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文系勇者「一句詠もう」理系戦士「いや、計算が先です」2/2
文系勇者「一句詠もう」理系戦士「いや、計算が先です」
文系勇者「一句詠もう」理系戦士「いや、計算が先です」
96
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:03:40.68 ID:t6rEEU/h0
<魔王城>
側近「ところで、魔王様。ついに四天王を動かされましたが……」
側近「いったいなぜ、これまで四天王を温存していたのですか?」
魔王「……ヤツらは強いだけで、兵隊の指揮には向いていないからだ」
側近「え?」
魔王「ヤツらはそれぞれ口うるさく、意味不明で、心を閉ざしており、汚いのだ」
魔王「いうなれば──」
魔王「“クレーマー系”“電波系”“ヒッキー系”“不潔系”の四人組なのだ」
側近(そりゃあ、たしかに指揮なんかできないな……)
~
<魔平原>
四天王(炎)「さっさとかかってこいよ! モタモタしてっと投書しちまうぞコラ!」
四天王(雷)「神がおっしゃってます! 私が1000%勝つと! おお、神よ!」
四天王(地)「めんどくさい……」ボソッ
四天王(水)「爪でほじくった歯垢をなめると、うまいんだなァ~」チュパチュパ
97
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:06:02.72 ID:kTtrORa00
これはひどい
98
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:06:16.34 ID:h3eA2F4qO
強敵すぎる
99
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:07:35.26 ID:OBoGFcbmO
四天王が俺たちだった
100
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:08:46.53 ID:/J7Og7yN0
絶対に下につきたくない四人だ…
101
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:08:52.32 ID:ZQWJgJzx0
水がやばすぎるwwww
元スレ
文系勇者「一句詠もう」理系戦士「いや、計算が先です」
102
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:09:05.24 ID:t6rEEU/h0
勇者(心を落ちつかせるために、まずは一句だ!)
勇者「よし、戦闘前に一句詠ませてくれ」
四天王(炎)「ハァ~!? グダグダいってんじゃねえ!」
四天王(炎)「責任者呼びやがれ! クレームファイヤーッ!!!」
ボワァァァッ!
勇者「ぐわあああああっ!」
四天王(炎)「ギャハハハハッ! 炎上しやがれえっ!」
~
戦士「なんなんだこの魔族は……行動がまるで予測できない!」
四天王(雷)「ああ、神からの電波来てます、これ!」
四天王(雷)「神は私に宇宙の代表となって、人類に罰を与えよといっています!」
戦士「なにをいってるんですか!? もっと理論的に話して下さいよ!」
四天王(雷)「神の電波で攻撃です! ウェーブサンダー!」
ピッシャァンッ!
戦士「ぐがあっ!」
104
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:14:18.85 ID:t6rEEU/h0
僧侶「ちくしょう、ずっと自分の硬い殻にこもって……ずるいッスよ!」
四天王(地)「だって、外嫌いなんだもん……」ボソッ
四天王(地)「床ドンするね……。インドアアースクエイク……」ボソッ
ズドォンッ!
僧侶「うわぁっ!」
僧侶(あの魔族が地面を叩いたら、地面が爆発したッス!)
四天王(地)「早くやられてよ……めんどいなあ……」ボソッ
~
魔法使い「あ~もう無理! 私の美意識が耐えられないわ!」
魔法使い「こんな醜い生き物、見たことがないわよ!」オエッ
四天王(水)「ぐえへへへ……」
四天王(水)「下水召喚魔法……ダーティーウォーター!」
ジャバァァァッ!
魔法使い「いやぁぁぁぁぁっ! きたないぃぃぃっ!」
四天王(水)「ぐえへへへ……オイラって汚いだろォ?」
106
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:18:14.45 ID:h3eA2F4qO
下水プレイ・・・
107
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:19:44.51 ID:t6rEEU/h0
四天王(炎)「オラオラァッ! 勇者ってのはこんなに弱いのかよ!」ボワァッ
四天王(炎)「あとで魔王様に苦情の手紙書いてやらぁ!」ボワァッ
勇者(なんて理不尽で激しい攻撃だ! コイツには文学のわびさびが通用しない!)
~
四天王(雷)「おお、神が怒っています!」ピシャンッ
四天王(雷)「あ、やっぱり神は笑っています! 私も笑います!」ゴロゴロ…
戦士(計算不能、計算不能! この世にボクが計算できない相手がいたなんて!)
~
四天王(地)「頑丈な女だな……」ボソッ
四天王(地)「嫌いだよ、アンタみたいなの……」ドゴォンッ
僧侶(うぐぅ……あの殻にこもられてたら、アタシに勝ち目はないッス!)
~
四天王(水)「ぐえへへへ……」ジャバァッ
四天王(水)「鼻くそと目くそと耳くそを水で練ったぞぉ~」ジャバァッ
魔法使い(もうイヤ……吐き気が止まらないわ……!)
108
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:23:49.67 ID:t6rEEU/h0
勇者(ま、まずい……このままじゃ全滅だ!)
勇者(なにか……なにか逆転する方法はないか!?)
勇者(どうにか俺の一句で、皆を奮起させて──)
勇者(いや、待てよ!)
勇者(“岡目八目”という言葉がある……)
勇者(一度、第三者になったつもりになって、今の状況を考えるんだ!)
勇者(今、俺たちは……一対一で苦戦している!)
勇者(なんで苦戦しているんだ? ──決まってる!)
勇者(相性が悪いからだ!)
勇者(今の状況はカエルがヘビに、ヘビがナメクジに)
勇者(そしてナメクジがカエルに挑んでいるようなものだ!)
勇者「──みんな! ここは思い切って対戦相手を変えよう!」
110
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:28:02.10 ID:t6rEEU/h0
勇者「お前の相手は俺だ!」スチャッ
四天王(地)「同じことだって……」ボソッ
~
戦士「じゃあ、あなたの相手はボクです!」チャキッ
四天王(水)「ぐえへへへ……無駄なあがきってやつだなあ」
~
僧侶「アンタの相手はアタシッス!」ザンッ
四天王(炎)「あぁ!? 対戦相手チェンジとか許されねーだろォ!?」
~
魔法使い「やっとあの汚らしい生物から解放されたわ……」スッ
四天王(雷)「お、神からメッセージが届きました! ピロリロリン!」
111
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:33:09.70 ID:t6rEEU/h0
四天王(雷)「おお、神よ! ウェーブサンダー!」
魔法使い「あら、私もいい芸術が浮かんできたわ! アートサンダー!」
バリバリバリッ!
四天王(雷)「神と互角!? 大宇宙意志なのに!?」
魔法使い「自分の中に神がいるのが自分だけと、思わないことね!」
~
四天王(炎)「スニーカー履いた僧侶とかナメてんのかァ!?」
僧侶「いいッスね、いいッスね、アンタみたいなヤツ大好きッスよ!」
四天王(炎)「骨まで炎上させてやらぁ! クレームファイヤー!」ボァァッ
僧侶「うおおおおっ! 燃えてきたッス!」メラメラ…
四天王(炎)「なんだコイツは……!? うぜぇぇぇ!」
112
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:36:54.46 ID:8jg6zMqBi
これ面白いわ
いい発想だしちゃんとキャラ立ってるし
113
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:37:24.51 ID:t6rEEU/h0
四天王(水)「ぐえへへへ……かかってこいよ」
戦士「ふむ、これは素晴らしい素材だ」
四天王(水)「オイラが素晴らしいだって!?」
戦士「この刺激臭、未知の雑菌の数々……実に興味深い」
戦士「単に意味不明なのは苦手ですが、あなたの相手は大歓迎ですよ」ニィ…
四天王(水)「き、気持ち悪いヤツだなあ……」ゾクッ
~
四天王(地)「……インドアアースクエイク」ドンッ
ドゴォンッ!
勇者「おっと! でやっ!」ブンッ
ガキンッ!
勇者「俺の剣でも斬れない、か……」
四天王(地)「無駄だよ……。この殻にこもってる限りね……」ボソッ
勇者「そうか、なら──」
116
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:41:30.85 ID:t6rEEU/h0
勇者「昔話をしよう」
四天王(地)「?」
勇者「“殻にこもった男の話”」
勇者「むかしむかし、あるところにずっと殻にこもっている男がいました」
勇者「殻の中はとても快適で、男は幸せに暮らしていました」
勇者「しかし、ある時、体が熱いことに気づきました」
勇者「初めは放っておいたのですが──」
勇者「ある日、男は気づきます」
勇者「この熱は、殻からにじみ出ている液体によるものだと」
勇者「男は殻にいいました。なぜこんなことをするのか、と」
勇者「すると殻はいいました……」
四天王(地)「…………」ゴクッ
勇者「お前を食べるためさァァァァァッ!!!」
四天王(地)「うわぁぁぁぁぁっ!!!」バババッ
117
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:43:43.26 ID:kTtrORa00
ワロタ
118
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:44:20.03 ID:zTCZOcCL0
(地)かわいい
119
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:45:37.86 ID:t6rEEU/h0
地の四天王は、殻から飛び出してしまっていた。
勇者「やっと出てきてくれたな……」
四天王(地)「し、しまった!」
勇者「殻から出てこないのなら、出たいようにすればいい……」
勇者「“押してダメなら引いてみろ”というやつだな」
四天王(地)「き、汚いぞ!」
四天王(地)「ところで、さっきの話はなんなんだ!? どこに伝わってるんだ!?」
勇者「あぁ、適当に作っただけ。あんな昔話ないよ」
四天王(地)「なんてヤツだ……! 即座にあんな話を思いつくなんて……!」
勇者「なにしろ、俺は文系だからな!」チャキッ
120
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:46:51.57 ID:8jg6zMqBi
その技は文系と関係あるのかどうかwwwwwwwwww
121
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:48:00.42 ID:eHlRjkzX0
文系スゲー
123
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:50:03.72 ID:t6rEEU/h0
四天王(水)「ダーティーウォーター!」
ザバァァァンッ!
戦士「ぶほっ……!」ゴボッ…
戦士「ふむふむ、貴重な汚水サンプルを提供いただき、ありがとうございます」
四天王(水)「なんなんだよう、コイツ……」
四天王(水)「オイラのこと、不潔だとか思わないのかよ!?」
戦士「不潔? とんでもない!」
戦士「もちろん、実験などの際は無菌などを考慮せねばならない場面もありますが──」
戦士「なにをもって清潔か不潔など、簡単には決められません」
戦士「人間に益をもたらすと思われた物質や習慣が、実は害になるものだった……」
戦士「あるいはその逆……」
戦士「などというのはよくある話ですしね」
四天王(水)「ア、アンタ……」ジ~ン…
124
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:50:40.94 ID:h3eA2F4qO
作り話かよ!
126
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:54:32.10 ID:t6rEEU/h0
僧侶「おりゃあっ! うりゃあっ! どりゃあっ!」
四天王(炎)「いてぇだろうがァ! 責任者呼べやァ! ざけんなァ!」
ドゴンッ! バゴンッ! ズガンッ!
僧侶「いいッスねぇ~……アンタ、最高ッスよ! さあもっとやり合うッス!」
四天王(炎)「この俺が殴り負けるだとォ……信じられねぇ……!」ヨロッ…
四天王(炎)(まさかこの世に俺のクレーム以上に熱い奴が存在したなんて……!)
~
四天王(雷)「神の声カムヒアしました、これ! ウェーブサンダー!」
ピッシャァンッ!
魔法使い「いだだっ! ……効いたわ!」
魔法使い「でも……雷に撃たれる女……いいモチーフになりそうね!」
四天王(雷)(ああ、意味が分からない! この女、意味が分からない!)
四天王(雷)(この女のせいで、神の声が聞こえにくくなってるぅ!)
127
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/04(金) 23:59:10.32 ID:t6rEEU/h0
戦士「あなたとの戦いは、ボクが必ずや生物学の進歩の礎にしてみせます!」
四天王(水)(オイラを不潔呼ばわりしなかったのはアンタが初めてだ……)
四天王(水)(アンタに斬られるなら、悔いはないっ……!)
ザンッ……!
~
僧侶「アタシの全身全霊の拳ッス! アンタに受けられるッスか!?」
僧侶「うおおおおおおおおおっ!!!」
ドゴォンッ!!!
四天王(炎)「ぐはぁっ……! あ、熱すぎんだよ、苦情、出して、や、る……」ドサッ
~
四天王(雷)「ああ、神の声聞こえない! ああ、私に天罰来ます、これ!」
四天王(雷)「あああああ~~~~~っ!!!」バリバリバリ
ピッシャァァァンッ!!!
魔法使い「まさか……自滅するなんてね。いいモチーフになりそうな魔族だったわ……」
128
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:02:08.12 ID:nTKrIybg0
すげぇ練り込まれてるな
SSにしておくのは勿体無いレベル
129
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:04:58.12 ID:nWtKgKgN0
長編で見て見たかったな
130
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:05:06.89 ID:m3wTBmN60
四天王(地)「殻がなくったって……殻がなくったって……」
四天王(地)「お前如きィ!」
四天王(地)「アウトドアアースクエイクッ!!!」ズドンッ
ズドゴォンッ!!!
勇者「ぐおおっ……!」ガクガク…
勇者「い、今までの一撃で、一番強かったぞ……!」ヨロッ…
勇者「だったら俺も一句!」
勇者『 インドア派 たまには外に 出てみよう 』
ズバァッ!
四天王(地)「ふ……いい句をもらった、よ……。あ、りがと……」グラッ…
ドサァッ……!
勇者パーティーVS四天王、勇者パーティーの勝利。
132
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:10:12.09 ID:m3wTBmN60
<魔王城>
側近「魔王様、魔平原において四天王が敗れ去りました!」
魔王「……なんだと?」
側近「詳しくは、こちらの水晶をご覧ください」スッ…
魔王「ふむ……」
魔王「“ヒッキー系”は“文系”に誘い出され──」
魔王「“不潔系”は“理系”には通用せず」
魔王「“クレーマー系”は“体育会系”に熱量対決で敗れ」
魔王「“電波系”以上に“芸術系”とは常人には理解しがたい、ということか」
側近「はっ……」
魔王「……やむをえまい。こうなれば総力戦だ」
魔王「今城にいる全軍で、勇者たちを叩き潰すのだ!」
側近「はっ!」
133
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:15:15.37 ID:m3wTBmN60
魔平原を抜け、魔王城近くまでたどり着いた勇者たち。
勇者「みんな、ここまでよくついてきてくれた」
勇者「しかし、最後の最後、魔王に敗れてしまってはなんにもならない!」
勇者「“画竜点睛を欠く”というからな! 気を引き締めていこう!」
戦士「ボクの計算と理論を駆使して、魔王を倒してみせますよ」
僧侶「うおおおおっ! 燃えたぎるッス!」
魔法使い「あれが魔王城……」
魔法使い「おどろおどろしさはよく出てるけど、全体のバランスはイマイチね」
魔法使い「私が改装してあげたいくらいだわ」
勇者「ここで一句」
勇者『 ついに来た 魔王の根城 魔王城 』
すると──
135
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:19:40.45 ID:m3wTBmN60
ザザザッ……!
おびただしい数の魔族が、勇者たちを包囲していた。
側近「歓迎するぞ、勇者ども!」
魔法使い「あら、すごい数の魔物だわ。囲まれているわね」
僧侶「数えきれないくらいいるッスよ!」
戦士「ふむ……ざっと1027体といったところですか」
勇者「誤算だ……まだこれほどの数の魔物がいたなんて!」
側近「あの四天王を倒し、この城までたどり着いたのは大したものだ、が……」
側近「キサマらの旅はここで終わりだ!」
側近「皆の者、かかれえっ!!!」ババッ
ウオオォォォォォ……!
勇者「くそっ……ここまで来て……みんな固まって迎え撃つんだ!」チャキッ
136
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:22:26.48 ID:m3wTBmN60
ザンッ! ザシュッ! ズバッ!
勇者「数が多すぎる! “多勢に無勢”だ!」
シュバッ! サクッ! ビシュッ!
戦士「仮にここを突破できても、魔王を倒せる確率は極めて──……」
ドゴォッ! バキィッ! バゴォッ!
僧侶「みんな諦めちゃダメッス! フレーフレー!」
ボワァッ! ピシャァンッ! パキィンッ!
魔法使い「数に任せて力押しで攻めてくるなんて……美しくないわね」
側近「さすがによく粘る……」
側近「だが、いかに勇者パーティーといえども、この数には勝てまい!」
その時であった──
「クックック……助太刀しますよ、勇者たち!」
138
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:26:29.48 ID:m3wTBmN60
側近「だ、だれだ!?」
現れたのは、四天王に勝るとも劣らない実力を誇る四体の魔物であった。
大臣「ここは我々にお任せ下さい」ザッ
ガーゴイル「ヒヒッ、科学があればなんでもできるゥ!」ザンッ
ゴーレム「オス……ドコンジョウ……」ドスンッ
ドラゴン「美しく煌びやかに生まれ変わったオレの実力、見せてやる!」キラキラッ…
勇者「!?」
勇者「なんでお前たちが!?」
大臣「我々はあなたがたに敗れたことで、それぞれ大切なものを学びました……」
大臣「その借りを返したくやってきたのです」
大臣「“昨日の敵は、今日の友”というやつですよ」
勇者「まるで俺みたいなこといいやがって……。でも、ありがとう!」
139
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:28:02.76 ID:9pB70bNa0
なにこの胸熱展開
140
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:30:32.68 ID:m3wTBmN60
側近「おのれえ、裏切り者どもが! ジャマをするか!」
側近「ならばお前たちから血祭りにあげてやる! かかれぇっ!!!」ババッ
ウオオォォォォォ……!
ガーゴイル「位置エネルギーを利用して、敵をえぐるゥ!」ザシュッ
ゴーレム「ファイトーイッパァーツゥ!」ドゴンッ
ドラゴン「喰らえ! オレの新アート、七色のブレス!」ボワァァァッ
大臣「私は国王陛下のために、王国の歴史を書にまとめると決めたのです!」ブオッ
僧侶「よく来てくれたッス! あとは頼んだッスよ!」
戦士「これは計算外の助っ人です。こういうこともあるんですね……」
魔法使い「フフ……あの竜も少しは芸術ってものが分かったようね」
勇者「みんな、今のうちに城に突入するぞ!」ダダダッ
144
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:45:32.08 ID:m3wTBmN60
<魔王城>
城内に敵はほとんど残っていなかったが、多くの罠があった。
勇者「この石碑を斜めに読むと、正解の道筋が分かる仕組みになっている!」
~
戦士「ふむふむ、この程度の暗号の解読、ボクなら6.18秒で終わります」
~
僧侶「閉じ込められたッス! だったらアタシのパンチでぶっ壊すッス!」
ドゴォンッ!
~
魔法使い「この石像だけ彫られ方が違うわ。つまりこれを押せばいいの」ズズ…
四人は長所を生かし、迷宮を順調に突破していった。
そしてついに──
146
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:48:18.39 ID:ISL/DJj7O
もう城ごと破壊すれば…ゲフンゲフン
148
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 00:53:03.37 ID:m3wTBmN60
<魔王の部屋>
魔王「よくぞ来た」
魔王「キサマらは憎き敵だが、それに関しては素直に称賛させてもらおう」
勇者「魔王! 俺たちが今日こそお前を風流に倒す!」
戦士「ボクの計算では、今のボクたちなら72.15%の確率であなたを倒せます」
僧侶「魔王、覚悟ッ! うおおおおっ! 燃えすぎて、燃え尽きちまいそうッス!」
魔法使い「あなたを倒して……私は魔法芸術家になるのよ!」
魔王「ふん……よくもまあ好き勝手にほざきよる」
魔王「よかろう……死ぬ前にワシの恐ろしさをとくと味わうがよいわ!」
勇者パーティーと魔王による、最終決戦が始まった。
150
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:00:34.91 ID:m3wTBmN60
勇者がパーティーの先頭となって、魔王へ挑む。
勇者「行くぞっ!」ダダッ
勇者『 受けてみよ 我が全力の 一撃を 』
ガキンッ!
魔王「ふん、この程度か?」
勇者「なにっ!?」
魔王「返してやろう」
魔王『 通じぬわ ガッカリしたぞ 勇者たち 』
ズガァンッ!!!
魔王の爆破呪文が勇者を直撃した。
勇者「ぐわぁぁぁぁぁっ!!!」
戦士「な、なんてことだ! 魔王の強さはボクの予測数値を遥かに上回っています!」
魔法使い「今の呪文……敵ながらとても芸術的だったわ……」ドキドキ…
僧侶「よくも、勇者先輩をォ!」ダダダッ
152
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:08:44.68 ID:m3wTBmN60
ガシィッ!
僧侶「アンタなんかアタシが投げ飛ばして──」グググ…
魔王「ぬおおおおっ!!!」ブンッ
僧侶「うわぁっ!?」ドサァッ
戦士「くそっ! しかし、1.84秒以内に魔王の側面に回り込めば──」ダダダッ
魔法使い「火と水と雷を組み合わせた、私の芸術魔法を見せてあげるわ!」ボワァッ
魔王「戦士! キサマの動きは、ワシの予測通りよ!」
ドゴォッ!
戦士「げはっ……!」ドサッ
魔王「そして、魔法使い! キサマの魔法は美しくはあるが──」
魔王「表面的な美ばかりを思い求めて、心が足りん!」ブンッ
ブワオォッ!
魔法使い「私の魔法が……かき消された……!?」
154
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:14:11.48 ID:m3wTBmN60
僧侶「なんてヤツ……!」
僧侶「アタシらの得意分野を、全て同じ土俵で破るなんて……!」ググッ…
魔王「そう驚くことではあるまい」
魔王「世の中にはなんでもこなせる人種というものが、僅かであるが存在する」
魔王「文系? 理系? 体育会系? 芸術系? 下らぬッ!」
魔王「所詮、ある一分野でしか活躍できぬ、凡人どもの作った下らぬ枠組みよ!」
魔王「ワシには、そんな小さな枠組みなど意味をなさぬ!」
勇者「ま、まさかお前は──」
魔王「そう、ワシは昔から何でもこなせた。だからこそ魔族の王となれた」
魔王「つまり──ワシは“万能系”なのだッ!!!」
勇者&戦士&僧侶&魔法使い「!!!」
ガーン! ガーン! ガーン!
155
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:15:06.41 ID:Ddcu/aFd0
どこのコメディだよwwwwww
156
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:17:20.31 ID:ISL/DJj7O
さすが魔王
157
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:21:53.78 ID:tOsDOdtr0
同じ学年に一人はいたな
158
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:22:28.17 ID:m3wTBmN60
魔王「ワシは魔界文芸賞を受賞し、魔界一の科学者と称えられ──」
魔王「さらには魔界オリンピックではほとんどの競技で闇メダル!」
魔王「自ら個展を開くほどの芸術家でもある!」
勇者「俺でさえ文芸賞なんて取ったことないのに……!」ゴクッ…
戦士「魔王なのに科学を勉強とは……やりますね」グッ…
僧侶「闇メダルってなんなんスか!? すっげえ欲しいッス!」メラメラ…
魔法使い「私だって個展ぐらいすぐ開いてみせるわ……」ギリッ…
魔王「それに引き換え、キサマらは一芸に秀でただけの烏合の衆よ!」
魔王「困難を解決する長所が、たまたま四人のうちの誰かに備わっていたり──」
魔王「あるいは四天王の時のように相性勝ちしてきただけに過ぎん!」
魔王「本当の実力者の前では、通用せんのだッ!」ブオッ
ズガガガガァンッ!!!
魔王の強力な魔法が、四人を包み込む。
勇者&戦士&僧侶&魔法使い「わぁぁぁぁ……!!!」
160
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:31:12.06 ID:m3wTBmN60
勇者「起、承、転、結!」
魔王「序、破、急!」
ギィンッ!
勇者「くっ、この四連斬も通用しないなんて!」
戦士「ならば水の四天王との戦いで、身につけたこのダーティーソードで!」
ザシュッ!
魔王「効かんな……雑菌は全て中和させてもらった」
戦士「あの一瞬で……!」
僧侶「だったらァ、特攻あるのみッス!」ダダダッ
魔王「この程度で特攻だと? 笑わせるなッ!」ドゴンッ
僧侶「うぁ……!」
魔法使い「火と水と氷と雷と土を組み合わせた、究極芸術魔法!」ズガガガッ
魔王「ぬるい! 所詮見せかけだけの美よ!」
バババババッ!
魔法使い「きゃああああっ!」
161
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:34:51.90 ID:m3wTBmN60
満身創痍になる勇者たち。
勇者「ぐ……強い……! ただでさえ強いのに、あらゆる知識も豊富……」
勇者「“鬼に金棒”とは、このことか……!」
戦士「ボクたちの勝率……5.26%で、す……」
僧侶「ち、ちくしょう……正直いって……無理な気がしてきたッス……」
魔法使い「うぅ……冒険で磨き上げた私の芸術センスが通用しないなんて……」
魔王「ここまでのようだな」
魔王「さあ、トドメを刺してやろう。愚かな虫ケラどもめ」
魔王「その後、外で粘る裏切り者にトドメを刺し、この戦いは終わりだ!」
魔王「そして、ワシは魔界と人間界を支配する、万能なる王となるのだ!」
魔王「グワァッハッハッハッハッハ……!」
勇者「…………」
勇者「ま、まだだ!」グッ…
162
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:36:20.39 ID:f3TXpXQo0
そうだ、まだ勝率あるぞ!
163
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:37:53.49 ID:ISL/DJj7O
熱い
164
名前:
忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15)
:2013/10/05(土) 01:39:42.42 ID:vCjFygSY0
いいね
165
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:43:11.42 ID:m3wTBmN60
勇者「みんな……諦めるな……!」
勇者「“一寸の虫にも五分の魂”という……」
勇者「ムシケラなら、ムシケラなりの意地を見せてやろう!」
戦士「精神論……ボクとしては否定したいところですが」
戦士「ポジティブな言葉が生み出すプラシーボ効果は決してバカにはできません」
魔法使い「そうね、私の芸術はまだまだこんなものじゃないわ」
僧侶「よぉーし、全体回復呪文ッス!」パァァ…
戦士「戦闘中の回復は厳禁じゃなかったんですか?」
僧侶「今は休憩中だからいいッス!」
僧侶「それにアタシ、この旅で……理論や理屈の大切さってのも学んだッスからね!」
戦士「ボクも、根性というものが決して机上の空論でないことを学びましたよ」
勇者「よし……! 今こそみんなの力を合わせるんだ!」
魔王「フン、しぶといヤツらめが……」
166
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:48:02.68 ID:ISL/DJj7O
プラシーボ効果ってなんだっけ
168
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:50:36.64 ID:WvHhbI3Z0
思い込みのアレ
170
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:53:25.60 ID:oFG4e8AD0
>>166
薬だと思って飲んでみたら実はただのお菓子のラムネだったでござる
全く効き目がなくても思い込めばラムネも薬になんじゃね?的なもん
169
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:50:59.95 ID:m3wTBmN60
戦士「僧侶さん、ボクをおぶって下さい。そしてボクのいうとおり、動いて下さい!」
戦士「理論と根性が協力すれば、きっとすごい一撃になります!」
僧侶「分かったッス、先輩!」ヒョイッ
戦士「まず、下肢を駆動させて反復横跳びを繰り返し──」
戦士「網膜と視神経を通じて、魔王の脳の処理を遅らせることに成功したら」
戦士「すぐさま10m/s以上の高速で魔王の背面に回り込み」
戦士「掌を握り、中手骨の部位を叩き込んで下さい!」
僧侶「すんません、全然分からないッス!」
戦士「仕方ない人ですね。よ~するに……」
戦士「左右に跳ねて魔王を混乱させたら、全速で後ろに回り込んで全力で殴れ!」
戦士「──ってことですよ!」
僧侶「分かったッス!」バババババッ
魔王「むっ!?」
僧侶「(回り込んで──)うおおおおっ!!!」ブオンッ
ドゴォンッ!!!
171
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 01:58:07.93 ID:m3wTBmN60
魔王「ぐおおっ……!?」ヨロヨロ…
勇者「効いてる! よし、俺たちも協力し合おう!」
魔法使い「協力って……どうすればいいの?」
勇者「君の魔法……たしかに美しいが、詠唱文そのものは平凡だ」
勇者「だから俺がその呪文詠唱を手伝う! できるかい?」
魔法使い「私とあなたが手を繋げば、可能だけど……」
勇者「よし!」ガシッ
勇者「じゃあ炎の魔法を出そう! 俺が詠唱したら、君は魔法を撃ってくれ!」
魔法使い「分かったわ!」
勇者『 大火事で たまねぎハウス 燃え尽きる 』
魔法使い(まあなんて熱そうな一句……)
ボワァァァッ!!!
魔王「ぬおあっ……!」
魔法使い「すごい、本当に威力が上がったわ!」
勇者「やはり……詠唱文次第で同じ魔法でもだいぶ威力が変わるんだ!」
176
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:03:10.15 ID:m3wTBmN60
ザシュッ! ザンッ! ドゴォッ! パァァ……
四人は力を合わせることで、魔王と互角以上の戦いを演じる。
魔王「ぐわっ……ぐぐっ! おのれぇ~!」
勇者「よし、盛り返してきたぞ!」
戦士「複合的な戦術によって、ボクの計算以上の力が出ていますね」
僧侶「これッス! これぞ、結束の力ってやつッス!」
魔法使い「結束の力……なかなか美しいわね」
魔王「なるほど……どうやらワシはキサマらを甘く見ていたようだ」
ドォンッ!
魔王は天井に穴を開けると、魔力で上空に飛んでいく。
勇者「この期に及んで逃げる気か! “三十六計逃げるに如かず”というしな!」
魔王「まさか……ワシの大魔法でキサマらを城ごとふっ飛ばしてやるのよ!」バチバチ…
勇者「なにっ!?」
178
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:10:10.75 ID:m3wTBmN60
魔王「グワァッハッハ……城一つでキサマらを葬れれば安いものよ!」バチバチ…
勇者「ま、まずい……!」
魔法使い「この距離じゃ、魔法を撃ってもかわされてしまうわね……」
僧侶「いくらアタシでも、あそこまでジャンプできないッスよ!」
戦士(あそこまで飛ぶ方法……)
戦士「魔法使いさん、氷でシーソーを作って下さい!」
魔法使い「シーソーを!? ──分かったわ! 勇者さん、手伝って!」ガシッ
勇者『 水の字に 点をつけると 氷だよ 』
魔法使い「──できたわ!」パアァァ…
戦士「上出来です! “てこの原理”で、勇者さんを上空に飛ばしましょう!」
戦士「僧侶さん、勇者さんを上へ飛ばす役目は任せましたよ!」
僧侶「分かったッス!」
179
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:11:20.77 ID:b0peO1ss0
勇者のそれは俳句じゃなくて川柳じゃ……
180
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:14:01.16 ID:tOsDOdtr0
きっと勇者も疲れてるんだよ
181
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:14:03.98 ID:m3wTBmN60
シーソーに乗る勇者。
勇者「いつでもいいぞ!」ギシッ…
僧侶「いくッスよ! うおりゃあああああっ!!!」
ブオンッ!!!
ギュゥゥゥゥ……ン……!
魔王「なんだとぉっ!?」
魔王「お、おのれ……吹き飛ばしてくれる──」
勇者「魔王……これが俺から送る会心の一句だ!」
勇者『 受けてみよ これが勇者の 一撃だ 』
ザシュッ……!!!
183
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:21:18.78 ID:m3wTBmN60
勇者の剣は、魔王を深々と切り裂いていた。
魔王「ぐおおっ……!」
魔王「万能なる、このワシが……やられるとは……」
魔王「文系、理系、体育会系、芸術系が結束したゆえの……」
魔王「奇跡、ということか……」
魔王「今回の……ところはキサマらの勝ちに、しておいてやろう……」
魔王「だが……忘れるな……」
魔王「人間同士ですら……文系だの……理系だの……対立が起こる……」
魔王「ワシが、消えた……ところで……」
魔王「真の平和など……訪れはしない……というこ、とを……」
魔王「グワッハッハッハッハ……!!!」
ボシュゥゥゥゥゥ……
勇者(魔王……)
勇者(恐ろしく、そして敵ながら尊敬に値する強さを持つ男だった……!)
184
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:27:15.43 ID:m3wTBmN60
<魔王城城門>
側近「!」ピクッ
側近(魔王様が倒れられた!? ……くっ、無念だ!)
側近(魔王様亡き今、もはや我々魔族に人間界へ侵攻する戦力は残っていない……)
側近「皆の者……魔界へ引き上げだ! 我々の負けだ……!」
ワアァァァァァ……!
側近は魔王軍を率いて、魔界へと撤退した。
大臣「ふぅ……どうやら彼らがやってくれたようですね」
ガーゴイル「ヒヒッ、俺たちももう少しでやられてたなァ……」
ゴーレム「ワレワレノショウリ……ワレワレノショウリ……!」
ドラゴン「グハハハ、オレより美しいアイツらなら、必ずやると信じてたぜ!」
─────
───
─
185
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:30:11.84 ID:ISL/DJj7O
この四人好きだわ
187
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:35:37.17 ID:m3wTBmN60
そして──
<王国城>
国王「よくやってくれた、勇者と偉大な仲間たちよ」
国王(正直いって、最初はどうなることかと思ったがな……)
国王「なお戦後処理については──」
国王「大臣を始めとした四体の魔族が、魔界との調停役になってくれるそうだ」
国王「もしかすると、人間界と魔界の和平も可能かもしれん」
国王「──ところで、おぬしたちはこれからどうするつもりなのだ?」
勇者「俺は今回の冒険について、手記をまとめたいと思っています」
戦士「ボクは冒険で得たデータで、さらに剣と科学を発達させてみせますよ」
僧侶「アタシはトレーニングを続けるッス!」
魔法使い「私はもちろん、長年の夢だった魔法芸術家を目指すわ」
国王「うむ、そうか!」
国王「では各自、己の道をまい進してくれい!」
188
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:43:29.45 ID:m3wTBmN60
報酬と名誉を得て、城を出た勇者たち。
勇者「さて、これで俺たちの旅はオシマイだ。ここで解散……」
勇者「──といいたいところなんだけど」
勇者「俺は、君たちに興味が湧いた!」
勇者「魔王は違う分野を学ぶ者同士は対立するといっていたけれど……」
勇者「“理系”のことも、“体育会系”のことも、“芸術系”のことももっと知りたい」
勇者「せっかく平和になった今の世界で、一緒にもっと学びたい!」
勇者「それは必ず、俺の目指すものにとって役立つと思うから……」
戦士「ふむ、一理ありますね」
戦士「ここであなたがたと別れてしまうと、研究が停滞する恐れがあります」
僧侶「四人一緒でもトレーニングはできるッス!」
魔法使い「どうしてもというのなら……かまわないわよ。製作の時間さえくれればね」
勇者「ありがとう!」
190
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:51:36.78 ID:m3wTBmN60
魔法使い「ところで……勇者さん?」
勇者「ん?」
魔法使い「私にも、文学ってものを教えてもらえる?」
魔法使い「あなたの文字の美しさ、旅の間もずっと惹かれていたのよ」
勇者「もちろん!」
僧侶「戦士先輩! もっとアタシに理科を教えて下さいッス!」
戦士「かまいませんよ。ボクもあなたの心と体に興味がありますからね」ニィ…
勇者「さあ、行こう」
勇者「俺たち四人が力を合わせれば、きっと世の中はよりよいものになるはずだ!」
勇者「さて、最後の一句」
勇者『 俺たちの 旅はまだまだ 終わらない 』
─ 完 ─
191
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:52:40.90 ID:bO04354s0
なんで最後戦士ヘルシング的笑い方なんだよ……
192
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:54:54.81 ID:oFG4e8AD0
ちゃっかりカップルできあがってるし
やっと眠れる
193
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:57:11.64 ID:Dc3oDaCh0
乙でした
194
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:57:51.59 ID:tOsDOdtr0
>>1
乙
久しぶりに面白かった
195
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 02:58:23.47 ID:R9Sqm8eLi
掘り尽くされたと思ってた勇者ネタに新たな可能性を見た
乙
196
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 03:10:26.92 ID:ISL/DJj7O
>>1
乙
よかったぜ
197
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 03:34:06.41 ID:gg2syKpr0
笑いすぎて腹痛くなった
198
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 04:05:44.14 ID:8aItH8uQ0
>>1
乙
設定のベタさ加減が良かった
次作も期待
199
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 04:49:29.89 ID:QZHI7G7VO
感動した
200
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 05:26:36.68 ID:RHFFWpQjO
おつ
201
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 06:16:21.90 ID:FRlN8Yvm0
乙
上でも書かれてるけど長編で読みたいと思った
途中のはしょられてるダンジョン攻略の場面とか
202
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 06:57:17.68 ID:cOWTgPJr0
勇者SSはやっぱりいいものだ
203
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 07:44:03.38 ID:+QzC9kNlO
乙
204
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 08:35:07.15 ID:45u8rg9o0
おtう
205
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:04:23.98 ID:yhrZkIsN0
乙
206
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:09:48.79 ID:4xA723F20
>>1
乙
またSS書いてくれよな
207
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:13:40.86 ID:PcZ21Qc90
おもしろかった!おつ
208
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:23:21.52 ID:iuKh3UW90
おもしろかった!
乙!
209
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:23:29.80 ID:6hieci0A0
普通によかった
210
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:35:50.53 ID:vprQrDqN0
テーマと起承転結がしっかりしてていいな
ここがブレてグダグダになるSSのなんと多いことか
211
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 09:53:46.87 ID:yhrZkIsN0
もっかい乙
212
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 10:10:44.61 ID:yhrZkIsN0
更にもっかい乙
213
名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2013/10/05(土) 10:24:19.78 ID:blurLigd0
テーマがちゃんと固まっていて良かった乙
キャラが一人一人立ってたお