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配達少女「お届けものでーす」2/4



配達少女「お届けものでーす」



83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:35:17.96 ID:5oF6CZwo

 俺がそのおっさんと出会ったのは五月の半ば。
 日差しがぽかぽかと暖かいある日のことだった。



84 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:36:09.99 ID:5oF6CZwo

青年「お届けものーっス」

青年「手紙っス」

青年「確かに届けたっスからね」

青年「それじゃ――え?」

青年「いらないから持って帰れ?」

青年「そんなこと言われても困るっスよ」

青年「いいから持って帰れって……自分、配達するのが仕事でそれ以外は管轄外っス」

青年「あ、ちょ……おいおい。そんなに勢いよく閉めるこたねーだろっての」

青年「えーと、差出人は――女か。姓が同じだから、家族か?」

青年「……ふーむ」





元スレ
配達少女「お届けものでーす」
[SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板]






85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:36:38.56 ID:5oF6CZwo

青年「……」

青年「……んあ?」

青年「ああセンパイ。これ、どう思う?」

青年「まあ見たところ普通の手紙だな。誰だってそう思う。俺だってそう思う」

青年「じゃあ、あのおっさんはいったい、この手紙の何が気に食わなかったってんだ?」

青年「いや、かくかくしかじかで」

青年「やっぱり、差出人がキーだよな」

青年「……」

青年「いや、開けたりはしねーよ。それぐらいはわきまえてる」

青年「大丈夫だって」

青年「しつこい!」

青年「うるさい。センパイのくせして、叩かれたくらいでぴーぴーいうな」



86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:37:35.03 ID:5oF6CZwo

青年「手紙―っス」

青年「声に覇気がない? はあ、スミマセン」

青年「心がこもってない? はあ、ごもっともで」

青年「いや、申し訳ないっスけど説教を聞きに来たわけじゃないんスよ。仕事もあるんで勘弁してもらえるとうれしいっス」

青年「とにかく、手紙どうぞ」

青年「……またですか」

青年「持って帰れっていわれてもっスね……」

青年「大体、その手紙がどうしたっていうんスか」

青年「お前には関係ない? はあ」



87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:38:18.59 ID:5oF6CZwo

青年「うーむ、あれは絶対なんかある」

青年「次回はちょっと探りを入れて見るか……」

青年「……何だよセンパイ」

青年「いや、寝ぐせだよ、アホ毛いうな」

青年「引っ張るな!」



88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:38:46.61 ID:5oF6CZwo

青年「ちわーす、手紙でーす」

青年「ついに玄関先にも出てこなくなったか」

青年「そーれ」

青年「おー、来た来た。――チャイムを連打するな? 出てこないのが悪いんスよ」



89 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:39:19.73 ID:5oF6CZwo

青年「はい、手紙っス」

青年「やっぱり受け取ってもらえないスか」

青年「そんなに娘さんのことお嫌いスか?」

青年「――ビンゴっスか」

青年「いや。カマかけただけスよ」

青年「そんなに怒ることスかね?」

青年「いや、これアホ毛じゃなくて寝ぐせっス」



90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:40:16.34 ID:5oF6CZwo

青年「一体、娘さんと何があったんスか」

青年「お前には関係ない?」

青年「配達物を受け取ってもらえないんだから、全くの無関係じゃないスよ」

青年「……でもっスねえ」

青年「なんでそこまで言われなきゃならないスか」

青年「っていうかさっきから罵倒がアホ毛のことばっかりじゃないっスか」



92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:40:46.71 ID:5oF6CZwo

青年「ふうっ……」

青年「……」

青年「ああ、センパイ。お疲れ」

青年「……父親と娘の間でのいさかいってなんだと思う?」

青年「気が早い? なんの話だ?」



93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:41:30.14 ID:5oF6CZwo

青年「ふざけないで聞いてくれ」

青年「じゃないともう一回ぶったたく」

青年「これは俺の問題なんだ。このまま配達物を受け取ってもらえないのは俺のプライドに関わる」

青年「かっこいい、惚れ直した?」

青年「はいもういっかーい」

青年「あ、こら、避けんな!」



94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:42:12.74 ID:5oF6CZwo

青年「父親と娘は難しい、か」

青年「そんなもんかもな」

青年「何、自分は早くに父親を亡くしたからよくわからないけど?」

青年「……わりい、嫌なこと思い出させた」

青年「これやるよ。飲みかけのコーヒー。間接キスだ」

青年「……冗談だ。鼻血拭けよ」



95 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:42:54.99 ID:5oF6CZwo

青年「となると、参ったな」

青年「これじゃあ解決策が見えない」

青年「なんとかあの頑固親父に手紙をわたさにゃならんのに」

青年「……」

青年「しかたねえなあ」



96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:43:22.23 ID:5oF6CZwo

青年「お届けものーっス」

青年「……出てこねえな」

青年「そーれ」

青年「……チャイム爆撃も効かねえか」

青年「だったらこれはどうだ」



97 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:43:57.68 ID:5oF6CZwo

青年「娘さんに愛想尽かされた○○さーん!」

青年「娘さんからのお手紙ですよー」

青年「娘さんに逃げられた○○さんてばー!」

青年「……出ていらっしゃいましたか」

青年「そんなに怒ると血管がバチ切れるっスよ」

青年「健康には気を使ってる? それは知らないっスよ……」



98 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:44:25.25 ID:5oF6CZwo

青年「なんで事情を知ってるか?」

青年「娘さんとのことならなんでも知ってるっスよ」

青年「あなたの娘さん、東京で暮らしたいって言っていたそうスね」

青年「でもあなたはそれに反対だった」

青年「それで娘さんとの大喧嘩があった後。娘さんは家出同然に出ていった」

青年「それから連絡を取っていない」

青年「全て手紙に書いてありました」



99 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:44:58.79 ID:5oF6CZwo

青年「プライバシーはどうなってる、って……」

青年「まあ、ごもっともなんスけど」

青年「でも自分はまだ新人で、それもできた奴じゃないんで」

青年「いやいや、それほどでも。褒めてない? これは失礼」

青年「言いたいことは分かります」

青年「でもね、あなたはそれより知らなければならないことがある」

青年「いいですか、よく聞いてください」



100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:45:25.09 ID:5oF6CZwo

     ・
     ・
     ・


青年「お疲れ―」

青年「あー、そうだセンパイ。俺って有給とれたっけ?」

青年「そうか。センパイは取れる?」

青年「よし」

青年「ん? ああ、ちょっと一緒に旅行でも、と思ってな」

青年「それはちょっと気が早い? 何赤くなってんだ」

青年「でもわたし頑張る? 勝手に気張ってろ」



101 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:45:58.78 ID:5oF6CZwo

青年「――よーし着いた」

青年「さあ入るか」

青年「ここ? 見ての通り結婚式場だが」

青年「おい、センパイ。何卒倒してやがる」

青年「何? うれしいけど、いろいろすっ飛ばしすぎてる? 知るか」



102 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:46:43.42 ID:5oF6CZwo

青年「何、招待状がないと入れない?」

青年「そこ、なんとかならないスかね?」

青年「いや、俺たち、○○さんの知り合いなんスけど。いえ、お父さんの方の」

青年「え? いいんスか? ありがとうございます」

青年「よし、センパイ、入るぞ」

青年「まだウェディングドレス着てない? 何勘違いしてやがる」



103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:47:21.16 ID:5oF6CZwo

青年「○○さん。ちわっス」

青年「俺の忠告を聞いておいてよかったでしょう」

青年「娘さん、結婚するんですってね。ジューンブライドだ」

青年「東京でイイ相手見つけてゴールイン、スか」

青年「そんな顔しないでくださいよ。優しそうな新郎さんじゃないスか」

青年「ああ、泣きそうだったんスね」

青年「ここは泣いてもいいと思うスよ」

青年「泣かない? あの子には涙を見せないと誓った? はあ」

青年「くだらないスね。……嫌いじゃないスけど」



104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:48:21.01 ID:5oF6CZwo

青年「次、新婦のスピーチっスよ、しっかり聞いてあげないと」

青年「……」

青年「聞きました? 本当はお父さんが大好き、ですって」

青年「あ、どこ行くんスか? ……ああ、いや、しっかり泣いてくるといいっスよ」

青年「……俺も娘もったらああなるんかねえ」

青年「センパイ? もうそろそろ帰ってくるべきだと思うぞ?」



105 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:49:22.81 ID:5oF6CZwo

青年「お疲れ―」

青年「ふう……。ん? ああ、○○さんか。東京に引っ越したよ」

青年「さすがに同居はしないらしいけどな」

青年「……」

青年「ああ、いや。ちょっとクサいこと考えてた」

青年「……心ってのはいつか通じ合うものなんだってな」

青年「……」

青年「あ? 俺とセンパイの心もいつか通じ合う?」

青年「……」

青年「……もうとっくに」

青年「バッ……何でもねえよ!」



106 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/08(土) 02:49:52.88 ID:5oF6CZwo

配達青年「お届けものーっス」



     ~了~



116 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 11:04:51.73 ID:WSlz1sAO
―新聞配達

少女「さ…さむいよぅ…」ブルブル

少女「このお宅で最後だね」

少女「んしょんしょ…」

少女「新聞受けが高すぎて届かないよぅ」

少女「…そうだ!」

少女「えいっ」カツン

少女「失敗…」

少女「もう1回…とぅっ」コン

少女「うぅ…どうしよ…」

少女「明るくなってきちゃった…」グスッ

少女「犬さん…おはようございます」

少女「え?預かってくれるの?」

少女「ありがとう!明日からよろしくねっ!」


117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 11:06:52.79 ID:WSlz1sAO
―牛乳配達

少女「あ、おはようございます」

少女「いつもたくさんありがとうございます」

少女「……」ジー

少女「お姉さんのたゆんたゆんはやっぱりこれのおかげですか?」

少女「…はいっ!頑張ります!」

少女「……」チラッ

少女「…頑張るもん!」


 
119 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 20:25:59.44 ID:WSlz1sAO
少女「お届けものでーす」

少女「…ヤギ…さん?」

少女「あっ…いやっだめぇ!!」

少女「食べられちゃった…」



121 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 21:55:45.84 ID:WSlz1sAO
少女「……ごくり」

少女「今日こそは…お届けさせてもらいますからねっ!」

少女「ああっ…なんて不適な笑み…」

少女「今日は秘策も用意してますから!」

少女「いざ尋常に…勝負っ!」


122 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 22:01:58.29 ID:WSlz1sAO
少女「よっほっ」ヒョイヒョイ

少女「見える!見えるよララァ!」

少女「きゃっ!?」ビシッ

少女「はや…い…くぅっ」

少女「くらえっ!」

少女「デコイペーパーっ!」シュバッ

少女「ヤギさんが裏紙を食べてるうちに…」コソコソ

少女「なっ!?もう食べちゃったんですかっ!?」

少女「きゃ、きゃああああ!?」

少女「うぅ…また配達失敗です…」クスン

少女「ここは二郎さんに頼もう…」トボトボ


125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:21:22.86 ID:WSlz1sAO
少女「あの…ちょっとお願いがあぅっ!?」

少女「いきなり何するんですかー」

少女「私の方が先輩なのに…」ブツブツ

少女「あっはい…ずっと取りに来てもらっちゃってます」

少女「八木さんにはほんとに申し訳ないはぅっ!?」

少女「もうっやめてくだしいよぅ!」

少女「だってあれはヤギさんが…」

少女「そ、そうです!それをお願いしようと思ってたのに」

少女「いきなりおでこを叩くから…」ブツブツ

少女「あっあの!八木さんのお宅、私の代わりにお願いできまひゃうっ!?」

少女「はい…自分で行きます…」シュン


126 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:23:41.15 ID:WSlz1sAO
少女「結局断られちゃった…」

少女「自分で何とかしないと」

少女「……」

少女「…そうだ!特訓しよう!」


127 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:32:11.55 ID:WSlz1sAO
少女「はい…はい、お願いします」ガチャン

少女「え?…えへへっないしょです」

―――

少女「はぁ…はぁ…」ガランゴロン

少女「お、重い…」ガランゴロン

少女「この…特注の…鉄下駄…で…」ハァハァ

少女「ヤギさんに負けない…」ガランゴロン

少女「スピードをっ!」ハァハァ


128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:35:47.84 ID:WSlz1sAO
―数日前

少女「やったぁ!やっときた!」

少女「この重量感…」ホゥ

少女「いぶし銀の色合い…」ウットリ

少女「まさに、あのお姉さまの鉄下駄とうり二つ!」

少女「お姉さまに敬意を表して、“カズミ壱号”と名付けちゃおう」

少女「…えへへっ」


129 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:39:58.89 ID:WSlz1sAO
少女「んっしょ…よいしょ…」

少女「遅れてきたサンタさんみたいですか?」

少女「配達範囲を広げてもらったんです」

少女「よぃ…しょっと」

少女「あっ」

少女「遅れてきたんじゃなくて」

少女「かなり慌てん坊のサンタクロはぅっ!?」

少女「うー」

少女「いってきまぁす」


130 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:47:23.63 ID:WSlz1sAO
少女「かっこいいなぁ」

少女「すーぱー…」

少女「いなづま…」

少女「……」フゥ

少女「やっぱり必要ですよね…必殺技」

少女「まずは名前を考えないと…」



132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/08(土) 23:51:56.59 ID:WSlz1sAO
少女「たぁっ!」シュパパッ

少女「うーん…腕の角度がなんか違うなぁ」

少女「…はっ!」シュバッ

少女「あっ今のよかったかも」

少女「二郎さんに見てもらおうかなぁ」

少女「……」

少女「またぺしってされそうだからやめとこ」

少女「はぁぁ…」カッ

少女「いい感じですっ」


134 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 00:02:56.33 ID:CCqO2cAO
少女「ヤギさん…私は帰ってきました…」

少女「今日こそは!しっかりお届けさせていただきますっ!」ビシッ

少女「……ふぅぅ…」

少女「いざ尋常に…まいるっ!」

ビュンッシュバッ

少女「さすが…はやいっ」

少女「やっ!はっ!たぁっ!」

ヒュンッズバァッザンッ

少女「なっ!?かわされた!?」

少女「くっ…これなら!」ズバババババッ

ドガガガガガッ

少女「きゃあっ!」ズシャアッ

少女「す、すごいパワーです…」ハァハァ



136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 00:21:50.77 ID:CCqO2cAO
少女「デコイペーパー!」ブワッ

少女「同じ手が二度も通じるなんて…」ヒュンッ

少女「私も思ってませんっ!」

少女「上ですっ!」ドゴォッ

ズッシャアアアアアアアアッ

少女「や、やった…の…?」ゼェゼェ

少女「うそ…なんて立てるんですか…?」

ガシュッビシッドガッズゴォォォォォォォッ

少女「きゃあああああああああああっっ!?」


137 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 00:39:08.28 ID:CCqO2cAO
少女「く、くぅ…」ゼェゼェ

少女「あれを使うしか…ないですね…」

少女「ご町内のみなさん…」

少女「私にちょっとだけでいいので…」

少女「元気を分けてください…っ!」

少女「はぁぁぁ……」カッッ

少女「行きます……必殺っ!」

少女「乱れっ」キュゥ…

少女「雪っ!」ゥゥ

少女「月っ!!」ゥン

少女「華っ!!!」ゴォッ

ギュバババババババババババババババババッッッ!!!!!

……………

………




138 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 00:46:02.96 ID:CCqO2cAO
少女「お、終わった…」

少女「あれから1週間、ずっと始末書だなんて」

少女「むー」

少女「腰が痛いです…」

―――

少女「おはようございます」

少女「八木さんのお宅ですか?」

少女「えへへ…もう一人で大丈夫ですよ!」

少女「私じゃなくてヤギさん?」

少女「もももももちろん!今は大の仲良しさんですからっ!」

―――

少女「あっヤギさんこんにちは!」

少女「うぅ…酷く怯えてます…」

少女「ま、まあ八木さんのお宅に無事配達できるようになりましたし」

少女「これで万事オーケーですねっ!」


145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 15:28:35.14 ID:CCqO2cAO
ふむ…勢いだけで書いたら色々おかしいな
先輩→センパイ
二郎さん→ジローさん
他に気をつけるべきところはあるかな?
口調を合わせるのはどうにも難しい


146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]投稿日:2011/01/09(日) 15:52:39.22 ID:ute81UAO
>>145
センパイが可愛ければ問題ないス


147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]投稿日:2011/01/09(日) 16:12:30.61 ID:/4RmBDMo
>>145
「センパイ」っていうのはジローさんから少女への呼び名だから気にしなくておk
んで少女からジローさんへはやっぱり「二郎さん」。俺が勝手にジローさんと呼んでるだけ
でも俺もセンパイが可愛ければ問題ないス
っていうか面白かったっス。またお願いしたいっス


148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りしますVID(Tes):7/npH4AO[sage]投稿日:2011/01/09(日) 16:29:39.54 ID:CCqO2cAO
了解ありがとう
俺“も”頑張るッス


149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:16:25.67 ID:+7/npH4AO
少女「お疲れさまでしたー」

少女「あの…これから寄ってもいいですか?」

少女「ポッチャと遊びたいんです」

少女「あっ今ちょっと寂しそうな顔した!」

少女「いやいや絶対してましあぅっ」

少女「もうっもうっ」

少女「大丈夫ですか!」

少女「えへへ」


150 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:18:50.96 ID:+7/npH4AO
少女「おじゃましまーす」

少女「ポッチャー遊びに来ましたよー」

少女「あれ…いない」

少女「!!」

少女「おお…」

少女「おおおおお…」

少女「あっあの…入ってもいいですか…?」


151 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:22:25.27 ID:+7/npH4AO
少女「ふぁ…ぬくぬく…」

少女「おこたはこの世のパラダイスですね…」

少女「大げさなんかじゃないですよ」

少女「ささ、ぼっさり立ってないで君も入った入った」

少女「細かいことは気にしないでください」

少女「ふぅ…ほかほか…幸せです…」


153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:27:51.51 ID:+7/npH4AO
少女「ああ…うちはあまり広くないので…」

少女「それにおこたがあるとダメ人間になってしまいそうな気がして」

少女「その点、君はあってもなくてもダメにきゃんっ」

少女「うー」

少女「でもおこたがあれば許せちゃう不思議」

少女「これでみかんがあれば最高なんだけどなぁ」

少女「いえいえ別に催促なんてしてませんよ?」

少女「いやあなんか申し訳ないですねー」

少女「うぅ…こたつみかん最高です…」


154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:32:33.04 ID:+7/npH4AO
少女「やっぱり肩は少し冷えますね」

少女「肩掛け…ふふっ優しいんですね」

少女「ありがとうございます」

少女「でも私には奥義がありますから」

少女「えへへ」

少女「奥義!コタツムリー!」

少女「ふぁぁぁ…あったかいですー」

少女「…ん?」

少女「わひゃあ!?」


155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:35:27.90 ID:+7/npH4AO
少女「ポッチャ!」

少女「こんなところにいたんですね!」

少女「えっ…いや忘れてないですよ全然」

少女「おこたに夢中とかなってませんから」

少女「きゃっ!」

少女「あれ?ポッチャここにいるのに…」

少女「あ…」

少女「…えっち!」


156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 18:42:59.15 ID:+7/npH4AO
少女「むー」

少女「えいっえいっ」

少女「あっ…このこのっ」

少女「ひゃん!?手を使うなんてずるいですっ」

少女「ていていていていっ」

少女「あははっくすっくすぐりはははっ禁止っひゃひゃひゃひゃっ」

少女「…ぁんっ」

少女「……」

少女「……」

少女「もっもう帰りますねっ」

少女「そ、そういう君だって真っ赤じゃないですか…」

少女「……ばか」

少女「なんでもないです!」

少女「またね!ポッチャ」

少女「じゃ、また明日。おやすみなさい」


160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 20:06:44.96 ID:+7/npH4AO
青年「…センパイなにしてるんスか?」

青年「ぷっ…あいてててっ」

青年「ちびなんて思ってないって!」

青年「くくっ…俺が取りましょうか?」

青年「どれどれ…ほっ」

青年「おぉっ!?」

青年「どわああああっ!?」

青年「あいたたた…」

青年「!?」

青年「わわわわわざとじゃないっスよ!」

青年「う…まじすんません…」

青年「せせせせせきにんっ!?」

青年「あー…」

青年「……りますよ」

青年「に、二度も言えるかっ!!」


161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 20:08:13.64 ID:+7/npH4AO
ちょっと違うけど…
「急接近」おしまい

まあベタですな
何がどうなったのかは各自脳内補完でwwww



163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 20:50:09.45 ID:+7/npH4AO
少女「すみませんすみませんすみません!」

少女「はい…以前から注意は受けてたのですが…」

少女「本当に申し訳ありません…」

少女「はい…気をつけます…」

少女「すみません、お先に失礼します…」


164 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 20:50:53.26 ID:+7/npH4AO
少女「あ…お疲れさまです…」

少女「それが、似たお名前のお客様がいて」

少女「はいあちらの。それで」

少女「何度か誤配してしまっていて…」

少女「わ、笑わないでくださいよぅ…」

少女「今日もまた、息子さんが注文したものを間違えてしまったんです」

少女「品名?見てませんけど、Amazonからでしたよ?」

少女「え?中身わかるんですか?」

少女「内緒って…」

少女「はぁ…」

少女「お客さんにも所長にもすごい怒られちゃいましたよ…」


165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 20:51:37.48 ID:+7/npH4AO
少女「なんでにやにやしてるんですか…?」

少女「先輩が落ち込んでるんだから」

少女「あ、頭くらいなでてくれたって…」

少女「えっ?ちょっ…どこ行くんですか?」

少女「呆れられちゃった…」

少女「うっ…うぇ…」

少女「このお仕事、向いてないのかなぁ…」


166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[]投稿日:2011/01/09(日) 20:52:17.77 ID:+7/npH4AO
少女「ふぇ!?」

少女「や…あ…」

少女「……」

少女「はい…頑張ります…」

少女「……」

少女「ち、ちっちゃいって言わないでくださいっ!」

少女「……」

少女「ありがとう…ございます…」


174 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:38:57.34 ID:HgHzkcq3o

少女「おはようございまーす、新聞でーす」

少女「あ、おはよう。早いねユウ君。受験勉強?」

少女「ふーんすごいなあ、こんな朝早くから」

少女「わたし? わたしはお仕事だからね」

少女「え、なに? 志望高校に受かったら?」

少女「ははーん、さては私に何かせがむつもりでしょ?」

少女「いいよ、もし受かったらなんでもかなえてあげる!」

少女「大丈夫、嘘はつかないよ!」



175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:39:37.65 ID:HgHzkcq3o

少女「おはようございまーす、新聞でーす」

少女「ああユイちゃんおはよう! 勉強頑張ってる?」

少女「徹夜? あはは、疲れたって顔してる」

少女「ふーん、レベル高いとこ狙ってるんだねえ」

少女「ん? そこってもしかしてお隣のユウ君と同じとこ?」

少女「別にあいつは関係ない?」

少女「顔真っ赤だよ?」



176 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:40:07.27 ID:HgHzkcq3o

少女「こんばんはー、夕刊でーす」

少女「あ、お母さん、こんばんは」

少女「ユウ君頑張ってますか」

少女「ああ、呼ばなくてもいいですよ! 今勉強中でしょう?」

少女「あの子も喜ぶ? はあ」

少女「あ、こんばんはユウ君!」

少女「……もしかして寝てた? ほっぺによだれ跡が」

少女「違う? 心の汗? それ違くない?」



177 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:40:36.23 ID:HgHzkcq3o

少女「こんばんはー、夕刊でーす!」

少女「あ、ユイちゃん、こんばんは!」

少女「ん、どうかした?」

少女「あ、もしかして文通お手紙? ユウ君との?」

少女「お隣なのにマメだよねえ」

少女「手紙じゃないと素直に話せない?」

少女「ああ、ああ、顔真っ赤」



178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:41:48.42 ID:HgHzkcq3o

少女「すみませーん、再び失礼しまーす、お手紙でーす」

少女「ユウ君、また会ったね」

少女「あなたにお手紙だよ」

少女「はい、隣のユイちゃんから!」

少女「なんだよー、女の子からのお手紙だよ? もっと嬉しそうにしなよー」

少女「あはは、わたしからの手紙だったら嬉しい? ユウ君お上手!」

少女「あ、あれ? ごめん、なんか変なこと言った?」



179 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:42:32.86 ID:HgHzkcq3o

少女「おはようございまーす、新聞でーす」

少女「ユウ君、おはよー!」

少女「今日も早いね。え? 徹夜?」

少女「そっか、隣のユイちゃんと同じだ」

少女「ん、ユイちゃんも頑張ってるらしいよ」

少女「○○高校だって、ユウ君と同じだね」

少女「そんな嫌そうな顔しないの。幼馴染でしょー」

少女「うっとうしいだけ? そのわりに文通のお手紙はちゃんと書いてるみたいだけど?」

少女「あはは、分かった分かった。お手紙預かったからね」



180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:42:59.42 ID:HgHzkcq3o

少女「おはようございまーす、新聞でーす」

少女「わ! ユ、ユイちゃんおはよう」

少女「あ、お手紙? 預かってきたよ。はい」

少女「そんなに焦らなくてもお手紙は逃げないって」

少女(ああ、お手紙読んでるユイちゃんは幸せそうだなあ)

少女「ふふ、この後はユウ君と一緒に登校?」

少女「あれ、違うの?」

少女「そんなの恥ずかしい? なるほど、そっか―」

少女「いやいや、笑ってないよ。ふふ」



181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:43:38.62 ID:HgHzkcq3o

少女「こんばんはー、夕刊でーす」

少女「ユウ君、こんばんは」

少女「ん? 心なしか嬉しそうだね。何かあった?」

少女「え、これは? 模試の結果? 見ていいの?」

少女「どれどれ」

少女「おお! ○○高校の判定が五段階評価で四だ!」

少女「これなら大丈夫そうだね!」

少女「約束? 大丈夫、忘れてないよ!」



182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:44:05.49 ID:HgHzkcq3o

少女「こんばんはー、夕刊でーす」

少女「ユイちゃん、こんばんは」

少女「あれ? そこはかとなく暗ーいけど……何かあった?」

少女「模試の結果? 見るよ?」

少女「あ」

少女「○○高校の判定、五段階中、二か……」

少女「うーん、これは……ちょっと厳しそうだね」

少女「ああ! そんな、泣かないで!」



183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:44:34.65 ID:HgHzkcq3o

少女「うーん、困ったね……」

少女「何か打開策は、と」

少女「ありきたりだけど、塾に行くとか家庭教師とか?」

少女「そんなお金はない? そっか……」

少女(ユイちゃんちはそんなに裕福じゃないんだよね……むしろ……)

少女「お金のかからない家庭教師がいればなあ。でもそんなの」

少女「あ」

少女「そういえば一人だけ、心当たりがあるよ!」

少女「うん、わたしに任せて!」



184 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:45:08.12 ID:HgHzkcq3o

少女「というわけなんですが」

少女「俺になんの関係が、って二郎さんも分かってるくせにー」

少女「そう、ずばり二郎さんに家庭教師をやってもらいたいんです!」

少女「浪人生時代に培った知識を、今こそ世の中のために生かすべきです!」

少女「二郎さんになんのメリットがあるか?」

少女「特にありません!」

少女「あいた! また叩きましたね―!」



185 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:45:36.83 ID:HgHzkcq3o

少女「なだめすかして、ようやく二郎さんを説得しました」

少女「まさか恥を忍んでこの身体を交渉に持ち出しても応じてもらえないとは……」

少女「まあ、これから毎日の夕食をおごることで手を打ってもらったんですけどね」

少女「食事>わたしの身体」

少女「へこみます」



186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:46:08.58 ID:HgHzkcq3o

少女「まあ、とにかく今日の配達へ出発です! おー!」


 ガチャ! ……シーン


少女「あれ?」


 ガチャガチャ シーン


少女「あれれ?」



187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:46:40.45 ID:HgHzkcq3o

少女「まさかバイクが故障するとは」

少女「まあ、長い間使ってましたから想定外というわけではありませんが」

少女「むしろ想定外といえば今の状況です」

少女「いい方向への裏切りですが」

少女「ねー、二郎さん」

少女「ちょっと! いきなり粗い運転にならないでくださいよ! わたしを後ろに乗せてるんだからもっと安全にお願いします!」

少女「乗せてるからこそ? このー!」

少女「いた! その体勢から叩き返してくるとは!」



188 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:47:06.38 ID:HgHzkcq3o

少女「おはようございまーす、新聞でーす」

少女「ユウ君のお母さん、どうもおはようございます」

少女「え? 隣の男の人は誰かって?」

少女「わたしの彼氏です」

少女「わっとと! 冗談ですよう」

少女「あ、ユウ君おはよう」

少女「え? なんで不機嫌?」



189 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:47:40.03 ID:HgHzkcq3o

少女「そうなんですよ、バイクが故障しちゃって」

少女「そのせいで二人の初めての共同作業に」

少女「新婚さんみたい? えへへ」

少女「っと。そろそろ二郎さんのそれも見切ってきました」

少女「生意気? 愛ゆえでーす」

少女「ああ!? 何故かユウ君がさらに不機嫌に!」



190 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:50:19.30 ID:HgHzkcq3o

少女「おはようございまーす、新聞でーす」

少女「ユイちゃんおはよう!」

少女「今日は例の助っ人を連れてきたよ!」

少女「じゃーん、二郎さんでーす!」

少女「こう見えても医学部を目指してたから頭はいいんだよー」

少女「こう見えても、は余計? これは失礼」

少女「ともかく、ユイちゃんはこれで安泰。大船に乗って揺られまくった心地でいてよ!」

少女「船酔い? そんなの関係ねえ!」

少女「今日の夜から特訓開始だよ!」

少女「ふつつか者ですがよろしくお願いします? そ、それじゃあ結婚みたいだよユイちゃん」



191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:50:51.52 ID:HgHzkcq3o

少女「こんばんはー」

少女「はい、家庭教師業に参りました」

少女「ユイちゃんは二階ですか? あ、分かりましたおじゃまします」

少女「ユイちゃんこんばんはー」

少女「うわー片付いたきれいな部屋だね。わたしのとは大違い」

少女「こら二郎さん、こっそり嗅がないでください!」



192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:51:19.45 ID:HgHzkcq3o

少女「さて、勉強の間わたしは手持無沙汰です」

少女「かといって二郎さんに夕食をおごるので先に帰るわけにもいきません」

少女「それに二郎さんを女子中学生と二人きりにするとなにをするかわかりませんし!」

少女「あう!」

少女「いたた。――え? でも確かにお前よりは魅力があるかもな? どういう意味ですかそれ!」



193 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:51:51.16 ID:HgHzkcq3o

少女「あはは、やっぱり動物のお医者さんは面白いなあ」

少女「え、うるさい? ……ごめんなさーい」

少女「……」

少女「ぷ、くく」

少女「ちょっと! 辞書投げるなんてどういうつもりですか!」

少女「愛情表現?」

少女「重すぎます!」



194 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:52:23.87 ID:HgHzkcq3o

少女「勉強の調子はいかがですかー?」

少女「ユイちゃんは筋がいい? このまま行ければ何とかなりそう?」

少女「本当ですかそれ! やったねユイちゃん! 成績が上がるよ!」

少女「ところで今は何やってるんですか?」

少女「英語ですか」

少女「もともと勉強は苦手ですが、英語は特に苦手で」

少女「今使える英語は一つだけです」

少女「あいらびゅー」

少女「み、みーとぅー? 本当ですか二郎さん! 嘘? こんちくしょー!」



195 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:53:26.73 ID:HgHzkcq3o

少女「そんなこんなで、入学試験も終り、合格発表の日が近付いているわけですが」

少女「ちょっと、二郎さん落ち着きましょうよ」

少女「俺は落ち着いてる? じゃあ、歩きまわってないで座りましょ?」

少女「自分の生徒の合否が気になるのも分かりますけどね。少しは冷静さを――」

少女「は、はい、わたしです! 電話口で開口一番それじゃあ誰だか分からない? で、でも伝わるでしょ!?」

少女「そ、そんなことはどうでもいいんです! ユイちゃんは!?」

少女「え!?」

少女「そ、それ本当ですか!?」

少女「じじじ二郎さん!」

少女「残念ながら、ユイちゃんは……!」

少女「そんなに気を落とさないでください二郎さん!」

少女「トップではありませんでしたが合格です!」

少女「いったぁぁぁぁい! 本気で叩いた! なんで!?」



196 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:54:30.21 ID:HgHzkcq3o

少女「こんばんはー! そしておめでとうございまーす! お届けものでーす!」

少女「ユイちゃん、おめでとう! これ、わたしたちからの合格祝い!」

少女「よく頑張ったね、えらいえらい」

少女「これでもう安心だね」

少女「ん?」

少女「泣いてるの? ユイちゃん」

少女「……そっか、頑張ったもんね。緊張の糸が切れたんだね。よしよし」

少女「ほら、二郎さんもよしよしって」

少女「ちょっと、二郎さんも泣いてるんですか!?」



197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:55:13.37 ID:HgHzkcq3o

少女「そして、もう一人、こんばんはおめでとうございまーす!」

少女「ユウ君はなんとトップ合格!」

少女「それをここに祝して、合格祝いを贈呈しまーす! わーぱちぱち!」

少女「すごいよねーユウユイで一番二番独占だもの」

少女「学校の先生方も鼻が高いでしょうて」

少女「ん、約束のこと? もっちろん覚えてるよ!」

少女「さては新しいゲーム機が欲しいんだね? 違う?」

少女「じゃあ、パソコンが欲しい? 違うか」

少女「もしかしてお姉さんのキスが欲しいとか! 違うよね、あはは」

少女「……え?」

少女「……」

少女「えええ!? わたしが好き!? 付き合ってほしい!?」



198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:55:41.64 ID:HgHzkcq3o

少女「……えーと」

少女(何この沈黙)

少女「あ、あはは、どうしましょうね二郎さん」

少女「俺に振るな? だって……」

少女「……」

少女「えーとね、ユウ君」

少女「まずは、わたしを好きって言ってくれてありがとう」

少女「前からずっと思っててくれたんだよね。受験勉強の支えにするくらいだもん」

少女「本当にありがとう」

少女「でも……」

少女「ごめん」

少女「ユウ君の気持ちはとてもうれしい。でも付き合えない」

少女「っ……それは」

少女「その……」

少女「わたし、好きな人がいるんだ」



199 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:56:09.64 ID:HgHzkcq3o

少女「ちょっと乱暴で、雑で、偉そうな人なんだけど」

少女「でも、自然に人を助けたり、身近な人のためにがんばれるいい人なんだ」

少女「それなら僕も同じ?」

少女「……」

少女「わたしは……その人じゃなきゃだめなんだ」

少女「あ! ユウ君どこ行くの!」

少女「待って!」



200 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:56:35.16 ID:HgHzkcq3o

少女「あ……ユイちゃん……」

少女「もしかして、今の見てた?」

少女「……」

少女「あ、ユイちゃん! 待って!」



201 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:57:11.05 ID:HgHzkcq3o

少女「どどどどうしよう、ユウ君が出ていっちゃった!」

少女「おまけにユイちゃんがわたしのこと、嫌いって……」

少女「ああ、ごめんなさい二郎さん」

少女「そ、そうですね、まずはユウ君を探さないと!」

少女「ん? 何か落ちてる?」

少女「これは……」



202 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:57:44.27 ID:HgHzkcq3o

少女「ユウ君、どこ!?」

少女「ユウ君!」

少女「ユウく―ん!」


     ・
     ・
     ・


少女「はあ、はあ……」

少女「あ、携帯……」

少女「二郎さんですか? え!? ユウ君が見つかった!? すぐ行きます!」



203 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:58:30.25 ID:HgHzkcq3o

少女「――こんなところにいたんだユウ君……」

少女「……」

少女「みんなも心配してるし、帰ろう?」

少女「……」

少女「困ったなあ……」



204 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]投稿日:2011/01/10(月) 07:59:15.70 ID:HgHzkcq3o

少女「じゃあさ、これ読んでみてよ」

少女「そんなこと言わずにさ、ね? ユイちゃんからの手紙だから」

少女「内容はわたしも知らない」

少女「でも、さっきユイちゃんが自分で渡しに来てたんだ」

少女「あの恥ずかしがり屋のユイちゃんがだよ?」

少女「大事なお話だと思うな」


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