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雪女「今夜は積もりそうね…」
雪女「今夜は積もりそうね…」
雪女「今夜は積もりそうね…」
1
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 01:31:40.30 ID:1m19X7Qx0
雪女「こんな日は人里に下りて、男の生を吸い取ってやろうかしら。フフ、命もだけど…」
サクサク…
:
:
:
雪女「…ふう、やっと着いた」
雪女「街中もかなり降っているわね…さて…」
サクサク
雪女「手近なところで探しましょうかね。ちょうどこの辺は若者が多く住んでいたはず…」
…
…
元スレ
雪女「今夜は積もりそうね…」
9
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 01:38:16.59 ID:1m19X7Qx0
雪女「…このアパートにしようかしら。部屋は…」
雪女「…あの部屋がいいわね」
雪女「ベランダに見える洗濯物は男物。取り込んでないのはだらしがないけど…」
雪女「この深夜でも明かりがついてる、ということは一人暮らし。フフ、条件は完璧ね…」
コツ…コツ…
ピンポーン
雪女「あのう、夜分にすみません」
??「………は、はい……?」
雪女「わたし、遠くの街から来たものですが…。わけあって、今晩休むところがなくて…」
??「…は、はあ…」
雪女「あのう、不躾なのは承知です。どうか一晩、泊めていただけないでしょうか…?」
??「………あ、あの……」
雪女(フフ、早く開けなさい…私の美貌を見たら、泊めずにはいられないわ)
12
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 01:43:17.70 ID:1m19X7Qx0
??「………」
ガチャ
雪女「あの、どうか一晩…ひっ!?」
??「な、なんですか?」
雪女「あ、あなた、顔色が悪いですよ?」
男「ずずっ…はは、風邪をひいてしまっていて……。あの、外は、寒いでしょう?どうぞ中へ」
雪女「……えっ あ! は、はい、お邪魔します……」
男「じゃ、コレ、スペアキーです」
雪女「え?」
男「風邪うつしちゃうとまずいんで、ボク、ファミレスにでも行ってます。では、明日の朝」
雪女「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
14
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 01:48:42.05 ID:1m19X7Qx0
男「なんですか?」
雪女「なんですかって…あなた何を考えてるんですか?」
男「え?」
雪女「見ず知らずの女を家にあげて、一人にして、外で夜を明かす?しかも風邪気味で?」
男「はあ」ゴホッ
雪女「不用心にもほどがあります!早く奥へ!」グイ
男「えっ」ズルズルズル
15
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 01:52:38.86 ID:1m19X7Qx0
雪女「綺麗な部屋ですね…」
男「……は、はは、どうも……」
雪女「…」じー…
男「…………う……あ、あの、宿を借りたいんでしたら、そこのベッド、使ってください」
雪女「え? あ、ああ、どうも…って、あなたはどこで寝るんですか?」
男「ボクは床でいいです。女の人が体冷やしちゃだめですよ、早く温まってください……」ごろり
雪女「だ、だめでしょう!あなた体調が悪いんだから、あなたこそベッドを…」
男「ボクは、大丈夫ですから…」
雪女「だめです!どうしてもというなら、一緒に寝ましょう!」
男「え!? だ、ダメですよ……!」
雪女「ダメです!ほっぺたも赤いし、クマもできてる!きちんと温かくして寝なきゃだめです!」
男「あの…」
雪女「ベッドに入りなさい!」
男「は、はい!」
17
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:05:17.07 ID:1m19X7Qx0
雪女「電気消しますよ」パチ
モゾモゾ
男「あ、あの、本気で一緒に寝るんですか……?」
雪女「嫌なら、私が床に寝ます。どうして背を向けたままなんですか?」
男「………当たり前です……」
雪女「……泊めてくれてありがとうございます」
男「え? いえ……。おやすみなさい……」
雪女「あ……おやすみなさい」
雪女(……今夜は襲うのは無理ね……)
雪女(でも、この男体調が悪そうだし、仕方ないわね)
雪女(……それにしても変わった男……)
男「ゴホ………………グス」
雪女(……わたし、何しに来たんだろう)
18
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:07:54.75 ID:1m19X7Qx0
:
:
:
男「…すぅ…すぅ…」
雪女(……)
男「……グスッ……」
雪女(……?)
男「ひっく……ゲホッ」
雪女(この人……泣いてる……?)
:
:
:
19
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:08:38.38 ID:1m19X7Qx0
男(………眩しい)むくり
ポト
男(……濡れタオル)
男(……よく……眠れた気がする)ゲホッ
男「…あ!?」
男「……いない」
男「……行ったんだろうか……」
ジュゥゥゥゥ……
男「……ん?台所の方から……」
20
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:09:14.20 ID:1m19X7Qx0
ガチャ
雪女「あ、目が覚めたんですね。おはようございます」
男「……あの?」
雪女「あの、風邪の時の食べ物ってよくわからないんですけど……」トン
男「いや、その」
雪女「フレンチトーストと雪見だいふく、どっち食べます?」
男「」
23
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:13:14.23 ID:1m19X7Qx0
雪女「冷蔵庫には何も入ってなかったので、近くのスーパーで買ったんです」
男「す、すみません……」
雪女「いえ、泊めてもらったお礼というか」
男「……いえ、ボクの方こそ何もしていないのに……」
雪女「ところで、どっちにします?」
男「あ…じゃあ、雪見だいふくで……」
雪女「///」クネクネ
男「な、なんですか!?」
雪女「はっ! な、なんでもないです…どうぞ」
25
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:15:12.37 ID:1m19X7Qx0
モグモグ…
男「……ごちそうさまです」
雪女「え?1つでいいんですか?」
男「食欲あまりなくて…ごめんなさい」
雪女「……何かあったんですか?」
男「え?」
雪女「寝ているとき、少し……泣いていました」
男「ボクが…ですか?」
雪女「はい」
男「……なんでもないんです」
雪女「……」
26
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:18:11.86 ID:1m19X7Qx0
男「これからどこかに向かわれるんですか?」
雪女「え? は、はい。無事に夜が明かせたので……」
男「……お気をつけてくださいね。気を遣わせてすみませんでした」
雪女「う……はい」
男「……ゴホ」
雪女「……」
男「玄関まで見送ります」
27
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:19:28.40 ID:1m19X7Qx0
玄関
男「では、その……さよなら」にこ
雪女「あ……」
男「……」
雪女「……さよなら。お大事にして……ください」
バタン
雪女「……」トボトボ
男「」……ぺたん
男「グス……ごほっ」
男「……うぅ……ぐす」ぎゅう
29
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:24:43.29 ID:1m19X7Qx0
雪女「……わたし、何しに里に来たんだろう……」
雪女「……精力吸うどころじゃなかったな…なんで看病なんか……」
雪女「……」
雪女(……不思議な人だったなぁ)
……しゅん…
雪女「……山に帰ろう……」
サクサク……
31
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:26:52.40 ID:1m19X7Qx0
:
:
:
男「ゴホっ」
男「……昼寝から覚めたらもう夜ですか、そうですか……」
男「……いや、時間なんてどうでもいか」ゲホゲホ
男(そうだ、もう何も。どうでもいいや……)
男(……)
男(しかし不、思議な女の人だったなぁ……いきなり来て、看病って……)
男「ゲホ」
男「…………うぅ」
男「……クソぉ……」グス
男「…………ぉ」ぎゅう
男「…………」
ピンポーン
男「!」
32
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:30:08.06 ID:1m19X7Qx0
ガチャ……
雪女「あ……」
男「……」ぐし
雪女「…ごめんなさい……」
男「……」
雪女「……」しゅん
男「……あの……雪も降ってますし、どうぞ」
雪女「……ごめんなさい……」
男「……ゲホ……」スタスタ
雪女「……」ス…
バタン
34
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:33:14.11 ID:1m19X7Qx0
男「…」
雪女「……」
雪女「ご、ごはん……」
男「え?」
雪女「ごはん食べましたか?」
男「いや、食べて……ないです……」
雪女「食べなくちゃ、治らないです……」
男「……」
雪女「食べなくちゃ治らないです!」
男「」
35
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:34:34.89 ID:1m19X7Qx0
雪女「なんで泣いてるんですか?」
男「……」
雪女「何か言ってください!」
男「………なんで……俺にかまうんですか?」
雪女「あなたを見てると不安になるんです。今にも消えてしまいそうな、そんな雰囲気なんです、あなた」
男「……ゲホ」
雪女「放っておけるわけがないです……お願いです、なんで泣いていたんですか?」
男「……一身上の都合で……」
雪女「……」
男「……」
雪女「………ふふ」クス
男「……」
36
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:37:23.30 ID:1m19X7Qx0
雪女「やっとひとつだけ、答えてくれましたね」
男「……」
雪女「あ……気分を害しましたか?」
男「……ぅ」
雪女「え?」
男「い、いや……」
雪女「それで、その。ごはん……」
男「……食欲がないのは本当なんです」
雪女「でも、それでも食べないと……」
男「……」
雪女「……」
37
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:38:08.17 ID:1m19X7Qx0
雪女「お願い、食べて……?おかゆでもなんでも、好きなものをつくりますから」
男「なんで……そこまで」
雪女「放っておけないからです」
男「……」
雪女「……」
男「………あの」
雪女「はい」
男「あの、おかゆが……食べたいです……」
雪女「……はい」ニコ
38
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:42:37.54 ID:1m19X7Qx0
男「……ごちそうさまでした」
雪女「もういいんですか?」
男「はい…本当にこれ以上は」
雪女「……もしかして、しばらく食事をとってませんでした?」
男「……」
雪女「冷蔵庫には何もないし、その体調ですし…。何日くらい食べてないんですか?」
男「……6、7日くらいです。たいしたことは……」
雪女「そんなに食べていないんですか!?今は冬です、熱源になるものを摂らないと本当に危ないんですよ!」
男「……はい」
雪女「……決めました」
40
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:44:21.39 ID:1m19X7Qx0
男「何をですか……?」
雪女「あなたの体調が良くなって、モリモリ食べるようになるまで、ここに泊めてもらいます!」
男「……」
雪女「いいですね」
男「……ん!?」
雪女「……」
男「あ、いや……その。意味が、ちょっと」
雪女「不束者ですがよろしくお願いします」
男「ッ」
雪女「」にこ
42
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:49:15.00 ID:1m19X7Qx0
:
:
:
雪女「できました」スッ
男「……ありがとう」
雪女「熱くはないと思いますが、気を付けて…」
男「…」ぱく……ゴク
雪女「……」
男「…おいしいです。そんなに見つめなくても大丈夫ですよ」ゲホ
雪女「……」にこっ
43
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 02:52:50.73 ID:1m19X7Qx0
男「……ごちそうさまでした」
雪女「もういいんですか?」
男「はい…本当にこれ以上は」
雪女「……もしかして、しばらく食事をとってませんでした?」
男「……」
雪女「冷蔵庫には何もないし、その体調ですし…。何日くらい食べてないんですか?」
男「……6、7日くらいです。たいしたことは……」
雪女「そんなに食べていないんですか!?今は冬です、熱源になるものを摂らないと本当に危ないんですよ!」
男「……はい」
雪女「……決めました」
50
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:04:11.83 ID:1m19X7Qx0
男「何をですか……?」
雪女「あなたの体調が良くなって、モリモリ食べるようになるまで、ここに泊めてもらいます!」
男「……」
雪女「いいですね」
男「……ん!?」
雪女「……」
男「あ、いや……その。意味が、ちょっと」
雪女「不束者ですがよろしくお願いします」
男「ッ」
雪女「」にこ
51
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:04:32.38 ID:1m19X7Qx0
ジャー…ガシャガシャ
男「あの、本…ゲホッ。本気ですか……?」
雪女「寝ていなさい。直す気あるんですか」
男「ボクが食べたものだし、洗い物くらい…」
雪女「…」じぃっ
男「うっ…」
雪女「フゥッ」
ヒュオオオオオォォォォ……
男「ウっ!?きゅ、急に冷気が…」ゾゾゾゾゾゾ
雪女「ほら、そんなに震えているじゃないですか。布団に入っていてください」
男「……く、す、すみません……」ガタガタ
雪女「大丈夫ですよ。あ、洗い物が終わったらタオル持っていきますから…収納はどこですか?」
男「……あっちの部屋のクローゼットです…」
雪女「わかりました」
52
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:04:57.65 ID:1m19X7Qx0
モゾモゾ
男「うう…寒い……」
男「……」
男(本当に何者なんだろう…あの人)
男(……)
男「……グスッ」
53
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:06:40.96 ID:1m19X7Qx0
雪女「洗い物終わりましたよ」
男「ありがとうございます」ゴロ
雪女「では、服を脱いでください」
男「……何を……ずび」
雪女「何をって…体を拭くんです。その体調ではお風呂も入れないでしょうし」
ギュウ…ポタポタ
雪女「お湯を絞っただけのタオルですが、我慢してくださいね」
男「あの、さすがにそれはまずいんじゃ……ッ」
雪女「はーい、脱いでくださいね」
男「ま……まっ……!」
雪女「ふっ!!!」ぐい
男「ちょっ……アッーーーーー!!!」
54
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:12:10.41 ID:1m19X7Qx0
ゴシゴシ
男(……パンツの中だけは守れた…)
雪女「さっぱりできました?」
男(でも……それ以外全部見られた……女の人に……)メソメソ
雪女「あ! つ、冷たかったですか!?」
雪女(無意識に冷やしちゃった!?)
男「い、いえ。すごくさっぱりしました。ありがとうございます。気持ちよかった」
雪女「……///」
男「……あの……?」ゴホ
57
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:15:12.25 ID:1m19X7Qx0
雪女「あ、な、なんでも!そ、そういえばシャワー借りても…」
男「いいですよ。タオルは自由に使ってください」
雪女「ありがとうございます。ちゃんと寝てるんですよ」スクッ
スタスタ…パタン
男「…はー」ゴロ…
男「………」
男「………」
男「………シャワー!!?」がばっ
59
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:18:31.91 ID:1m19X7Qx0
シャアアアア……
男「うっ……急に動くと頭痛がする……」ぱた
男「……はーっ……」
男(しかしなんなんだろうあの人……)
男(深夜にいきなり現れて、泊めろって…しかも看病って)
男(いきなり宿泊の許可するあたり、俺も相当まいってるのかな……)
男(でも、おもしろい人だな……。優しいというか、少しズレてるというか)
男(今のぼくには、ありがたいんだろうか…)
男「………ふふ」
男(……あ……?)
男(……今、笑った…?…ボクが?)
男(……久しぶりに、笑った気がする……)
61
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:23:03.54 ID:1m19X7Qx0
シャアアアア……
雪女「ふう……温かい……湯というのはやはりいいわ」
ゴシゴシ…
雪女「…座って体を洗えるものが欲しいわね……椅子みたいな……」
雪女「あっ! そうだ」
雪女「ふっ」カキーン
雪女「……これに座れば………」ぺた…ヒンヤリッ
雪女「つ、つべたい!無理よこんなの!」
雪女「氷は平気だけど、温かい風呂でこれに座るのは嫌だわ。……お湯で融かそう」
雪女「……結局立ち洗いね…」ゴシゴシ…
雪女「……」
雪女(……お湯で胸が融けたり……しないわよね?私の体、氷じゃないし…)ドキドキ
63
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:27:41.29 ID:1m19X7Qx0
雪女「ふぅ…いい湯でした…」トテトテ
ガチャ
雪女「……あら?」
男「すぅ……」
雪女「よかった、泣いてない……」
雪女「……」ぺた
雪女(額のタオル…もう温いわね)
雪女「ふー…」
ヒンヤリ
雪女(これで良し。ドライヤー借りますね。起こすと悪いから、向こうで乾かそう)トテトテ
64
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:32:26.02 ID:1m19X7Qx0
雪女(よし、寝る準備完了)
雪女(電気を消して…)パチ
モゾモゾ
男「すぅ…」
雪女(まだ私には背中を向けたままか…元気になったら、こっちを向いてくれるといいのだけど)(
雪女(とりあえず今日は…おやす…ん?)
ピカピカ
雪女(メール…誰かしら)パカ
雪女(……えーと……3件も)
雪女(ゆきめちゃん!それにつららちゃん、レイラちゃん。……元気にしてるかしら…)
雪女(メールは明日の楽しみにして……もう寝よう)パタ
雪女(おやすみなさい……えっと…)
雪女(………あれ?な、名前聞いてない!?)
68
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:35:36.84 ID:1m19X7Qx0
男「……」むくり
雪女「すぅすぅ…」
男「……泣かなかった……気がする……慣れたのかな……。………いや……」
雪女「すぅすぅ…」
男「……」じー…
雪女「ん……すぅ…」
男「……」
さら……
雪女「! ふぁ!?」キョロキョロ
男「うわ!?」
雪女「え? …え?」
男「……あ、あの…おはようございます」
雪女「……? ………おはようございます……」ペコ
69
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:37:40.43 ID:1m19X7Qx0
男「……」
雪女「……」
男「……」コツ
雪女「……?どうしたんですか?おでこなんか当ててきて……」
男「え?あっ いえ!すみません……」
雪女「……?」
男(ついクセで…やってしまった……)アセアセ
70
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:40:56.54 ID:1m19X7Qx0
雪女「…そういえば、名前…」ぽけー
男「え?」
雪女「名前、あなたの……聞いて、ないです……」
男「あ。そういえば…。ボクは、男といいます」
雪女「男さん……」ゆらゆら
男「キミ…いや、あなたは?」
雪女「わたしは…。私は…」はっ
男「わたしは?」
雪女「その…えっと、ユキ、っていいます」
男「ユキさん」
雪女「はい」
男「……」フイ
雪女「どうしました?」
男「…照れます」
雪女「……えへへ///」
73
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:48:42.42 ID:1m19X7Qx0
雪女「顔色、よくなりましたね」
男「はい。寝ている間もタオルを取り換えてもらったおかげです」
雪女「起きてたんですか?」
男「なんとなく、そんな気がしたんです」
雪女「そうですか…」
男「それと…その言葉づかい、やめていいですよ」
雪女「えっ?」
男「少し話難いでしょう。普段はそういう言葉づかいではないんじゃ?」
雪女「なぜ…」
男「人に接するアルバイトをしていたので。耳障りでそう思ったんです」
雪女「でも」
男「……大丈夫ですよ。もちろん、そのままでもいいです」
雪女「…はい。じゃあ、そのうち…。あなたも、男さんも。敬語じゃなくていいので」
男「……うん。ありがとう」にこ
75
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:52:12.37 ID:1m19X7Qx0
男「風邪は良くなったみたいだから…今日は何かしますか?」
雪女「無理はしちゃだめ…」
男「本当に、大丈夫」
雪女「……じゃあ、買い物に行きたい…。その、服が全然無いから…」
男「わかりました」
76
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 03:53:29.29 ID:1m19X7Qx0
テクテク
雪女「大丈夫?」
男「ええ、なんとも。で、どんな服を買うんですか?」
雪女「上着を数枚と、あの…」
男「?」
雪女「下着を買おうかなって、思ってて…」
男「………」
雪女「……」
男「……///」
雪女「あっ! ち、違うの! 変な意味じゃなくて…無いから買おうとしてるの!」
男「ない…!?」もわもわ
雪女「い、今はつけてるもん!い、いや…ああもう!」
男「………」ぱたり
79
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:00:48.54 ID:1m19X7Qx0
雪女「だ、大丈夫?」
男「んー…ティッシュありがとう…」ずぽっ
雪女「あ、上を向いちゃだめよ…血が溜まるから」
男「へー…そうなんですか」
雪女(興奮で鼻血出す人、本当にいるのね…)
男「じゃあ、このまま行きましょうか」ス
雪女「へ」
男「下着屋さん。ティッシュありならついていけます。血液量が心配だけど」
雪女「鼻抑えながら行くの!?」
雪女(本当に大丈夫かしら…?)
81
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:03:15.24 ID:1m19X7Qx0
雪女「……というわけで、上下セットで下着が何枚か欲しいんですが…」
店員「ではサイズを…」
男「…ッ外で待ってます!」
雪女「あ…色とか聞こうと思ったのに…」ぷくー
店員「うふふ」
:
:
:
店員「お客様のサイズは……ですね」
雪女(前より少しだけ成長したかな…?)
店員「こちらのコーナーがお薦めで、色は…で、こちらが…」
雪女(2着も買えばいいかしら…。あ、この薄い青のかわいい…)
87
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:13:15.12 ID:1m19X7Qx0
店員「ありがとうございましたー」ニッコリ
雪女(3着も買ってしまった…)
雪女「男くん大丈夫かな。どこだろ…?」キョロキョロ
男「…」ぽけー
雪女「あっ いたいた!ごめんね男くん、お待たせ…」タタタッ
男「…」ぽけー
雪女「男くん、どうし…」
男「…」ぽけー
雪女「……何か…見てる?」キョロ
雪女(…あれ?)
88
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:15:00.70 ID:1m19X7Qx0
男児「あはははー!」
女児「まってーおにーちゃん!」トテトテ
男児「はやくいこう!おいてくよ!妹!」
女児「まってー!」トテトテ
男児「…しょうがないなー」ぎゅ
女児「わあ」
男児「いこっ」
女児「うん!」テテテ…
雪女(…………)
89
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:20:32.85 ID:1m19X7Qx0
男「……ごめんな……妹…」グス
雪女「……」
男「………」ぺたん
雪女「……男くん」とんとん
男「え?あ…」
雪女「待たせてごめんね」
男「いや…今終わったところですか?」
雪女「……うん」
男「次の買い物、行きましょうか」スクッ
雪女「ううん。……帰ろう?」
男「え?いや、でも。服も買いたいんじゃ…」
雪女「帰ろう?」ぎゅ…
男「……わかりました」にこ
91
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:31:47.39 ID:1m19X7Qx0
男「まだ降りますね…雪」
雪女「そうね…」
サクサク
男「…今日は何食べます?」
雪女「あら、作ってくれるの?」
男「一緒につくります…」
雪女「うふふ」
93
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:33:42.30 ID:1m19X7Qx0
雪女「ただいま」
男「おかえりなさい。とはいっても、一緒の帰宅ですけど」
雪女「ふふ」
男「なんですか?」
雪女「なんでもないわ」
男「…?」
雪女「さて、ご飯にしましょうか。男くんは寝てて…まだ治りかけよ」
男「いえ、あまり食べられない分…せめて調理は一緒に」
雪女「…お願いだから。無理は、してほしくないの」
男「……わかりました」
ガチャ…バタン
94
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:38:43.17 ID:1m19X7Qx0
:
:
:
男「ごちそうさまでした。美味しかった」
雪女「…相変わらず食が細いのね…」
男「うん…ごめんなさい…」
雪女「いえ、いいの。ところで、今日はお風呂は入れる?」
男「頭痛もないので、大丈夫です」
雪女「そう、良かった。先に入ってくれる?」
男「いえ、ユキさんが先に入ってください。食器はボクが洗います」
雪女「でも…」
男「ボクは、大丈夫だから」
雪女「…ありがとう」
ジャー…ゴシゴシ
男(ありがとうは…ボクが言う言葉だ)
96
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:42:42.47 ID:1m19X7Qx0
:
:
:
雪女「あがったわよ」
男「わかりました。じゃあボクもシャワー浴びます」
:
:
:
シャアアア…キュ…
男「ふぅ、すっきりした…」
:
:
:
ガラッ
男「あがりましたよ、ユキさん」
雪女「くー…くー…」
男「あれ…寝ちゃった…か」
97
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:46:29.52 ID:1m19X7Qx0
男「…髪乾かしてこよう」スタスタ…
バタン
雪女「…」むくり
雪女(意味なく寝たふりしちゃった…)
雪女(………しかし…)パカ
雪女(ゆきめちゃん達からのこのメール…本当かしら)
雪女(人間と一緒に楽しく生活してるって…本当にできるの…?)
雪女(……できるなら、私も……)
99
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:50:18.92 ID:1m19X7Qx0
ガチャ…
男「あれ?」
雪女「あ…」
男「起こしちゃいました?」
雪女「ううん…自分で起きたの」
男「そうですか。でも、今日はもう晩いです。眠りましょう」
雪女「うん…」
男「布団にもぐってください。電気消しますよ」
雪女「…」モゾモゾ
パチ
男「さて、寝ますか……」モゾモゾ
雪女「……」
100
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:53:42.56 ID:1m19X7Qx0
雪女「……相変わらず背中を向けるのね」
男「ボクも男ですから」
雪女「……」
ぎゅう
男「……なんですか?」
雪女「後ろから抱きついてるの」
男「それはわかりますけど…」
雪女「……」
男「……」
102
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 04:59:43.84 ID:1m19X7Qx0
雪女「……こっち、向いて…?」
男「……」
雪女「お願いだから…こっち、向いて」
男「……。……………」ゴロ
雪女「男くん…今どんな顔してるの?暗くて見えない……」
男「……自分でもわかりません」
雪女「……」
男「……」
雪女「あなたが……」
男「…はい?」
雪女「あなたが泣いていた理由……消えてしまいそうに見えた理由…それは…妹さんの…」
男「……………はい。そうです」
106
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:21:12.63 ID:1m19X7Qx0
雪女「……」
男「……わからないもんですよね。人の、………生き死には……」
雪女「……手…つないでほしい……」
男「……」きゅ
雪女「……続けて?」
108
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:27:43.45 ID:1m19X7Qx0
男「…家族はそんなに仲が良くありませんでした」
男「引っ込みがちで、友達もあんまり友達もいない」
男「はっきり言って、情けないような生き方してきたボクです」
男「でも、妹は。あいつはボクを、いつもお兄ちゃんって、呼んでくれてました」
雪女「うん」
男「本当に小さいころから、いつも一緒にいました」
男「一緒に遊んで、テレビを観て、本を読んで、ご飯を食べて、昼寝して…」
男「一緒に笑って、泣いて、喧嘩して、仲直りして、そして笑って…」
男「いつも一緒だよって、言ってくれてました。落ち込んだら、こんなボクを、励ましてくれました」
雪女「うん…」
110
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:36:12.55 ID:1m19X7Qx0
男「本当に、いい子でした……自慢の妹でした」
雪女「……うんっ……」
男「……グス……」
雪女「……」なでなで
男「ボクなんかの、人生に……色をっ、つけて…くれてたんです」
男「ひぐ…あいつが……いたから……。ボクは………」
雪女「…………うん」
男「………ご…め…………んぅぅ…」ぎゅうっ
雪女「………大丈夫」
男「ごめ…ん…よ…うぅ…!ごめん……!」ひっく
雪女「…大丈夫だからね……」
112
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:40:44.63 ID:1m19X7Qx0
男「……ふっ…う……」
雪女「……大丈夫だからね……」
男「……」きゅ…
:
:
:
:
:
雪女「………落ち着いた?」
男「はい…すみません」
雪女「ううん、いいの。男くんは、妹さんが大好きだったんだね」
男「……はい」
雪女「そしてきっとね、妹さんも、お兄さんが大好きだったんだね」
男「……」にこ
115
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:48:53.91 ID:1m19X7Qx0
雪女「初めて会ったとき、男くんがああいう状態だった理由がわかったわ…」
男「…お恥ずかしいです……」
雪女「恥ずかしくなんかないわ。でもね、男くんがきちんと生活できないのは、妹さんは望まないと思う…」
男「…そうですね」
雪女「だから、その…自分のこと大事にして、ご飯も食べてね」
男「はい…」
116
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:52:29.39 ID:1m19X7Qx0
男「ボクからも、質問したいんですが…」
雪女「……」
男「ユキさんは……何者なんですか?」
雪女「…!……わ、わたしは…」
男「……」
雪女「……ふー…。 …答える前に、お願いがあるの……」
男「はい?」
雪女「…あのね………」
:
:
:
:
118
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 05:56:45.90 ID:1m19X7Qx0
男「…苦しくないですか?」
雪女「うん、大丈夫。あったかい……」きゅう
男「ボクの胸のあたりに顔が…。あの、足、ベッドから出てません?」
雪女「私、小柄だから…大丈夫」
男「それならいいんですけど…」
雪女「私が話す間、背中に手……回しててね…」きゅ
男「はい。大丈夫ですよですよ」ぎゅ
120
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:03:23.09 ID:1m19X7Qx0
雪女「私ね…雪女なの」
男「…!?」
雪女「世間一般で言う妖怪よ」
男「妖怪…?」
雪女「うん…人に似ているけど、人ではないの…」
男「……」
雪女「信じられないかもしれないけど…」
男「…」
雪女「本当は、若い男の精を吸い取るために…山から里に下りて来たの…」
男「……」きゅう
121
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:14:50.58 ID:1m19X7Qx0
雪女「でも、男くん、あんな対応するんだもん」クス
男「…ボクだけ出ていこうとしましたね」
雪女「うん。ふふ、びっくりしちゃったわ」
男「それはどうも……」
雪女「精を吸い取るつもりだったけど、対応におどろいたのと、体調が悪そうなので、あきらめたの」
男「そうだったんですか…」
雪女「…私ね、男くんの部屋を訪ねられてよかったなって思うの」
男「…」
雪女「不思議な人だけど、優しいなあって。」
男「…」
雪女「最初から惹かれてたのかしら…今思うと、一目惚れかもね…」
男「え、あの…」
雪女「最後まで……聞いて。お願い、ぎゅって、してて…」
男「……うん」
124
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:18:32.54 ID:1m19X7Qx0
雪女「一度山に戻ったんだけどね、どうしてもあなたの様子が気になって」
雪女「それで、戻ってきたの」
男「……ユキさんが来てくれて、この3日間、ボクはうれしかった」
雪女「ありがとう…」
男「…お礼を言うのは、ボクの方です」
雪女「それでね………私、山に帰ろうと思うの」
男「……どうしてです?」
雪女「私はやっぱり、妖怪だから…。帰らなきゃって、思ったの…」
男「……」
126
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:29:31.24 ID:1m19X7Qx0
男「…なんとなく、わかってました」
雪女「え?」
男「なんていうのか…ユキさんが、ボクとはちょっと違う存在だってこと」
雪女「なんで…」
男「額に当てるタオルを取り換えたときに、少し意識があって、それで」
雪女「…そう…だったんだ…」
男「はい……」
雪女「……そっかぁ…じゃあ、あのこと…言いにくくなっちゃったわね…」
男「あのこと?」
128
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:37:09.79 ID:1m19X7Qx0
雪女「あ、あのね…」
男「…はい」
雪女「ひ、ひとつだけ…いわせてほしいの…言わせてください」
男「…どうぞ」
雪女「妹さんのことは…つらいと思う…」
雪女「しばらくは食欲も出ないし、時間はかかると思うけど…」
男「…うん」
雪女「でも、それまで…わ、わたしも…支えるから…」ゴニョ…
男「……」
雪女「うう…だ、だから…それまで私を、こ、ここに…置いてくれますか……?」
男「……ッ」
雪女「わたし、男くんのことが…好きです……!」
雪女「山に帰るって言ったけど…男くんのそばにいたいです!もっとたくさん男くんを知りたいです!」
雪女「お願い、します…!」
130
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:37:38.62 ID:1m19X7Qx0
男「…上、向いてください」
雪女「……」フル…
男「……」サワ……
雪女「……え……?」
ちゅ…
131
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:38:13.61 ID:1m19X7Qx0
ぎゅう…
男「ボクも、ユキさんのこと、好きです」
雪女「……あ」
男「きちんと話してくれて、ありがとう」
男「話してる途中、震えてた。でも、勇気を出して言ってくれたんですよね」
男「だからボクも勇気を出します。ボクのそばにいてくれませんか?ユキさんのこと、教えてください…」
雪女「…い、いいのぉ…?グス…わたし、世間知らずよぉ……」ひっく
男「いいんです」
雪女「妖怪…だよぅ…ひっく…化け物って…」
男「ユキさんはただの女の子です。不思議な力を持ってる、優しい女の子です」
雪女「……山…寂しかったよぉ……」ぐす
男「これからは一緒です」ぎゅう
雪女「ひっく…うっ…あ、ありがとぉ…」ぎゅう
132
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:42:05.78 ID:1m19X7Qx0
きょーおーからー♪いーちーばーん♪かーあーこーいいーのだー♪
男「ん?携帯か…」
雪女「グス…ごめ、ん…私、の…」
男「出ていいよ」
雪女「出たく、ないぃ…」
男「いや、なんとなく…出たほうがいい気がするんだ…」
雪女「…? わ、わか、ったぁ…」グス
ピ
雪女「もしもし…」
ゆきめ『おめでとう!』
135
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:54:14.69 ID:1m19X7Qx0
男(電気つけるか…)パチ
雪女「ゆきめ、ちゃん? なんで…」グス…
ゆきめ『雪女特有の【結びの波動】を感知したから…ピンと来たのよ!』
雪女「あ、ありがとぉ…」
男「…だれ?」ボソボソ
雪女「雪女仲間の、友達…」
ゆきめ「ところでユキちゃん!」
雪女「え?」
ゆきめ『……………、……………』ゴニョゴニョ
雪女「/////////」ぼっ
男「ゆ、ユキさん!?どうした?」
雪女「あわわわ…///」ふらふら
ゆきめ『あっ鵺野先生?え?代われ?ユキちゃん、ちょっとそっちも男の子に代わってくれるかしら』
雪女「代われって…///」スッ
男「ボクに…?」
136
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 06:58:55.08 ID:1m19X7Qx0
男「もしもし…」
ゆきめ『あ、ちょっと待ってね!はい先生…』
鵺野『ん? …おお、キミが…。なるほど、これは…』
男「あの、何か…」
鵺野『いや、私は人間だが、実は奥さんは雪女なのだ』
男「え!?」
鵺野『そこでキミにアドバイスがしたくてね…』
男「は、はい。何でしょうか……」
鵺野「……、………!……………wwwww」
男「はい……え……………えええええ!?////////」
鵺野『まあ、そういうことだ。とにかくおめでとう。がんばれよ』ブツッ
ツー…ツー…ツー…
137
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:04:58.20 ID:1m19X7Qx0
雪女「あ、あら?いつの間にか電気が…」
男「さっきボクが点けたんだけど…」
雪女「…明るいところで見ると…は、恥ずかしい…」
男「う…電気、消す…?ボクはもう少し、ユキさんを見たいんだけど…」
雪女「うん…私も男くんの顔、もう少し見たい…」
男「…」じー…
雪女「……」スッ
ちゅっ
男「!?」
雪女「ふふ。今度は私から…///」
140
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:11:07.06 ID:1m19X7Qx0
パチッ
男「今度こそ眠ろうか」
雪女「ええ。体調も完全に治さなくちゃ」
男「じゃあ、今日はもう寝よう」モゾ
雪女「…ぎゅーってしててね」
男「うん、わかった」ぎゅう…
雪女「明日も一緒ね」
男「よろしくね、ユキさん」
雪女「うん。あのね」
男「ボクも」
「「だいすきだよ」」
「「おやすみ」」」
141
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:13:35.17 ID:1m19X7Qx0
雪女「ところで、電話でなんて言われたの…?」
男「いや、あの…ユキさんは?」
雪女「…」
男「…」
ゆきめ『ユキちゃん、あのね。実は雪女は、本当に愛し合った男相手なら、精は抜いても命は抜かないのよ!』
雪女(実際一度も経験ないから、そんなこと知らなかったわよ…でも、良かった/////)
鵺野『雪女は興奮すると、相手を凍てつかせることがあるから。肌を重ねる前に風呂沸かせよwwwww』
男(そんなのまだまだ先だけど…雪女のユキさんとの付き合い方、勉強になりました……。…///////)
142
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:17:23.58 ID:1m19X7Qx0
男(妹、今までありがとうな。絶対、忘れないよ。ボク、この人のことを守っていくから…)
男(成長して見せるから、見守っててな…)
男(…おやすみ)
??(うん、わたしはもう大丈夫だよ。だからお兄ちゃん、がんばって)
??(その人と一緒に、幸せになるんだよ!)
??(……ありがとう、お兄ちゃん)
* * *
* *
* * * *
*
* * *
* *
*
お し ま い
146
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:26:35.88 ID:1m19X7Qx0
お付き合いありがとうございました
今日の天気予報は吹雪です
夜には雪女を探しに出かけようと思います
それでは
148
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:33:27.78 ID:/W8oik6v0
おつ
149
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:34:30.91 ID:W/QGuqkB0
乙です
150
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:45:59.39 ID:icBupVkoO
久々のクソスレつまんね
151
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 07:50:44.75 ID:JiQnxkpiO
乙
152
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 08:05:32.44 ID:IMsWtoxv0
後日談はないのか
154
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[sage]投稿日:2012/01/24(火) 08:11:42.28 ID:KP7pl6H4O
おつ
155
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 08:21:14.12 ID:TnOqR4O+0
ほのぼのしてて良かった
157
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 08:24:07.24 ID:Yt20wkRN0
パンツ凍った
158
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 08:30:55.70 ID:Sg3k5QNe0
おつ
159
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 09:10:38.91 ID:HrfNHMNA0
乙
160
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
[]投稿日:2012/01/24(火) 09:34:33.73 ID:9drIbPlLO
乙