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着物商人「レアなアイテム売ります買います!」6/9


 


着物商人「レアなアイテム売ります買います!」



419 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:16:12.21 ID:x7giSpS90
騎士「イタタタ……なんであんなモノが飛んでくるんだか」

竜少女「奇妙なパスタを食って悶絶したと思ったらロケット花火が直撃して……」

ツインテ「上から不気味なオッサンが降ってくるフルコンボを食らうとはな、運がないな」

騎士「まったくだよ、ったく……」

ビュン!!

怪人男「あー死ぬかと思った~」

竜少女「」

騎士「」

ツインテ「……首だけで登場とは、これは驚いたな」

怪人男「あ、ちょうどいい所に」




元スレ
着物商人「レアなアイテム売ります買います!」
SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板





420 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:23:35.73 ID:x7giSpS90
怪人男「ちょっと緊急事態が起こりまして、すぐに救援に向かってあげてさいな」

怪人男「私は諸事情により首から下が動かせないので……ってか動かしたらいろいろ台無しなのでお手伝いできませんが」

ツインテ「……分かった、気配をたどればすぐに奴の下に行ける」ビシュン

騎士「俺たちは何か手伝うことあるか?」

鎧少女「いらん、足手まといだ。お前たちはここに待機しててくれ」

竜少女「ハッキリ言ってくれるのう」

怪人男「あと、商人さんも見かけたら声をかけてあげてください」

鎧少女「なっ!あいつまだ居たのか!?」

怪人男「ずっと彼の後を付けてたんですよ~」

鎧少女「さっきお前がここに転移してきた時点でそれを言えバカ!」


421 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:34:52.35 ID:x7giSpS90
鎧少女「お前がこんな状況から察するに、あまりいい状態ではないな……」

怪人男「彼女のせいで予定がいろいろ狂ってしまってますからねぇ」

鎧少女「すまない、お前たちは狼と合流次第ここから立ち退いてくれ。何があるかわからん」

騎士「ん、わかった」

竜少女「ふむ、それならいっそこの館から出るとするかの。ここ自体もう安全ではなさそうじゃしの」


「ヒャー!俺は神だー!」
「あぁ、おばあちゃんが川の向こうで手を振っている……」
「やめてくれぇ!こっちに来るなぁ!」
「花火が綺麗だヒャッハー!」


騎士「……ダメだこりゃ」

竜少女「新しい宿探すしかないのう」

鎧少女「とにかく頼んだぞ」タタタ




422 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:39:58.61 ID:x7giSpS90
怪人男「あのー、私はどうすればいいんでしょうか~?」

騎士「知らねぇよそんなの」

竜少女「で、お主はなんでそんな首だけの状態になっておるんじゃ?」

怪人男「これは私の能力の応用ですよ~」

怪人男「身体の一部だけを別の場所にワープさせることが出来るんですよ~」

怪人男「彼が私の首を刎ねるなんて言い出したから驚きでしたよ、ハッハッハ」

騎士「彼?」

竜少女「仮面の奴じゃろう。なんでそんな事言い出したんじゃ」

怪人男「いろいろ事情が込み入っているんですよ~公言しないように言われてるんで言いませんけど」

竜少女「ここでもワシらは除け者か」


423 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:46:13.33 ID:x7giSpS90
怪人男「いや、それにしても血飛沫まで要求してくるなんて無茶ぶりもいい所ですよ~」

怪人男「それも応用で出来たりするんですけどね?他人の血なんですけど~なかなか飛び散らせる制御が難しくて~」

竜少女「ンなモン聞いておらん、お主は黙っておれ」

騎士「生首が喋るってなかなか怖いなこれは」

怪人男「もう、私頑張ったんですよ~?」


商人「……」トボトボ

竜少女「来たか、早かったのう」

商人「……あなた達は知っていたんですか?」

騎士「?何をだ?」

竜少女「……知っているといえば知っているが、全容は知らん。勝手にワシらが首を突っ込んでただけじゃ」

騎士「だから何の話?」


424 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:52:19.00 ID:x7giSpS90
商人「……ごめんなさい、私これ以上あなた達に付き合いきれません」

商人「怖すぎます、私には話のスケールが大きすぎてどうにも出来ないです」

竜少女「その様子だと女神の奴とは会わなかったようじゃの。何があったかは知らんが……スマンの、ワシらではお主にどう声をかけていいか分からん」

竜少女「あと、付き合いきれんと言われても首突っ込んできたのはお主の方じゃと一応突っ込んでおく」

商人「……殺されたんですよ」

竜少女「……まさか、奴が!?」

騎士「おい、嘘だろ!?アイツが死ぬわけねぇだろ!?」

商人「……嘘じゃないですよ!!私の目の前で確かに首を刎ねられたんです!」

商人「あの怪人さんが!」



竜少女「なんじゃ、そっちか」

騎士「仮面の方じゃねーのか。別にいいよ、知り合いって仲でもないし」

商人「薄情だなあんたら!?」


425 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 02:55:14.82 ID:x7giSpS90
竜少女「いや、だって……のう?」

怪人男「生きてますしねぇ?」

商人「ぎゃぁぁああああああああああ!?でたぁぁぁぁあああ!?」

騎士「押し黙るのと対の反応だな。とりあえずここから出よう」

怪人男「あ、私も生きてることがバレたらマズイのでこのまま連れて行ってください。首だけじゃ動けないので」

竜少女「気味が悪いのぅ」

商人「なにこの状況!?説明して!?誰か説明!!」

――――――
―――



426 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 03:01:34.55 ID:x7giSpS90
大臣「では、今後ビジネスパートナーとしてお願いしますよ、魔王様?」

仮面男「ハハッ、まだ気が早いよ?」

大臣「なに、すぐにでもこれを完成させてあなたを王座に戻しますよ」

大臣(とはいえ、当分は……)

仮面男(お互い腹の探り合い、と言うところか)

鎧少女(聞こえるか?助けに来たぞ)

仮面男「……!」

大臣「どうかされましたか?」

仮面男「いや、なんでもない。それよりこの体の処理だが……」

鎧少女(……と言っても、お前は口を聞けそうにないか)

鎧少女(いいか、よく聞け。コイツの体は私の不可視の魔法で一緒に消す)

鎧少女(魔法を使って消してやったとでも言っておけ)

仮面男(それさっき彼の頭で使った言い訳なんだよなぁ……)


427 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 03:07:12.27 ID:x7giSpS90
ピピピピ

大臣「む、電話か……もしもし、どうした?」

『た、大変です!パーティ会場が……』

大臣「会場がどうした?」

『じ、地獄絵図と化して……うわぁぁぁ!!』ブツッ

ツーツー

大臣「一体どういうことだ?」

大臣「まぁいい、その死体の処理は私の部下にやらせる」

大臣「皆さん、この後はご自由にここを見学するのも、ここの館に宿泊されている方は先に部屋に戻っていただいても構いません」

大臣「私は会場の方を見て回ってきますので、今日は解散といたしましょう。では……」


428 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/04(木) 03:12:33.40 ID:x7giSpS90
仮面男(会場の混乱に乗じていろいろと調べるつもりでいたんだけど……今頃遅いよ……)

鎧少女(マズイな、奴の体持って行かれてしまったぞ……)

仮面男「……行ったか」

仮面男「大丈夫、折を見て奪還するよ。その間に体を触られても彼が動かない事を祈るばかりだけどね」

鎧少女(あくまで首が別の場所にあるだけで体は繋がったままだからな)

――――――
―――


怪人男「ああ!複数人に私の身体が触られてる!くすぐったくて動いちゃいそう!」

騎士「えぇい喋るな気色悪い!」

竜少女「口にガムテープでも撒いて本格的に黙らさせるか」



433 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/05(金) 23:45:17.00 ID:bMRY+Ts70
騎士「さてと……やっとの思いで外に出たが」

竜少女「会場だけでなくここら辺全体が混沌の渦になっておったのう」

怪人男「脱出するだけでも大変でしたねぇ」

商人「……それで?これはどういうことなんですか?」

竜少女「見ての通り、お主が死んだと思っていたこの戦隊物の幹部のような見た目の怪人は生きておる」

騎士「どういうわけか首だけだけどな」

怪人男「首だけの理由はさっき説明したじゃないですか~。もっかい初めから言いましょうか?」

竜少女「いらん説明じゃ」

商人「もういろんなことが起こりすぎて整理出来ないんですけど」


434 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/05(金) 23:48:46.18 ID:bMRY+Ts70
騎士「ただ一つ言えることがある」

騎士「あの仮面の男は俺たちの味方だ。そこだけは信じてやってくれ」

商人「はぁ……」

竜少女「疲れておるみたいじゃし、頭の中で整理が付くまで少し休め」

怪人男「疲れはお肌の天敵!適度な休息で私のようなツヤツヤなお肌を保ってくださいね!」

商人「あなたを見ているとまったく休めません、視界から消えてください」

怪人男「」

竜少女「いや、絶句するまでもなく当然じゃろ……」


435 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/05(金) 23:54:33.15 ID:bMRY+Ts70
怪人男(まったく!誰のせいで現在進行形でこんな目に会ってると思ってるんですかもう!)プンプン

騎士「プンプン怒ってても可愛げがねぇっての、生首抱えてる俺の身にもなれよ」

竜少女「それはともかくワシらは宿無しに戻ってしまったのう」

騎士「こうなっちまった以上、そこは仕方がないな……おい、怪人のオッサン」

怪人男「いや、誰もかれもが怪人呼ばわりって酷いですね……なんですか?」

騎士「アンタはどこの宿に泊まってた?出来れば俺たちも一晩だけでいいから泊めてほしいんだが」

怪人男「人にものを頼む態度じゃないですねぇ、いいですけど」

怪人男「でも残念ながら、私もあのパーティ会場のあった豪邸に宿を取っていたので同じく宿無しですねぇ~」

騎士「そうか……出来るだけ早くコイツを休ませてやりたかったんだけどな」

商人「……あ、私ですか?」

竜少女「当然じゃ、目に見えてやつれておる」


436 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:00:57.70 ID:PUW7sqLr0
商人「ハハハ……心配かけてしまいましたね」

商人「私は大丈夫ですよ、このまま自分の泊まっていた宿に帰りますから」

竜少女「無理はするなよ?」

商人「ご心配なく!こういう想定外の事態は慣れてるつもりですから!」

商人(まぁ……ほとんど空元気ですけど)

騎士「よし、それじゃあ行こうか。場所知ってるから俺が案内するぞ」スタスタ

竜少女「うむ、頼むぞ。ワシも早う休みたいわ」スタスタ

商人「って、あれー?どこ行くんですか皆さん?」

竜少女「どこって……決まっておるじゃろう?」

騎士「お前のいた宿だよ。俺たちも宿無しって言ったろ」

竜少女「部屋は同室でも構わん、とっとと行くぞ」

商人「ちょっと待て!なんでそうなる!?オイこら置いてくな!」

――――――
―――



437 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:06:24.98 ID:PUW7sqLr0
少年「せい!やあ!」ブンブン

少年(つまんねーなぁ)

少年(ねーちゃんはパーティに行ってて居ないし)

少年(黒髪のねーちゃんは怖くてセクハラ出来ねーし)

少年(こうやって木の棒使って剣の特訓しようにも隠れてやらないと母さんがうるさくてなかなか出来ないし)

少年「あーやってらんねぇ!!」ポイッ


438 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:13:31.31 ID:PUW7sqLr0
少年「そして疲れたー!」ドサ

少年(で、こうやって都市の外れの森らへんで一人で特訓。これはこれで秘密の特訓みたいでカッコイイけどさー)

少年「張り合いねーなぁー!」

少年(……ねーちゃん今頃どうしてるかな?) ※早めに帰ってきている途中です

少年(変な奴に捕まったりなんかしてないよね?) ※変な怪人を捕まえました

少年(男運無さそうだからコロっと騙されちゃいそうだなー) ※貴族たちをコロッと騙してました

少年(初めて会った時にひんそーな体とか言っちゃったけど、ねーちゃん中々イイ体してるしメッチャ可愛いよなぁ) ※邪念

剣士「……おい、小僧」


439 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:18:08.22 ID:PUW7sqLr0
少年(それがいつか見も知らぬ男の手に……!?嫌だ!それは嫌だ!ねーちゃんは俺と……!)

剣士「そこのヨダレ垂らしている腑抜けた顔の小僧、聞いているのか?」

少年(ぐへ、ぐへへへ)

剣士「……」ザクッ

少年「痛い!?なんか足の裏刺された!?一気にリアルに戻された!?返して俺のファンタジー!!」

剣士「……お前にそっくりな喋り方の犬を知っているが、まぁそれはいい」

少年「うわ誰!?人攫いですか!?やめて!ウチに身代金払えるほどお金ないよ!!」

剣士「黙れ、刺すぞ」ザクッ

少年「はい、もう刺してます」


440 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:22:38.99 ID:PUW7sqLr0
剣士「こんな時間にこんな場所で子供が何をしている?危険だぞ」

少年「お、俺を子ども扱いすんなよ!剣の稽古だよ!稽古!」

剣士「ほぅ?ただ棒を振り回していたようにしか見えなかったが?」

少年「あ、見てたんですか……」

剣士「まぁ、どうでもいい。帰れ、この時間になると奴が活発的に動き出す……」

少年「奴?」

剣士「知らんでいい。完全に日が落ちる前にとっとと消えろ」


441 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:26:31.16 ID:PUW7sqLr0
剣士「……」

少年「……」

剣士「ぼーっとしていないで帰れ。今度はもっと深く刺すぞ」

少年「あ、いやね。おねーさんってさ」

少年「凄く綺麗だよね」

剣士「……」

少年「……」

少年「……アレ?無反応!?渾身のボケが!?いや、綺麗なのは嘘じゃないけどさ」モジモジ

剣士「……小僧、走れるか?」

少年「え?」


442 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:29:21.78 ID:PUW7sqLr0
少年「どゆこと?」

ガサガサ

剣士「チッ!捕まれ!」ガシッ

少年「って、アーレー!」ダダダダ

ガサガサ

魔物「グゥルルルル」

魔物「ゴガァァァ!!」ダダダ


443 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:35:40.22 ID:PUW7sqLr0
剣士「小僧!私の体の邪魔にならないようにしがみ付いておけ!」

少年「う、うん!分かったけど……!アレってもしかしてウサギ!?」

剣士「知っているのか?」

少年「うん、ちょっと前にこの森で見たでっかいウサギにそっくりなんだ!」

少年「あのおでこの赤い石!見間違えるはずないよ!」

剣士「……そうか、まぁどうでもいいが」

少年「どうでもいい!?」

剣士「クヒッ……クヒヒヒ!やはり見れば見るほど斬り甲斐がありそうな化け物だ!!」

剣士「前は逃がしこそしたが、今回は必ず叩き斬ってくれる!!」

少年「あ、このおねーさんヤバいわ」


444 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:42:28.74 ID:PUW7sqLr0
剣士「やっぱりお前は邪魔だ!どいてろ!」ポイッ

少年「おぶぅ!」ドシャ

少年「何で投げ捨てた!?しかも走ってたせいで結構な勢いで地面にキスだよ!?」

剣士「元々、飯をお前から集る気で声をかけたんだ。ついでに連れてきただけだ、死なれたら困るだろう?」

少年「ひでぇ!」

魔物「ウゴ……ウゴガァ!」

剣士「ハッ、知性の無い畜生が!この私が調教してくれる!」

少年「あ、それちょっとエロい」


445 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:48:50.91 ID:PUW7sqLr0
魔物「グガァァ!!」

剣士「当たらん当たらん!動きが直線すぎる!ホラ腕に一発!」

魔物「ガアアァァ!ウッガァ!」

剣士「相当腹が減っているようだな、噛みつき攻撃だけでは捉えることは出来んぞ!」

剣士「頭カチ割ってやろう、そぉれ!」

魔物「ウ……ガァアァ!!」

少年「すげぇ……ウサギの攻撃がかすりもしない……」

魔物「グゥゥ!」ブンブン

剣士(?コイツ……)


446 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:53:58.80 ID:PUW7sqLr0
剣士「まぁいいか……コイツでトドメだ!凍り付け!」

魔物「グゴッ!?」

剣士「手足は封じた!このまま斬る!」

魔物「ガガガガガ!!」バキバキバキ

剣士「何!?」

少年「氷を腕力だけで砕いた!」

剣士「クソが!」

魔物「ゴゥアアアア!!」ギィンッ

剣士「なっ……!!」

少年「け、剣が……」

剣士「折られた……だと?」


447 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 00:57:44.80 ID:PUW7sqLr0
魔物「ギ……ギュウ……」メキメキメキ

魔物「キュウ・・・・・・」

少年「あ……小さくなった」

魔物「キュウ!」タタタタ

剣士「……また逃げられたか。命拾いをしたな」

剣士「いや、助かったのは私の……方か」ドサ

少年「あ、アレ?おねーさん!?なんで倒れてるの!?どこも怪我なんてしてないよね!?」

剣士「……」グゥ~

剣士「腹が……減った……」

――――――
―――



448 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:03:05.43 ID:PUW7sqLr0
竜少女「宿じゃ!」

騎士「まともな宿だ!」

怪人男「フカフカベッドが楽しみですね!」

商人「悪いですけど生首はNGで」

怪人男「NO!」

母「あら、おかえりなさい。お友達の方ですか?」

商人「はい、そうなんですけど……」

母「フフッ、ご一緒にお泊りですか?」

商人「は、え?あ、いいんですか?」

母「来るものは拒みませんよ~。食事代だけは頂きますけど」

竜少女「おお!物わかりのいいご婦人じゃのう!」


449 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:09:04.99 ID:PUW7sqLr0
母「部屋は2部屋ありますけど両方とも使ってしまっているので、皆さん林檎ちゃんの使っている部屋でいいですよね?」

商人「はい、それでお願いします……いいですね皆さん?」

竜少女「食事代だけと言うのはそういうことか。うむ、飛び込みじゃからまったく文句は無いぞ」

騎士「……リンゴちゃんって誰?」

怪人男「あのう、奥さん?生首でもOKでしょうか?」

母「あー、生首さんはNGで~」

怪人男「NO!」

母「冗談ですよ?フフフフ……」


450 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:15:06.23 ID:PUW7sqLr0
眼帯少女「……お客?」

母「あら?お目覚めですか?かれこれ1日中眠っていらしたみたいですけど」

眼帯少女「……うん、起きたら連れが二人ともいないし、変なの増えてるし」

商人「一応私のお友達何で変とか言わないでくださいね?」

竜少女「うむ!まったく心外じゃ!」

眼帯少女「……変なのはそこの首だけの人って言いたかった、謝る」

怪人男「誰も驚いてくれない上にドライな反応ばっかりですねぇ?」

騎士「俺に話を振るな、そろそろお前の置き場所が欲しいんだが」


451 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:21:42.65 ID:PUW7sqLr0
商人「とりあえず邪魔ですしこの鳥籠の中に入れておきましょう」ドンッ

騎士「ホントなんでも出てくるな……オラ、お前の居場所だ、ありがたく思え」

怪人男「あの、非常に雑な扱いなんですけど。私って確か魔王でしたよね?」ギュウギュウ

商人「そんなもん遥か記憶の彼方に消え去りました。大体ポッと出のキャラの癖に出張り過ぎなんですよ」

怪人男「何その言い方!?私もう知らない!何があってもあなたと口きかない!」

騎士「おぉー、なんか首だけなのとこの鳥籠の形のおかげで某吸血鬼に見えるぞ。魔王っぽくていいんじゃね?」

竜少女「それいじょういけない」


452 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:29:20.56 ID:PUW7sqLr0
商人「さってっと……それで?落ち着いたようですし、ここらで知ってること話してくれないですか?」

竜少女「ふむ……そうじゃのう。ワシの答えられる範囲では答えておこう」

怪人男「私は答えません!」プイッ

騎士「すみません、女将さん。ちょっと聞かれたくない事を話すんで席を外してもらえますか?」

母「あらあら、わかりました。では私はゆっくりご飯を作ってますので、話が終わったら声をかけてくださいね?」

騎士「あ、いや。俺たちはさっきパーティで食ってきたばかりで……」

竜少女「食う!全然食えなかったから食う!」

母「フフフ、わかりましたよ」スタスタ

騎士「まだ食うのかよ……」

商人「話を戻してもいいですか?」


453 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:33:00.25 ID:PUW7sqLr0
竜少女「で、何から聞きたい?」

商人「ズバリ、あの仮面の人の目的です」

竜少女「……ハッキリ言おう、ワシらも連中の考えておる事はサッパリわからん」

怪人男「プンプン!」

商人「アレ?てっきりあなた方もグルだと思っていたんですが……」

竜少女「あくまで憶測じゃが、ワシらは単に何者かの目を引きつけておく為に呼ばれたみたいなのじゃ」

商人「目を引きつける?」


眼帯少女「……」ジー

怪人男「……何でしょう?」


454 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:38:23.53 ID:PUW7sqLr0
竜少女「そうじゃ、奴がお主に派手にやれと言っていたのが証拠じゃ」

商人「そんな事言ってました?」

騎士「聞いてなかったのかよ……」

商人「だってまぁ、物売ることで頭がいっぱいだったもので」

竜少女「もしお主が役に立たないのであれば、ワシらが何らかのアクションを起こすように仕向けていたじゃろうな」

竜少女「自分で行動することを第一に考えている奴じゃが、使える物は何でも使う。なかなか狡猾な奴じゃ」


眼帯少女「……」ジー

単眼少女「……」パッ

怪人男「ヒィッ!?」


455 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:46:36.96 ID:PUW7sqLr0
竜少女「女神の方は初めから何をするかを知っていたみたいだったがのう」

商人「なぜそう思うんですか?」

竜少女「事が起きてからの動きが実に迅速じゃった。色々と動き方を予め決めておいたのじゃろう」

竜少女「少し慌ててはいたが、緊急事態が発生した時でもすぐに行動に移せたのは、もともとワシら抜きでも出来たことだということになるのう……」

竜少女「……ワシらは初めからアテにはしていなかったということじゃ」

商人「……竜さん?」

竜少女「……やるせないのう、こっちは友達だと思っているのに、あっちはワシらに何も話してくれないのは……」

竜少女「挙句、この計画に加担しているのがそこの頼り無さそうな生首ではのう!」


怪人男「秘儀!顔左半分だけワープ!!」

単眼少女「!?」ビクッ


456 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:52:03.43 ID:PUW7sqLr0
騎士「……はぁ……」

商人「空気読めよ……」

怪人男「え?なんですか?なんでそんな冷たい目で私を見ているんですか皆さん?」

眼帯少女「……」スタスタスタ

怪人男「ああ!一人にしないで!今の今まで睨めっこしてた仲じゃないですかぁ~!」

竜少女「こっちは本気で悩んでおるのに、全容を知っておるお主は生首だけでは飽き足らずさらに顔半分を消して遊んでおるのか……」

怪人男「違うんですこれは……あら~ん?」

商人「うわ、突然気持ち悪い声出さないでくださいよ!?」

怪人男「いえ、私の体の方で何かあったみたいなんです」


457 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 01:57:36.22 ID:PUW7sqLr0
騎士「何があった?」

怪人男「ふむふむ、定期的に私の肩が叩かれています」

怪人男「おお!どうやら私の体の奪取に成功したみたいです!」

竜少女「連中か?」

怪人男「まぁ、死体の肩を定期的なタイミングで叩く物好きはいないでしょうし、生きているのを知っているからやってるんでしょうけどね」

怪人男「それじゃあ、飛ばした顔の左半分をあっちに転送しまーす!」

商人「器用な事できますねぇ」


458 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 02:02:25.56 ID:PUW7sqLr0
――――――
怪人男「へいお待ち!」ビュン

仮面男「うわビックリした」

鎧少女「左半分だけ飛ばしてくるとは……まだあいつらと一緒か?」

仮面男「ええ、皆さんに私の頭を運んでもらっていましたので」

鎧少女「そうか、無事に全員抜け出したか……」

仮面男「それじゃあ彼らの出番は終わりだ、後は私たちでなんとかしよう」

鎧少女「そうだな、異次元魔王よ。そこにいる連中にそう伝えてくれ」

商人『ちょ――――――ッとまったぁーーー!』

仮面男「!?」


459 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 02:13:20.76 ID:PUW7sqLr0
鎧少女「な、なんだ!?声が……」

怪人男「音の振動をワープさせてもらいました~。電話代わりにどうぞ~」

鎧少女「余計な事を……」

仮面男「それで?なんの用だい?」

商人『アンタらねぇ!ちょっと勝手が過ぎませんか!こっちを使うだけ使って用が済んだらボロ雑巾のように捨てるだなんて!』

竜少女『……ワシも同感じゃ。何故お主らだけで事を進める。確かにワシらはこやつとお主に何があったかは知らんが、巻き込まれていいだけの実力はある、頼られていいだけの信頼もある』

竜少女『……じゃが、この仕打ちは……』

鎧少女「バカが、それは単に巻き込みたくなかっただけだ」

仮面男「この件については"過去に私たちの撒いた種"なんだ。それに関係ない君たちを巻き込みたくはない」

騎士『巻き込みたくないんだったら初めから呼ぶんじゃねぇよ!』

仮面男「本来の囮役は私の息子と部下になるはずだった。それも、彼らが認識しない間に事を終えるようにするハズでもあった」

竜少女『ワシらが知ってしまったということに非があると?』

鎧少女「違う!そうじゃない!」


460 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 02:18:37.68 ID:PUW7sqLr0
鎧少女「お前の事は実力はよく知ってる、信頼だってしている」

鎧少女「頼るときは頼らせてもらっている……でも……」

仮面男「君たちが私たちを信頼しているように、私たちも君たちを信頼している。だが、こちらも理屈ではないんだ」

仮面男「ケジメを付けなければならない事なんだ、私たち二人の手で!」

竜少女『……じゃが……』

仮面男「……今回の件についてはほぼ私の独断だ、彼女に非は無い。すまなかった」

鎧少女「お前……」

商人『まったくですよ!私はそれで死にかけたんですからね!』

仮面男「そうだ、君にさえ見られなければ穏便に終わっていたんだが……」

鎧少女「ああ、お前に見られなければな……」

商人『はい?』


461 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 02:24:31.31 ID:PUW7sqLr0
――――――

怪人男「あなたがあんな遠い場所にあるお手洗いに行かなければこんなことにはならなかったんですよ」

商人「いや、ちょっとまてよ!?この流れまた全部私のせいになるパターン!?」

竜少女「むぅ、そういえば会場の近くにトイレはあったハズじゃがの」

商人「それは本当に見つけられなかっただけで……」

怪人男「それで、ドッキリ仕掛けられたからってドッキリしかえす!なって言い出してついていくハメになって……もう!」

仮面男『ドッキリ?なんの事だ?』

怪人男「あ」

商人「……アレ、仮面さん関係なしにあなたが一人でやったことだったんですか?」

怪人男「そ、そういうことでは……」

仮面男『君の嘘からが発端だったか……』

怪人男「ああもう!そうですよ!そういうことでいいですよ!」

怪人男(一応、あなたの名誉もありますからそういうことにしておきます!)

仮面男(すまない……)


462 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 02:29:47.50 ID:PUW7sqLr0
鎧少女『もうその辺でいいだろう?こっちもやることが増えたんだ、この際手伝ってもらおう』

仮面男『しかし……』

騎士「アンタも頭が固いねぇ」

竜少女「ワシらは好きでやっておる事なんじゃ、思いっきり頼るといい」

商人「そうですよ!皆さんこう言ってることですし、ドーンとやっちゃってください!さて私は何事も無かったかのように明日の商売の準備を……」

竜少女「無関係なふりをしておるがお主もすでに関係者じゃからの?」

商人「え?私も手伝わなきゃいけない流れ?」

鎧少女『無理にとは言わんが、なるべく人数が欲しい。頼む、報酬も弾もう』

商人「こういうのは本業じゃないんですけどねぇ……まぁ、ご褒美出るなら頑張ってみましょうか。あ、なるべく安全な事だけですけど」

鎧少女『ああ、そのつもりだ』


463 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 02:48:16.81 ID:PUW7sqLr0
仮面男『……わかったよ、それじゃあ詳しいことは追って連絡する』

仮面男『聞きたいことがあったら異次元魔王か、現場にいた狼君に聞いてくれ』

仮面男『今言える内容はその二人が言えることそのままだ』

仮面男(まぁ、してもらえる事はそう無いと思うが……)

鎧少女『こちらからは以上だ……ごめんな』

竜少女「よい、そうとは知らずワシも言いたい放題言ってしまってスマン」

怪人男「いやぁ、友情って素晴らしい!女の子同士の友情だと絵になっていいですねぇ!興奮します」

竜少女「どうでもいいからお主はさっさと元に戻らんか」

怪人男「おっとそうですね、それじゃあこっちへワープ!」グチャグチャ

怪人男「ギャァァァア!鳥籠の事すっかり忘れてたぁぁあ!人に見せられない体になっちゃうぅぅ!!」

商人「大丈夫ですかコレ?」

騎士「何とかなるんじゃない?魔王名乗ってるくらいだし」


464 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 03:02:39.34 ID:PUW7sqLr0
竜少女「とりあえずお主の知っておる事を話してくれ、それが分からんことには何も出来ん」

商人「はい、私が見て聞いたことは……」


……


騎士「狂化の魔道核……ねぇ」

竜少女「そんなもんもう魔道核とは呼べんな」

怪人男「あの方たちの目的はそれの研究と知識の根絶です」

怪人男「関係のない誰かの命を弄んで作られる兵器に義は無いとかなんとか」

商人「あそこでまるで展示品みたいに扱って……許せません!」

竜少女「おまけに意識があると来た……考えただけで最悪じゃのう」

騎士「何で意識なんてあったんだ?制御するんなら消してしまう方がいいだろ?」

商人「多分それは不完全なものなんだと思います」

商人「まだ実験段階とか言ってましたし、完成させるにしても時間がかかるんじゃないかと」

竜少女「実用段階までは短くても数年……まだまだ時間があるとみていいじゃろう。慌てて解決させるものでもないか」

商人「でも、放っておいたら無意味な犠牲が増えます」

竜少女「うむ、分かっておる。そうなる前に奴らは解決に乗り出したんじゃ。ワシらも手伝ってやりたい」


465 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/06(土) 03:14:09.01 ID:PUW7sqLr0
少年『だたいまー!ちょっとー誰か手伝ってー!』

商人「あもう!シリアスムードで話が進んでたのに突如現れちゃったよあのガキンチョ!」

少年『誰でもいいからはやくー!この人死んじゃうー!』

商人「人命かかってる!?」

母『ごめんねー!ごはん作ってるから手が離せないのー』

商人「いや優先順位おかしいだろ!?」

騎士「俺が行ってくるよ、下らねぇ事だったらぶっ飛ばすぞ小僧」



剣士「……」グゥー

騎士「」

少年「あれ?騎士のにーちゃん来てたの?とりあえず何か食べさせるから居間に連れてって!」


470 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/08(月) 17:23:35.29 ID:GwyRfyCio
剣士ってメインキャラだったのか
てっきりただのチンピラか何かだと


471 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 02:07:32.10 ID:OWKwb3Xe0
再開
け、剣士はこれからが見せ場だよッ!


472 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 02:11:03.45 ID:OWKwb3Xe0
――――――
―――


剣士「ハグッハムッガツガツ」

商人「……」

竜少女「……」

騎士「……」

剣士「……おかわりだ!」

母「フフフ、はいはい。そんなに慌てて食べなくてもご飯は逃げないですよ?」

怪人男「いやぁ見事な食べっぷりですねぇ」

剣士「昔からよく言われる」

商人「いやちょっと待てよ!?お前なんでこんなところに居るんだよ!?」


474 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 02:16:53.02 ID:OWKwb3Xe0
剣士「?……そういえばなんでお前達がここに居るんだ?」

商人「質問を質問で返すなぁーッ!!ってか今それ私が聞いただろ!?」

少年「ねーちゃん落ち着いてよ、これでも俺の命の恩人なんだからさ」

騎士「恩人だとぉ?」

竜少女「公衆の面前で大暴れするような女が子供を助けるとは、どういう心境の変化じゃ?」

剣士「いや、腹が減ってたから集ろうとしただけだ。助けたなんて結果でしかない」

母「そういう結果が残ったんならいいじゃないですか~。はい、どんどん食べてくださいね?」

剣士「頂こう」

商人「もうなんだよ一体……」



478 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 02:54:06.08 ID:OWKwb3Xe0
母「そんな事言わずに!あなた達のお友達なんでしょう?」

剣士「そうなのか?」

商人「お前が聞き返すな。私にこんなお友達はいません」

少年「あ、ワープのおっさんだー!なんでウチに来てるの?」

怪人男「おや?誰かと思えばあの時の坊やではないですか~」

商人「こっちもこっちで知り合いかよ!って、あの時話してたワープのオッサンてこの人だったんですか」

少年「うん、あのウサギが近くに来たとき俺を連れてワープしたんだぜ!」

怪人男「ええ、偶然通りかかったので運がよかったですよ、ホホホ」


479 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:00:41.58 ID:OWKwb3Xe0
少年「それでさ!また出たんだ、あのデッカイウサギ!」

怪人男「ッ!そ、それは本当ですか?」

少年「う、うん……たまたま出くわして、それでそこのおねーさんが追い返したんだけど」

剣士「仕留めるには至らなかった、万全であったのならこうはいかなかった」モグモグ

騎士「大きい都市だからそういうのは無いと思ってたが、物騒なモンスターがいるんだな」

少年「都市を出てすぐの所に大きな森があるんだ、最近変なウサギがいるって噂だったけどやっぱりあれがそうだったのかな……」

竜少女「……森にウサギ、のう……」

商人「あのウサギ親子の事が心配ですか?」

竜少女「まぁの。どちらにせよ様子は見に行きたいが……」

騎士「先に狂化の魔道核の事を優先させたいな」


480 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:06:24.60 ID:OWKwb3Xe0
母「コラ!またあの森へ行ったの!?」

少年「げっバレた」

母「バレたじゃないでしょ!いい加減にしないと起こるよ!」ギリギリ

少年「母さんやめて、両手で頭を潰そうとするのやめて、尋常じゃないくらい痛い」


怪人男「綺麗なお嬢さん、ウサギは逃げて行ったんですね?」

剣士「ああ、小さくなって逃げて行った」

商人「小さくなって?縮小の魔法でも使ったんですか?」

剣士「そんなもん使えん。とにかく小さくなったんだ」

商人「だからどう小さくなったんだよ!具体的に言えよ!」

剣士「小さくなったんだ、それ以外に何がある?」


怪人男「小さく……ふむ」


481 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:12:01.16 ID:OWKwb3Xe0
騎士「何か心当たりでも?」

怪人男「いえ、まったく。狂化を施した魔物が何体か野に放たれていると情報は入っているんですが……」

怪人男「私が以前見たウサギ型の魔物は確実にその中の一匹でした。額に魔導核が埋まっていたのでなおさら」

怪人男「小さくなるという症例が無いですから、彼らの報告待ちですね」

竜少女「その小さくなるという事、もしや狂化前の姿に戻るとかではあるまいの?」

怪人男「……だとしたら非常に厄介ですね」

竜少女「普通の魔物と区別がつかなくなる上に雲隠れされかねん」

怪人男「それで、そのウサギの額に大きな石とかくっついていませんでした?」

剣士「ああ、ついてたぞ?赤いのがな」

騎士「……最悪じゃねぇか」


482 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:19:09.66 ID:OWKwb3Xe0
剣士「叩き割れはしなかったが、そこを攻撃した後は様子がおかしかったな」

剣士「突然動きが鈍って苦しがっているようにも見えた」

剣士「……万全なら負けなかったんだが、武器がなぁ……」チラッ

商人「何故私を見る!斬姫はわたさねぇよ!あっち向け!」

竜少女「連中にも報告しておけ、明らかに個体の能力でも無さそうじゃしな」

怪人男「ですねぇ~。明日は森へ探索ですねこりゃ」

騎士「他に何か気が付いた事は無いか?なんでもいい、話してくれ」

剣士「何をそこまで気にしている?奴は私のエモノだぞ?」

商人「誰もそんな話してねぇっての!ホントお前と喋ると疲れるな!」

剣士「お前が無駄に突っ込みを入れているだけだろう」


483 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:23:23.78 ID:OWKwb3Xe0
竜少女「別にお主の獲物に興味などない。ワシらは情報が欲しいだけじゃ、喋っても損は無かろう」

剣士「情報か!ならばいくらで買ってくれる?」

商人「……は!?」

竜少女「なんてことない事に金を要求してくるかこの小娘が!」

剣士「私も学んだんだ、そこの犬のように強引に何でも値段を付ければ金が手に入るんだろう?」

商人「私ぃ!?なんでそこで私!?」

竜少女「お主余計な入れ知恵を……」

商人「いやいやいや!私関係ありませんから!」


484 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:24:59.74 ID:OWKwb3Xe0
剣士「何か間違ったか?」

商人「全然違うからね?情報を売るっていうのはね……」


説明中


商人「わかった?」

剣士「わからん」

商人「ですよねー」

竜少女「どうでもよいがそんなもの説明している暇があったら早う聞き出さんか」


485 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:29:59.15 ID:OWKwb3Xe0
商人「とりあえずコイツの持っている情報に価値が無いことを教えました」

騎士「よし、それで何を知っている」

剣士「大したことではない、ただ私が戦ったやつは他の奴と交戦した経験があったみたいだ」

商人「なんだ、それだけか……ほんと大したこと無いですねぇ」

竜少女「何故そうだと?」

剣士「傷があった、顔に」

商人「ッ!」

竜少女「っ!!どんな傷じゃ!?」

剣士「頭から頬にかけて、目も見えていなかったみたいだ」

商人「まさか……ねぇ?」

竜少女「……悩みの種が増えてしまったのぅ」


486 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:36:13.76 ID:OWKwb3Xe0
剣士「正直そんな事はどうでもいい」

剣士「お前たち、知り合いに鍛冶師はいないか?」

騎士「どうした急に?」

剣士「戦いの途中で剣がやられた」ガチャン

商人「うわぁ、派手に折れてますね」

竜少女「これは……そもそも年期物みたいじゃしもう修復出来んじゃろう」

剣士「それは困る!これしか持っていないんだ!」

騎士「そう珍しい剣でもないみたいだし、治すよりも新しく買い換えたらどうだ?」

剣士「そんな金無い」

商人「修理するのにもお金かかる事知ってます?」


487 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:40:39.53 ID:OWKwb3Xe0
剣士「そうなのか?」

商人「そうですよ!?今までどうやって修繕とかしてたの!?」

剣士「こう、鍛冶師を脅してだな……」

商人「それ一番ダメなパターンだよ!!」

剣士「お前は本当にうるさいなぁ」

商人「お前がそうさせるんだよコンチクショウ!!」


怪人男(ふむむ……狂化が自発的に解けるとなると厄介ですねぇ)

怪人男(研究施設から何匹"逃げた"のか数もハッキリしていませんし、駆逐に時間がかかりそうですねぇ)

怪人男(ま、私は戦闘とか出来ませんのでそこら辺は彼らに任せちゃいましょうかねぇ)


488 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:41:17.45 ID:OWKwb3Xe0
1シーンに人数居すぎると訳わかんねぇなコレ


489 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:46:48.25 ID:OWKwb3Xe0
――――――
―――


商人「で、私の部屋に上がりこむのはあなた達だけですか」

竜少女「男性二人は特別にリビング行き。女性と同室は遠慮してくれたんじゃ、そこはありがたく思え」

剣士「屋根つきの場所で寝れるのは何日ぶりかだな」

商人「……何サラッと紛れ込んでるんですか」

剣士「ダメか?」

商人「ダメだ!出てけ!」

剣士「お前、意地が悪いな」

商人「私たちの関係分かってって言ってんのか!?」

剣士「……なんだ?」

商人「なんだってなんだよ!?敵だよ!?」

剣士「私たちは敵だったのか……!」

商人「今更だなおい!?」


490 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:50:52.87 ID:OWKwb3Xe0
少年「ねーちゃん達ー風呂湧いたよー」ガラガラ

商人「お前はナチュラルにノックもせず部屋の戸を開けてんじゃねェよ!」

少年「グハッ!エルボーッ!?」

剣士「湯が勿体ない、全員で入るぞ」

竜少女「お主、そんなところで謎の倹約せんでいいじゃろう」

剣士「湯に浸かるときはそうすると昔教えられたんだ」


……


491 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 03:56:40.34 ID:OWKwb3Xe0
竜少女「ふぅ、いい湯じゃあ」カポーン

商人「本当に3人で入っちゃったよ」

剣士「……」

商人(流石に声に出しては言いませんけど、綺麗な体してるなぁ)

商人(そして中々お胸が……おっと、あのクソガキじゃあるまいし何考えてんだ私!)

竜少女「ところで、お主何しにこの魔導都市へ来たのじゃ?」

竜少女「列車事故があった時点で無理にここに来る事は無かったろうに」

剣士「そこの犬が魔導都市の事を口走っていたから来てみただけだ」

商人「狼です。そういやさっき突っ込み忘れたな」

竜少女「結局お主が招いたのか……」

商人「好きで招いた訳じゃありませんよ!私は刀が欲しけりゃ金を出せ!魔導都市ででも働いて金稼げ!って言っただけです」

剣士「そうなのか?」

商人「そうだよ!?他に何の目的があってそういうこと言うの!?」


492 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:02:21.59 ID:OWKwb3Xe0
剣士「てっきり武者修行でもして斬姫に釣り合う使い手になれと言われたかと思ったんだが……」

商人「ンなこと一言も言ってねェよ!?曲解も甚だしいわ!?」

竜少女(今は襲ってくる素振りをこれっぽっちも見せておらんから放置しておるが、さてどういうつもりで動いておるのじゃこの娘は……)

剣士「頼む、恩人を襲ってまで奪いたくはない。斬姫を私にくれ!」

商人「だからその恩人から奪われるか壌土するかの二択を迫るな!」

剣士「今の私には戦う術がない、アレを渡してくれれば奴を倒せるんだ!」

商人「このままじゃずっと平行線だよもう……」

竜少女(……大丈夫かのぅ?)


493 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:10:47.38 ID:OWKwb3Xe0
少年「ねーちゃん達!背中流しに来たよ!」ガラガラ

商人「ホント不屈の精神だな!?もう一発RFB-2食らいたいのか!?」

少年「今日はサングラス装備だぜ!うっはははそこには俺の理想郷!」

商人「だったら物理的に殴る!!」

少年「うへへへ、そしたらいろいろ見えちゃうもんねー!」

竜少女「まったく騒々しいのう、見られても減る物でもないし好きなだけ見せておけばよかろう」

商人「あなたは人の姿に擬態してるだけから羞恥心とか無いかもしれないですけど私は違うんですよ!?」

竜少女「そこの剣士を見てみぃ、湯船から立ち上がって全部見られても動じてはおらんぞ?」

商人「ってオイ!何立ち上がってんだ!?全部丸見えだよ!」

少年「あばばばばばば」

剣士「……おい小僧」

剣士「戸を閉めろ、寒い」

少年「え、あ……」

剣士「戸を閉めろ」

少年「……はい」ガラガラ


494 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:14:35.41 ID:OWKwb3Xe0
剣士「ふぅ」ポチャン

商人「……なんていうか」

竜少女「冷めた反応で追い払ったのう。お主は大げさな反応するから子供が付け上がるんじゃ」

商人「突っ込まずにはいられない性分ですから仕方ないじゃないですかぁ……」

竜少女「悪いとは言わんが接し方を考えい」

剣士「……先に上がるぞ」

商人「あ、どうぞー……じゃなくて私も上がります!」

商人(風呂入ってる最中に荷物漁られたらたまったもんじゃないですしね)

竜少女「ん?そうか、ワシはもうしばらく入っているとしようかの」


……


495 名前: ◆cZ/h8axXSU:2013/07/09(火) 04:17:30.33 ID:OWKwb3Xe0
剣士「……」

商人「……」

商人(部屋に戻って何をするかと思ったら)

剣士「……」

商人(折れた剣を眺めているだけ。てっきりしつこく斬姫渡せって詰め寄ってくると思ってたんですが、調子狂いますねぇ)

剣士「……」

商人(んで、最高に気まずいっと)


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