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女「ねぇ、アドレス教えてよ」6/6


女「ねぇ、アドレス教えてよ」




390 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:32:54 ID:OvEAajIA

―幸せだった日々―



幼馴染「男くん、今日も来てくれたんだ!」

男「ん、……どうした?」

幼馴染「あはは。うれしいな」

男「うるさい。寝てろ」

幼馴染「もうっ」

男「なんだよ?」

幼馴染「男くんって意地悪なうえに、口調も汚いんだから」



元スレ
女「ねぇ、アドレス教えてよ」





391 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:33:37 ID:OvEAajIA

男「それがなんだよ」

幼馴染「私にはいいけど、社会に出たとき困るよ?」

男「……ま、なんとかなるさ」

幼馴染「もう。いつまでも面倒みないからね」

男「お前が俺を突き放したら、変える気にもなるかもな」

幼馴染「……そんなことできないって知ってるくせに」

男「なら、一生このままだ」

幼馴染「そうだね。一生……」


392 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:34:43 ID:OvEAajIA

幼馴染「男くん、今日も来てくれたんだ」

男「やっほ。これ、お見舞い」

幼馴染「ありがとう。……って、またリンゴ?」

男「婆ちゃんが大量に送ってきてさ。ほら、俺梨派だから」

幼馴染「私も梨の方が好きなんだけど……」

男「食べ続けてれば、そのうちリンゴの良さに気づくだろ」

幼馴染「もう。ほんとに男くんっていじわるだよね」


393 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:35:23 ID:OvEAajIA

男「うるさい。リンゴいらないのか?」

幼馴染「いる。むいて」

男「ほいほい。……うさぎがいい?」

幼馴染「できるの?」

男「なめるな。男子3日会わざればってやつだ」

幼馴染「あはは、ブサイクだったら笑うからね」

男「刮目せよ!」ムキムキ


394 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:36:46 ID:OvEAajIA

―――――


幼馴染「男くん、今日も来てくれたんだ」

男「まぁな。毎日ヒマでしょうがない」

幼馴染「高校はどう?」

男「楽しいよ。部活もゆるいし」

幼馴染「私がいないからって、サボったりしちゃダメだよ?」

男「バーカ。お前がいないなんて思えないよ」

幼馴染「え?」


395 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:37:44 ID:OvEAajIA

男「あんなに毎日一緒にいたんだからな。常に見られてる気がする」

幼馴染「ちょっと、私ストーカーみたいじゃん」

男「ずっと俺の後ろについてきてたじゃないか」

幼馴染「あ、あれはべつに、その……」

男「いいんだよ」

幼馴染「……う」

男「お前は……いや、俺たちはそれでいいんだ」

幼馴染「……うん」


396 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:39:19 ID:OvEAajIA

―――――


幼馴染「男くん、今日も来てくれたんだ……」

男「おい、大丈夫か? 顔色わるいぞ」

幼馴染「あはは。私は、もう大丈夫にはなれないのに。変なこと言うね」

男「……手術が近いからって、お前が気負う必要ないんだぞ?」

幼馴染「うるさい!」

男「……」

幼馴染「いいよね、男くんは元気だから! 健康だから、私の気持ちなんてわかんないんでしょ!」


397 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:40:17 ID:OvEAajIA

男「……そうだな」ギュッ

幼馴染「……優しく、しないでよ」

男「……」ギュッ

幼馴染「……怖くなる」

男「……何がだ?」

幼馴染「……死んじゃうのが」

男「それが普通だ」

幼馴染「……男くんさえいなければ、今すぐ楽になれるのに!」


398 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:41:23 ID:OvEAajIA

男「ごめんな」ギュウ

幼馴染「もうやだ! いやだ、離して! 離してってば、もうやだぁ!」ポロポロ

男「いいんだよ」

幼馴染「ぐすっ、こんな、こんなこと言いたいんじゃないのに! もう、やだよぉ……」ポロポロ

男「……」

幼馴染「男くん。ひぐっ、男くん!」



男(俺は)

男(なんて言えばいいんだろう、こんな時に)


399 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:42:08 ID:OvEAajIA

男(なにをしてあげられるんだろう)

男(そんなことを考えると、どんどん自分の言葉が消えていく)

男(借りてきた言葉しかなくなっちまう)

男(だからこそ俺は)

男(お前が大好きだから、この気持ちのままに)


男「……生きてくれ」

幼馴染「……」

男「俺のせいで死ねないんなら、俺のために生きてくれ」


400 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:42:51 ID:OvEAajIA

幼馴染「……わがまま」

男「そうだ。ずっと、俺の方なんだ」

幼馴染「……」

男「俺が、お前がいないとダメなんだ」

幼馴染「……私も、だよ」

男「……好きだ、幼馴染。お前のことが大好きだ」ギュウ

幼馴染「私も、だよ。ずっと昔から、大好きだった」

男「過去形にするなよ、バーカ」


401 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:43:39 ID:OvEAajIA

幼馴染「……いいの?」

男「それ以上言ったら怒るからな」

幼馴染「じゃあ、もう一回言って」

男「大好きだよ」

幼馴染「……ん。もう、一回」

男「大好きだ、幼馴染」

幼馴染「……ぐす、もう、一回」


402 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:45:06 ID:OvEAajIA

―――――


男「良かったな、成功して」

幼馴染「言ったでしょ、男くんのために生きるって」

男「じゃあお前は俺より長生きしてくれよ?」

幼馴染「……うん。約束」

男「約束だ」

幼馴染「……その時はきっと。ううん、絶対見送ってあげる」

男「あぁ」

幼馴染「そうしたら、私が寂しくなっちゃうけど」

男「そんなことないって。見守っててやるよ、すぐそばで」


403 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:45:49 ID:OvEAajIA

幼馴染「すぐそばよりも、もっと近くにいて」

男「……あぁ、安心しろ」

幼馴染「これから次第では退院も可能なんだって」

男「ムリはできないんだろ?」

幼馴染「うん。でも久しぶりの家だから」

男「なんなら、俺んちに来てもいいからな」

幼馴染「あはは、そういえば。おばさんから聞いたよ?」

男「何を?」

幼馴染「漫画を売って、医学書を買ったんでしょ?」


404 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:46:40 ID:OvEAajIA

男「……ただ興味がわいただけだ」

幼馴染「私の病気のところに折り目がついてあったって」

男「……ぐぬ」

幼馴染「かわいいね?」

男「……うっせ、バーカ」プイ


男(手術は無事成功)

男(今後の経過次第では、一時帰宅も可能になる、か)

男(ただ、余命が延びただけじゃないのか?)

男(……そんなはずないよな。もう大丈夫なんだ、お前は)


405 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:48:12 ID:OvEAajIA

―――――


幼馴染「まさかもう一度、男くんと同じこたつに入れるとは」

男「これからは毎年、こうやって年を越すんだぞ?」

幼馴染「それはいいけど。男くん、受験はどうなの?」

男「……」

幼馴染「……ちゃんと合格したら、いっぱい遊ぼうね」

男「……任せとけ」

幼馴染「……だいじょうぶかな」ハァ


406 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:49:33 ID:OvEAajIA

―――――


男(年を越すと、幼馴染はまた入院した)

男「受かってたぞ!」

幼馴染「ほんと!?」

男「おうよ! 俺にかかればこんなの余裕だ!」

幼馴染「……」グス

男「……幼馴染?」

幼馴染「……よかった。ほんとによかった」


407 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:50:18 ID:OvEAajIA

男「幼馴染」ギュッ

幼馴染「……ごめんね。遊ぶことはできなくなったけど」

男「いいって。お前がいれば、それでいい」

幼馴染「……うん」

男「……幼馴染」

幼馴染「……ん?」

男「……結婚してくれ」

幼馴染「……」


408 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:51:02 ID:OvEAajIA

男「今すぐにはムリだけど。四年で大学卒業して、就職して必ず戻ってくる」

幼馴染「……うん」

男「その時は、俺と結婚してくれ」

幼馴染「私でいいの?」

男「怒るぞ。……お前じゃなきゃダメなんだ」

幼馴染「ありがとう。……ずっと、一緒にいようね」

男「あぁ。……大好きだぞ、幼馴染」

幼馴染「私も。大好き……」


409 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:52:07 ID:OvEAajIA

―――――


男(大学生活。一年目は本当に楽しかった)

男(勉強にサークルにバイト。毎日があっという間にすぎて)

男(長期休みの度に、地元に帰り幼馴染と過ごす)

男(幸せな日々)

男(――幼馴染の病気は、悪化していく一方だった)

男(一年目の春休み、地元に帰った俺を待っていたのは、すっかりやせ細った幼馴染と)

男(もう大きな発作には耐えられないかもしれないという、医者の言葉)


410 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:52:49 ID:OvEAajIA

男(すぐに俺は休学し、残された時間すべてを幼馴染と共に過ごした)


幼馴染「カーテン、開けて」

男「あぁ」

幼馴染「見える? ……私が、死んだら」

男「……」

幼馴染「あの空の、向こうにいるから」

男「……」

幼馴染「ずっと見守っているから、ね」


411 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:54:15 ID:OvEAajIA

―――――


男(その日は、とても暑かった)

男(その日は、とにかく蝉がうるさかった)

男(なのに幼馴染は)


男(静かに、冷たくなった)


男(それからのことは、よく覚えていない)


412 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:55:25 ID:OvEAajIA

男(葬式が終わって数日後、自室で鬱ぎ込んでいた俺に、幼馴染の親が手紙を持ってきた)

男(遺書だった)

幼馴染『伝えたいことは全部伝えたから、一つだけ』

幼馴染『あなたを、信じています』

男(……それがどういう意味なのかは、よくわからなかったけど)

男(ひとしきり泣き終えた俺は、やりのこしていたことを見つけた)


男「……エンゲージリング、買わなきゃな」


413 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 09:58:54 ID:OvEAajIA

―夜の河川敷―


男「あはは、まさにあとの祭りってやつだ」

男「……いったい、どこで間違えたんだろう」

男(俺は不幸でいたかったんだ。ずっと)

男(だって、お前を失った俺は不幸なんだから)

男(それなのに)

男(先輩と出会って、友くんに出会って、友彼女さんに出会って)

男(君に出会って、幸せになってしまった)

男(……ほんとは、今すぐ君のもとへ駆け出したいのに)

男(……もう、動けない)



先輩「――よぉ」


414 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:00:30 ID:OvEAajIA

男「……先、輩? なんでここに……」

先輩「言ったろーが。お前はいつか後悔する、って」スタスタ

男「……うん」

先輩「その時は、私がいてやるって」ピト

男「……」

先輩「歯ぁ、食いしばれ!」ブン!

男「……ぐっ」バチン!

先輩「何やってんだお前は!」

男「お、俺は」


415 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:01:35 ID:OvEAajIA

先輩「何がしたいんだ、お前は!」

男「……俺は」


先輩「たしかにお前は不幸だったけどな」

男「……」

先輩「だからって、いつまでも不幸なままでいなくてもいいだろ!」

男「……」

先輩「後ろを見ながら歩くようなまねはもうやめろ!」

男「……」

先輩「前を向け、とは言わねーよ。でもな」


416 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:02:26 ID:OvEAajIA

男「……」

先輩「お前の横には、お前を支えてくれるやつがいるだろーが」

男「……」

先輩「不甲斐なくて、どうしようもないお前に笑いかけてくれるやつが、いるだろーが!」

男「……」

先輩「……取り戻しに行けよ。いつか失った、宝物を」

男「……先輩」

先輩「これは、もういらねーよな」グイッ


417 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:04:02 ID:OvEAajIA

男「腕時計……」

先輩「返してもらうぜ、クリスマスプレゼント」カチャ

男「……先輩」

先輩「早く行きな。お前の時計は、もう動き出してる。もう、だいじょうぶだ」

男「……うん」ダッ

先輩「ちっ。……バーカ」


先輩(あーぁ、私も早く彼氏ほしいなー)

先輩「あっはっは。……私も、もう卒業しなきゃな。クマさんパンツは」


418 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:05:06 ID:OvEAajIA

友彼女「ん? おぉ、あれに見えるは男くん!」

男「!」

友彼女「急いでるみたいだねー?」

男「……行かなきゃ、いけないんだ」

友彼女「もしかして」

男「……」

友彼女「やっと、決心ついたんだね」

男「うん。……みんなのおかげだよ」


419 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:05:56 ID:OvEAajIA

友彼女「えへへ。市立公園」

男「え?」

友彼女「女は、市立公園にいるから」

男「……」

友彼女「様子が変だったから、今友が見てくれてる」

男「……そっか」

友彼女「ほら、早く行きなさい。女心は秋の空なんだからね!」

男「うん、ありがとう!」

友彼女「えへへ。……がんばれ」


420 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:07:08 ID:OvEAajIA

男「つ、着いた。市立公園」ハァハァ

友「おっせーぞ、男」

男「……友くん」ゼェゼェ

友「女なら、あっちのベンチに座ってるよ」

男「ありがとう、見ててくれて」

友「世話焼かせるぜ、ほんとに」

男「……それも、今回限りだね」

友「言うなぁ、おい」


421 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:08:09 ID:OvEAajIA

男「……」

友「だったら、バッチリきめてこい!」

男「……うん!」スタスタ



友(……幸せにな、親友)

友「あ、気になるからやっぱ見ていこうかな……」

友彼女「ダメに決まってるでしょ、バカ!」パチィーン

友「いっつ! お前いたのかよ……」


422 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:10:09 ID:OvEAajIA

―市立公園―



女(……よく、わからない)

女(悲しいのに、辛いのに)

女(心が、空っぽになってしまったみたい)

女(泣きたいのに、笑ってしまいそうになる)

女(空っぽな自分を、笑ってしまいそうになる)

女(……あぁ、一つだけ)

女(まだ、残っていた。この体を地面につなぎ止めている重し)

女(この体を高くまで飛ばしてしまいそうな想い)


423 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:11:22 ID:OvEAajIA

女(あなたを、愛してる)



――女!



女「……え?」

男「女ぁ!」

女「……う、うそ……」ポロ

男「まだ、舞台は終わってない!」

女「……なんで……」ポロポロ

男「……俺は」スゥー


男「俺はっ! 『お前』を――」


424 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:12:32 ID:OvEAajIA

―夏の暑い日―



男「セミがうるさいなぁ」

女「ほんとね、まるであの日のあなたみたい」

男「ぐっ。……いいだろ、別に」

女「うん。嬉しかったから、いい」

男「いつまでも言われるんだろうな……」ハァ

女「安心して。子供には内緒にしておくから」


425 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:13:26 ID:OvEAajIA

男「気が早いってレベルじゃないからね」

女「早くても遅くても、ずっと一緒よ」

男「うん、きっと。……っと、ここだよ」

女「……キレイね」

男「命日が盆を過ぎてるからね」

女「もっとキレイにしましょう。暑いから、お水もかけなきゃ」

男「うん、もちろん。お花もね」


426 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:14:41 ID:OvEAajIA

―――――


男「……幼馴染。お前と過ごした時間は、今もここにある」

女「……」

男「一生色あせないし、無くならない」

女「……」

男「お前は俺を信じていると言ったから」

女「……」

男「……これからの時間は、女と過ごすために使っていくことにするよ」

女「幼馴染さん……」

男「見守っててくれ。あの空の向こうから」


427 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:15:42 ID:OvEAajIA

女(……その時、一条の優しい風がわたしたちの間を縫っていった)

男(供えられた花がその風に吹かれて、ほんの少しだけ揺れた、ような気がした)

男「……さぁて、行こうか」

女「うん。次はあなたの実家ね」

男「それ、つけていくよな?」

女「ふふ、その時までは外さないわよ」

男「大事にしろよ」

女「うん。宝物だもの。ね?」


女「……この、エンゲージリング」




おわり


428 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:16:46 ID:OvEAajIA
初SSでした
読んでくれた人乙



429 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 10:24:53 ID:CiL9DXSo
初とは思えない乙


430 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[sage]投稿日:2012/04/30(月) 11:16:51 ID:55GhSn6A
乙、綺麗に纏まっていて気持ちよかった


431 名前:以下、名無しが深夜にお送りします[]投稿日:2012/04/30(月) 11:29:09 ID:sIiVWl9o
初めてとは思えないクオリティに脱帽


432 名前:sage[]投稿日:2012/04/30(月) 14:20:13 ID:0QdsK/vs
お疲れ様でした ただ一言
 すげぇ!!
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