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姫「こんにちはー!」魔王「……は?」2/3



姫「こんにちはー!」魔王「……は?」




217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:35:44.93 ID:MhCIIs0CO


―――……

姫(もういなくなった? そんなわけないでしょ。ばっちり聞いてましたー!)

姫(どんだけ私が国で虐げられてきたか分かってんの? 殴られた痛みだって母親に苛められていたときに比べれば優しいもんだっつーの!)

姫(……それにしても)

姫(魔王様にそんな過去があったのか……私、知りもしないで……本当に、エゴだって言われても仕方ないな…)

姫(考えもなしに、勝手で無責任な事を言って魔王様に押し付けようとしてた)





元スレ
姫「こんにちはー!」魔王「……は?」




218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:37:25.39 ID:MhCIIs0CO
姫(……ごめんなさい)

姫(でもね、やっぱり和解は諦めきれないの! 魔王様が和解を恐れているなら、和解をすべきだと思う。乗り越えるためにも)

姫(勇者じゃないと言われたけれども、私は魔女で、勇者なのよ。前回は勇者が敵だった。でも今回は違う!私が味方につく限り、和解を成功させてみせる!)

姫(でも……本当に?)

姫(本当に私にできる? 信用も何もない私に?)

姫(……信用か)

姫(どうにかするしかないよ……私は仮にも、勇者の孫なんだから!)

姫(魔王様のことだって、諦めないんだから、ね)


219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/12(火) 23:38:26.95 ID:MhCIIs0CO
姫(そういや、さっきは聞いていたのバレたのに何で今回はバレなかったんだろう……不思議)


―――…


側近「へっくしょーい!」

魔王「うおっ 風邪か?」

側近「さぁ~誰かが噂してるんじゃないですかね……ふふ」

魔王「……?」


―――…

姫(とりあえず、国に戻ろう!こ、怖いけど!)



287 名前:保守ありがとうございます。書きため分投下[]投稿日:2010/10/13(水) 21:24:46.38 ID:ANg4uMPyO

姫「戻って来ちゃった……」

姫「とりあえず、父に…王に会わないとね!」


―――…


門番1「これは、魔じ…勇者様!お帰りなさいませ」

門番2「よ、よくぞご無事で、魔王は……」

姫「……急いでるんだ、王に会わせて」

門番1「……は、はぁ。おい、門を開けろ」

門番「……ああ」


ギィイイイ


姫(気まずそうな顔)

姫(やっぱり、帰ってきても私なんか迎え入れてくれないのよね)

姫(別にもう慣れたけど。……そんなことより今は王と話し合うのが先だもの!)




288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:25:41.62 ID:ANg4uMPyO

―――…


二姫「お姉さま!お姉さまではありませんか!」だきっ

姫「わぁ!?に、二姫!? 部屋から出て大丈夫なの!? 病気は……」

二姫「この頃は調子が良いのです! それよりも、ああ、お姉さま……勇者として魔王を倒しに行くとお聞きしましたが……無事に帰って来られたのですね! 私、本当に心配で……」

姫「二姫……ありがとう。あなただけだよ、そんな風に思ってくれるの」

二姫「そんなこと…! お父さまだって心配なさっていましたわ!」

姫(お父様が心配していたのは、私じゃなくて魔王を倒せたかどうかよ……)




290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:27:02.29 ID:ANg4uMPyO
姫「二姫、お父様はいるかしら? お話がしたいの……この国の行く末を決める、大切な話」

二姫「……お姉、さま? あ、えと、お父さまなら、王室に居られますわ」

姫「ありがとう。……ねぇ、二姫」

二姫「は、はい」

姫「二姫は、戦争は嫌よね?」

二姫「も、もちろんです! 戦争は悲しみしか産みませんもの…!」

姫「ふふ……いい子ね」なでなで

姫「そうよ……」

姫「私がいる限り、悲しみは産ませないわ」キッ




291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:33:15.03 ID:ANg4uMPyO


―――…

【王室】

王「よくぞ、戻って参られた。心配したぞ」

姫「お久しぶりでございます。王様」

王「頭を上げよ、そしていつもの呼びで構わぬ。して、姫よ、魔王は倒したか」

姫「……そのことについてお話があります。お時間の方、よろしいでしょうか」

王「わ、私は魔王を倒したかと聞いおるのじゃが」

姫「……倒して、おりません。ただ、話を、してきました」

王「……」




294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:37:09.92 ID:ANg4uMPyO
姫「お父様、突然ですが私は、この国のためにも、魔族との和解を求めます!」

王「!? 何を寝ぼけたことを……和解などできるわけない!」

姫「いいえ、できないわけがないのです! 私達も魔族も、同じ生き物です! 我々が平和を望むように、魔族だって平和を望んでいる!」

王「お、お前に何が分かるというのだ!?」

姫「お父様こそ、何をそんなに怖がっているのですか!?」

王「私が怖がっている……!?我が娘とて……私を愚弄する言葉を吐くことは許さんぞ!」

娘「いいえ! あなたは怖がっています!魔王を恐れています! 何故ならば、あなたは知っているから!」

王「な、な……何を……!」


296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2010/10/13(水) 21:41:40.98 ID:ANg4uMPyO
姫「あなたの父とその時の勇者が、魔族にしたことをですよ!」バサッ

王「……こ、これは!?」

姫「……亡くなった私の母親が、私に預けていったものです」

王「! か……彼女が……?」


姫(私の事を散々虐めてきた、母親らしからぬ母親だったけれど、私に……チャンスを与えてくれた)

姫(ありがとう……お母さん)


297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:44:19.00 ID:ANg4uMPyO
王「これは、日記か……?」ペラッ

姫「私の母方の祖父、つまり勇者の日記です……最初に読んだ時は、あまりの内容に目を疑いました」

王「……!」ペラッ

○月×日『魔王を滅ぼした日から、もう何年もたった。私は今、あのときのことを深く反省している』

姫「だって祖父は勇者ですもの。勇者は正義のはず……こんなことあってはいけないはずだわ…」

『あのとき、王の言うことをどうして聞いてしまったのだろう? 魔王は和解を求めていた。この国は平和になるはずだったのだ。それを私は自分から壊してしまった。本当に、私が悪のようなものだ……』




298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:45:51.97 ID:ANg4uMPyO
姫「ですが、魔王に会って、私はこの日記を信じたくなくとも、信じざるをえなくなった」


『王は、このことを国には内緒にしていた。和解を締結した話はもちろん、むしろ魔王が戦いを挑んできたと偽った。魔王を倒した私はヒーローだと言われた。広場には銅像が立つ予定だ。赤と金の硝子細工が埋め込まれた剣を持って、誇らしげな顔を浮かべた私の像が』

王「こんな……こんなのは嘘だ! 本当ではない!!全て偽りだ!!」

『だが、皆は知らないのだ。剣に埋まったあの硝子細工は、元々罪のない魔王とその子供の眼をくり貫いたものを固めて作ったものだと。皆は知らないのだ。誇らしげな顔を浮かべた私が、どんなに悪逆非道なことをしたのかを。私は、あの像をまともに見ることができない』



300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:47:03.32 ID:ANg4uMPyO
姫「では、どうして…何も恐れることはないはずでしょう!?」

『私は、あの子に謝りたい。私を目覚めさせてくれたあの魔王の子に。もう思うように動くこともできない我が身、誰か私の代わりに謝ってはくれないだろうか……』

姫「あなたは、あなたの父がしたことを、魔族にいつか復讐されるのではないかと、恐れているのでしょう!?」

『誰か、私の代わりに、本当の平和を――…』




301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 21:48:09.71 ID:ANg4uMPyO
王「……誰か、」

姫「……え?」

王「…誰か来い!! この者を、捕らえよ!」

姫「おっお父様……!?」

バタンッ

従者達「いかがなされました!王様!」

王「この者は魔王に洗脳されておる!洗脳がとけるまで牢にぶちこんでおけ!」

姫「なっ…!?」


308 名前:さるさんの馬鹿[]投稿日:2010/10/13(水) 22:08:15.33 ID:ANg4uMPyO
従者2「し、しかし彼女は勇者……そしてあなたの……」

王「うるさい!この国の平和を乱すものに勇者も何も関係ない!早くしろ!」

従者達「は、はい!!」

姫(し、信じられない……あの優しいお父様が……)

姫「お父様!! 私を牢に入れるだけでは何の解決にもならないのですよ!!」

姫「それに魔王はっ……あの人は、あなたに復讐をする気はないのよっ!!確かに恨みはあるだろうけどっ…! あの人はそんな人じゃないっ!誰よりも…優しくて平和を愛してっ…かはァっ……!?」がくんっ

従者2「お許しください……勇者様…」

従者1「……さぁ、早くしろ…!運べ!」



309 名前:書きため終わりです[]投稿日:2010/10/13(水) 22:09:39.73 ID:ANg4uMPyO

―――…

王「……」カタ…

王「……っ体が…震える……」

王「今さら、どうにもできぬのじゃ……自ら作り上げた恐怖の像は……思ったよりも大きかった……」

王「きっと彼女も、恐ろしかったに違いない……だからこの日記を、捨てることもできずに…」

王「許しておくれ……姫よ、愛する恋人よ……」

王「私は、恐怖を無くすために、同じ過ちを繰り返そうとしている。過ちじゃ。決して正しくはない。だが、それで恐怖を無くせるならそれでいい。私は魔王を……」

王「殺さねばならない」

王「……戦争だ」


318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2010/10/13(水) 22:49:11.27 ID:bQij+hRl0
っていうか、魔王はそんな子供でも既にお父さんやお兄ちゃんより強かったんだな…


321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/13(水) 23:11:18.91 ID:pTNNVPom0
>>318
魔王の兄と父はベロンベロンに酔っ払ってる寝込みを襲われた様子
それにしても強すぎだけど


360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2010/10/14(木) 12:31:22.28 ID:9HoOtxKyO
側近「魔王様ほんとに宜しいのですか?今、王の元には…」

魔王「構わぬ。いつかはあの日と決別せねばならんからな」

魔王「悪く思わないでくれ姫…いや勇気ある者よ」

側近(魔王様…)

魔王「全軍に告ぐ!!全力を挙げて保守をしろ!!」

魔物ABC[「『オー』」]


361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 12:49:10.77 ID:PJ9rvjhhO
オー


362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 13:20:23.22 ID:MT7ZXvZpO
オー


363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 13:52:00.65 ID:JWr0/k990
オー


364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 13:53:38.60 ID:Tt4hMIr10



365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 14:01:53.03 ID:2VUD7UnE0
おー



 
397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 21:52:35.78 ID:egbuXlF/O

―――…

側近「王国にいる魔物から報告が入りました」

魔王「何だ」

側近「どうやら、あちら側は戦争の準備をしているようです」

魔王「ほう? ずいぶん急だな」

側近「今、城の牢に姫が入れられています。多分、姫が和解の件を持ち出して、そうなったのではないかと……」

魔王「……あの馬鹿」

側近「……」

魔王「く、」

側近「……魔王様」

魔王様「く、くく、あっはっはっは!」
側近「……その笑い方は、はしたないですよ」

魔王「ふっ…ふ、ふ……はぁっ。……いやぁ?とうとう戦争まで持ち出してきたとはな! あの姫は確かに災いを産む魔女なのかもしれんな!あっはっは!」

400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 21:55:10.74 ID:egbuXlF/O
側近「……随分嬉しそうになされますね?」

魔王「ああ、何だか清々しい気分だ。俺は自分が思ってたより、優柔不断な人間だったのだな」

側近「はぁ」

魔王「側近、俺は平和を望んでいる。だから和解を望まなかった。だが今は状況が違う。戦争は和解よりも平和から遠ざかる」にやり

側近「……つまり」にやり

魔王「ああ、宣戦布告をされる前に、王と面会する!宣戦布告されてからでは遅いからな! 紙と筆を出せ! そして、魔界中に、伝えろ」

側近「は!」ダッ

魔王「……」

魔王「ふ、本当に俺に和解を望ませるとはな……負けたよ」

魔王「さぁて、あの馬鹿は今どんな顔をしているのだろうな……?」


401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 21:58:26.83 ID:egbuXlF/O
―――…

姫「……私の馬鹿。あー!何でこんなに馬鹿なのよ!!」

姫「結局魔王に迷惑かけて……あーあーあー!!ばーかばーか!!あほ!!」

姫「…………はぁ」

姫「どうしよう……」

カタッ

姫「っ……誰っ!?」

王「……私じゃ」

姫「……お父…様」

王「こんな所に閉じ込めて、すまないな……」

姫「……」

王「…姫よ、よく聞け。私は魔族に宣戦布告をする」

姫「なっ……!?」

王「だが、魔王を倒すことができるのは勇者だけじゃ」


402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 21:59:18.57 ID:egbuXlF/O
姫「……それで?」

姫「私の力を借りたいというのなら、お断りよ」

王「……よいのか? お前が魔王を倒せば、お前を忌み嫌う者はきっといなくなるのだぞ?」

姫「……」

王「会ったばかりの者を、それも魔王を、どうしてそんなに庇う? あれさえ殺せばお前は……」

姫「っやめてよ!!」

姫「そもそも私をこんな目にあわせたのはあなたじゃない!あなたは禁産伝承を知っていて母に近付いた!」

姫「あなたが母と出会わなければ……私は産まれなかったのに!」

王「……」

王「……知っていて、彼女を好きになった私は……罪か」ぼそっ

姫「……っ」

姫「出て行って。私は絶対あなたに力を貸さない……!」

王「……また来る」

バタン




404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:01:48.28 ID:egbuXlF/O
姫「……っ」

姫「……っう……うう……!」

魔王「……相変わらず姫君は、泣き虫であられる」

姫「う、うるさいわねっ! ほっとい……てぇえええええむぐっ!!?」ガッ

魔王「この……馬鹿!見つかったらどうする!」 バシッ

姫「もがっ……!」

魔王「まったく、困ったお姫様だ……」
姫「……」ずずっ…

魔王「あーしかしまぁ、そんなに泣いたんじゃせっかくの顔も台無しだな」

姫「……何でいるのよ?」

魔王「馬鹿の間抜け面が見たくてな。ふむ、思った通りの間抜け面で安心した」

姫「……」

魔王「何だ?言い返してくれないのか、つまらんな」




405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:03:34.12 ID:egbuXlF/O
姫「あ……あの、魔王様……実は、父が…いえ、私が…和解の話をして、それで……」

魔王「ああ……そのことか。戦争だろう?とっくに知っているさ」

姫「私のせいで……本当に、ごめんなさい!!」

魔王「……」

魔王「いや……お前には感謝してるよ」

姫「……は?」

魔王「は?ってお前……またぶっさいくな顔で…」

姫「だ、だっておかしいじゃない!戦争が始まるかもしれないのに感謝してるって! 何なの?滅びたいの?マゾなの!?」ハァハァ

魔王「その息遣い気持ち悪いからやめろ」


407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:08:04.69 ID:uwbHdt4B0
この王は真っ当な条件では和解を飲まないだろ


408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:08:47.01 ID:egbuXlF/O
魔王「……」

魔王「戦争は、起こさない」

姫「……!」

魔王「明日、面会を望む文を送る。宣戦布告される前に、和解の話を持ち出してやるさ」

姫「ほ、本当に……?できるの……?」

魔王「さぁな。でもやらないよりは、ましだろう?」にやり

姫「……うん、うん…!」

姫(でも本当は、話をするだけでは無理なんだろうなぁ……。せっかく魔王様がやる気を出したんだから…何か良い手はないかな……何か)



410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:13:41.43 ID:egbuXlF/O
??「……」

??「……そこに、誰かおりますの?」

姫「!?」

魔王「!」

二姫「あ、あ……まさか…まさか!お前は…魔王!?」

姫「二、二姫!? 何故ここに…!?」

魔王(……二姫? ああ、本物の姫君か。なるほど、姫に似ているが幾分こちらのが賢そうな顔をしている)




411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:15:55.07 ID:egbuXlF/O
訂正
>>410の前にこれが入ります


魔王「…よし、お前のあほ面も拝めたし、そろそろ帰るかな」

姫「そ、そういえばどうやってここまで来たの?」

魔王「ああ……転移魔法だ。意外と疲れるんだぞ。一歩間違えればミンチになるしな」

姫「ひぇ~……怖いね」

魔王「まあ俺はヘマしないし」

姫「ふふふ」




412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:16:55.93 ID:egbuXlF/O
二姫「お姉さまから離れなさい!!」バッ

魔王「お……っと。おい、何か勘違いして……」

二姫「お黙りなさい!魔王め! お姉さまをたぶらかし、こんな酷いところへ入れて……!」

魔王「いや入れたのはお前の親……はぁ、姉妹揃って話を聞かない奴らだなぁ」

姫「どうしてこんなところにいるの二姫!?」

二姫「私はお姉さまの様子が気になって……!そんなことより!」

魔王(……嫌な予感)

二姫「お姉さま、今従者を呼びますからね! 魔王を捕まえるのです!」

姫「!? だ、駄目だよ!!」

魔王「だぁあ……めんどくさい」


413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:17:57.91 ID:egbuXlF/O
二姫「魔王!」キッ

魔王「……うむ?」

二姫「わ、私は! 私はあなたを許しませんわ! せ、戦争を起こす元凶のあなた、を……うっ!?」

姫「に、二姫!?」

二姫「げほっげほっ!!…げほっ…は、っはぁっ…げほっ!!」

姫「大変……発作だわ!」

魔王「発作……?」

姫「二姫は昔から身体が弱くて、ずっとこうなの…!お医者さんを呼ばなきゃ……魔王様…誰か呼んできて!」

魔王「医者?だがこれは……」




414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:19:31.01 ID:egbuXlF/O
二姫「げほっげほっ…!く、苦しいっ…げほっ…お、お姉さまっ……」

姫「おかしい……いつもはこんなに酷くないのに……おかしいよ!」

魔王「この病気の病名は?」

姫「今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ……!? それに、まだ分かってないわ! 原因不明なの!」

魔王「ふむ……」カツカツ

二姫「……!?来ないでっ……ひっ!?」にゅるっ

姫「うわっ!?な、なななな何してるのぉ!?痛い痛い痛い!!!!魔王様の手が!!二姫の胸の中に!!!」

魔王「やはりなぁ」にゅる……にゅる

二姫「ひぃっ!?」

姫「や、やめてよ!二姫を殺さないで」

魔王「ああもううるさい、待ってろ」

ずる…ずるずるっにゅるんっ

姫「ひぃいいっ!?」

魔王「おお、まれにみる大きさだな」


420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/14(木) 22:25:58.83 ID:egbuXlF/O
ビチッビチチッ

魔王「"燃えろ"」

ボッ

二姫「……っけほ…けほ……今のは……」

姫「何、なの……?」

魔王「何って、蟲だろ? 珍しくもない。お前も治ったろう?」

二姫「あ……すごくすっきりしています…!信じられない……」

姫「珍しくなくないよぉー!? え、じゃあ何!? 二姫も、その他この病気にかかっている人は、この蟲?に苦しめられていたってわけ!?」

魔王「ああ、そうだろうな」


429 名前:最後に一レスだけ[]投稿日:2010/10/14(木) 22:37:11.25 ID:vs+bwc3m0
魔王「普通人間界にはいないんだけどな……誰かが何かの弾みで連れて来たのか…?そして繁殖した、と」

姫「……こ、」

魔王「こ?」

姫「これだぁ!!流石魔王様だよぉ!」

魔王「は……?」

姫「こ、この蟲って、魔界の人以外も治せるの!?」

魔王「いや、無理だろうな。魔界のものでもなかなか難しいと思うぞ。側近とかは余裕だが」

姫「魔王様ももちろん楽々できるんだよね!?」

魔王「あ、ああ。まあな……」

姫「っしゃー! 和解の手助けゲットだぜ!」

魔王「……うむ?」


 
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 02:44:12.09 ID:A5m8veX7O
側近「くっ…魔王様が居ない時に限って、現れるなんて…」

魔物A「防衛ラインが…このままだとやられます…ご指示を下さい!!」

側近「くそっ…ここまでなのか…。まずは体の不自由な者、女、子供を優先に逃がすんだ」

魔物B「時間が…時間が足りません…落ちます!!」

側近「落とさせるものか!!このスレだけは命に変えても保守しなければ魔王様の顔に泥を塗ることになるんだぞ」

側近「全軍に告ぐ!!全力を挙げて保守だ!!!」

魔物ABC[『「オー』」]

499 名前:保守ありがとうございます[]投稿日:2010/10/15(金) 21:21:31.63 ID:8LYcs3pb0

姫「二姫も手伝ってくれるよね!!」

二姫「えっ…わ、私は……」チラッ

魔王「……俺が怖い、か?」

姫「ま、魔王様は良い人だよ! 二姫の病気だって、治してくれたじゃない!?」

二姫「それはそうですけど…」

姫「お願い、二姫! 二姫の口添えがあれば少しは良くなると思うの…。私は戦争なんか嫌!二姫もそうでしょう!?」

二姫「お姉さま…」

二姫「……」

二姫「分かりました……お役にたてるかは分かりませんが…」

姫「ありがとうっ…二姫!」ぎゅうっ


502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:22:44.12 ID:8LYcs3pb0
二姫「魔王様」

魔王「うむ?」

二姫「先程は御無礼を申し訳ございませんでした。取り乱して、はしたない姿をお見せして……お恥ずかしいかぎりです。どうぞ失礼をお許しくださいませ」

魔王「ああ…。……」 ジッ…

姫「どうしたの?」

魔王「いや、お前ら本当に姉妹なのかと思って。むしろお前が妹なんじゃないのか」

姫「ムカつくけど、確かに二姫は良い子だから、言い返せないわ…」

魔王「俺は大人しいのより喧しい方が好きだけどな」

姫「えっ……そ、それって…!?」 ドキドキ

魔王「見ていて飽きないだろう?」にやにや

姫「……あ、そういう……ね」 がっくり

魔王「ははは、やはり飽きないな」




503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:24:31.25 ID:8LYcs3pb0

魔王「……さて、それでは今度こそ帰ろう。あまり遅いと側近が心配するからな。あいつはいつもはクールなんだがな…
   俺に関する事になるとちょっと性格が変わるんだ。全く親馬鹿というか…」

側近「……それだけ心配なんですよ、魔王様のことが」 ゴホン

魔王「うおっ……!? どうしているんだお前…」

側近「帰るのが遅いから様子を見に来たのですよ。ああ、姫様。お久しゅうございますね。相も変わらぬご様子で安心いたしましたよ」

姫「結構ボロボロなんだけど、本当にそう見えるのかな…それとも嫌味かな…」

魔王「……こういう奴なんだ、気にするな」


505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:27:45.12 ID:8LYcs3pb0
側近「おや、そちらの方は……?」

姫「あ、この子は私の自慢の妹の二姫です。ほら二姫、御挨拶して」

二姫「は、初めまして…ええと……」

側近「初めまして、二姫様。側近と申します。お姉様と同じでまことに愛らしいお顔でございますね。弥生に咲く満開の花も、あなたの愛らしさには適わないでしょうね…」

二姫「えっ…ええっ…あ、あのッ!?」 カアア

姫「あれも素なの……? あんなに顔を真っ赤にする二姫初めて見たよ…」

魔王「…素だ。あいつあれで口説いているつもりないからな。それにあいつ、男か女かも分からんし」

姫「えっ!魔王様も知らないの!?」

魔王「あいつは色々と謎なんだよ…だが、信頼はできる奴だ」

側近「ああ、魔王様。ありがたきお言葉…骨身に染みます」

魔王「はぁ……もういいから、帰るぞ」

側近「はっ」




506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:30:23.93 ID:8LYcs3pb0
魔王「では、二姫。話し合いの時はよろしく頼む」

二姫「はいっ…!」

魔王「姫も……頼むな」

姫「……うん」ぎゅっ

魔王「……こら、裾をつかむな。帰りづらくなるだろう」

姫「ん…ごめん……」 そっ…

側近「魔王様、帰りますよ」

魔王「……ああ」


508 名前:諸事情によりパソコンで書き溜めましたが、携帯で書き溜めてきます。保守は自分でします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:31:57.81 ID:8LYcs3pb0


・・・ ・・・


二姫「行ってしまわれましたね……」

姫「そうだね……」 ぽー…

二姫(やはりお姉さまは、魔王様のことが……)

二姫「あ……お、お父さまは、面会を受け入れるのでしょうかね!?」

姫「受け入れるよ。受け入れなかったら後が怖いって、お父様なら思うはず」

二姫「そうです、ね」

姫「絶対、成功させるんだから……!」


511 名前:保守するくらいなら書きためないで投下した方がいいか[]投稿日:2010/10/15(金) 21:37:34.36 ID:iUsWCgUfO

―――…

側近「魔王様は、とうとう姫君の事を好きになったのですか?」

魔王「うん?」

側近「だって先程あんなにも熱視線を飛ばしていたではないですか」にやにや

魔王「……」

魔王「好きだが、これが恋愛感情であるとは思わない」

側近「……」

魔王「どちらかと言えば家族愛に近いもんだと思うよ、俺はな」

側近「そうですか……」


513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:42:35.12 ID:iUsWCgUfO
側近「ですが、彼女はそうではないでしょうね。あなたを本気で愛していらっしゃる」

魔王「ふ……魔王に恋する姫か。童話だったら悲恋に終わるだろうな…」

側近「……あなたが、彼女をそういった意味で好きでないならば、きちんと伝えるべきですよ」

側近「……彼女が諦めるかは分かりませんがね」

魔王「……ふぅむ」

側近「ま、何はともあれ、まずは和解のことを考えましょう! 手紙は送りましたし、早くお返事来るといいですね~」

魔王「……そうだな」



514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 21:51:59.44 ID:iUsWCgUfO

―――…

従者1「大変です!王様!」 タッタッタッ

王「どうしたのだ。騒がしいの……」

従者1「せ、先刻!魔王より手紙が届きました!」

王「!? ……な、何…!? 一体どうして……まさかこちらの情報が漏れて…?」

従者1「は、はぁ。それは分かりませぬが、手紙はこちらにございます」 サッ

王「……っごくり…」 ペリッ…

王「……これは…」

518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 22:03:10.50 ID:iUsWCgUfO
王「……従者1」

従者1「はっ」

王「早急に軍に告げよ。明後日、魔王が来ると…」

従者1「なっ……それはまことですか!?」

王「ああ、そして明後日の話し合いの日、軍を城内と外に満遍なく配置させよ」

従者1「は、はっ!伝えてきます…!」 タッタッタッ…

王「……」

王「……私は…どうすればいいのだ…」


519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/15(金) 22:10:53.04 ID:iUsWCgUfO

―――…

王「姫よ」

姫「……何かご用?」

王「ここから出て良い。風呂に浸かり、身体を休めよ」

姫「あら、魔王にたぶらかされた私を外に出して良いのかしら?」

王「……明後日、魔王が来る」

姫「……!」

王「手紙が届いたのじゃ。是非話がしたいと」


562 名前:書きためはしていませんので、1時間後に見にくるぐらいの方が良いと思います[]投稿日:2010/10/16(土) 01:17:33.65 ID:xv1jUL1qO
姫「……ふうん。それで?」

王「わかるじゃろう?もしもの時の場合じゃ。姫よ、再びこの剣をそなたに授ける」

姫「……勇者の剣…」

王「魔王が不審な動きを見せたら、その時はお前が……」

姫「……いいわ」

王「すまぬ……」

姫「謝ることはないわ。私は魔王を信じているもの」

王「……」

王「……もうすぐ鍵番が来る。ゆっくり休むといい…」

姫「ええ……」

姫(きっと、うまく和解できる……)ぎゅっ


564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 01:25:49.15 ID:xv1jUL1qO

―――…

側近「魔王様、王国よりお返事が届きましたよ」

魔王「ほう、そうか。思ったより早いな。何て書いてある?」

側近「ええ~と……さわやかな秋となりましたが……ふむふむ……ええ~と」 ペラッ…ペラッ

魔王「……要約でいい」

側近「明後日の昼、是非おいでくださいと」

魔王「よし、とりあえずは安心だな」



566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 01:28:30.59 ID:xv1jUL1qO
側近「魔王様、あちらはきっと警戒して軍やら兵やらを待機させてますよ。こちらも準備するべきでは?」

魔王「いや……その必要はない。こちら側が大人数で参れば、あちらは余計警戒するだろう。それに和解を望みに行くのに、大勢で押しかけたら失礼だ」

側近「それもそうですね。失礼しました」

魔王「それに」

側近「はい?」

魔王「お前がいてくれれば百人力だよ」

側近「ま、魔王様……!」 じーん

572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 01:43:47.00 ID:xv1jUL1qO
魔王「問題は、どう説得するかだ……」

側近「そうですねぇ……ああ、蟲の話を持ち出せばいいではないですか」

魔王「まぁそれも一つの手だが……ん?」

側近「どうしました?」

魔王「……お前、蟲の件の時、いなかったよな?」

側近「えっ」

魔王「まさか……病蟲を人間界に持ち出したのは」

側近「……えっと……申し訳、ありません」

魔王「はぁ……やっぱりか。あーあー、いいよ。今回は許す。お前も先を見越してやったことなのだろう?」

側近「すみません……」

魔王「病蟲はとりついても死に至る程ではないしな。二姫のはずいぶん大きくなっていたからヤバかったが」


574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 01:53:00.77 ID:xv1jUL1qO
側近「二姫にまで……それは申し訳ないことをしました」

魔王「とりあえず病蟲が一つだな……あとは…思い付かん……」

側近「即興で何とかしてみたらいかがです?」

魔王「簡単に言ってくれるなよ。和解するってことは妥協と固執のどちらも必要なんだ。相手の主張を認めることと自分の主張を認めさせること。これがきちんと平等になされない限り、和解は成功しない」

側近「できますかねえ……」

魔王「だから悩んでるんだろ」


575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 01:58:56.95 ID:xv1jUL1qO
側近「ふふ、でも魔王様ならできると私は信じていますよ」

魔王「お前は俺に甘いからな。親馬鹿め」

側近「そうです。あの日あなたが私を側近に選んでくれた日から側にいるのですもの。こんな利口な子の側にいて、親馬鹿にならない訳がないでしょう」

側近「あなたはいつでも頑張ってきた。だから大丈夫。大丈夫です」

魔王「……ありがとな」



589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 02:50:32.08 ID:xv1jUL1qO
【当日】

―――…

従者1「王様! 軍の用意、兵の用意それぞれできました! 皆、お達しの通りの配置に位置しています」

王「うむ。武具の用意も大丈夫かの?」

従者2「大丈夫です!」

王「そうか。では、ここでゆっくり魔王を待つとしようではないか」

従者達「はっ!」

王「姫……いや、勇者と二姫も、私の後ろに下がっておりなさい」

姫「……はい」

二姫「はい!」


590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2010/10/16(土) 02:53:04.66 ID:xv1jUL1qO
王「……っ」 カタ…

姫(……!)

王「……」 カタカタカタ…

姫(お父様……真っ青。それに震えてらっしゃる…)

姫「……」ぎゅっ

王「……! 姫……?」

姫「……大丈夫です。大丈夫」

王「……ありがとう。姫…」


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