

魔王「ひぃ……」

勇者父「そういうとこお前は変わらないな」


224 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:11:23.19 ID:UMizhDZoo

勇者父「それでこのへんたいは放っておいて、あれは一体どういうことなんだ」

魔王「……アレ、とは魔物が人間を襲ったことについて、でしょうか」

勇者父「あぁ。1.2件なら仕方ないことかもしれんが、被害を受けた人間は三桁だぞ」

魔王「……勇者様、この一週間あなたは私たちの為に何か動きましたか?」

勇者父「話をはぐらかすな」

魔王「いいえ、はぐらかしていません。答えてください」

225 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:11:49.57 ID:UMizhDZoo

勇者父「そうだなあ、一応動いてたよ。情報を集めたぐらいだけど」

魔王「そう……ですか」

魔王「……」

勇者父「どうしたんだ黙り込んで」

戦士「生理でもきたんですか?wwwwww」

勇者父「この空気を壊すのうまいなお前」



226 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:12:31.71 ID:UMizhDZoo

魔王「えぇ、とあまり言いにくいのですが~……人間を襲っているのは魔物ではありません」

勇者父「……は? いや、あれは魔物だろ。Youtubeで動画みたけどどうみても魔物だった」

魔王「ええ、そうなんです。あれは魔物なんですけど、魔物じゃないんです」

勇者父「わけがわからないよ!」

側近「それではそれについては私から説明しましょう」

戦士「貧乳には興味ないなあ」

側近「こいつ殴ってもいいですか?」

勇者父「かまわんよ」



227 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:13:08.49 ID:UMizhDZoo

戦士「本当に殴られるとは」

勇者父「それで側近よ、どういうことだ」

側近「はい。勇者殿はこの契約書で命を握られていることは知っていますよね?」

勇者父「そりゃな」

側近「契約内容は、30年間(呪い自体は10年前から発生します)魔物が人を殺さなかった場合、いかなることがあろうとも勇者は魔王様が「よし」というまで協力しなければならない」

側近「また勇者協力期間に魔物が人を殺した場合はこの契約書は自動的に消滅する」

側近「そういったものです」

勇者父「あ~、だから、だんだん身体が動かなくなったのか~……」

戦士「今更気づくとかwwwwないわwwwww」

228 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:13:36.03 ID:UMizhDZoo

側近「おかしくはありませんか?」

勇者父「え、なにが」

側近「勇者殿、最後の自動的に、のところもう一度読んでください」

側近「もし魔物が人を殺したのであれば、この契約書は消えるはずなのです」

勇者父「……じゃ、あれはなんだ?」

戦士「モテカワ魔物スタイルがはやりすぎて人間が魔物になったんじゃねwwwww」



229 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:14:31.82 ID:UMizhDZoo

魔王「あら~、すごいです、戦士様!」

魔王「勇者さん風にいうと、その発想はなかった、というものですね」

側近「確かにその可能性はないとは言い切れません」

魔王「ええ、そうね~。確か、えーと、古代の呪文を使えば可能だと父が話してましたね」

勇者父「へぇ、すごいなあ」


230 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:15:12.09 ID:UMizhDZoo

側近「しかしその“もぉてかわまものすたいる”の所為で魔物になったとは考えられません」

戦士「どうしたの貧乳ちゃん!」

側近「……」ピクピク

側近「それで魔物になった人間は、多少なりとも魔物が好きな人間なのでしょう」

側近「人間界では報道されないと思いますが、そいつらによって私たち魔物も被害を受けているんです」

魔王「通算で約7400名の魔物が被害を受けていますね……」


231 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:15:42.47 ID:UMizhDZoo

戦士「人間より被害が大きいね」

魔王「ええ……、その魔物みたいなものから逃げられた魔物の発言などで人間と魔物、同じ所に同じようにいたら先に魔物を襲うことも分かりました」

側近「それにより、自称勇者が魔物を襲う数も以前よりまし、魔界にも何匹もの人間が入ってきました」

側近「すべて眠らせて外に投げ捨てておきましたが……」

魔王「せっかく魔物が良いイメージになったところにこれですからね~」

魔王「わたしは誰かのいたずらだと……思っているんですけど……」

戦士「めっちゃ規模のでかいいたずらっすねwwww 俺だったら魔王ちゃんのあんなところやこんなところをいたずらしますよwwww」

魔王「……うぅ……。やめてください~、そういう目ではあまりみられたくないです~……」


232 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:16:09.43 ID:UMizhDZoo

魔王「えぇと、とにかく私たちはその魔物っぽいものをなんとかしなきゃいけないです」

勇者父「まぁ、そうなるね。何か対策でもあるの?」

側近「対策、というか、原因の元ではないかというものは発見しました」

勇者父「はやいな」

戦士「魔王軍つえ~」

側近「あなた方の仲間が教皇やっているらしい宗教団体ですよ」

戦士「やべぇwww超身内じゃんwwwwww」


233 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:16:38.51 ID:UMizhDZoo

勇者父「根拠は?」

側近「先日やつらの本拠地から出発する車を追跡したのですが、とある地点につくといきなり中から魔物がでてきたんです」

勇者父「なにそれまじカルトじゃん」

戦士「そんなに賢者のやつ、俺つえーしたいのかよwwwwないわーwwwww」

魔王「えぇ、と、あと、彼らが大好きな神様のことも調べてみたんですが~」

魔王「ちょっと、意外なことが分かったんです~」


234 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:17:06.84 ID:UMizhDZoo

魔王「勇者さんがゴルゴゴルゴいうので、殺し屋か何かとおもったんですけど~」

魔王「どうやらオルゴ・デミーラのことだったみたいなんです」

勇者父「だれそれ、魔王の親戚か何か?」

魔王「んー、そうですね。そうともいえるかもしれませんね~」

魔王「父がいっていたことなんですけど、以前はここに住んでいた魔王だったみたいですよ」

魔王「ただ、何かが原因で別次元にいってしまったみたいです」

魔王「奥さんと喧嘩でもしたんですかね~、ふふっ」

勇者父「そんな理由で別次元いってもらっても困るわ」



235 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:17:38.22 ID:UMizhDZoo

戦士「つまりその魔王が何かしらの理由でこっちに戻ってきて、それを奴らは知ってか知らずか崇めて、魔物を排出しているってこと?」

魔王「あ、はい。そういうことになりますね~……」

側近「違う魔王の下で働いている魔物は契約書にとってはノーカウントなのでしょう」

戦士「カウントされても困るけどねwwwwww」

勇者父「確かにそうだwwwww」


236 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:18:11.10 ID:UMizhDZoo

側近「奴らは私たち魔物や魔王様を皆殺し、乗っ取るつもりなのでしょう」

戦士「迷惑極まりないなwwwww」

側近「そこで勇者殿にお願いがあります。オルゴ・デミーラをぶち殺してくれませんか?」

勇者父「君は率直にものを言うね」

戦士「別にいいんじゃないwwwww俺たち殺しには慣れてるんじゃんwwwww」

戦士「そろそろ賢者も賢者モードになって貰わないと困るしな」



237 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage saga]投稿日:2011/08/31(水) 18:18:39.16 ID:UMizhDZoo

側近「私たちは自称勇者どもの相手をしなくてはいけません」

魔王「そうね~……。オルゴさんは一度みてみたいけれど、攻められている状況で、違うものを攻めるのは大変ですしねぇ~……」

魔王「勇者様、お願いできますか?」

勇者父「ええ、勿論。人間を殺す魔物は絶対許せないし」

戦士「そうそう。俺たちもう高齢だけどやるときはやるんですーwww」

勇者父「つーか、これからっしょ」

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