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男「最近現実が二次元に侵略され始めてて困る」女「諦めなよ」3/4


男「最近現実が二次元に侵略され始めてて困る」女「諦めなよ」



119 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:55:07.82 ID:wZBCjrPM0
――――――――翌日

男「……」カチャ

男「寝癖、よし。眼鏡、よし」

男「……」スタスタガチャ

男「……」

男「楽でいい」スタスタ






元スレ
男「最近現実が二次元に侵略され始めてて困る」女「諦めなよ」
[SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)@VIPServise掲示板]




120 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:55:42.99 ID:wZBCjrPM0
――――――――高校


友「おはよ。今日は女さんと一緒じゃないんだ」

男「楽だ」

友「女さんはすでに教室に来てるみたいだけど」

女「……」

男「どうでもいい」

友「そっか」


会長「……」



121 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:56:21.24 ID:wZBCjrPM0
会長「女さん、お昼一緒にどう?」

女「ええ、良いですよ」ニコ



女「いきなりどうしたんだい? 呼び出してさ」

会長「……何かあったの?」

女「ん? 何って?」

会長「男と一緒に登校してなかったから」

女「ああ! そういう事ね! 男嬉しそうだったでしょ?」

会長「よく見てないからわからないけど」

女「別に一緒に登校する理由ないでしょ? あ、あと男に伝言しといてくれないかな」

会長「え?」

女「もう契約は破棄していい、だから安心してくれ。……そう伝えて欲しいんだ」ニコ



122 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:57:15.98 ID:wZBCjrPM0
会長「そう女が言っていたのだけど……」

男「マジか」

会長「嬉しそうね」

男「当たり前だ、この高校の唯一の障害が除去されたんだからな」

会長「男」

男「何」

会長「今の女……どこかいつもと違うような気がするの。だから」

男「だからどうした」

会長「え?」

男「俺には関係ない」

会長「友達じゃないの?」

男「あいつは知り合いだが、友達じゃない」スタスタ

会長「……どうなってるのよ」





123 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:57:50.59 ID:wZBCjrPM0
――――――――会長自宅


会長「ただいま」

辺りは静まり返っている。

会長「……」スタスタ

声がかかる。

メイド「申し訳ありません。すぐにお出迎えする事ができず」

会長「いい、貴方は一人でよくやってくれているから」

メイド「……」

会長「悪いのだけど、頼まれ事を引き受けてもらえる?」

メイド「私にできる事でしたら」

会長は暫しの逡巡の後、静かに口を開いた。

会長「いくつか調べて欲しい事があるの」




124 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:58:21.69 ID:wZBCjrPM0
――――――――3日後・高校

女「ん」ピッ


【From】会長
【Sub】話がしたい
――――――――――――――――――――――――

 埋め合わせをしてくれる、と言っていたでしょ?
 放課後、どこかによって話したい事があるの。


女「……しつこいなぁ」

女は曖昧に笑う。
ある人にはその顔が困ったように見えた。

男「……」

友「どうした?」

男「別に」




125 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:58:56.14 ID:wZBCjrPM0
――――――――放課後

会長「じゃあ行きましょうか」

女「会長も物好きだよね」

会長「……」

会長の声にいつもの余裕はない。

会長「女程じゃないわよ」

女「ふふ、私が話したい事は特にないんだけど」

会長「申し訳ないけど女と男の事、少し調べさせてもらった」

2人に静寂が訪れる。

女「……へぇ、もしかして私って犯罪者?」

会長「とりあえずどこかに寄っていきましょう。……全部話すから」




126 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 10:59:26.22 ID:wZBCjrPM0
女「会長も不器用だよね、調べた事なんか隠せばいいのに」

会長「非常識な事をしたって自覚してるから。友達に嘘はつきたくない」

女「友達、かぁ」

会長「私は貴方の事を友達だと思ってる。……だから貴方も私に嘘をつかないで」

女「友達って結構さ、卑怯な言葉だよね」

一呼吸おいて言葉を続ける。

女「……いいよ。できる限りの事は話してあげる」





127 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:00:04.73 ID:wZBCjrPM0
女「会長はどこまで知ってるのかな?」

会長「かなり」

女「曖昧すぎるよ」

会長「男と女の関係まではわかった」

女「……会長って卑猥だね」

会長「そっちじゃないわ!?」

女「ふふ、そこまで知ってるならさ」

会長「……」

女「なおさら私の事は放って置くべきじゃないかなぁ?」







128 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:00:36.87 ID:wZBCjrPM0
会長「……」

女「まぁいいけどさ、そろそろ講義を始めようか」

会長「いいの?」

女「いいよ。さて、どこから話そうかな」

会長「……」

女「生徒ちゃんに質問だよ、どうして外人の私はここ日本にいるのかな?」

会長「親の事情?」

女「惜しいけど、もうちょっと詳しく答えて欲しいな。ヒントは財閥と結婚!」

会長「……許婚?」

女「正解っ! 流石は優等生だね!」





129 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:01:14.38 ID:wZBCjrPM0
女「詳しい正解は『許婚が日本にいるので私がそこに住む事になった』でした! 
  日本に住み始めたのは10歳からだね、それ以前にもちょくちょく来てたけど」

会長「そんな事って……」

女「あるよ? 私の家の会社は今弱っててね。
  良家の経済的支援が欲しかったんだ、……政略結婚の道具ってやつ?」

会長「貴方の意思は?」

女「関係ないね。一応親は私に謝ってたけどさ、……そんなの一時的な物だよ。
  どうせ結婚したら用なしサヨウナラ、そういう物でしょ?」

会長「……」

女「しょうがない、そう思う事しか私にはできないけどさ。会長にだって似たような事情がある筈だよ」

会長「女……」

女の表情は明るい。

女「だから私はそのかわりに親に要求したんだ」

会長「何を?」

女「結婚するまでは私を自由にさせてくれってね」






130 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:01:47.31 ID:wZBCjrPM0
女「どうせ人生の半分以上は好きでもない男と一緒の狭っくるしい毎日になるんだからさ。
  その人生の半分で知る筈だった分を取り返す為に、面白そうな事をたくさん探し回ったんだよ」

会長「……」

女「でも探そうと思った矢先に一番面白いヤツと出会っちゃったんだけどね!」

会長「それが男なの?」

女「うん」

女は嬉しそうに頬をほころばせる。

女「それが今までで一番の幸運かな」






131 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:02:21.43 ID:wZBCjrPM0
女「男ってほら、中二病を拗らせた人みたいな喋り方するでしょ? 私の口調も随分変だけどね」

会長「そ、そう?」

女「あれでも良くなった方なんだよ?」

会長「へぇ」

女「あと怒る時のパターンが似通ってたりしない? 感情の起伏が不自然っていうかさ」

会長「そういえば……」

女「あれ、本当は怒ってないんだ。
  というか今まで本気で怒った事なんかないんじゃないかな。
  たぶん周りの怒るパターンに合わせて怒ってる振りをしてるんだと思う」

会長「……嘘でしょ?」

女「だって男は感情に合わせて動いたりしないからね。
  ……きっと男の怒ったりする基準が普通の人とは全然違うからなんだろうけど」

会長「……」

女「そういうのを説明するには、まず結構前まで遡らなきゃいけないんだ」





132 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:02:48.87 ID:wZBCjrPM0
女「男と初めて出会ったのは私が9歳の時かな」

会長「そんなに前から?」

女「許婚は当然日本人だからね、話も通じないし楽しくなかった。
  親には許婚と遊ぶように言われたけど、無視して良家の豪邸を探検してみたんだ」

会長「……それで?」

女「すごく広い図書館を見つけてね。1時間ぐらいかな?
  面白そうな本を取り出しては読み漁ってたんだけどさ、隅っこの方に座って本を読んでる少年を見つけたんだ」

女「まぁその少年が男なんだけどね」





133 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:03:16.32 ID:wZBCjrPM0
女「どうして良家に私と同じ外人の子供がいるのか不思議に思ったけど、
  興味本位の方が勝って話しかけてみた。何してるの? ってね」

女「何て答えたと思う?」

会長「さぁ」

女「読書、だってさ」

会長「ふふ、男らしいわね」

女「私がどんな質問しても返答は動詞と名詞で統一されてたね。
  単語しか言わないんだ、今より全然ひどかったんだから」

女は楽しそうに言葉を続ける。




134 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:03:47.39 ID:wZBCjrPM0
女「それから良家に来た時にはちょくちょく男と会うようになったんだよ。
  男とのやり取りはとても会話とは呼べない物だったけど、私にとっては十分だった」

女「私に同情とかそういう面倒くさい物無しで接してくれるのは男だけだったから」

会長「……」

女「それから歳を重ねるにつれて、私も自分の置かれた状況とか男の事を把握するようになった。
  ……あくまでも表面上だけどね。そんな私はいつからか男に嫉妬するようになったんだ」

会長「どうして?」

女は苦笑した。

女「悲劇のヒロインになりたかっただけさ、ああ私って可愛そうってね。
  そして男に『これからも自由の身の男が羨ましい、それに比べて私は……』って愚痴を吐いたんだ」

女「そしたら男は初めて普通に答えてくれた」

女の表情から明確な感情を読み取る事はできない。

女「『生きていられるだけで十分だ』……男はそう私に言ったんだよ」




135 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:04:21.77 ID:wZBCjrPM0
女「もちろん10歳そこらの子供にその言葉の真意なんかわかるわけないでしょ?
  どういう意味か聞き直したんだけど返って来た返答は『なら、いい』の一言だけだった」

女「なんだか悔しくなっちゃってさ、男について両親に聞いてみたんだ。
  もう会長も知ってるでしょ? ……男の生い立ちをさ」

会長「……」

女「子供ながらに思ったよ、私はなんて弱いんだってね。
  男にとって見たら私が悩んでいる事も、会長の事だって小さな石ころに過ぎないんだ」

女「……誰もが男のように強いわけじゃないんだけどね。
  でも私は反省したよ、男に謝ろうと思って良家に行ったんだけどさ」

一人で呟いているかのように口を動かした。

女「男はもういなかった」




136 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:04:58.04 ID:wZBCjrPM0
女「後はもうわかるでしょ。この前話した通りに感動の再開を果たして今に至るってこと」

会長「そう」

女「もう終わりでいいかな? これ以上話す事はないし早く帰りたいんだけど……」

会長「駄目」

女「えー、どうしてかな」

会長「貴方と男の過去についてはわかった。でも肝心な部分をまだ話してくれてないじゃない」

女「……」

会長「男だけじゃなくて私の事も避けてたよね。理由を教えて」

女「しつこい女は嫌われるよ?」

会長「誤魔化さないで」

女「あーもー……わかったよ。会長って意外と怖いなぁ」

会長「悪かったわね」

女「……理由はそろそろ結婚しなきゃいけないからでした、はい終わり。もういいでしょ?」





137 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:05:47.61 ID:wZBCjrPM0

会長「……どういう事?」

女「だーかーらー結婚の時期が早まっちゃったの! 
  会社がヤバくなっちゃったんだよ! もうどうしようもないんだって!」

会長「だからって私と男を避ける理由にはならないじゃない」

女「それは」

会長「貴方知ってるのよね?」

女の表情が固まる。

会長「私が男の事を好きだって事」




138 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:06:48.39 ID:wZBCjrPM0
女「お似合いだと思うけど」

会長「話を逸らさないで。だから女は私達を避けたんでしょう?」

女「そうだね。だって3年生に上がる頃には消える人間が身近にいても厄介なだけじゃないか」

会長「私はそう思わない」

女「会長がどう思おうが私には関係ないよ。
  ……もう勘弁してくれないかな、そろそろ帰りたいんだけど」

会長の瞳が潤む。

会長「どうしてそんな嘘なんかつくの……?」

女「言っている意味がわか」

会長「貴方がテスト結果の後にゲームセンターへ連れて行ってくれた時の事覚えてる?」

女「それは」

会長「それだけじゃない!
   帰り道に誘ってくれた時も、男の家に呼んだ時もそうよ! 他にもいろいろな事に誘ってくれたわね」

会長「……全て男の事を私に教える為なんでしょ?」



139 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:07:16.66 ID:wZBCjrPM0
会長「あと数週間で自分は高校からいなくなってしまうから、
   もう時間がないからこんな事をしたんでしょ? ……私の為に」

女「いくらなんでも美化させすぎだよ。
  あーもうそんなに泣かないでよ、困っちゃうじゃないか」

会長「泣いてない」

女「はいはい。……当然だろ? 
  男はギャルゲーで言ったら難易度限界突破しちゃってるし、最低でもヒントが必要だよ」

会長「でも貴方だってっ!」

女「うるさい!!」


140 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:07:44.65 ID:wZBCjrPM0
女の声は震えている。

女「もういい加減にしてくれないかな。
  会長、君の友情を大切にする心は本当に素晴らしいと思うけどさ」

女「女としては馬鹿丸出しだよ。話はもう終わり、じゃあね」

会長「待って! 男に事情を話せば何かが変わるかもしれないでしょ?」

女「男が状況を把握できてないとでも思ってるのかい?
  今に至って男が何もしてない時点でもう結果はわかりきってる」

会長「でも」

女「話しかけないでよ、もう友達じゃないんだから」スタスタ

会長「じゃあ最後に1つだけ教えて」

女「……いいよ」


141 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:08:30.60 ID:wZBCjrPM0
会長「どうして私に男の事を教えてくれたの?」

女「さっきも言ったじゃないか。ヒントがないと厳しいからだって」

会長「それは理由じゃない」

女「……」

会長「人だったら誰だってほんの少しでも自分の利を考えて行動するもの。
   貴方の言う理由じゃ自分に得がひとつもないじゃない」

女「あーあ、本当に大変なヤツと友達になってたものだね。……本当に厄介だ」

会長「よく言われる」

女「ふふ、答えは簡単だよ」

女「男の本当に笑った顔が見てみたい、それだけさ」



142 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:08:59.68 ID:wZBCjrPM0
女「どうだい? 随分とメルヘンな理由だろ?」

会長「……それだけの理由で」

女「会長だって男の成り立ちを知っているならわかる筈だよ、男が笑うだなんて普通は有り得ない。
  男は生きているだけで十分って言ってたけど、それじゃ本当につまらないじゃないか」

女は静かに言葉を続ける。

女「確かに男の言う信念があればどんな事があっても耐えられるかもしれない。
  でもそれは最後の最後、究極の逃げだと思うよ。人生に何かを求める事ってそんなに駄目な事なのかな?」

会長「それは……」

女「だから私が男と再会した時に思ったんだ。もし男が笑うような事があったならさ」

女「この世は本当に楽しい事に溢れてるんだって」


143 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:10:04.30 ID:wZBCjrPM0
女「そうだ、会長」

会長「何?」

女「男に私の代わりに謝っといてくれないかな? 
  今まで色んな事に巻き込んできて本当にごめんなさいって」

会長「貴方が自分で謝ればいいじゃない」

女「情報代を考えればお釣りが来ると思うけど?」

会長「……そうね」

女「あとはもう簡単さ。
  会長と男がくっつけば、男が心から笑えるかもしれない。
  会長も男も私もみんなハッピー。
  そう思ったからこんな事をした、これで全ての疑問は解決だろ?」スタスタ

会長「女……」

女「これからはもう高校では話しかけてこないでほしいんだ、……もう全部終わったんだから」スタスタ

会長は女を見送り、小さな声で呟いた。

会長「……貴方だって」


144 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:10:38.33 ID:wZBCjrPM0

――――――――会長自宅

会長「お帰りになられていたんですね」

会長父「……」

会長「先日のテストの結果ですが」

会長父「話は聞いている。……思わしくない結果に終わったらしいな」

会長「申し訳ありません」

会長父「何度も言っているがな。自覚を持て、将来の良家の嫁としてな」

会長「ですが私は良家の許婚では」

会長父「黙れ。わが社の将来はお前がどの家と関係を築けるかにかかっている。
    ……お前は良家の目がとまるように自分を磨いていればいい」

会長「……はい」


145 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:11:08.69 ID:wZBCjrPM0
会長「何よ、娘なんかに頼らないで自分で会社大きくしなさいよ」

会長「メイドもそう思わない?」

メイド「私からはなんとも」

会長はクスっと笑う。

会長「……なんて、女と出会う前だったら絶対に思わなかったのに」

メイド「何か、あったのですか?」

会長「うん、女と絶交しちゃった」


146 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:11:42.65 ID:wZBCjrPM0
メイド「大切な友達では?」

会長「私じゃどうにもできなかったのよ」

メイド「……」

会長「私は弱いわね。
   お父さんに正直に意見を伝える事も、女のように割り切る事もできないんだから」

メイド「何をすれば良いのかわかっているのですか?」

会長「ええ。痛いほどわかってる」

メイド「でしたら」

会長「メイド、……1つ聞いてもいいかしら」

メイド「はい」

会長「私はどうしたらいいの……?」


147 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:12:16.97 ID:wZBCjrPM0
――――――――
ここから会話は全部英語


死にたくない。

男「……」ゴシゴシ

院長「そこが終わったら次は廊下だ」

男「はい」ゴシゴシ

生きる為には死ぬ気で頑張らなきゃ駄目だ。
頑張らないと……

少年「……」

こいつのようになる。

男「……」ゴシゴシ

頑張らないと簡単に死んじゃうんだ。
犬と何も変わらない。



148 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:12:45.69 ID:wZBCjrPM0
――――――――

院長「おい」バサッ

男の目の前に分厚い本が投げ出された。

男「はい」ゴシゴシ

院長「掃除を止めろ」

男「ごめんなさい」

院長「この本の内容を3日で全て覚えてみろ。全部覚えられたらご褒美をやるよ」

男「でも文字が読めません」

院長「そんなの俺が知るかよ。……できなかったらお仕置きだ、いいな」スタスタ




149 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:13:14.83 ID:wZBCjrPM0
男「覚えなきゃ」

ペラ……

覚えなかったらきっとご飯がなくなる。
死にたくない、死にたくない。

男「文字も覚えなきゃ……」ドサ

ペラ……

ペラ……

男「頑張ればいきれるんだ。だって僕は生きてる」

ペラ……

ペラ……


150 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:13:44.76 ID:wZBCjrPM0
院長とだれかの話声が聞こえてくる。

「おいおい、本当にそんな事したのか? 出来るわけねぇって」

「ははは、だってあのガキ気味悪りぃだろ? 
 何でもいう事聞いてよ。早く他のガキ共みたいにくたばっちまえばいいのによぉ」

男「……」

ペラ……

「流石にひでえなぁ! 国からの支援金目当てで孤児院を開いただけあるぜ」

「それ誉めてんのか? ははは、まあ飲めよ」

男「大丈夫、大丈夫……」

ペラ……

ペラ……

男「頑張れば僕は生きていられる」



151 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:14:29.05 ID:wZBCjrPM0
――――――――

院長「どうだ、全部覚えられたのか」

男「ごめん…なさい、半分……までしか」

院長「あ? 嘘ついてんじゃねぇぞ」ガスッ

男「嘘なんか……ついてないです」

院長「……貸せ」

ペラペラ

院長「○▲ページの■×について話してみろ」

男「……はい」


152 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:14:58.51 ID:wZBCjrPM0
院長の眼は驚愕で見開かれている。

院長「……嘘だろこいつ」

男「……これで」

院長「何だよ」

男「これで、まだ僕は生きていられるんですか」

院長「……ああ」

男「良かっ、た」ドサ

院長「こいつは……」

――――――――



153 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:15:26.10 ID:wZBCjrPM0
男「……」パチ

院長「起きたか」

男「どうして……」

院長「今日からお前の仕事は出来る限り多くの本を覚える事だ、いいな」

男「はい」

院長「あと睡眠も許してやる、とにかく覚え続けろ」

男「……はい」

生きるのが楽になった。




154 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:15:56.80 ID:wZBCjrPM0
――――――――

院長「おい、迎えだ」

男「はい」

院長「良かったなあ、自由の身になれてよ。
   俺もお前に随分といい思いさせてもらったぜ、ありがとよ」

男「こちらこそ、有難うございました」スタスタ

義父「話には聞いている。今日から私が……君の父親だ」

男「宜しくお願いします」

また生きるのが楽になった。





155 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:16:42.83 ID:wZBCjrPM0
――――――――
ここから日本語


義兄「お前さえっ! いなければ!」バキッガスッ

男「ごめんなさい」

わからない。

義兄「謝ることしかできないのか!? 本当に感情がないのか!?」ガスッ

男「ごめんなさい」

どうして怒っているのかわからない。

義兄「謝り続けるのをやめろ! ……何なんだお前は」バキッ

男「……ごめんなさい」

義兄「……っ! もういい、この家から出て行け!」

義兄「お前は人間じゃない、……ただの機械と変わらないんだ」

生きているだけで十分な筈なのに。
どうして泣く、どうして怒る、どうして、どうして、どうして、どうして。







156 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:17:24.94 ID:wZBCjrPM0
――――――――

男「……」パチ

全身は微かに震えている。

男「……ここ1年は見てなかったんだが」

男は自分の手を見つめる。

男「俺はまだ……」

男「……」

男「わっかんねぇなぁ」

男の呟きは暗い部屋に空しく消えていった。








157 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:17:53.33 ID:wZBCjrPM0

――――――――高校

会長「男」

男「……何」

会長「学校が終わったらちょっと屋上にきてほしいの」

男「面倒」

会長「お願い、大事な話だから」

男「場所は」

会長「屋上で待ってる」スタスタ

男「……」









158 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:18:27.32 ID:wZBCjrPM0
――――――――高校・屋上

会長「……何してるの?」

男は屈伸をしている。

男「準備運動」

会長「どういう意味?」

男「高校で屋上に呼び出されるっつったら目的は1つだろ。よし、やるか」

会長「果し合いじゃない!」

男「……は? 何言ってんだお前」

会長「非常識なのは貴方の方よ!?」










159 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:18:56.84 ID:wZBCjrPM0
男「で、用件は」

会長「本当はこんな雰囲気の中で言いたくないのだけど……」

男「帰る」スタスタ

会長「い、言う! 言うから!」

男「早くしろ」

会長「……本当に男って。
   まあいいわ、用件を言う前に謝らなきゃいけない事があるの」

男「……」

会長「貴方の事、勝手にいろいろ調べさせてもらったから」

男「俺の人権はどうした」










160 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:19:26.08 ID:wZBCjrPM0
男は顔をしかめる。

男「まさかお前までも障害になるとはな」

会長「貴方の事が知りたかったのよ。
   直接聞いても話してくれないでしょ?」

男「……さっさと話せ」

会長「そうね、貴方が相手だと無駄な説明はいらないから」

一呼吸おいて会長は口を開いた。

会長「良家に戻って欲しいのよ」







161 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:20:02.28 ID:wZBCjrPM0
男「お前、どこまで調べやがった」

会長「貴方は9歳まで孤児院で育ったんでしょ?」

男「……」

会長「やっぱり私は貴方の事を見た事があったのよ。
   ……ずっと前にね、直接見たわけじゃないけど」

会長「あの時どこかで見た事があるような気がしたのは、
   高校の男を見た事があるからじゃなくてテレビでの記憶があったから」

男「……」

会長「一時期アメリカで有名だった天才少年って、貴方の事なんでしょ?」









162 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:20:58.91 ID:wZBCjrPM0
男「だからどうした」

男の声には険が篭っている。

会長「その少年がある日本の良家の養子になった事もメディアで有名になっていたわ」

男「お前は何がしたい。人の過去なんか穿り返しやがって。」

会長「貴方となら……私は本当の恋ができるの」

男「……あ?」

会長の頬は微かに紅く染まっている。

会長「だって貴方の事が好きだから」








163 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:21:29.55 ID:wZBCjrPM0
会長「私が貴方の事を一方的に知るのは不公平だから、私の事も聞いてもらえる?」

男「……勝手にしろ」

会長「私の家って成り上がりなの。
   でも私が高校に上がる頃には経営がうまくいかなくなっちゃって」

会長「ほら、成り上がりだから経済的支援もなかなかうけれないでしょ?
   そうなると頼みの綱は私がどれだけ優秀な家に嫁げるかに決まってくる」

男「……」

会長「私はもう覚悟してた、諦めてたという方が正しいかもしれないけど。
   自分は本当に好きな人とは一緒になれないってね。
   ……だから貴方にもずっと告白しなかった。半年間ずっと」







164 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:21:56.13 ID:wZBCjrPM0
会長「周り関係なく優しく接してくれる貴方が好き。
   ……ずっとこの想いは心に隠しておこうと思ってた、かなわないと思ってた」

会長の頬が自然とほころぶ。

会長「でも今は違う。……やっと貴方に想いを伝えられる」

男「だがその俺は本当の俺じゃ」

会長「関係ない」







165 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:22:28.33 ID:wZBCjrPM0
男「……何?」

会長「高校の貴方も本当の貴方には違いないのよ。
   気づいていないだけで、今の貴方と高校の時の貴方と違う所なんて何1つないんだから」

男「何、言ってんだ?」

会長「返事は今じゃなくていいから。
   時間がかかってもいいから……待ってる」スタスタ

男「おい」

会長「貴方が自分で答えを出して」スタスタ

男「……意味、わかんねぇよ糞が」ドガッ!!!!

男「……」








166 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:22:57.50 ID:wZBCjrPM0
――――――――男自宅

男「……俺には関係ねぇだろ」

男「他人がどうなろうが」

……自分さえ生きてれば十分なんじゃなかったのかよ。

男「どいつもこいつも……」

泣きそうな顔しやがって。

男「……」

俺にわかるわけねぇだろ。

男「俺じゃあ……な」







167 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:23:26.60 ID:wZBCjrPM0
――――――――女自宅
ここは英語

『式は一ヶ月後に行うという事でいいな?』

女「はい」

『……ではまた連絡する』ピッ

女「……」

目に映る物全てが色あせて見える。

女「つまらないよ、本当に……」







168 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:23:56.51 ID:wZBCjrPM0
あの日、会長は私に言った。

『貴方だって!』

女「好きなんでしょ……男の事が」

……人が良すぎるよ、会長。
そんなんじゃ損してばかりだ。
本当は謝りたい事がたくさんあるのに。
私一人で勝手に男の家に来ちゃった事とか、告白めいた事を言っちゃった事とか。

女「……」

でも会長は何も疑わずに前に進む、それどころか皆が平等じゃなきゃ気がすまない。
だから男にはお似合いなんだ。

女「ふふ、私もそんな風に生きてみたいよ」

女は弱弱しく笑みを作った。






169 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:24:34.25 ID:wZBCjrPM0
――――――――翌日・高校

友「……何かあった?」

男「特には」

友「そっか」

男「……」

友「……」

男「そういや友、ゲーム手伝ってくれると言ってただろ」

友「だね」

男「今日、予定空いてるか」

友「うん」






170 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:25:02.67 ID:wZBCjrPM0
――――――――男自宅

男「……」カチャカチャ

友「あ、そこ違う、右、右」

男「こうか」カチャカチャ

友「あっ、後ろ」

男「っ」カチャッカチャ

男&友「あ」

友「……相変わらず」

男「まぁな」

男「友」

友「ん?」

男「聞きたい事がある」






171 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:25:34.96 ID:wZBCjrPM0
友「いいけど」

男「素の俺と高校の俺は似ているのか」

友の表情が曇る。

友「私まだ死にたくない」

男「……殺さないから答えろ」

友「えー、でも他人の意見なんか聞きたくないんじゃなかったの?」

男「今は違う」

友「まぁ……それならいいけど」








172 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:26:13.91 ID:wZBCjrPM0

友「普段の男の方が無理してる感じがする」

男「どういう意味だ」

友「言葉通りの意味なんだけど……要は高校の男の方が素に近いんじゃないかって事」

男「……あ?」ギロッ

友は男に両手を上げる。

友「ほら、こうなるから言いたくなかったんだって」

男「……根拠はあんのか」

友「例を挙げるならほら、
  中学時代に苛められてた私を助けてくれたとか他にも色々あると思うけど」

男「助けてねぇ、巻き込まれただけだ」

友はため息をつく。

友「私が他のヤツラに囲まれてた時の事言ってんの?」

男「……」

友「でもそれってさ、私がいる道を通らなきゃそんな事にはならなかったでしょ」









173 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:26:58.37 ID:wZBCjrPM0
友「遠回りでも他の道を行けば巻き込まれたりなんかしなかった」

男「他人の為になんでわざわざ回り道なんかしなくちゃ」

友「もう男も疲れたでしょ」

男「……」

友「素直に助けたいって言えばいいのに。
  一々俺には関係ないとか他人の事はどうでもいいとか自分の気持ちを誤魔化して」

友「結局助けるんだから……私はずっと見てきた」

男の顔が苦渋に歪む。

友「私は男を見かける時はいつだって」

男「もういい」

友「他人の為に動いてた」








174 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:27:20.45 ID:wZBCjrPM0
男「……っ!」

友は静かに言葉を続ける。

友「男が一年間勉強を教えてくれなかったら今の高校になんか行けなかった。
  女さんにずっと従っていたのだって何か知っていて助けになりたいと思ったからでしょ?」

男「違う、俺は……」

友「素直になりなよ」

友「そうずっと思ってた。
  でも聞かれたくないのならって……ずっと言わないつもりだった」

男「……やめろ!」

友「でも他人の意見に興味がでてきたなら、言わせてもらうよ。だって私は友達だから」

友「……あんたは優しい人間なんだ」








175 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:27:55.01 ID:wZBCjrPM0
男は顔を歪めた。

男「……」

友「男はこの1年ですごく変わった。女さんのお陰かな」

友「……変わったというよりは素に近づいたって感じだけど」

男「……」

友「ここまで変われたのなら、ずっと気づかない振りをしていた物に向き合わなきゃ」

男「お前が二次元以外の事に関してそんなにペラペラ喋るとは思ってなかった」

友「はは、たった一人の友達だから」









176 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:28:47.20 ID:wZBCjrPM0
男「他にもつくればいい」

友「だって周り金持ちばっかじゃん、息苦しい」

男「……そうか」

友「……それに男程の優良物件もなかなかないし、普通は惚れるでしょ」

男「おい、一言忘れてんぞ」

友は爽快な笑みで答えた。

友「ただし二次元に限る!」ニコッ







177 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:29:19.71 ID:wZBCjrPM0
友「そろそろ帰る」

男「ああ、色々と助かった」

友「……あーあ、わざわざここまで来てお礼の1つも無し、か」

男「そんな物に意味は」

男の声を遮る。

友「すーなーお。私に誤魔化しなんかそれこそ意味ないって」

男「っち」

男「あー、ごほんごほん……あ」

友「あ?」

男「あ、ありがとうございます」

友の両目が見開かれる。

友「はは、……本当に礼を言われるとは思わなかったな」

友「どう致しまして」ニコ





178 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:29:47.27 ID:wZBCjrPM0
友「そうは言ってもさ。
  本当なら私の方が礼を言わなきゃいけない立場なんだけど」

男「そうだ、礼を言え。勉強教えてやっただろうが」

友「嫌だ。あれはもう勉強じゃなくて拷問じゃん……」

男「死ぬ気で勉強させただけだ」

友の顔から血の気が引く。

友「無理無理、やめて、思い出したくない。
  アレの所為で天才なんかこの世にいないって現実を叩きつけられたんだから」

男「……また勉強教えてやろうか」

友「それだけは勘弁」ダッ

男「……ったく」





179 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]投稿日:2012/03/06(火) 11:30:30.25 ID:wZBCjrPM0
男「……」

男「優しい……だと?」

男「……」

男「今の俺が素じゃねぇんだったら」

何を基準に行動すればいい。

男「……」

『ずっと気づかない振りをしていた物に向き合わなきゃ』

男「あるわけねぇだろ……元々何も入ってねぇ」




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