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後輩「センパイ、今日なに食べたいですか?」 4/4



後輩「センパイ、今日なに食べたいですか?」




437 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:05:08.67 ID:/SG5130IO
ピンポーン 
        ピンポーン 


        友「入って入ってー」 

        ガチャリ


後輩「おじゃましまーす」

友「いらっしゃいませ」

後輩「はふぅ……ちょっと疲れちゃった。
           前はこんなことなかったのになぁ」

友「……ゆっくりしてていいよ。
          今日は後輩がお客さんなんだから」

後輩「ありがとー、友」

友「でも、ほんとにやつれてる。後輩……」

後輩「うん……自分でもわかる。
           なかなか疲れがとれなくて、
           なんだか自分が自分じゃないみたい」

友「……」


元スレ
後輩「センパイ、今日なに食べたいですか?」




439 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:06:18.80 ID:/SG5130IO
後輩「わーいお鍋だー」

友「うどんすき。
          たくさん食べてね。」

後輩「んんーいい匂いっ
           いただきまぁす」

友「召し上がれ。」



ぐつぐつぐつ……




後輩「ねぇ、友」

友「ん?」

後輩「私、ちゃんと彼女できてると思う?」


440 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:06:59.24 ID:/SG5130IO
友「……文句つけたらバチがあたるぐらい」

後輩「そっか。そうなのかなぁ。
           わかんないや」

友「うまくいってないの……?」

後輩「ううん、順調。たぶんね。
           ただ……」

友「ただ?」

後輩「結局、『好き』ってわからないままだからさ」

友「『嫌いではない』ってやつ?」

後輩「『嫌いが何かわからない』かな」

友「それは……」

後輩「自分で自分のことを好きか嫌いかもわからないし、
           自分が自分じゃないみたいって、
           こういうことなんだねぇ」


441 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:07:48.91 ID:/SG5130IO
友「後輩、ひとつ聞いていい?」

後輩「ひとつと言わず、いくつでも」

友「……前に言ってた、一度男さんに振られてる、
          って話なんだけど……」

後輩「あぁ、うん」

友「あれって、結局どう言うことなのかな、って」

後輩「えーっとね、……何から話そうかな」

友「……」


446 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:11:34.85 ID:/SG5130IO
後輩「高校の時にね、私と……センパイはおんなじ部活だったの」

友「うん」

後輩「それで、センパイが後輩のお世話役みたいになってて、
           いろんな話を聞いてもらってるうちに、
           ……この人はすごい人だな、って。
           そう思うようになったの。」

友「うん、うん。
          それで?」

後輩「私が入部した時から、
           センパイは部長さんと付き合ってたんだよね」

友「……」
449 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:13:45.47 ID:/SG5130IO
       後輩「で、部長さんはめちゃくちゃ楽器がうまくて、
           なんていうのかな……すごいカリスマがある人だったね。
           リーダーシップも責任感も強くて、
           仕事のできる女の人!って感じかな。」

友「……なるほど」

後輩「センパイは、
           その部長さんの取りこぼした仕事を
           全部拾っていく感じだった。
           楽器の苦手な子のフォローとか、
           ちょっとしたいざこざの仲裁とかね。
           ふたり合わせて完璧って、私にはそう見えたなぁ」

友「すごいね……」


450 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:15:31.52 ID:/SG5130IO
              後輩「うん。
           私もかなりセンパイにくっついて
           いってた時期があったんだけど、
           部長さんはむしろ私を可愛がってくれて……
           あぁ、この人にはかなわないなぁ、って。」

友「振られた、っていうのは……?」

後輩「まぁそれはおまけみたいなもんでね。
           悪ふざけ半分で『彼女として私はどうですか?』
           って聞いたら、『後輩は後輩だな』って。
           なはは、それだけの話だよ、うん。」

友「それだけ……」

後輩「そう、それだけ。
           別に深い意味はないよ。」

友「……」





友(きっとそのときも、
          こんな泣きそうな笑顔だったんだろうな……)

456 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:21:59.06 ID:/SG5130IO
後輩「いやー懐かしいねぇ。
           この辺りの話はまだあんまりしてなかったっけ」

友「……男さんも、
          『一度後輩には振られてる』
          って言ってたんだけど……」

後輩「んん?
           それは……あぁ、あのときのことかな」

友「聞かせてくれる?」

後輩「もちろん。
           えっと……うん、そうそう、思い出した。
           そのちょっと後に、……大きなトラブルがあってね」

460 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:23:07.27 ID:/SG5130IO
友「トラブル?」

後輩「コンクールに向けての部の方針で
           かなりもめちゃって……
           それで、部長さんがその責任を全部
           負わされた形になったの」

友「……」

後輩「センパイの同期の人も、私の同期も、
           みんな部長さんを悪く言って……
           『それでも部をまとめる人が必要だから』って、
           全部悪いのは自分のせいにして、
           ……部長さん、センパイと別れたの。
           『自分は邪魔になるから』って」

友「うわっ……」


461 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:25:22.75 ID:/SG5130IO
後輩「部長さん、ほんとに部活が大好きだったから……
           そうしてでも、部活を続けたかったんだよ」

友「そ、それで……どうなったの?」

後輩「うん、それから……
           センパイに、頼まれたの。
           『俺は上をまとめるので手一杯だから、
            下は後輩が皆の意見を聞いてくれ』
           、って。

           私、センパイと一緒になってよく
           幹事の仕事もやってたから、そのまま
           次のまとめ役みたいになっててね。」

友「……」


462 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:26:22.63 ID:/SG5130IO
後輩「頑張ったなー、あのときは。
           私が部長さんの代わりになるんだー、って。 
           みんなもすごく協力してくれたし、
           なんとか話を落ち着けられたわけ」

友「すごいじゃん、後輩」

後輩「一番応援してくれたのは部長さんだったんだよ。 
           部長さんがいつも頑張れって言ってくれたの。

           ……でも……」

友「……?」


463 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:28:08.96 ID:/SG5130IO
後輩「私とセンパイが一緒に頑張ってるのを見てて……
           ……すごく、つらそうだった。
           私にはずっと笑顔だったけど、……
           きっと、死ぬほどつらかったと思う。
           それでも、やっぱり笑顔だったの。」

友「……」

後輩「それでね……私、なんだか怖くなって……
           ……センパイと距離を取るようになったの。
           部長さんのつらい顔が、それ以上見てられなくて」

友「後輩……」

後輩「なはは、最低だよね私。
           センパイが私を信用して頼ってくれてるのに、
           ……逃げちゃった。
           センパイもつらいんだ、ってこと、忘れてたの。
           私が支えなくちゃダメだったのにね。」

466 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:31:19.63 ID:/SG5130IO
友「それは……仕方、ないよ」

後輩「結局、部活はなんとか持ち直して、
           部長さんも元の感じに戻れたんだけど……
           センパイとは別れたままだった。」

友「……」

後輩「たぶん、センパイは、そのときのことを
           『振られた』って言ってるんじゃないかな。」

友「……なんか、悲しすぎて喉の奥が痛くなってきた」

後輩「なはは。
           ……私も。」

476 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:43:14.31 ID:/SG5130IO
友「ねぇ、やっぱり後輩は男さんと――――」

後輩「いいの。これでいいんだよ。
           私はセンパイをすっごく尊敬してる。
           ……これだけでいいの。」

友「……」
478 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:44:24.97 ID:/SG5130IO
後輩「それに、……今の彼氏さんにも悪いしね」

友「後輩……」

後輩「いい人だよー?
           ちゃんとしてるし、優しいし、料理誉めてくれるし。

           ……センパイと一緒に住んでて、
           ほんとは今のままじゃダメなんだ、
           また自分は逃げてるんだ、って、
           心の底ではそう思ってたの。
           後輩っていうすごく居心地のいいところにずっといて、
           ……センパイは自分でどこにでも行けるけど、
           私はセンパイがいないと何もできなくなっちゃう。
           だから、きっとこれが、いい機会だったんだよ。
           あの時のやり直しをさせてもらえるんだ、って、
           勝手にそう思ってる。
           今はまだ……何もできないけど。」

友「……初めは絶対にあの先輩警察に
          突き出してやろうと思ってたのになぁ。
          急に真剣になる上、私にまで謝ってくるし……」

後輩「なはは、堪忍してあげてね。」


友「……何かあったら、すぐ相談してよ?」

後輩「うん、ありがと」


479 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:45:44.08 ID:/SG5130IO
友「……でもさ」

後輩「ん?」

友「男さんは、ほんとのところ、
          どう思ってるんだろうね……」

後輩「それは……」

友「飄々としてるけど、
          後輩のことをすごく大切に思ってたわけでしょ?」

後輩「……」

友「……多分ね、男さん……
          『俺に相談してくれたらよかったのに』
          ……って思ってるんじゃないかな……」



480 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:46:40.00 ID:m+QFrQam0
警察に突き出すってことはやっぱりレイプか


481 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 20:47:32.49 ID:/SG5130IO
後輩「……うん」 
      

友「後輩には自立してほしいけど、
          男さんだってずっと後輩のセンパイでいたかった。
          そんな気がするよ、私は」

後輩「……」

友「ほんとは、真正面から向き合わなきゃ……
          解決しないんだろうね。
          でも、それを選んだのが後輩だから、
          男さんは出て行ったんだよ、きっと」

後輩「……センパイ……」

友「まぁでも、
          後輩もちゃんと素面になってからよく考えたことだし、
          それでもまだ納得いかないけど……

          私は後輩の味方だよ。
          男さんも、ね。」

後輩「……うん」ぐすっ
637 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:03:56.72 ID:/SG5130IO
女「外はすっかりクリスマスムードね」

男「なぁ、『クリスマスキャロル』ってあるだろ」

女「映画でやってる?」

男「あれのアニメーション版をさ、昔観たんだ。
          あんなトラウマ他にないぜ。」

女「ふぅん。」

男「過去、現在、未来を見せる精霊か……」

女「来てほしいの?」

男「……どうだろう」

女「人間には過ぎた視力よ。きっとね。」

男「千里眼持ちの部長殿さすがです」
639 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:05:08.95 ID:/SG5130IO
女「ねぇ、買い物に出掛けましょうよ」

男「何を買いに?」

女「服とか、色々よ」

男「寒いからやだ」

女「私にどんなのが似合うか、選んでほしいの」

男「どうせ俺の意見なんか聞きやしないだろ」

女「あら、そんなことないわよ?
          あなたの意見が間違ってたことなんて、
          いままで一度もなかったもの。」

男「んなわけねぇー」

女「私の知る限りでは、ね」

男「買い被り過ぎだ」

女「高校の頃の私はまだ幼稚だったわ。
          今になってあなたの意見の正しさがよくわかったのよ」

男「……最近さ、こういう持ち上げられかたすると、
          そこから先ろくなことにならないんだよな。」

女「あら、そう。
          それは災難ね」

男「全くだ。」


640 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:06:11.92 ID:/SG5130IO
女「じゃ、服はまた今度でもいいわ。
          ちょっとそこまでアルコールを買いに行きましょう」

男「俺は呑めないぞ」

女「嘘ばっかり。
          あなた何でも呑めるでしょ」

男「……改宗した宗教上の理由で」

女「一緒に住んでた人の負担にならないようにしてたのね」

男「ねぇほんとになんなのその能力」

女「私は大丈夫よ。
          ちゃんと考えた上で買い物するんだから。
          遠慮は要らないわ」

男「……はぁ。
          じゃあ部長殿の善意に甘えるとするか」

女「最初からそうすればいいのよ」


641 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:07:09.45 ID:/SG5130IO
       男「えらく羽振りがいいな、しかし」

女「過保護な仕送りがあるからね」

男「さすがお嬢様」

女「あなたひとり養っても、毛ほどの負担にもならないわ」

男「その割には、バイト一生懸命やってるよな」

女「生活できるのと働かないのは違うのよ」

男「こころがいたい」

女「あら、今のは無神経だったわ。ごめんなさい」

男「まぁ別にいいんだけどさ。
          袋を持とう」

女「相変わらず優しいのね。」

男「どうだかな。」

女「むしろ甘いわ。」

男「それが近いかもしれん」


642 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:08:03.08 ID:/SG5130IO

 
とくとくとくとく


男「入れすぎっ、入れすぎだっ」

女「気のせいよ」

男「油断も隙も無いな……」

女「あなたの堅い口を割らせるためならね」

男「別に聞かれたら答えるさ」

女「前の女はどんな人だったの?」

男「……」

女「ほぅら、呑め呑め」

男「なんてやつだ。」

女「ま、もう知ってるんだけどね」

男「なんだと」

女「それを呑んだら答え合わせよ」くいっ

男「……もうどうにでもなれ」くいっ


643 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:09:24.70 ID/SG5130IO 
男「さぁ呑んだぞ。
          潰れる前に言えこのやろう」

女「あらあら……仕方ないわねぇ」

男「もう二瓶空けちまったぜ……」

女「後輩でしょ?」

男「……正解だ。」

女「だって、今でもたまにメールとかしてるもの。」

男「あぁ、なるほど……
          げに恐ろしきおなごネットワーク……」

女「ふふん。
          部活を引退してから、またちゃんと話したのよ。
          いい子ねー、信じられないぐらいいい子だわ。
          涙が零れるぐらいいい子ね、ほんとにもう」

男「ずいぶん可愛がってたもんな」

女「あの子にだったらあなたを取られても…… 
          なんて、思ってたぐらいにはね。」

男「……」


644 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:10:22.83 ID:/SG5130IO
女「あの子、あなたの話をするときは
          メール越しなのにすごく嬉しそうだったわよ」

男「……そうかい」

女「さて、私の可愛い可愛い後輩を泣かせるに
          足る理由をお聞かせ願えるかしら?」


男「えらいことになった」
648 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:19:34.65 ID:/SG5130IO 

 
女「……なるほどね。
          ほんとに結局付き合わなかったんだ。」

男「うむ。」

女「あの子はずっとあなたの『後輩』のままだったのね」

男「有り体に言えば、な。」

女「残酷ねぇ」

男「そうだな。」

女「でも、やっぱり優しいわ」

男「そうかな。」

女「……まぁ、話はわかったわ。
          それで、あなたはそれでいいと思ってるの?」

男「ここは部長殿の意見を伺いたいな」

女「後輩はあなたに相談すべきだったわね。
          あなたもそうであってほしかった。
          違う?」

男「相違ありませんです、はい。」


649 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:20:35.33 ID:/SG5130IO 
女「臆病なのよ。全員クリスマスの七面鳥よ。
          あなたも後輩も、私もね。
          みんなはっきりさせるのが怖いの」

男「部長殿も?」

女「『私のこと好き?』なんてあなたには聞けないわ。
          仮に聞けても、絶対に答えから逃げちゃう」

男「……」

女「後輩は、長い長い猶予期間の中にいたのよ。
          ちょっとずつちょっとずつ気持ちを温めて、
          蒸留して、濾過して、見えないくらい透明なそれを、 
          純粋な気持ちを、一生懸命見つめてたの。」

男「実に詩的な表現だ」


650 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:21:34.09 ID:/SG5130IO 
女「ありがとう。
          でも、そのどこぞの馬の骨のせいで何もかもぶち壊し。」

男「ふむ」

女「昔の私なら、 
          その友って子に怒鳴り込んでるところだけどね」

男「いまは違うのか?」

女「付き合い、ってものがあるのよ。
          これはどうしても避けられないわ」

男「なるほど」

女「あなたならそう考えるでしょ?」

男「……まぁな」
659 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:33:32.04 ID:/SG5130IO
女「それで、あなたはどうしたいの?
        このままでいいの?」

男「……後輩が決めたことなら」

女「ほんとにそれは後輩がひとりで考えて決めたこと?
        『周りの環境がそうさざるをえなくさせた』んじゃなくて?」

男「ここでまさかの親鸞か」

女「どう?」

男「……『後輩の意見』を聞くべき、か」

女「素晴らしい。
        やっぱりあなたならそう言うと思ったわ」

男「お見通しか……」

女「あなたは正しい意見しか言わないもの。」
663 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:34:51.78 ID:/SG5130IO 
男「俺のことをそこまでストレートに誉めるのは、
          部長殿と後輩ぐらいのもんだ」

女「慕われてるのよ。」

男「ありがたい話だ……」くいっ

女「私はね」

男「ん?」

女「あなたが最後に逃げ込む場所。
          みんながあなたを追い立てても、
          私だけはあなたを守ってあげる」

男「家賃は?」

女「たまに腕枕してくれたら、それでいいわ」

男「破格だな。」

女「特別料金よ。」くいっ

70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:38:05.79 ID:/SG5130IO 
センパイサイド、おわり。
      勝手にキャラが喋ってるので、どうなるやらさっぱりわかりません。

      風呂入って脳内相談してきます。

 

679 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:49:35.57 ID:eV6n0F7IO


>>670
  脳内相談おわりしだいかきこみを

でも前の方であったように酔わせてレイプしたやつは絶対最悪
  いいやつだなんてあり得んな
 てか警察いくだろうな

683 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:55:10.33 ID:TwFk17dMO


>>679
  レイプしたなんて描写はないし、後輩と付き合う形になったんだから結局和姦だろ
  いいじゃないか



684 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:56:18.17 ID:m+QFrQam0
>>683
 後輩の性格じゃ相手のこと憎めないだろうし
 付き合うことになったのも相手の押しと流れだろう

686 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/16(水) 23:59:00.42 ID:eV6n0F7IO


>>684
  だな
 部長との会話でも『環境が~』って言ってたし
 押しがあるかと
 なにより後輩がしっかりと納得してない……んだ…………

 はぁ……ごめんな



687 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 00:00:29.01 ID:55B+6JS9O
>>685
  だとしたら最高に嬉しいが…諦めろ…流れ的にあり得ない…

731 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:49:02.57 ID:1GfF9hnZO



       ガチャ


      後輩「ただいまぁ、っと」

男「おかー」

後輩「うわぁあああああっ!」

男「なんだ、幽霊を見たみたいに」

後輩「なっ……なっ……なんでここにいるんですかっ?」

男「いやー、ちょっと忘れ物を取りにな。
          この枕がないとどうにも具合が悪い。」ぽんぽん

後輩「はぁー……そうでしたか……
            びっくりしたぁ……」

男「驚かせてすまんね。
        あ、あとこれ、合い鍵。返すな。」チャリン

後輩「いえ、その……あのですね、」

男「じゃあ、俺はそろそろ行くわ」

後輩「えっ」

男「長居しても悪いしな。」ガタン

後輩「ちょっ、せ、センパイっ!」

男「ん?」


後輩「……お話、しませんか?」

男「後輩さえよければ。」

733 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:50:07.92 ID:1GfF9hnZO
後輩「とは言ったものの……なはは……ううぅ……
          話題が見つかりませんね、困っちゃったな……」

男「最近どうだ?」

後輩「ど、どう、ですか?」

男「大学、健康、バイト、……」

後輩「えっと、えっと……えっとですね」

男「俺がいなくても、全部ちゃんと成り立つだろ?」

後輩「えっと……」

男「ん?」

後輩「……はい、ちゃんと私はひとりで生活できてます」

男「そりゃそうだ。
          ずっと俺の世話を焼いてたぐらいだからな。
         ずいぶん身軽になったろう。」

後輩「……」


734 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:51:10.22 ID:1GfF9hnZO
男「ところで後輩……痩せたな。
           いや、やつれたな。」

後輩「そう見えますか?」

男「こんな疲れた後輩、初めて見た。」

後輩「……何ででしょうね。
            家から出るのも、バイトに行くのも、お料理するのも、
            ……こんなに疲れることだったかな、って」


735 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:52:22.16 ID:1GfF9hnZO
男「そりゃ難儀な話だ。」

後輩「ですね。
              体が重いんです。
              なんだか眠れないんです。
              ……怖いんです。」

男「部長も言ってたぜ。
            みんな怖がりだ、って。
            あぁ、そうそう。部長にたまたま会ったんだがな」

後輩「部長さん、変わってなかったでしょう?」

男「大人になってたよ。
             素直だが、とんだ曲者になってた。
            あと、千里眼も持ってたな」

後輩「なはは……すごいですね」

男「根掘り葉掘り話を聞かれたもんだ」

後輩「なんてコメントされてました?」


男「『どこの馬の骨だか知らないけど、
             見付けたら磔にしてもいでやるわ』 
               ってな感じだ。」

後輩「怖っ!」

男「全くだ。
          ぞっとするね」


736 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:54:28.85 ID:1GfF9hnZO
後輩「……それで、部長さんに言われてここに来たんですか?」

男「半分正解だが、半分不正解だ。
        ここには俺の意思で来た。
        部長殿は俺の意思を引き出しただけだな。」

後輩「……」

男「もう一回、聞こう。
          最近どんな感じだ?」

後輩「つらくて、苦しくて、体が石になりそうです。」

男「それはまた、どうして」

後輩「冷たいんです。この部屋が。
          すごく寒くて、怖いんです。」

男「困ったな。どうしたもんか。」

後輩「……」

男「風水とかでなんとかなるかも」

後輩「……」

男「観葉植物を置いてみるとか」

後輩「センパイ」

男「ん?」

後輩「……私、迷惑じゃないですか?」

男「誰に対して?」

後輩「センパイと、部長さんに対して……です」
738 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:57:19.39 ID:1GfF9hnZO
男「どうしてそう思う?」

後輩「だって……だって、
            センパイと部長さんはすごくいいカップルで……」

男「ほう」

後輩「……私なんかが……邪魔しちゃ……
       ……好きになっちゃ、いけないん、です」

男「……」


739 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 01:58:08.92 ID:1GfF9hnZO
後輩「……部長さんは、誰よりセンパイのことを好きで、
            誰よりセンパイのことを理解してるんです。
            私が間を割って入るなんて、絶対、
            しちゃダメなんです。
            私は、部長さんと、センパイに、
            幸せになってほしくて……
            ……なのに、センパイをひとり占めしようとした、
            悪いやつなんです。
            だから……だから、バチが当たったんです。
            つらくて、苦しくて、当然なんです……」

男「ふむ」
744 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:01:04.46 ID:1GfF9hnZO
男「なるほど、言いたいことはわかった。
         ときに、後輩よ」

後輩「……はい。」

男「ちょっとこっちに来てくれ」

後輩「……」

男「いいから、ほら。」

後輩「……」

男「後輩。」

後輩「……」とてとて

男「よーしよし、いい子だ。
         なぁ、後輩。」

後輩「はい……?」

男「俺はまだ、『後輩の意見』を聞いてないぜ」

後輩「……!」

747 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:01:54.85 ID:1GfF9hnZO
男「さっきからずっと 
         『後輩が考えた周りの意見』ばっかりだ。」

後輩「……そう……です、ね」

男「怖いか?」

後輩「……」コクン

男「俺もだ。
         俺は、後輩の意見を聞くのが怖い。」

後輩「……」

男「言ったら、聞いたら、もうそれまでだ。 
         そこでゲームオーバーだ。」

後輩「……はい」

男「でもな、そこが次のスタートラインだ。 
            って部長殿が言ってた。」

後輩「受け売りですか」

男「うむ。男前だろう?」

後輩「はい。とても。」
751 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:03:26.39 ID:1GfF9hnZO
男「まぁそう言うわけだ。」


後輩「……私は、」

男「うん」

後輩「……私は、やっぱり、ダメな後輩です。
          怖がりで、臆病で……ずるいです。
          部長さんには、全然、かないません。」

男「部長殿さすがだな。」


752 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:05:48.41 ID:1GfF9hnZO
後輩「でも、

   ……センパイに抱きしめられたら、
   きっと、すごく暖かいと思います」


男「さて、どうだろうな。」

後輩「センパイ、センパイはどう思いますか?」

男「俺か。
         俺はなぁ、後輩の作るご飯が一番うまいと思います」

後輩「私を抱きしめてください」

男「ん。」ギュッ

後輩「……あの、」

男「ん?」
755 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:06:52.27 ID:1GfF9hnZO
ギュウ……っ 


後輩「センパイ、今日なに食べたいですか?」 






おわり。



757 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:08:00.28 ID:UAjXh5nh0 
うおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああ 
よかったああああああああああああああああ 

>>1に果てしない乙を!!!
760 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:09:13.53 ID:JYtiCLWh0
後輩が食べたい! 
乙!


761 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:09:38.65 ID:fqCd2+AV0
おつ!


762 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:09:38.66 ID:nr/WE20f0
>>1乙 
バッドもグッドもいいな



764 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:09:47.99 ID:55B+6JS8O
>>755 
くそう、くそう…色々あるのに…色々あるのに…… 
チャラ男と別れる作業とかチャラ男と別れる作業とか 

くそぅ……乙だよ…ちくしょう……乙だよ… 


765 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:10:46.40 ID:zsBqnNzy0
>>1さんお疲れ様です



767 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:11:26.33 ID:dSgygHe90
ようやく言える・・・乙!


768 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:12:18.19 ID:XMOT0jDIO
>>764 
チャラ男? 
だれだそれ 

忘れたよ 

>>1


769 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:12:46.08 ID:FqcwdTlh0[ うん、素晴らしい終わり方だ 
  もう継ぎ足しの説明はいるまい 
>>1乙 ありがとう


770 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:12:54.93 ID:Zk5bb8XoO
>>1は俺が育てた woo...


771 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:13:32.92 ID:CbPJYghsO
乙。 




カレー食いたい。

777 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:18:21.93 ID:/Hg+Crv3O
>>1 
お疲れ様でした 
久々にのめり込める物語を読んだ気がします 






ここまでがプロローグな気がしてならない



778 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:18:32.27 ID:Q5keMV9K0
食う事以外何もしないのに「何でも出来る人」とか言われて皆から慕われるって凄い主人公だな 
ハッピーエンドの後はセックスさえしない明るいヒモ生活に逆戻りって事か


 
783 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 02:21:40.13 ID:55B+6JS8O
>>777
ようやくお互いの気持ちを確認して新たに…どう考えてもこれからだな、それぞれの脳内で 

そして
>>778何がお前をそこまで荒ませたんだよ
 
858 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2009/12/17(木) 08:21:23.81 ID:1GfF9hnZO


おはようございます。 

色々批判はあるかと思いますが、 
実験的な要素を多く孕んだこの形を 
暇つぶしの知恵の輪として楽しんでいただけたなら幸いです。 

最初はストーリーの全く無い 
ただの日常風景スレのはずでしたが、 
そこだけで盛り上げるにはまだまだ力不足なようで、& 強引な力業に出てしまいました。反省。 

次回に活かします。 
実はかなりの方にROMっていただいていたようで、 
嬉しかったです。びっくりです。 
ありがとうございました。


 

 
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