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勇者「俺、バカだけど魔王倒してくるっす!!」王「お、おう」2/3


勇者「俺、バカだけど魔王倒してくるっす!!」王「お、おう」



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:10:20.12 ID:EOnyDn8J0
―――夜

勇者「マジ夜営っすよ、これ」

僧侶「勇者様、寒くなりますから温かくしてくださいね」

勇者「ちっす!!乾布摩擦でもするっす」

僧侶「風邪だけはひかないようにしてくださいね?」

勇者「だいじょうぶ……ぶっくしょん!!!」

僧侶「ほら」

勇者「魔王が俺の悪口をいってるんすよ」

僧侶「なるほど」

戦士「あの……」

僧侶「はい?まだ、膝が痛みますか?」

戦士「いえ、もう大丈夫です。ありがとうございます」

僧侶「いえいえ」

戦士「あの……その……私に幻滅……しました……よね?」モジモジ

僧侶「はい?」



元スレ
勇者「俺、バカだけど魔王倒してくるっす!!」王「お、おう」





123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:15:05.78 ID:EOnyDn8J0
戦士「魔物にちょっと殴られただけで……その……」

僧侶「何を言っているのですか。殴られたら誰でも痛いですし、泣きますよ」

戦士「だけど……」

僧侶「私がきちんと治療しますからね?」

戦士「……はい」

僧侶「さ、見張りは勇者様にお任せして私たちは寝ましょうか」

戦士「い、いや!!私も見張りをします!!!」

僧侶「そうですか?」

戦士「少しぐらい役に立たないと……」

僧侶「街ではいい宿を紹介してくれましたし、十分に役に立ってくれていますが」

戦士「もっと役に立ちたいのです」

僧侶「そうですか。では、私だけ寝るのも忍びないので三人で見張りをしましょう」

戦士「え……」

僧侶「勇者さまー!私も見張りしまーす」

戦士「全員が起きてたら見張りの意味がないんですけど……」


125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:20:01.49 ID:EOnyDn8J0
―――翌朝

勇者「ねむいっすね……」

僧侶「あーうー……」フラフラ

戦士「だから寝てくださいっていったじゃないですか!!」

勇者「いやぁ……寝たら勇者失格っすから」

戦士「なんでですか!?」

僧侶「さふがふぁゆうふぁふぁふぁ……」パチパチ

戦士「ほら、顔を洗ってきてください」

僧侶「ふにゅ……」フラフラ

戦士「やっぱりこの人たちは駄目だ……」

戦士「私がしっかりしないと……!!」グッ

勇者「ぐー……」

戦士「立ったまま寝ないでください!!」

勇者「カレーパンだぁ……カレーパンがせめてくるぉぉぉ……」

戦士「どんな夢を……」



127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:25:20.51 ID:EOnyDn8J0
―――街

ザワザワ

「マジかよ……」

「また戦争か」

「でも、この街は大丈夫さ」

勇者「なんすかね」

僧侶「掲示板になにかあるのではないですか?」

戦士「どれどれ……」

『魔物の軍勢、南西より進軍中』

戦士「……どうやらここで大きな争いが起こるようです」

勇者「マジッすか?やばいんすか?」

僧侶「はい、やばいっす」

戦士「ええ、この街で長居はしないほうがいいでしょうね」

勇者「よーし。そんなにやばいなら、その魔物の軍団を俺が殴って追い返してやるっすよ」

戦士「はぁ!?」



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:29:01.56 ID:EOnyDn8J0
勇者「街の人ー!!聞いてほしいっすー!!!」

「なんだなんだ?」

「誰だ?」

「新聞でみたことあるような……」

戦士「ちょっと!!なにやってるんですか?!」

勇者「俺はとある王国から魔王を倒す為に旅をしている勇者っす!!」

勇者「なんで、その魔物の軍団、俺がちょっくら倒しにいってくるっす!!」

戦士「えー!?!?!?」

僧侶「あ、パン屋さんはっけーん」トテトテ

勇者「みなさんは安心してし欲しいっす!!」

「すげー!!!」

「勇者さまばんざーい!!」

勇者「はっはっはっは!!!」

戦士「どうしよう……どうしよう……」オロオロ



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:33:21.12 ID:EOnyDn8J0
僧侶「あ、ネコだ」トテトテ

魔法使い「ええ。既に民衆は南西から攻め込んでくると思い込んでいます」

僧侶「……?」

魔法使い「ええ。陽動は成功です。はい……これで魔王様に―――」

僧侶「あの?」

魔法使い「?!」

僧侶「どうも」

魔法使い「誰だ?」

僧侶「いえ、通りすがりの者でして。なにを壁に向かって喋ってるのかと気になってしまって」

魔法使い「ふん……」スタスタ

僧侶「あ……」

魔法使い(話を聞かれたか……?)

僧侶「あ、ネコだ」トテトテ

魔法使い(そういうわけでもなさそうだな)


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:40:22.80 ID:EOnyDn8J0
兵士長「勇者殿、本当にお任せしてよろしいのですか?」

勇者「ちっす!!俺に任せてくださいっす!!」

兵士長「助かります。こちらも魔王の本軍が近く攻めてくると情報を掴んだのがつい先日で、何分準備不足だったのです」

勇者「グッドタイミングっすね!!」

兵士長「ええ。本当に」

勇者「じゃあ、みなさんはこの街でゆっくりしてればいいっすよ!!」

兵士長「はっ!!おい!!勇者殿一行に用意できる限りの武具を!!!」

兵士「はい!!」

勇者「いいっすよ」

兵士長「しかし!いくら勇者殿でも……!!」

勇者「この毛皮のマントと棍棒があれば十分っすから」

兵士長「す、すごい……」

兵士「勇者さまになら抱かれてもいい……」ポッ

勇者「じゃ、いってくるっす」

兵士長「勇者殿の出陣だ!!見送れー!!!」



140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:45:52.95 ID:EOnyDn8J0
勇者「いくっすよ!!!」

戦士「あの……マジですか?」オロオロ

勇者「マジッす」

僧侶「勇者さまー、パン買って来ました」トテトテ

勇者「お、戦う前の腹ごしらえは必要っすもんね」

僧侶「どうぞ」

勇者「いただくっす」モグモグ

僧侶「ふっくらモチモチですね」モグモグ

戦士「あの、無理ですって」

勇者「気合と根性でカバーっす」

僧侶「私、がんばりますっ!」

戦士「うわぁぁ……」オロオロ

勇者「ふー、食った食った。さ、いくっすよ!!」

僧侶「どこにですか?」

戦士「いや……一匹一匹確実に相手をしていけば……あるいは……」ブツブツ


142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:51:11.09 ID:EOnyDn8J0
―――街

魔法使い「……そろそろ、北東から魔王様の軍が来るな……」

魔法使い「さて……街も手薄になった頃合―――」

兵士「……」

兵士「……」

兵士長「異常は?」

兵士「ありません!!!」

魔法使い「な……?!」

魔法使い「ど、どうして……!?」

兵士「どうした?さぼりか?」

魔法使い「お、おい。魔物の軍勢が攻めてくるというのにどうして誰も出陣していないんだ!?」

兵士「おまえ、伝令きいてなかったのか?勇者様が着てくれたんだよ」

魔法使い「勇者?!」

兵士「いやぁ、二人の仲間をつれてもう行っちまったよ。マジで惚れそうだったぜ」

魔法使い「そんな……ことが……!!くそ!!」


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 14:55:00.29 ID:EOnyDn8J0
―――平原

勇者「あっれー?いないっすね」

戦士「……」ブルブル

僧侶「あの、そんなにくっつかれると動きにくいのですが……」

戦士「あ、貴女の背中を守っているだけです!!!」

僧侶「そ、そうだったのですか!?それは失礼しました!!」

戦士「うぅ……」ブルブル

勇者「ふわぁぁ……」

僧侶「いい天気ですね」

勇者「そうっすねー」

ガサガサガ……!!

戦士「き、きたか……!?」

ウサギ「……」ピョンピョン

僧侶「かわいい」トテトテ

勇者「ヒマッす。棍棒の素振りでもしてるっす」ブンブン


145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:00:35.93 ID:EOnyDn8J0
魔法使い「―――お前たちが勇者か?」

勇者「え?だれっす?」

魔法使い「……」

ウサギ「……」ピョンピョン

僧侶「まてまてー」トテトテ

魔法使い(こいつらが……僕の完璧な陽動を見破ったのか……信じられない……)

戦士「なんでしょうか?」

魔法使い「ここでなにを?」

勇者「魔物を待ってるんす」

魔法使い「……」

勇者「でも、こないっすね」

僧侶「もしかしたら、逆方向から攻めてきているのでは?」

勇者「あちゃー、それはおてあげっすね」

戦士「全く、何をのんきな」

魔法使い(やはり……こいつらは街に兵士たちを残す為にこんな行動を……!!侮れない……!!)



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:07:00.68 ID:EOnyDn8J0
魔法使い(兵士たちが用意した武具を断ったときいたが、兵士たちのために残してきたと考えるのが妥当か……)

魔法使い(最小限の人員でここまで完璧に裏の裏を読むか……)

勇者「はっ!はっ!!」ブンブン

戦士「こないですよね……こないですよね……」キョロキョロ

僧侶「あ、この花きれいですね……」

魔法使い「……どこで気がついた?」

勇者「え?」

魔法使い「ここに魔物はこないことに」

勇者「こないんすか?!」

戦士「本当に?」

魔法使い「確証はなかったのか?」

勇者「いやー。ドキドキして損したっす」

魔法使い(なるほど1%の可能性を捨てていなかったのか)

僧侶「勇者さまー、お花の冠できましたよ」

魔法使い(こいつらはもしかしたら魔王様にとって最大の脅威になるかもしれないな……)



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:11:39.04 ID:EOnyDn8J0
―――街

勇者「ただい―――」

兵士「はぁ……はぁ……」

僧侶「こ、これは……!?」

兵士長「勇者殿……!!」

勇者「早く手当てをしてあげるっす!!」

僧侶「わかりました!!!」タタタタッ

戦士「手伝います!!」

勇者「大丈夫っすか?!」

兵士長「はい。全兵力が残っていましたから、なんとか街は守ることができました」

勇者「ひどい怪我じゃないっすかぁ……」

兵士長「ありがとうございます。勇者殿が一人で行くといわなかったら我々は歴史的な大敗を喫していたでしょう」

勇者「今は安静にしているべきっす」

兵士長「はい……そうさせてもらいます……」

魔法使い「……」



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:16:56.27 ID:EOnyDn8J0
魔法使い(結局、攻め落とすことは敵わず、魔王軍も甚大な傷を負ったか)

側近『おい。話が違うぞ』

魔法使い「申し訳ありません。勇者が現れました」

側近『勇者だと?』

魔法使い「はい。それもかなりのキレ者です」

側近『なるほど……』

魔法使い「ありえないと思いますが今後、魔王様にとって障害になる存在かもしれません」

側近『うぅむ……』

魔法使い「あの、私に考えがあるのですが」

側近『なんだ?』

魔法使い「今度は勇者一行に入り込み、内部崩壊を狙ってみます」

側近『くれぐれも注意しろ。暗殺など通じる相手ではなさそうだ』

魔法使い「はい、慎重に事を進めるつもりです」

側近『いい報告を待っている』

魔法使い「はっ」


153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:21:38.78 ID:EOnyDn8J0
―――夜

僧侶「ふぅ……」

戦士「痛くないですか?」

兵士「ええ、包帯の巻き方うまいですね」

戦士「自分で巻く機会が多かったので」

勇者「ほら、薬草っす!!いっぱい食べて早くよくなるっすよ!!」グググッ

兵士「おごごご……?!!??」

僧侶「勇者様!!それは煎じて飲ませるのです!!」

勇者「まじっす?!すいませんっす!!!」

兵士「いやいや。勇者殿の気遣いだけで元気がでてきましたよ」

勇者「すぐに用意するっすね!!」

魔法使い「勇者、少しいいかな?」

勇者「あ、昼の」

魔法使い「こっちへ」

勇者「すんません。怪我人の治療に時間がかかるんで、あと5時間ほど待ってくださいっす」



158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:26:39.00 ID:EOnyDn8J0
魔法使い(僕の正体まで見破っているとは思えないが……)

魔法使い(まさかな……)

魔法使い「わかった」スタスタ

勇者「なんすか?」

魔法使い「この薬を怪我人に飲ませろ」

勇者「わかったっす!!」

勇者「さ、飲んでくださいっす!!」

兵士「ごくごく……おぉぉ!?!?なんだ?!元気になってきたぁ!!!」

僧侶「それは……?!」

魔法使い「魔法薬だ。普通の怪我なら一瞬で治る」

勇者「すっげー!!すっげ!!」

戦士「高名な魔術師とお見受けします」

魔法使い「ふっ、しがない魔法使いだよ」

魔法使い(魔王様直属の部下でもあるけどね……)


162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:32:07.13 ID:EOnyDn8J0
勇者「それ、いくつあるっすか?!」

魔法使い「簡単に作れる。僕ならな」

勇者「天才じゃないっすかぁ!!!」

魔法使い「え?」

僧侶「天才の魔法使いです!」

戦士「ええ。このような薬はそう簡単に作れません」

魔法使い「いや。これぐらいなんでもない」

勇者「謙遜っすか?益々、人間ができてるって感じっすねー!かっけー!!!」

僧侶「憧れますね」

戦士「貴方のような魔術師は稀少ですよ。本当に」

魔法使い「そ、そうかな?」

勇者「天才さん!!怪我人があと200人はいるんすよ!!魔法の薬、用意できるだけしてほしいっす!!」

魔法使い「しかし、僕は……」

僧侶「天才さん!お願いします!!天才さん!!」

魔法使い「―――仕方ない。天才の僕が魔法薬を300ほど、瞬時に精製してみせよう」キリッ



168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:38:23.51 ID:EOnyDn8J0
勇者「みなさーん、ならんでくださいっす!!」

戦士「稀代の天才魔術師様が作ってくれた特効薬をお配りします!!」

僧侶「滋養強壮にもってこいでーす」

兵士「お前、天才だったのかよ」

魔法使い「そうでもない」

兵士「勇者様が天才っていってるし、本当に天才なんだな」

兵士「脳ある鷹は爪を隠すってマジだったんだなぁ」

兵士「てーんさい!てーんさい!!」

魔法使い「ふっ。君たちがようやく僕に追いついただけだよ」

兵士「きゃー!!」

兵士「かっけー!!!」

勇者「天才さん!!!あと50ほどお願いするっす!!!」

僧侶「てんさいさーん!こっちもおねがいしますー」

戦士「天才様、こちらも」

魔法使い「待て待て、天才は僕一人だ。そう急かさなくても天才は逃げないさ」キリッ



170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:39:19.88 ID:jqHERyS10
VIPssスレじゃなかったら普通に商業化狙えただろうなこのネタ


180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:53:13.01 ID:J4B7ul+80
>>170
ガンガンで衛藤が描きそう


181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:55:50.71 ID:qLz7N03I0
>>180
ただし魔法は尻から出る

 
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:46:52.66 ID:EOnyDn8J0
―――宿屋

勇者「え?俺たちと一緒に旅がしたいんすか?」

魔法使い「ああ」

戦士「どうして、また」

魔法使い「君たちの慧眼ぶりに惚れたんだ」

勇者「またまたー。冗談ばっかりじゃないっすか。アンタのほうが何十倍も賢いっすよ」

魔法使い「ふっ。まあ、確かに僕のほうが数百倍は賢いが、それでも一目置いているのは本当だ」

勇者「まじっすか?いやぁ、天才にそういわれるとなんか照れるっすね」

僧侶「つまり勇者様も天才ということですか?」

戦士「確かにそうなるか……?」

勇者「まじっすかぁ?いやぁー。俺、天才なんすかぁ?」

魔法使い「いや、君の場合は知性ではなく本能で物事を取捨選択しているように思う」

勇者「野生のカンってやつっすか?!ワイルドじゃないっすかー」

魔法使い「天才の僕にはない才能だ。誇っていいと思う」キリッ

勇者「あざっす!!なんかやる気がでてきたっす!!」




182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:55:58.62 ID:EOnyDn8J0
魔法使い「それで、僕も旅に同行してもいいのかい?」

勇者「天才の魔法使いが一緒なら鬼に金棒っすよ!!」

僧侶「よろしくお願いしますね」

戦士「あの魔法薬の力、期待してもいいのでしょうか?」

魔法使い「あれは……秘伝のものだからな。そう簡単に人前では使えない」

勇者「秘伝っすかぁ。かっけー!もういちいち天才オーラがでてるっすね!!」

魔法使い「天才だからね。嫌味ではないんだが、不快にさせたらもうしわけない」

僧侶「もちろんです。天才さんは天才でいいんです」

戦士「ええ。でも、その神をも越える頭脳は、人のために役立てるべきでは?」

魔法使い「しかし……なぁ……」

勇者「なんかほかにわけでもあるんすか?」

魔法使い「……」

魔法使い(ここで変に疑われても厄介だな。後々動きにくくなる……。恩を売っておくか)

魔法使い「分かった。魔法薬の精製方を伝授しよう。是非とも旅に役立ててくれ」キリッ

勇者「さっすが天才っす!!やることがちげー!!」


183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 15:58:48.71 ID:eidZe7CT0
人間側がすごい強化されたぞ!


185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:01:52.24 ID:EOnyDn8J0
―――翌日

兵士長「これは……?」

勇者「昨日、夜なべして俺たちが作った魔法薬っす!!」

僧侶「これからの戦いに役立ててくださいね?」

戦士「数は1万個ほどあります。長期戦になっても大丈夫でしょう」

兵士長「ありがとうございます……なんといっていいやら……」

勇者「お礼ならこの天才にいってくださいっす」

魔法使い「どうも、天才です」

兵士「天才さまー!!!」

兵士「かっこいいー!!」

兵士「だいてー!!!」

魔法使い「戦闘の天才である勇者と頭脳明晰な僕が手を組んだ!!魔王も必ず倒してみせよう!!」

兵士「「てーんさい!!てーんさい!!!てーんさい!!!」」

魔法使い「では、行ってくる!!」キリッ

兵士長「ご武運を!!!」






189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:08:04.75 ID:EOnyDn8J0
―――魔王の城

魔王「失敗だとぉ?!」

側近「はい。なんでも勇者によって邪魔をされたと」

魔王「勇者……?」

側近「予期せぬ障害が現れましたが、すぐに排除してみせましょう」

魔王「よい」

側近「は?」

魔王「下らぬ。矮小な人間が犠牲者を一人、こちらによこしただけの話であろう?」

側近「しかし……」

魔王「我は魔王。人間に遅れをとることなどありえん」

側近「……」

魔王「さあ、もう一度兵を再編成してあの街を攻め落とせ!!」

側近「無茶です。こちらもかなりの損害が……」

魔王「口ごたえか?」

側近「……わかりました。すぐに手配をいたします」



193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:12:38.12 ID:EOnyDn8J0
―――廊下

側近「はぁ……だが、確かに人間側も相当疲弊している今が好機か……」

側近「最小限の兵力でも十分に攻め落とすことはできるかもしれない」

側近「おい」

「ははー」

側近「兵を整える」

「わかりました」

側近「最小限の兵力で構わん」

「はっ」

側近「ふぅ……」

側近「なんだこの胸騒ぎは……」

側近「何か重大なミスを犯しているような……」

側近「ええい。気にしてもはじまらない」

側近「勇者一行には密偵も潜り込んでいるし……なんとなるはずだ」

側近「うん」



197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:18:04.95 ID:EOnyDn8J0
―――フィールド

勇者「あの山の向こうに魔王の城があるんすか?」

魔法使い「ああ」

僧侶「なるほど、もう少しですね」

戦士「魔王の城の所在をしっているなんて……貴方……」

魔法使い「な、なんだ?」

戦士「天才の上に博識なのですね」

魔法使い「ふっ。まぁね」キリッ

勇者「俺ももっと勉強してればよかったっす!くそー!!」

魔法使い「安心するといい。僕より賢くなれるやつはいないからね」

勇者「まじっすか」

魔法使い「まじっす」

僧侶「天才はいうことが違いますねー」

戦士「本当に」

魔法使い「ま、頼りにしてくれ」キリッ



199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:25:06.35 ID:EOnyDn8J0
―――廃村

勇者「ここは……?」

戦士「人の気配がありませんね」

魔法使い「ここは魔王によって滅ぼされた村だ」

僧侶「……安らかにお眠りください……」

戦士「しかし、どうしてこのようなことを?」

魔法使い「魔王さ……魔王は常に戦のことを考えている。ここを滅ぼしたのは攻略する際に邪魔になると判断しからだ」

僧侶「賢王と呼ばれているのは、戦術的な面だけなのですね」

魔法使い「まぁ、実際は右腕の頭脳が素晴らしいから、だけどな」

勇者「なんでそんなことまで知ってるッすか?」

魔法使い「勿論―――僕が天才だからさっ」キリッ

勇者「うはっ!!やられたっす!!」

僧侶「生まれたときから勝ち組なのですね」

戦士「全く。悔しさよりも憧れが強くなる一方です」

魔法使い「ふっ。まぁ、気にすることはないよ。僕だけが特別なんだから」キリッ



202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:28:54.23 ID:EOnyDn8J0
魔物「なんだぁ……?」

勇者「なんすか!?」

戦士「な……デカイ……?!」

僧侶「きゃぁ!?」

魔法使い「デカ物か……厄介だな」

魔物「ほう……お前が勇者か」

勇者「そうっす!!」

魔物「ブハハハハ!!!バカそうな面構えだな!!!」

勇者「なんだとぉ!!その通りっす!!」

僧侶「勇者様、認めちゃいけません」

勇者「うっす!!」

魔物「ふん。ここに踏み込んだこと後悔させてやるわ」

勇者「やるっすか?!棍棒がうなるっすよ!!」ブンブン

魔物「ほう?お前も棍棒を使うのか?―――俺もだ」ズゥゥゥン

勇者「でか……!?」


203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:32:47.63 ID:EOnyDn8J0
魔物「おらぁ!!かかってこいやぁ!!!」ブゥン!!!

勇者「とっこー!!!!」ダダダッ

魔法使い「バカ!!」

魔物「薙いでやるわぁ!!!!」バキィ!!

勇者「ふぎゅ!?!」

僧侶「勇者様!!!」

戦士「あ、あぁぁ……!!」

魔物「次はお前だ!!」

戦士「わぁぁ!!!」

魔物「ふん!!!」ズンッ

戦士「ぐぁ!?!」

魔法使い「大丈夫か!?」

戦士「背中……うったぁ……いたぃ……」ポロポロ

魔物「ブハハハハ!!!!なんだ!!!お前ら!!!弱すぎるぞぉ!!」

勇者「やるじゃねえかぁ……」


205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:37:20.30 ID:EOnyDn8J0
勇者「ここは!!」

僧侶「天才さま!!」

魔法使い「え……」

戦士「うぅぅ……かたきうってぇ……」ポロポロ

魔法使い「あ……えと……」オロオロ

魔物「次はお前か……?」

勇者「おねがいっす!!!」

僧侶「ふぁいとですっ!!」

魔法使い「ぐ……」

魔物「おまえは……グハハハハハ!!!!」

勇者「え?」

戦士「ふぇ……?」

魔物「お前、薬品しか作れない底辺魔法使いか」

魔法使い「?!」

魔物「ははははは!!!どうした?頭の良さだけが売りではやはりクビになったのか?んー?」



211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:43:09.46 ID:EOnyDn8J0
魔法使い(まずい……作戦が……)

魔物「まぁ、いい。何ができるか見せてもらうか」

勇者「えっと……ど派手な呪文とか魔法とか……使えないんすか?」

魔法使い「……」

魔物「ああ、そうだ!!こいつの一族は悉くなにもできない駄目な一族なのよ!!」

僧侶「それって魔族ってことですか……?」

戦士「せなか……ヒリヒリするぅ……」ポロポロ

魔物「ブハハハハハ!!!」

魔法使い(くそ……このバカの所為で信頼が……)

勇者「誰が駄目な一族っすかぁ!!!こらぁ!!!」

魔法使い「え……?」

僧侶「そうです!!この人は紛れもなく天才さんです!!」

戦士「そ、そうですよぉ……なんでも治す薬とか……天才……しか……いたたた」ポロポロ

魔物「はん!!一つのことしかできぬ魔法使いなどガラクタも同然よ!!」

勇者「うっせー!!!棍棒をバカみたいに振り回すだけのお前のほうががらくたっす!!ばぁーか!!」


212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:47:11.27 ID:EOnyDn8J0
魔物「言わせておけば……!!」

勇者「おりゃー!!棍棒タイフーン!!!」ブンブン

魔物「貴様もおなじではないかぁー!!!」バキィ

勇者「ぺぷしゅ!?」

僧侶「勇者さまー!!」

勇者「やべえ……棍棒が折れたっす……」

僧侶「……こ、こはわたしが!!」

魔物「ほう?」

勇者「だめっす!!俺の棍棒が効かないんすよ?!」

僧侶「わ、私だって……このモーニングスターで……」ブンブン

戦士「かいふくしてぇ……」

魔法使い「あ、ああ。まっていろ」ゴソゴソ

戦士「ごくごく……ぷはぁ!ありがとうございます」

魔法使い「……がんばってくれ」

戦士「ちょっと怖いですけど、やります。みててください」


215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:52:04.08 ID:EOnyDn8J0
僧侶「くらえー!!」トテトテ

魔物「ふはははは!!!」

僧侶「おも……!!」ブンブン

戦士「私も……やるときは―――」

僧侶「くっ……遠心力が―――ぁ」ツルッ

戦士「やってやりま―――」

ゴン!!!

戦士「ったぁぁぁ~~~~~!!!」

僧侶「ご、ごめんなさい!!すっぽぬけました!!」

勇者「これは最大のピンチってやつっすね……」

戦士「いたいいたい!!!」ゴロゴロ

僧侶「動かないでください!!今、回復しますから!!」

魔法使い「回復薬いるかぁ?」オロオロ

勇者「まずいっす!!人生最大の危機っす!!」

魔物(勝手に自滅しそうだな、こいつら)



221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 16:57:32.18 ID:EOnyDn8J0
僧侶「ほーら、もういたくないですよー」ナデナデ

戦士「うぅ……」ポロポロ

勇者「棍棒はないっすか?!」

魔法使い「残念ながら」

勇者「万事休すっすね……」

魔法使い「どうしたら……!!」

魔物「もういいか?いくぞ、こらぁ!!」

勇者「仕方ない……」シャキン

魔法使い「お前……その剣……」

勇者「伝説の剣っす」

戦士「ただの鉄ですけど……」

勇者「くらえー!!!」ダダダッ

魔物「ふん」バキィ

ポキーン!!

勇者「あぁぁ……折れたっすぅ……」


 
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:01:50.96 ID:EOnyDn8J0
勇者「伝説の剣がぁ……」

魔法使い「くそ……!!」

僧侶「あぁ……もうなす術が……」ナデナデ

戦士「だれかぁ……たすけてぇ……」ポロポロ

魔物(なんか哀れになってきたな)

勇者「よっしゃ!!こい!!」グッ

魔物「なに?」

勇者「素手で勝負っす!!!」

魔物「ブハハハハハ!!!!なにを言い出すかと思えば!!素手だと?!」

勇者「キック!!!」ドゴォ

魔物「ぐふぅ?!」

勇者「あちょー!!」

魔物「油断したわ……くそが……!!」

魔法使い「回復はまかせろ!!」

僧侶「ふぁいとです!!」


224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:02:37.37 ID:vEowSGvEO
勇者のキックつえーなwwww

226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:03:10.62 ID:eidZe7CT0
魔法使いいたら僧侶いらねえな
戦士もいらねえな

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]投稿日:2012/02/22(水) 17:04:29.36 ID:JwttGJkv0
武器屋のおっちゃんに見せてもらったカンフーやべえ


229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:05:37.50 ID:vEowSGvEO
勇者→武闘家
僧侶→踊り子
魔法使い→薬士
戦士→俺の嫁


230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:05:50.74 ID:vsIUx2mb0
おいパーティー構成変わってんぞこれ


231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:06:57.37 ID:EOnyDn8J0
魔物「はぁ……はぁ……」

勇者「薬を」

魔法使い「はい」

勇者「ごくごく……よっしゃ!!!」

魔法使い「へへ。こっちは無尽蔵に薬を精製するからな」

勇者「まさに不死身っすから」

魔物「なんか恐ろしいやつを相手にしてしまったようだ……」

勇者「さあ、第63ラウンド目に突入っすよ!!」

魔物「ひぃ……」

勇者「キック!!」ドゴォ

魔物「がぁ!?」

勇者「シャイニングウィザード!!!」バキィ

魔物「ごぼぉ!?」

僧侶「がんばれー」

戦士「そこです!!アゴを狙ってください!!」


235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:09:44.93 ID:KHq6U7Ng0
おい、プロレス技が出てきたぞwww


236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:10:19.75 ID:44prEDkl0
せんずかよww


237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:12:50.81 ID:EOnyDn8J0
勇者「かった……!!」グッ

魔物「ごほ……」

勇者「88ラウンド、KO勝ちっす」

魔物「勝つまで……やるつもりだった……だろ?」

勇者「うっす」

魔物「―――無念だ」ガクリ

魔法使い「ふぅ……すごい戦いだった」

僧侶「本当に総力戦でしたね」

戦士「ええ。辛かった……。鉄球が当たったときは本当に」

僧侶「だから謝ってるじゃないですかぁ!!」

勇者「さてと……こいつの棍棒を……」ズシッ

勇者「とても持てないっすね」

魔法使い「持てる重量にするしかないな」

勇者「あ、肉抜きするっすよ。中身をくりぬけばいいだけっす。俺、あったまいい」

戦士「え……それすると脆くなるのでは……?」



240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:19:32.53 ID:EOnyDn8J0
勇者「―――できたぁ!!最高の棍棒っす!!!」

僧侶「わー」パチパチ

戦士「あーあー……」

魔法使い「まぁ、いいじゃないか。アイツが満足しているなら」

戦士「それより……少しいいですか?」

魔法使い「ああ、僕は魔族だ。この耳を見れば一目瞭然だろ?」スッ

戦士「あ……」

魔法使い「僕は魔王様に仕える者だ」

勇者「え?」

僧侶「じゃあ……どうして私たちの仲間に?」

魔法使い「密偵だった。お前たちを内部崩壊させるためのな」

勇者「……」

魔法使い「僕は敵だ。―――だが、ばれてしまっては仕方ないな。さ、殺すなら殺してくれ。僕はもう裏切り者になってしまったから」

戦士「そんな……」

勇者「わかったっす……」


244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]投稿日:2012/02/22(水) 17:24:20.26 ID:EOnyDn8J0
僧侶「勇者様?!」

戦士「待ってください!!」

魔法使い「その棍棒の威力でも試すか?」

勇者「……」

魔法使い「さぁ……」

勇者「さ、魔王の城まで案内するっす」

魔法使い「え?」

勇者「アンタが裏切ってないことを俺たちがきちんと証明するっすから」

魔法使い「な……」

僧侶「そ、そうです!!まだ裏切ったとは限りません!!怪しまれないように共闘しただけじゃないですか!!」

戦士「そうですね。まだ、弁護の余地はあるでしょう」

魔法使い「……」

勇者「俺、バカっすけど真剣に説得してみせるっすから!!」グッ

魔法使い「ふふ……そうか。わかった。そのときは頼むよ」

勇者「うっす!!」


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[ 2012/03/03 15:07 ] 勇者「」or魔王「」 | TB(0) | CM(0)
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