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「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」9/10


「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」



684 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:30:22.07 ID:KkLQMQHso

魔王城


魔王「勇者さん達、大丈夫でしょうか……」

後見人「キメラ、人間界の様子はどうだ?」

キメラ「私が偵察してた時はいつもとあまり変わりませんでしたねー」

キメラ「今もキメラ達が監視しているので怪しい動きがあったら連絡を――」

勇者「うあああぁああああああああっああ!」

勇者父「息できねええええええええ!!」

キメラ「!?」






元スレ
「魔王を助けてやってくれ」勇者「え?」
[SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板]




685 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:33:15.19 ID:KkLQMQHso

魔王「あら~、勇者さん。おかえりなさい~」

勇者「はぁ……はぁ……た、ただいま……でごわす……」

勇者父「しぬかとおもった」

魔王「あら、そらとぶくつでここまできたの? すごいわね~」

勇者「あ、あれって、ルーラとちがって……スピードが……はぁ……うぅ……」

魔王「あら~、大丈夫? 吐きそう?」

勇者「だ、大丈夫です……」

勇者父「俺は限界です、おろろ」



686 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:37:46.35 ID:KkLQMQHso

勇者「もらいげろした」

魔王「勇者さん、大丈夫ですか……?」ナデナデ

勇者「背中なでなできもちいれす」

後見人「……」ナデナデ

勇者父「男に背中なでなで……き、きもち……い……です」

後見人「無理に言わなくていいんですよ」



687 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:43:59.34 ID:KkLQMQHso

後見人「それで……どうでしたか?」

勇者父「あぁ……」

勇者「なんだかよくわからないけど、かくかくじかじかでごわす」

魔王「まぁ……。王様がそんなことを?」

後見人「気がおかしくなってしまったのでしょうか」

魔王「さぁー、どうでしょう。ただ、どんなに歪んでも賢者様が彼にとっての正義なのでしょうね~」

勇者「I love you と書いて、あなたこそが我の正義と読みます」




688 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:48:23.41 ID:KkLQMQHso

魔王「ほかの勇者方はどうなったんでしょうか~?」

勇者「さぁ……。一応は勇者なんですし、逃げ切る人が多いんじゃないですか」

勇者父「だが勇者の仲間は結構捕まっていたな」

勇者「あとで公開処刑とかなったりして」

後見人「話を聞く限り、ありえない話ではないですね」



689 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:55:05.63 ID:KkLQMQHso

魔王「でも、そんなことしたら、暴動が起きてしまいます~」

後見人「それも覚悟の上なのか……、それともそれすら分かっていないのか……」

勇者「たぶん後者じゃないですか。あの王に冷静な判断ができるとは思えません」

勇者父「同感だな。魔王よ、そこでひとつ話がある」

魔王「はい、なんでしょう?」



690 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 22:58:42.76 ID:KkLQMQHso

勇者父「少しだけでいい。勇者と俺達を解放してはくれないか?」

魔王「……といいますと?」

勇者父「仮にこれで内戦になってしまったら、そちらとしても困るだろう?」

勇者父「だから俺達で内戦を止める」

勇者父「それまで、魔物の好感度アップアップ作戦はお休みさせてもらえないだろうか」



691 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:02:09.87 ID:KkLQMQHso

魔王「それは構いませんけれど、契約書が許してくれるかどうか~……」

勇者「私を置いて話を進めないでもらえるかな。もし契約書からNG出たら、私が魔物の好感度アップアップ作戦を進めるよ」

魔王「それだったら大丈夫ですね~」

勇者父「勇者に負担かけてしまうことになるのだが、お前はそれでいいのか?」

勇者「大丈夫なんじゃない? やってみないことにはわかりませんえん」



692 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:05:27.92 ID:KkLQMQHso

魔王「しかし、どうやってとめるんですか~?」

勇者父「俺は、そうだな。王に近づいてみたいと思う」

勇者「それって大丈夫なの? 父さん、元勇者じゃん。捕まるかもよ」

勇者父「こういうときに便利なのはアイテムと相場が決まっている」

勇者父「へんげのつえ~」

勇者「似てないね」



693 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:07:47.51 ID:KkLQMQHso

魔王「あら~、元ネタがわからないわ~」

勇者「なん……だと……! 青狸を知らない人がいるとはっ!!」

後見人「魔王様はNHK以外のアニメはみてはいけない、とエスターク様に言われているんですよ」

勇者「マインちゃんがぎりぎりか……」

魔王「あら~」



694 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:10:33.83 ID:KkLQMQHso

勇者父「ということで、このへんげのつえで何かに変身して王を止める役をやります」

勇者「賢者さんには変身できないの?」

勇者父「俺がやった中では、魔物とか商人とかにはなれるけど、特定の人物にはなれなかったよ」

勇者「惜しいなぁ……」

勇者父「でも使いようはあるさ。んで、戦士と僧侶、そして勇者。お前は勇者もどき側をなんとかしてくれ」



695 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:12:57.28 ID:KkLQMQHso

勇者「うーん、王のほうにまわされるより楽そうだね」

勇者父「王はともかくとして、もどき達は何をするかわからない」

勇者父「暴動を起こすかもしれないし、腹いせに魔物を殺しまくるかもしれない」

勇者父「適度に抑えつつ、やらせつつ、気の高ぶりをとるんだぞ」

勇者「楽でもなかったわー。むしろ大変な分野だわー」

魔王「……」



696 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:13:23.79 ID:KkLQMQHso

勇者父「戦士達には俺から話しておこう」

勇者「うまくできるかなあ」

勇者父「戦士はアレだが、僧侶は頼りになるだろう。無理だとおもったら大人に頼って僕と一緒に内戦を止めようよ!!」

勇者「何かのアニメであったような……」



697 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:13:50.19 ID:KkLQMQHso

後見人「勇者殿、魔物の助けはいりますでしょうか?」

勇者父「それは……たぶん大丈夫だと思う。むしろ魔物が関わってきたらどえらい騒ぎに」

後見人「わかりました。では我々魔物はおとなしくしていましょう」

魔王「そう、ですね~……」

魔王(でも黙って静観していろというのも、良いことなのでしょうか~……)

魔王(人間さんたちが困っているのに、魔物が知らん振りというのも~)



698 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:15:29.38 ID:KkLQMQHso

勇者父「ということで、今日の夜から活動していきましょう」

勇者「明日からとかじゃないの? どうして今日からなの?」

勇者父「夜のほうが忍びやすいかなって。明日になったらどっちも警戒するだろうし」

勇者「うげー、徹夜フラグきたわー」

勇者父「人間の平和を守るのも勇者の仕事ですよ」

勇者「ブラックすぎるわー。就職情報で堂々の一位取れるレベルだわー」



699 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:17:26.93 ID:KkLQMQHso

勇者父「夜まで寝てればいいのよさ。起こしてやるから」

魔王「あ、そうですね。勇者様も寝てください。時間を指定してくださったら私が起こしますよ~」

勇者父「結婚ほやほやの若妻っぽく「も~あなた、朝よ。はやく起きなきゃだぁめ」とかいって起こしてくれるんですか?」

魔王「あ、あら、ぜ、善処します~……」

勇者父「ちっ……」

勇者「調子にのるな、ということですよ」



700 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:22:17.28 ID:KkLQMQHso

勇者「おはようございます、夜です。完全に昼夜逆転です」

魔王「おはようございます、勇者さん。がんばってくださいね~」

戦士「夜こそ俺のバトルステージだぜ!!」

僧侶「もう若くないんだから、無理はしないほうがいいとおもうんだけどな……」

勇者父「ということで、魔王。どのくらいかかるかわからないけど、俺達はいったん失礼するぜ」



701 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:23:15.18 ID:KkLQMQHso

魔王「えぇ……。人間さんの平和をお願いします~」

勇者父「うっす! か~ら~の~ ルーラ!!」ビュン!!

魔王「……」

魔王「いって、しまいましたね」

後見人「寂しいですか?」

魔王「えぇ、少し……」



702 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:25:43.90 ID:KkLQMQHso

魔王「後見人さん、少しお話があるんですけれど、いいでしょうか~?」

後見人「それが魔王様の望みでしたら」

魔王「私は人間界に行こうと思っているんです~」

後見人「それは、どうしてでしょうか?」

魔王「黙って人間さん達同士の戦争をみていられません~」

魔王「それに私は今度こそ人間さんを信じきりたいです」

後見人「信じきりたい?」



703 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:26:10.66 ID:KkLQMQHso

魔王「私は、きっと心の底から人間さんを信じられなかったんです」

魔王「その所為であんな選択を選ぼうとしてしまった」

魔王「……勇者様や勇者さんにいわれてそう気づいたんです」

魔王「だから今度は、今度こそ、私は心の底から人間さんを信じます。信じています」



704 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:28:44.05 ID:KkLQMQHso

魔王「その大好きな人間さん達が……戦争をするのは私には耐え切れません」

魔王「だから私は私のやり方で戦争をとめようと思っているんです~」

後見人「しかしそれはあまりにも危険すぎます」

魔王「大丈夫よ~、確かに人間さん達の中には痴漢したり、悪いことをしようとする人もたくさんいますが」

魔王「みんな、幸せになるためにやっているんですもの。きっと分かり合えるわ~」



705 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:30:14.64 ID:KkLQMQHso

後見人「あなたの考えは危険すぎます」

後見人「あなたが死んでしまったら、私達魔物は路頭に迷ってしまいます」

後見人「それを承知で、人間界に行こうと決心なされたのですか?」

魔王「えぇ。……ふふっ、大丈夫よ。そんな悲しそうな顔しないで」

魔王「人間さんも大切だけれど、それ以上に私は魔物が大好きで、大切よ~」

魔王「絶対に無茶だけはしないわ~」



706 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:32:05.30 ID:KkLQMQHso

後見人「そうですか……」

後見人「わかりました。政務のほうは私にお任せください」

後見人「魔王様は魔王様のやり方で、夢をかなえてください」

魔王「……ありがとう」

魔王「それなら、まずお休みすることにしますね」

魔王「もう、私眠くて~……」コクリコクリ……



707 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/07(水) 23:34:41.43 ID:KkLQMQHso

後見人「はい、分かりました。部屋までお運びしましょう」

魔王「ごめんなさい。よろしくおねがいしまぁ~……zzz……」

後見人「魔王様、立ちながら寝てはいけませんよ」

魔王「……zzz……」

後見人「……本当に、任せても大丈夫だろうか……」


720 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:17:43.60 ID:HOmogL6Wo

勇者「朝です。やっぱり徹夜でした」

勇者もどき1「俺はゆるせねぇ、前々からあのバカ王嫌いだったんだ」

勇者もどき2「あぁ、俺もだぜ。人を使い捨ての何かを勘違いしてるんじゃねーのか」

勇者もどき3「くっそ!! 仲間もみんなやられちまったし……」

勇者「まぁ、まぁ、落ち着いてください。そんな怒っても仲間は返ってきませんよ」



721 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:18:16.43 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき1「そうだ、俺たちはなんとか逃げられたが、魔法使いは……!」

勇者もどき2「とりかえしにいかなければ、殺されてしまうかもしれない」

勇者もどき3「冗談でもそういうことはいうな!」



722 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:18:45.87 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき1「いや……、あの王のことだ。もしかすると……」

勇者「なんだかやばい流れになってきてるわ」

戦士「難しくてついていけない」

僧侶「たくさん男の人がいて怖いです……」



723 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:19:21.55 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき2「なら取り返しに、それだけじゃない!! あの王をぶっ殺そうぜ」

勇者「いやちょっと待ってくださいよ。そんなことしたっt」

勇者もどき1「それはいい考えだ!! あんな奴王でいる資格などない!!」

勇者もどき共「「「おおおおお!!!」」」

勇者「あかん、これあかんわ」



724 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:19:56.18 ID:HOmogL6Wo

勇者「だから落ち着いてくださいってば」

勇者もどき1「落ち着いてられるか!! 仲間が死ぬかもしれないんだぞ!!」

勇者「お気持ちはわかりますが、王と戦争などしても何もなりませんよ」

勇者「そもそも王を殺したら、次に誰が王になるんです?」



725 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:20:25.37 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき2「んなしらねーよ!! 俺はただ王をぶっ殺したいだけだ!!」

勇者もどき1「そうだそうだ!!」

勇者もどき3「女はひっこんでろ!!!」

勇者「あかん、こいつらアホや。小卒にアホいわれるほどアホや」



726 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:20:53.26 ID:HOmogL6Wo

勇者「だめだ、あいつら。三日間説得しても首を縦にふらねぇ」

僧侶「妙に一体感あるもんね……」

戦士「すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を」

勇者「風……なんだろう吹いていない確実に、着実に、俺たちのほうには」

僧侶「え、えと、私その元ネタはわからないなぁ」ワタワタ



727 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:21:20.18 ID:HOmogL6Wo

勇者「しかしどうしましょうか。このままじゃ確実に内戦ですよ」

僧侶「そうだね……。勇者様のほうはどうなんだろう」

戦士「音沙汰なしってことは、あまりイクナイってことだろうな」

勇者「う~ん……」



728 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:22:12.97 ID:HOmogL6Wo


ワイワイ
      ガヤガヤ


勇者「どうでもいいけど、なんかもどき達のスクツ騒がしくないですか?」

僧侶「スクツ、って巣窟のこと? 読み方そうくつだよ」

戦士「僧侶の純粋さに泣ける。気になるしいってみっか」

勇者「なんかめっちゃいやな予感するよこれ」



729 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:22:47.48 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき1「今日こそ決戦の日だ!! 今すぐ乗り込むぞ!!」

勇者「うおーーい!! マジでいやな予感あたっちまったよー」

勇者もどき2「もどき共!! さあいくぞ!! 風は俺たちに吹いてきてる!!」

戦士「中途半端でいいから! とにかく最後までやらなくていいから!! 流されてくれ!!」



730 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:23:14.50 ID:HOmogL6Wo

勇者「そうだそうだ!!」

勇者もどき1「黙れ筋肉と雌豚がっ!! 女の意見なんてきいてられるか!!」

??「あら~、だめですよ。そんな汚い言葉いっちゃ」

勇者「!?」



731 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:23:47.60 ID:HOmogL6Wo

魔王「ほぅら、落ち着いてください。まずは深呼吸ですよ~」

勇者もどき1「えっ、あなた誰ですか? おっぱいデカ」

勇者もどき2「この女の仲間? つーか美人だなおい!」


ザワザワ……




732 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:24:20.64 ID:HOmogL6Wo

魔王「皆さん、深呼吸ですよ~。ひっひっふーすれば皆落ち着きますからね~」

勇者もどき1「は、はぁ。じゃ、やってみます。ひっひっふー」

勇者「魔王それちょっと違うと思います、というかどうしてこんなところにいるんですか」

魔王「ふふっ、勇者さん。ちょっと私も世界救っちゃおうかなって」



733 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:24:48.57 ID:HOmogL6Wo

魔王「あら~、あなた動悸がすごいわねぇ~。心臓がドッキンドッキンしているわよ~」

勇者もどき2「あ、あの……。その、ダイレクトに触られると……」

魔王「よくみたら顔も赤くて熱っぽいわ。大丈夫ですか?」

勇者もどき2「いや、そりゃ、息がかかるぐらいに、そのそんな近いと……そりゃ……」



734 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:25:31.38 ID:HOmogL6Wo

魔王「風邪ですか? ちゃんと安静にしないとだめですよ。あっちにベットがあったので休んでください」

勇者もどき2「もしかして俺、誘われてるの? いいのこれ。理性ぶっ飛ばしていいですか!」

勇者「いや、だめです。だめですよ。何腰に手回してるんですか。私がぶっ飛ばしてやろうか」



735 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:26:09.14 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき1「ま、魔王やってるんですか。えとご趣味とかは?」

魔王「趣味ですかー? あ、あの、少し恥ずかしいのですが……お、お昼寝、とか」

勇者もどき2「わかります。俺も昼寝大好きですよ!!」

魔王「気が合いますね~。私よく立ちながら寝ちゃって怒られるんですー」

勇者もどき3「かわいいじゃないですか。俺の妹なんて逆立ちしながら寝てたから大丈夫ですよ~」

勇者もどき1「なんだそれwww犬神家かよwwwww」

勇者もどき3「うっせえwwww」

勇者「なんだよこの合コンムードは」



736 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:26:42.31 ID:HOmogL6Wo

勇者「私来たときは全員総スルーだったのによぉ……」

僧侶「ま、まぁ、勇者ちゃんはどっちかっていうと女の子に受ける子だもんね」

勇者「なんとなく傷つきました」

勇者もどき4「俺、こんな可愛い子が魔王だなんて知らなかったよ~」

勇者もどき5「実は俺知ってた! 魔王城で会いましたよね!?」

魔王「……? あ、あぁ、思い出しました。庭を荒らした人ですよね」

勇者もどき5「その件は申し訳ないっす!! すいませんでした!!」ペコリ

魔王「あらあら」



737 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:27:28.42 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき2「俺、仲間やられちゃって心が痛いんです」スリスリ

魔王「あらあら、可哀相に~」ナデナデ

勇者「まじでぶっ飛ばしてもいいですか」ギリギリ

僧侶「勇者ちゃん落ち着いて落ち着いて!!」



738 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:28:06.25 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき1「なんだか今日はこのまま魔王さんとカラオケいこうぜ」

魔王「カラ、オケ、ってなんですか~? 桶屋さんですか?」

勇者もどき2「歌をうたうところですよ。魔界にはそういうのないんですか?」

魔王「ありませんね。人間界にはそんな面白そうなところがあるんですね~。ふふっ」

勇者もどき5「ちょ、抜け駆けはずりーぞ。俺、魔王さんと同じ部屋な」

勇者もどき3「俺も俺もwwww」



739 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:28:55.23 ID:HOmogL6Wo

勇者もどき6「まじずりー。俺も混ぜろよ。じゃ、俺たちいってくるんで。お疲れ様でーす」ゾロゾロ……

勇者「もどき共が全員戦場じゃなくてカラオケにいきやがった」

僧侶「よくみたら戦士くんもいないね……」

勇者「くっそ、なんか女として負けた気がする」

僧侶(勇者ちゃんは若いから逆転できそうだけど、私とかもう救いようがないよぉ……)



740 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:29:57.84 ID:HOmogL6Wo

勇者「しかし、まぁ、結果オーライですよね」

僧侶「そう、だね。私たち何にもできなかったのに、魔王さんがきたらいきなり空気かわったよね……」

勇者「これが胸の差か」

僧侶「……あ、あの、私の胸をみながらは……いってほしくない、かな?」



741 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:30:35.82 ID:HOmogL6Wo

勇者「私、魔王のこと心配なんで追いかけてきますね」

僧侶「戦士くんがついているから大丈夫じゃないかな?」

勇者「なんだかこれで薄い本みたいな展開で、全員にまわされるとかなったらと考えると……」

僧侶「そ、そんな漫画じゃあるまいし……」

勇者「それでも心配なんです! いってきますね!!」



742 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:31:03.29 ID:HOmogL6Wo

勇者「カラオケ終わっての帰り道……なん……ですが……」

魔王「ゆうひゃしゃんら~。うふふっ」

勇者「すっごい酒くさいですけど。どんだけ酒飲んだんですか」

魔王「もういっけんいひまひょうよ~。ふふっ、ふふっ、ふふふふっ!」

勇者「あぁ、暴れないでください!! へんなヘナヘナしないで!!」



743 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:31:42.54 ID:HOmogL6Wo

魔王「あ、らぁ……。うふふっ、こうみたら……ゆうひゃしゃんすごい……かわひい……」

勇者「あぁ、もう、やめてください。どうしたんですか、身体すりすりさせないで下さい!」

魔王「うふふっ、もう~、恥ずかしがるゆうしゃひゃんも……うふふっ……」

勇者「うわ、やめt……」



744 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/11(日) 21:32:25.85 ID:HOmogL6Wo

勇者「死ぬかとおもった」

僧侶「お疲れ様。魔王さんは寝た?」

勇者「うん。もう、ぐっすり……」

僧侶「首のところすごく虫刺されてるね。大丈夫?」

勇者「はは……、大丈夫です。むしろ私相手でよかったなあって」

僧侶「……?」




754 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:41:59.82 ID:1m3CGfIx0

勇者「しかし不本意ながら、魔王光臨したことでいい方向に話がいきそうですな」

僧侶「そうだね。勇者ちゃんと私以外に女の人っていなかったから、その点でも安心できるね」

勇者「あとはこの流れをどううまく使うか、ですね」

僧侶「やっぱり勇者様に報告をして、お互い助け合わないと難しい、かも」



755 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:43:04.22 ID:1m3CGfIx0

僧侶「こっちの闘志を冷やしたって、あっちの闘志が燃えているならどうしようもないからね……」

勇者「そう、ですねぇ……。しかし私も僧侶さんも王様のところには近づけない」

僧侶「捕まるのは嫌だもんね」

勇者「う~ん、がんばりましょう。明日までに解決案を出しましょう」

僧侶「うん」



756 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:43:38.83 ID:1m3CGfIx0

勇者「朝まで討論したのにいい案が一個もでなかったでござる」

僧侶「ご、ごめんね。私、ちょっとこういうのは苦手、かも……」

勇者「小卒の私には何もかもが難しい世界だぜ!!」



757 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:44:06.71 ID:1m3CGfIx0

僧侶「やっぱり私が変装して勇者様に会いに行くよ」

勇者「それだと危険ですって。それなら私が行きます」

僧侶「何かあったら私、勇者様に顔向けできなくなるよ……。そういうのは大人に任せて……」

魔王「おはようございます~。今日は一段と空が青くて世界がぐらぐらとゆれて……、あ、もしかして地震ですか!?」

魔王「あらあら大変~、勇者さん、鍋を持って外にでなきゃ危ないですよ~……」

勇者「おはようございます、それきっと二日酔いですよ」



758 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:44:40.76 ID:1m3CGfIx0

魔王「あら、まぁ、私、いつお酒なんて飲んだのかしら~? 頭がズキズキしますね」

勇者「昨日のこと覚えていないんですか。まぁ、魔王らしいですけど」

僧侶「二日酔い用の薬ありますよ。魔王さん、飲みます?」

魔王「あらあら、ごめんなさい、いただきますね~」



759 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:45:27.62 ID:1m3CGfIx0

僧侶「水なしで飲めるタイプだけど、水がないと苦いから今水持ってきますね」

魔王「あら~、そこまでしていただくのは悪いですよ。私が持ってきますね~、よっとと~あら~」ガッチャーン!!

勇者「うわ、包丁のところにつっこんだわー。朝から血だまりだわー」

魔王「どうしましょう。包丁が折れてしまったわ~……。べ、弁償しないと……」

勇者「無傷な上、包丁が……ま、まじで折れてる。これが魔王パワーか。末恐ろしい」

勇者「触るものみな傷つけた!」



760 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:45:59.07 ID:1m3CGfIx0

魔王「ほ、包丁って一億ぐらいですか。どうましょう、今日はカード持ってきてないわ~……」

僧侶「そ、そんなに高くはないですよ。安心してください」

魔王「カンストする程度の持ち金しかないんですが、これで包丁分を」ジャララ……

僧侶「魔王さんそんなにはもらえないよぉ……。そんな家より高い包丁がこんなボロい基地なんかにあるわけないよ……」ワタワタ

勇者「レオなんとかレスみたいにチャイム押したら全員出てきそうなぐらい壁薄いしね!!」



761 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:46:28.00 ID:1m3CGfIx0

魔王「す、すいません。私あまりお金の価値がわからないので……」

僧侶「うーん、なら、私が適当にもらっておくね。ありがとう」

勇者(三万もってったで! 確実に自分のポケットマネーにする気満々だろ僧侶さん!)

僧侶(えへへ、これでテレビ通販の圧力鍋買えるぞ~)



762 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:46:53.85 ID:1m3CGfIx0

勇者「ということで、かくかくじかじかということを話し合っていたんです」

魔王「そんな、じゃ寝ないで朝まで話し合っていたの?」

勇者「そういうことになりますね。今から私は寝ますけど」

魔王「あら~、私は、ということは……僧侶様は?」



763 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:47:20.12 ID:1m3CGfIx0

僧侶「私は勇者ちゃんが起きる正午まで起きてようかなって」

魔王「それは大変ですねー。どうしましょう~」

魔王「あ、それなら私が勇者様に報告してきますね」

勇者「魔王がですか!?」



764 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:47:48.06 ID:1m3CGfIx0

魔王「たぶん王様は私の姿を知らないとおもうから、大丈夫よ~」

僧侶「た、たしかに、私や勇者ちゃんがいくよりは……安全かもしれないね」

魔王「ふふっ、僧侶様もこういっていることですし、私一肌脱いでがんばりますよ」

勇者「でも心配ですよ……。もしものことがあったら……」

魔王「あらあら、勇者さん。心配性ね~。ふふっ、側近ちゃんみたい」

勇者「うぐ……」



765 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:48:31.05 ID:1m3CGfIx0

勇者「否定できないことがつらい」

魔王「ということで私はいってきますね。えぇ、と、ルーラでは町にはいけないので直前のところに飛びますね。ルーラ」シュン!

勇者「……まじでいっちゃった」

僧侶「だ、大丈夫だよ。一応魔王さんも大人なんだし」

勇者「一応、ね」

僧侶「……うん」



766 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:49:10.22 ID:1m3CGfIx0

王の間


勇者父「兵士の格好になって王様を化かしているが……」

王「知らん!! 勇者など皆殺しだ!! 国民全員がみている場で公開処刑だ!!」

勇者父「王、民にとってみれば勇者は魔物から守ってくれるヒーローです」

勇者父「ヒーローを処刑してしまったら、民は怒り狂うでしょう」

王「ならばそいつらも殺せばいいこと! ワシこそ政治、正義なのだ!!」

勇者父(だめだこりゃ……)



767 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:50:11.94 ID:1m3CGfIx0

城内

勇者父「これはどうしたもんかねぇ」

兵士1「私に尋ねられても……」

勇者父「君は代々王に仕えている兵士だと聞く。今の状況はどう思う?」

兵士1「そうですね。いいにくいのですが、最悪でしょう。民の間では人権や正しい法律について感心を持つものが多くなりつつあります」

兵士1「王中心の国家から、民中心の、議会をもって政治を進めていくあり方に変えていったほうが良いのではないかと」



768 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:50:42.22 ID:1m3CGfIx0

勇者父「確かに、先代ならともかく今の王に国は任せられん」

勇者父「それならば俺たちが物事を決めていったほうが、国のためかもしれんな」

兵士1「はっ、しかし、そうなれば王としての立場がなくなってしまいます」

兵士1「それを恐れているのでしょう。王は毎晩眠れないようでうめき声をあげています」



769 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:51:18.14 ID:1m3CGfIx0

勇者父「ストレスが限界まできてしまっての暴走か……」

勇者父「あるいは捌け口がなくなってしまった所為での……、まぁ、民にとってしてみればいい迷惑だな」

兵士1「勇者殿、私は兵士として王に仕える立場。王への罵詈雑言は本来許されません」

兵士1「もちろん王に逆らうことも。どうか勇者殿、王を救ってください」

勇者父「あぁ、わかっている。お前らにしてみても無駄に人を殺すのは嫌だろうしな」



770 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:51:47.63 ID:1m3CGfIx0

勇者父(だからといって、解決方法は……)

勇者父(口で説得など無理な話だろう。新しいストレスの捌け口を探すか……殺すか)

勇者父(あるいは心の支えを探すか……、どれも容易なことではないだろうな)

勇者父(しかしやらなければ内戦に……)

勇者父(どうするべきか……)



771 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:52:14.06 ID:1m3CGfIx0

同時刻

魔王「あら~、せっかくお城についたのに勇者様が見つかりませんね~……」

魔王「道に迷ってしまったのかしら? でも、城内で迷うなんていくらなんでも」

魔王「私ならありえそうですね~……」

魔王「困ったわ~。兵士さんに聞くのも悪いですし……」

魔王「王様に聞いてみましょう」



772 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:52:43.24 ID:1m3CGfIx0

王「勇者は皆殺しだ!! ふじこふじこ!!」

兵士「はっ、只今我々は生き残りの勇者共の捜索に全力を尽くしています!」

王「今すぐみつけろ!! 今日中にだ!!」

兵士「王様、それはさすがに不可能でございます」

王「不可能でもやるのだ!!」

魔王「あら~、修羅場ですね~」

兵士「!? だ、誰だ!!」



773 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:53:10.09 ID:1m3CGfIx0

魔王「私は魔王といいます。勇者様をご存知ないでしょうか~」

兵士「ま、魔王だと!? 俺たちを殺しにきたのか!!」

魔王「殺しに~? どうしてそんな物騒なことをしないといけないんでしょうか~?」

兵士「王様、お下がりください!! この兵士、命に代えても王様を――」

王「この無礼者めが!! 兵士よ、お前が下がれ!!」

兵士「……は?」



774 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:53:43.11 ID:1m3CGfIx0

王「何をあほ面をしているのだ!! 魔王殿の目の前で!!」バゴン!!

兵士「ひぎい!!」

魔王「……え、えと、王様。どうか、なされたんですか?」

王「おぉ、魔王殿。お初にお目にかかります」サササッ

魔王「や、やめてください。土下座なんて……」



775 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:54:10.21 ID:1m3CGfIx0

王「魔王殿、わしが無知なばかりに神である貴女に歯向かってしまった。このようなことで許してはもらえないと思うが、侘びだけでもさせてくれ」

魔王(えぇ、と、勇者さんの話だと……賢者様、いえ、オルゴさんを王様は神だと思っている)

魔王(ということは……同じ魔王の私も神様だと勘違いしているのかしら?)



776 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:54:45.73 ID:1m3CGfIx0

魔王「王様、顔を上げてください。あなたは謝罪をする相手を間違っています」

王「なんと慈悲深い。神よ、わしは貴女以外の誰に謝ればいいというのか」

魔王「勇者様方、いえ、民に謝ってください」

王「それはどういうことなのでしょうか」

魔王「勇者様方はあなたを信じて、平和を夢見て、魔物と戦ってきました」

魔王「それを否定し、反逆者としたあなたはおかしいです」



777 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:55:48.42 ID:1m3CGfIx0

魔王「そして今、内戦が始まるか始まらないかの瀬戸際です。民は、不安がっています」

魔王「あなたは王として、勇者を殺すことよりも、もっとやらなければいけないことがあるのではないでしょうか」

王「お言葉ですが、神よ。勇者は貴女方神を傷つけた悪魔です」

王「そしてそれはワシも同じ。ワシもいずれ罪を償いましょう。同じ悪魔を葬った後で」



778 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:56:15.07 ID:1m3CGfIx0

王「これは聖戦なのです。けして内戦ではありません」

王「神よ、また貴女は私を言葉で試そうとするのですね」

魔王「あ、あら~、どうしましょう~……。どう説明しても正反対の意味で捉えられそうだわ~」

王「神よ、今日はこの城にお泊まりください。崇めさせてください」

魔王「お泊りですか~。ふふっ、楽しそうですね~」



779 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:56:41.29 ID:1m3CGfIx0

城内

勇者父「どうしたものか……」

勇者父「まったく考えが浮かばないぞ……」

魔王「あら~、もしかして勇者様ですか~? 見ない間に細くなりましたね~」

勇者父「魔王!? どうしてお前がここに!?」



780 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:57:13.80 ID:1m3CGfIx0

魔王「勇者様に会いに行こうと思ったら、王様に会っちゃいまして~」

魔王「今日泊まっていけ、など男らしいことをいわれたのでそのお言葉に甘えたのですが……」

魔王「案内された部屋から一歩、二歩、……三歩ぐらい歩いたらどの部屋なのか忘れてしまって迷
子になってしまったんです~」

魔王「でも、勇者様に会えたので結果おーらいですね。ふふっ」

勇者父「わけがわからないよ」



781 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:58:12.33 ID:1m3CGfIx0

魔王、勇者側のことを報告中……

勇者父「……あぁ、勇者側はそういう状況なのね。なんとなく把握できたわ」

魔王「こちらのほうはどうですか? あの王の様子ですと……あまり良いほうに進んでいないようですが」

勇者父「そのとおりだな。状況はよくない」

勇者父(……いや、待てよ。魔王をつかえばもしかすると……)

魔王「それでは私は一晩泊まりましたら、勇者さんのところへ帰らせてもらいますね~」



782 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:58:46.40 ID:1m3CGfIx0

勇者父「まってくれ。魔王、ひとつだけ頼みたいことがある」

魔王「はい、なんでしょう」

勇者父「王の娘になれ」

魔王「……はい?」

勇者父「義理でもいいぞ。娘になってやってくれ」

魔王「あの……私の理解力がない所為なのか、あまり話がよくわからないのですが……」



783 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:59:13.71 ID:1m3CGfIx0

勇者父「今、王は生きがいをなくし、ストレスマッハで頭がパーだ」

勇者父「そこでお前が娘、まぁ、娘みたいなものになって、王のメンタルを平常にする」

勇者父「王はお前という生きがい、癒しを手にすることで、元の王に戻る」

勇者父「そこでお前や俺で、内戦をやめるよう説得し、エンドだ」

勇者父「わかったか?」



784 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 22:59:41.39 ID:1m3CGfIx0

魔王「なんとなくは……。えぇ、と、どうすればいいんでしょうか?」

勇者父「普段通りでいいさ。魔王が好きなように王の隣にいてやってくれ」

勇者父「たぶんそれだけで大丈夫だ。たぶん」



785 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[saga]投稿日:2011/09/15(木) 23:00:31.54 ID:1m3CGfIx0

魔王「は、はぁ……。わかりました。それなら明日、一度勇者さんに報告した後、来て王様とお話ししようと思います」

勇者父「あぁ、そうしてくれ」

勇者父(なんとなく、解決の糸口がみえてきたぞ……!)



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[ 2012/02/27 23:16 ] 勇者「」or魔王「」 | TB(0) | CM(0)
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