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狐娘「今宵旦那様の床のお相手をさせて戴きます」3/3


狐娘「今宵旦那様の床のお相手をさせて戴きます」



245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:14:58.87 ID:vENQaxKQ0
友「…絵空事ですね。口で言うのは容易いでしょうが、あなたが考えている程楽な道ではないでしょう」

男「…ああ、もちろん楽な道を選んでいるつもりはねえ。…楽に生きていきたいなら、このままあの親方の元で雑用をするさ。」

友「想像以上に辛いと思いますよ。もし仮に上手く逃げられたとして、生活力のない女郎と手の不自由な男二人で長く生きていけると私には思えませんが」

男「…ああ、覚悟の上だ。全て上手くいくとは俺にもとても思えねえが、何もしねえのも、促されないと行動を移せねえのも、もう嫌なんだ。」

男「手が不自由だということに甘え、いつまでたっても餓鬼のままで親方や周りの優しさに身を委ね、判らないことがあれば考えることを止め、誰かに尻を叩かれないと動けない自分が嫌いだった。」

男「「図体ばかりでかくなって」と親方はいつも俺に言ったんだ。」

男「俺はその台詞がとても嫌で、そう言われるたびに頭に血を昇らせたよ。」


 


元スレ
狐娘「今宵旦那様の床のお相手をさせて戴きます」



247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:15:59.76 ID:vENQaxKQ0

男「図星を突かれたことが悔しくて、情けなかった。」

男「あいつと出会い、愛しいと思う気持ちを知った。」

男「唐突に別れ、俺は理由も聞けず後ろを向いた。」

男「親方に諭され、震える手で絵を描いた。」

男「完成した絵は人に見せられるようなものではなくて、恥ずかしくてたまらなかった。」

男「それでも桜の魔力に縋るようにあいつを呼びつけた。」

男「春よりも痩せたあいつの体に触れた瞬間にもう離したくないと思ったよ。」

男「餓鬼だというのなら、餓鬼なりにでも自分の意思を持っていたい。」

男「少しでもあいつに、そして世話をしてくれている親方に誇れるように。」

男「…力を貸してくれ」

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:17:10.53 ID:vENQaxKQ0
友「…」ハァ

友「全くずうずうしい…」

男「…悪い、無理にとは言わねえよ。手間をとらせてすまなかったな」スクッ

友「こら、待ちなさい。」

男「は?」

友「誰が手伝わないといいました?」

男「…え」

友「面倒ですが、面白いではないですか。私には到底真似できませんが。」

男「…いいのか」

友「ええ、何よりあなたの親方殿には私もお世話になっていますしね。」ニコリ

ギシ パタパタ…



250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:18:23.49 ID:vENQaxKQ0

……

パタパタ

友「土地など持っているだけでは勿体無いではないでしょう?」

男「流石はここらで一番大きな呉服屋の旦那様…」

友「私はあなたと違って要領がいいんです。知っているでしょう?」

男「ああ、いつも助けてくれてありがとう」

友「いいえ」ニッコリ



252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:19:32.20 ID:vENQaxKQ0



友「…大体わかりましたね?説明した通り、小屋といえるようなものではありませんから覚悟しておきなさい。冬を越えるのは至難の業です」バサッ

男「ああ、覚悟しておく。」

友「父が昔、母に隠れて妾を匿っていたときに使用していたという本当に小さな小屋ですからね。舐めてかかると痛い目にあいますよ」

男「解った」

友「目を瞑っていてもたどり着ける位に通いなさい、最初の一度は付き添ってあげましょう。」

男「助かるよ」

友「それに私の両親が死んだのももう三年も前の話です。それからずっと誰も足を踏み入れていないのですから、ある程度は荒れていることが予想できます。」

男「…本当、すまねえな」



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:21:26.13 ID:vENQaxKQ0
友「…私はもう生まれた時に進むべき道が決まっていました。それを辛いとは思っていません、沢山の者の命、生活を私は預かっています。それは誇るべきことだと思っていますから。」

友「……ですが、時々、本当に本当に時々、空しくもなります。」

友「私が誰かに恋慕の念を抱いたとて、それは何の意味もなく、進展もないのだと思うとそこに私の意志は必要ないのだと思い知ってしまいます。」

男「…」

友「少しだけ、あなたが羨ましいのかもしれません。」

男「そうか」

友「まあ私だってたまには少しくらい悪戯してもいいではないですか」ニコ

男「…ありがとう。」

友「いいえ」



258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:23:08.36 ID:vENQaxKQ0

男「(それから俺は毎日のように仕事の後山を登った。)

男「(夕の刻に山を登り、降りる頃には朝を迎えることも少なくはなかった。)」

男「(飯を食う暇も惜しみ、山を登り、小屋を直し、山を降り、仕事をしてまた山を登った。)」

男「(小屋は少しずつ修繕した。暖をとれるようにもした。)」

男「(まだ隙間風は吹きこむが、最初よりは随分ましになった。)」

男「(何度も道を見失い遭難しかけた、でも二月が過ぎる頃には月の無い夜でもたどり着けるようになった。)」

男「(そして、約束の新月の夜が訪れた。)」



260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:24:06.18 ID:vENQaxKQ0

男「親方、話があります」

親方「…何だ」

男「…あの」

親方「…」

男「…貴方はいつも暖かく、わがままばかりの俺を受け入れ、使い物にならなくなった俺をずっと傍に置いてくれました」

男「貴方は厳しくも優しく、そんな貴方に俺はいつも甘えていました」

男「…何も返すことのできない恩知らずな弟子で、申し訳ありません」


262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:25:51.69 ID:vENQaxKQ0
親方「…」

男「お暇を、いただきたいのです」

親方「…」

男「…っ失礼します」

親方「男」

男「…っ」ビクッ

親方「…外は寒いだろう」

男「え…」

親方「持っていけ」

男「…襟巻き?」


264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:27:19.37 ID:vENQaxKQ0

親方「暖かくしていけ」

男「親方…」

親方「落ちついたらでいいからまた来い」

男「親方っ」

親方「俺には伴侶がいねえからよお、お前のことを息子のように思っていたんだぜ。」

男「親方っ!」

親方「申し訳ねえとか思ってんじゃねえぞ、俺は別にいやいやお前を預かってたんじゃねえ」

男「…これまでお世話になりました!」

男「ありがとうございました!」

親方「元気でな」ニッ




265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:28:29.90 ID:vENQaxKQ0

立ち上がり、座敷を出た。

俺はやはり餓鬼のままで、図体だけがでかくなっても頭は餓鬼のままで、上手く礼もできず感謝も伝えられなかった。

けれど不思議と気分は落ち着いていた。

次に親方と会うときは、今よりも礼を上手くできるように。今よりも上手く感謝を告げられるように。

大きく息を吸った。

月が見えない。冬が近づき、桜に近づく者はもう居なくなっていた。

息が真っ白だ。親方が呉れた襟巻きに口を埋め、丘を登る。

裸になった桜の木が堂々と、けれど何処か寂しげに立っている。

木の幹に寄りかかると空気が頬を刺すのがやけに気になった。

そろそろ雪が降るかもしれないと考えていた矢先、冷たいものが触れた。


267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:29:21.71 ID:vENQaxKQ0

男「……雪か、まるで桜みたいだな」

男「って、これじゃあ逆か。」フッ

男「それにしても多いな…今日出発にして良かった。」

男「そういえば、腹が減ったな…暫く飯も碌に食っていなかったからか」

男「眠い…」

男「…静かだな」

男「少女…」



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:30:57.95 ID:vENQaxKQ0

狐娘「暗い…」ザッザッ

狐娘「…寒い」ザッザッ

狐娘「早く会いたい…」ザッザッ

狐娘「大門…ここを、抜けて…から」ザッ

バッ ダァンッ


273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:31:59.89 ID:vENQaxKQ0

狐娘「え…え?」

客引きの少年「大門、でちゃいやしたねぇ」グリグリ

狐娘「いた…っ」

客引きの少年「どうしてこんな子どものあっしが不寝番なんてやっているか考えたことなかったんですかい?」ニタニタ

狐娘「…は、なして!」

客引きの少年「僕に勝てるひとが、誰もいなかったからだよ。簡単なことでしょう?」



277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:33:09.72 ID:vENQaxKQ0

客引きの少年「馬鹿だね、君も。ちゃあんと忠告してあげたでしょ?“壁に耳あり障子に目あり”って。まあ頭の悪い化け物には解らなかったかなあ」グイッ

狐娘「…!」ゾッ

客引きの少年「足抜けしようなんて、いい度胸じゃないか」

バシッ ダァンッ

狐娘「うぐぅっ…」

客引きの少年「はは、化け物風情が人間の言うことに耳を背けちゃいけないよ。」グィッ

ズル…ズル…

狐娘「(あ…雪…)」

狐娘「…男…」

狐娘「(行かなきゃ…待ってるのに……)」

客引きの少年「これは根雪になるかもしれないねえ」ニタニタ

ズル…ズル…







281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:35:02.06 ID:vENQaxKQ0
狐娘「(どれだけの夜が過ぎただろう)」

狐娘「(男…)」

ガラッ

客引きの少年「やあ、元気ですかい?」ニタニタ

客引きの少年「いやぁいつ来ても汚いとこですねえ、懲罰房は」ニタニタ

狐娘「…」

客引きの少年「今宵は満月ですぜい、化け物。どれだけの夜をお前はここで過ごしたのかねえ。」ニタニタ

狐娘「…今宵は、満月でございますか」

客引きの少年「ええ、もう雪も随分深くなりやした」


282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:36:09.51 ID:vENQaxKQ0

狐娘「ああ、やけに感情が高ぶると思えば…満月ですか」

客引きの少年「なんだって?」

狐娘「…ふふ」

客引きの少年「…なんで笑うんだい?ついに気でも違ったか」

狐娘「いいええ、愚かだなあと思いまして」

客引きの少年「なに?」

狐娘「頭が悪いのはどちらでしょうね?」

狐娘「これだけ長い間私のことを縛り付けておいて、私のことを何も知らないんですもの」

客引きの少年「…」

狐娘「まあ興味もなかったのでしょうね。まさか私が火を噴くことができるなんて思いもしなかったでしょう?」

客引きの少年「なん…」

ゴッ…


284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:37:16.79 ID:vENQaxKQ0
メラメラ…

狐娘「燃えて、しまえ…」

狐娘「こんな廓、燃えてしまえ!」

狐娘「……」

狐娘「…行かなきゃ」

狐娘「男が…待ってる」



286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:38:17.22 ID:vENQaxKQ0
メラメラ…

カンカンカンカン

ワー キャー キャー

メラメラ…

狐娘「(男…!)」タタタタタ

狐娘「(男…!)」タタタタタタ



288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:39:03.11 ID:vENQaxKQ0
―――約束の場所

狐娘「…足跡も、ない」サク…

狐娘「当然だ…」サク…

狐娘「どれだけ、待たせたの…」サク…

狐娘「雪…枝に積もってる…」

狐娘「彼が言ったとおり、桜みたい」サク…

狐娘「深い…」サク…

狐娘「…」サク…

狐娘「…」サク…

狐娘「…」コツン

狐娘「…?」

狐娘「…」ゾクッ

狐娘「いや…まさ、か…、そんな…」


290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:40:01.65 ID:vENQaxKQ0



足元に転がっていた、それは、あたしが裏切ってしまった、愛しい愛しいあの人






294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:40:45.21 ID:/1gXm4b80
おい


295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:40:49.41 ID:mquxtyRO0
いやあああああああああああああああああ

297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:41:08.82 ID:NMDmmMlW0
おいやめろ、、、

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:42:06.02 ID:vENQaxKQ0
狐娘「ああ…」

男「…」

狐娘「嘘つき…」

男「…」

狐娘「何故先に逝ったの」

男「…」

狐娘「共に生きると、共に逝くと約束したのに」

男「…」

狐娘「ねえ…桜が散っているよ」

男「…」

狐娘「あなたは桜が美しいと言ったね…」

男「…」

308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:44:57.53 ID:vENQaxKQ0
狐娘「…嘘つき」

男「…」

狐娘「桜など美しくもなんともない」

男「…」

狐娘「ただ醜く我らを嘲笑うばかりじゃないか!」

男「…」

狐娘「何で…何も言ってくれないの…」

男「…」

狐娘「あたしあなたを嘘つき呼ばわりしているんだよ。ねえ、あなたが綺麗と言った桜を貶してるの。腹立たしいでしょう?ねえ」

男「…」

狐娘「何か言って…」

男「…」

狐娘「どうして…」


312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:46:31.98 ID:vENQaxKQ0

あの夜、あたしが周囲にきちんと気を配っていれば。

いっそ約束の夜、準備をすると言った彼を押し切ってそのまま逃げていれば。

彼が悪いわけではない。

死を迎えてもなお、この場で彼はあたしを待っていてくれた。



315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:47:18.86 ID:vENQaxKQ0

___男『ずっと待ってる…!』

狐娘「馬鹿…!」


316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:48:08.14 ID:vENQaxKQ0


それでも、この溢れる思いは、彼を責める言葉ばかりを生み出して。


ただただ固く冷えた彼の体を揺さぶる。


頭に浮かぶのは、彼の照れたように笑う顔。



320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:49:26.07 ID:vENQaxKQ0
狐娘「好きなんだ、お願い、起きて!」


狐娘「ねえ!起きて!」


狐娘「ああ、あああ、あああああああああっ何故、何故!」



322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:50:57.50 ID:vENQaxKQ0

狐娘「…」


狐娘「…」


狐娘「ああ、そうだ。」


狐娘「共に逝くことができなかったのなら、後を追いかければいいんだ」


狐娘「共に生きることが出来ないのなら、骨まで混ざり合えばいい。」


325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:51:43.47 ID:vENQaxKQ0

狐娘「あなたの唇、冷たい」


狐娘「それなら、あたしの熱を貴方にあげる」

狐娘「…あの夜、約束を破ってごめんね」

パチパチ… メラメラ…

狐娘「けれどこれからは、ずっと一緒だから」

狐娘「もしもあの世があるのなら、空で桜を共に見たい」

狐娘「貴方と見ればきっと美しく見えるはずだ」


ゴオォォオオ…


狐娘「すきだよ、」


ゴオォオオオオオォオオ



328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:53:06.76 ID:vENQaxKQ0








334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:54:43.78 ID:vENQaxKQ0

姐女郎「(見世が燃えた冬が終わり、季節は春を迎えた。)」

姐女郎「(現在は仮宅を構え今も尚女郎たちは股を開いている。)」

姐女郎「(処以外はさして変わったこともない。)」

姐女郎「(いくつか変化したことを挙げるとするならば、客引きが変わったこと)」

姐女郎「(本来なら誰かが居るはずだった奥の暗い部屋が物置になったくらい。)」

姐女郎「(客引きが可愛らしい少年から爺に変わったことを嘆く女郎は少なくなかった。)」

姐女郎「(暗い部屋についての話題に触れようとする者は居なかった。)


336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:55:54.96 ID:vENQaxKQ0
ギシ…ギシ…

スッ…

姐女郎「…狐娘」

姐女郎「最後に見たのは、泣き顔だったね」

姐女郎「火をつけたのは、あんただったの?」

姐女郎「足抜けをしてまで、一緒に居たい男がいたの?」

姐女郎「私では、きっとあんたの救いにはなれなかったんだね」

姐女郎「私さ、あんたのことは好きだったけれど、目を綺麗だと思ったことはなかったよ」

姐女郎「でも、あんたのことは好きだったよ…」

姐女郎「それだけじゃ、だめだったんだろうね…」

姐女郎「ごめんね…」



337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:56:40.41 ID:vENQaxKQ0

しかし彼女は知らない。狐娘はすでに、この世を生きてはいないことを。

幾年も地獄に縛り付けられていた狐娘は、今幸せなのだろうか。

誰に死を知られるわけでもなく自らの業火で愛しいひとと灰となったことで開放されたのだろうか。

その真実はきっと、あの世へ消えた彼女らにも解ることではないのだろう。


狐娘「今宵旦那様の床のお相手をさせていただきます」終



343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 01:57:50.42 ID:vENQaxKQ0
終わりです。
予想のできる安い少女マンガのような展開で本当にもうしわけありません。
自分にもっと文章を作る力や想像力があればもっといい方向に持っていけたのかもしれないと思うと、それが心残りです。
にわか知識で書いたSSですがこんなにも多くの人に読んでいただけてとても嬉しいです。
レスは全て読ませていただきました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。


 
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:39:51.57 ID:jF1H7NEI0

無理やりなハッピーエンドにするくらいならバッドで全然構わない


408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:42:01.61 ID:eqJ8kRdHO

バッドエンドのSSは久しぶりに読んだwww
男が簡単に死んでたのはちょっと勿体なかったとおもた

乙乙


409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:45:52.67 ID:/Agm3KL50

普通に面白かったわ
バッドはバッドだったけどこういうのは好きだ


410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:53:05.05 ID:7c3c5YUnO

バッドとわかってたがバッドであってほしくなかった

 



413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:05:12.88 ID:vENQaxKQ0
狐娘「…ここは……」

「少女」

狐娘「え…」

男「久しぶり」

狐娘「おと、こ…」

男「ごめんな、先に逝ってしまった」


415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:05:58.57 ID:vENQaxKQ0

狐娘「男…!」

男「狐娘…!」

狐娘「また、会えた…」

男「ああ、何故後など追ったんだ」

狐娘「燃やしてしまったの…」

男「…知ってる。俺のせいだ」

狐娘「ちが…っ!あたしが…」

男「もういい」


417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:07:23.94 ID:vENQaxKQ0
狐娘「おと」

男「もう、休んでいい。お前はもうがんばっただろう」

狐娘「…ッ」

男「見ろ」

狐娘「え…」



419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:08:29.43 ID:vENQaxKQ0
男「これが、桜だ。」

狐娘「桜…」

男「美しいだろう」

狐娘「…うん」

男「とても、美しいだろう」

狐娘「…男、あたしは」

男「少女」

狐娘「…」

男「これからは、共に居られる。」

男「すきだよ」

狐娘「…あたしも、だ」


狐娘「今宵旦那様の床のお相手をさせていただきます」 本当に終わり


 
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:10:34.33 ID:vENQaxKQ0

これで本当に終わりです。
最後のは蛇足なので、読んで不快になった方いたらごめんなさい。

こんな時間まで本当にありがとう。



 
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:09:56.58 ID:58gaDmEQ0
今度こそ本当に乙

アフィまとめ転載禁止とだけ言っておいて欲しい


423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 03:10:02.36 ID:ck+Z7kVv0
これは流石に蛇足じゃ


 

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:02:32.33 ID:vENQaxKQ0



初めて書いたSSだったので正直今でもgkbrしています。
みんな読んでくれて本当にありがとう…
あと
>>251を見て本気でその手があった…と思いました


358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:03:31.56 ID:vENQaxKQ0
まちごうた>>254だ。


360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:04:55.49 ID:4kh9nSwf0
>>358
金で簡単に解決しちゃったら物語なんにも面白くないし
これで良かったと思う。


365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:06:07.26 ID:vENQaxKQ0
>>360
そういってもらえると救われます…


 
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:05:14.85 ID:kUd31KNq0
>>358
少女と関係のない友が男のためだけに(最低ランクとはいえ)大金を払うの?おかしくね?


368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:07:02.14 ID:58gaDmEQ0
>>358
そうすると友が良い奴過ぎて不気味になっちゃう

アフィカス転載禁止宣言しといた方が良いと思うの


369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:07:26.12 ID:orLu8RIZ0
もっと早く燃やしちゃえよとか思ったのは秘密よ

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:19:10.98 ID:vENQaxKQ0
>>369早くに燃やさなかったのは一応お世話になってる姐女郎のことを思って…だったりします。
描写不足だったな…orz


 
373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:08:07.31 ID:vENQaxKQ0
>>361そうですかね…言われてみるとそうかもしれないです。
ただやっぱりハッピーエンドにしたかった気持ちもあるので複雑です


374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 02:08:38.71 ID:ck+Z7kVv0
>>373
じゃあなんでハッピーエンドにしなかったんよ


375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:09:32.87 ID:58gaDmEQ0
>>374
どう締めようと>>1の勝手だろwww


376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 02:10:09.78 ID:ck+Z7kVv0
>>375
だからそれがなんでなのかーって話やん


 
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:11:03.62 ID:4kh9nSwf0
>>366
ラストがバッドかハッピーかはともかく、
金で解決じゃあっけなさすぎて面白くないと俺は思っただけ。
男がせっかく自立しようって時にそんなんで救われても意味がないだろ。


385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:14:36.60 ID:vENQaxKQ0
ごめんみんな…
やっぱハッピーが良かったよな…でもどれだけ考えてもご都合主義なものになってしまうんだ…
こんな簡単ならさっさと逃げればよかったじゃんとしか思えないような展開しか思いつかないんだ…


387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 02:15:39.21 ID:ck+Z7kVv0
バッドエンドにするにしても穴が多すぎた感じかね
描写が足りない



 
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:17:21.42 ID:vENQaxKQ0
>>387だよなあ…。ありがとう、精進します


392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 02:19:04.22 ID:oFIC8v130
>>388
それなら効果音はグイッ、ドサッとかのほうがイメージしやすいんじゃないかな
あとは地の分入れてみるとか




 
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 02:19:23.75 ID:ck+Z7kVv0
簡単にハッピーにしたらご都合主義って言うけど
逆に簡単にバッドにしてもご都合がすぎる


395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 02:19:32.38 ID:EAx2EIymO
あくまで個人的な意見だが、男があっさり死んでたのがちょっと残念だた


396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:19:51.95 ID:9V4tEd0r0
約束の日の前の日に友が狐娘買いーの
男といっしょになりーの
友金返せーの
二人で仕立て職人目指しーの
不器用ながらも頑張るーの

ダメーの?



399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:25:09.41 ID:vENQaxKQ0
>>394うう…それを言われると耳が痛い…すまん…
>>395一応男は二ヶ月碌に睡眠も飯も採ってなかったんだ…自分でがんばれなかった男ががんばりすぎてしま…いやこんな言い訳よくないよな
>>396自分的には駄目じゃないと思う。でもそれをやるのなら狐娘が妖怪である必要がないんだよね…そもそもそんな展開思いつかなかったんだけど


403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:28:50.39 ID:MHXGPrxeO
泣きながら読んだ



405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:31:33.92 ID:ih3oQr1I0
面白かった、最後に夢オチにして鼠穴みたいにハッピーエンドするのも良かったかもね


406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 02:33:10.67 ID:9V4tEd0r0
必然性ってそんなカッチリさせる必要がないと思う今日この頃
前まではカッチリしてた方が好きだったけど
「普通とは違う境遇」を示すだけでも妖怪って設定を付けても問題ないと俺は思う
俺はね


421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 03:09:08.96 ID:b5wJkKCH0
こいつ見てると自分がまだまともだなって自覚できる



 




425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:11:19.65 ID:UF9eHNLB0


縁があればまた別のものも読みたいね

432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:15:56.75 ID:vENQaxKQ0
なるほど…アフィブロ見たことないんだよな。
素直に従っておくことにする。

アフィブロ転載は勘弁してください


433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 03:17:13.33 ID:ck+Z7kVv0
もっとはっきりと書いたほうがいいんじゃないの
アフィブログ転載禁止とか


434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:18:12.17 ID:vENQaxKQ0
>>433了解です。

アフィブログ転載禁止です


437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:24:31.62 ID:4BzEyQ3A0


はあ、胸の靄が晴れん


438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 03:26:58.76 ID:WSDCv/uwP
こんな感じで天国で仲良くやってくれる描写があるだけでも良かったと思える


439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 03:37:50.96 ID:ck+Z7kVv0
まあまた書くならもっと精進してくれ
穴の無いように


440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 03:44:48.79 ID:1iIxcsIl0
昔の心中ものっぽい儚さがよかた









良かったけどぬーべーと夏目と天狐空幻と鬼太郎あたりを呼んできますね!!(#^ω^)ピキピキ


441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 03:47:19.26 ID:vNKYmFgr0
>>1

待ち合わせを満月の夜にすればよかったんじゃ

447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 04:19:35.35 ID:04WKLa6s0
>>1

>>441
満月の夜だと明るすぎるから逃げるのに向かない
始めから武力行使でいくつもりであればそうなるけど


 
442 名前:眠い[]投稿日:2012/02/03(金) 03:48:04.36 ID:/uXG6GKX0
おもしろかった!
>>1


443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 04:02:09.86 ID:hcyeTj9E0



444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/03(金) 04:19:16.64 ID:hk8x2zq90
乙でした
文章自体がよくある会話SSと違って多少の文学教養が見えてよかった
構成や描写をもう少し膨らませたらもっと良くなる

バットエンドの続きがあって読んでるこっちとしては救われたよ、ありがとう

次回作期待してます



445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/03(金) 04:19:22.69 ID:txR/C5N20
ワロタwwwww


 
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