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さやか「あたしって、ほんとバカ」まど神「さやかちゃん……」2/2
さやか「あたしって、ほんとバカ」まど神「さやかちゃん……」
さやか「あたしって、ほんとバカ」まど神「さやかちゃん……」
60
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:30:25 ID:ZEZG6PpE
~ほむホーム~
さやか「はじめて来たけど、何て言うか……生活感がない部屋だよね」
ほむら「そこに私の目的はないからよ。もう一人客が来ることになってるから少し待ちましょう」
さやか「もう一人って……」
ガラッ
杏子「おーいほむら! お湯貸してくれ!」
さやか「杏子!?」
杏子「おーさやかもいたのか、てことはコイツにも手伝わせるつもりか」
ほむら「ええ、打てる手は何でも打っておいた方がいいのよ。猫の手も借りたいとはよく言ったものね」
杏子「違いねぇな」
さやか「何か知らないけど酷い言われよう……。で、どういうこと?」
元スレ
さやか「あたしって、ほんとバカ」まど神「さやかちゃん……」
61
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:33:59 ID:ZEZG6PpE
さやか「ワルプルギスの夜……?」
ほむら「ええ。杏子には話したけど、こいつがあと一週間足らずで見滝原に現れる」
ほむら「一般人には自然災害と認識され、何千人もの犠牲者を生み出しかねない超弩級の魔女よ」
杏子「ソイツを倒すために、アタシたちは手を組んでたってわけさ」ズルズル
さやか「そんな奴が……でもどうしてほむらはそんなことが分かるのさ?」
ほむら「統計よ」
杏子「コイツ前にもそうやって言って、全然話を聞かせやがらねぇ」ズルズル
杏子「一緒に戦おうってんならもうちょっとそのあたり聞かせてもらっていいんじゃない?」ゴクゴク
カラン
ほむら「………………」
62
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:36:59 ID:ZEZG6PpE
さやか『何のことか分からなくてもいい。信じなくてもいいから、お願い。協力して、まどかのために!』
ほむら『……私がこれほどに素直なら、もう少しやりようがあったかしら』
ほむら「そうね……私の能力、私の正体、そして私の目的を話す時が来たのかも知れないわね」
QB「それは非常に興味深い話だね、暁美ほむら」
さやか「キュゥべえ!」
杏子「どの面下げてきやがったテメェ!」ジャキン
QB「やれやれ、せっかく君たちにとって、いやほむらにとって重要かもしれない話を持ってきたのに」
さやか「……重要な話?」
ほむら「御託はいいわ、さっさと話しなさい」
63
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:40:20 ID:ZEZG6PpE
QB「確認させてもらうと、暁美ほむら。君の正体は時間遡行者、能力は時間操作。間違いないね?」
ほむら「……だとしたら何よ」
QB「やっぱり。君の攻撃のパターンからして薄々感づいてはいたけどね」
QB「そして君の目的は鹿目まどか。これは正しいかい?」
ほむら「貴方に言う必要はないわ」
QB「それは正解と受け取らせてもらうよ、ほむら」
QB「これで、どうして鹿目まどかが強力な魔法少女の素質を備えていたのか、一つの仮説を立てることができた」
ほむら「……聞かせなさい」
64
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:48:50 ID:ZEZG6PpE
QB「魔法少女としての潜在力は、背負い込んだ因果の量で決まってくる」
QB「平凡な人生を与えられたまどかに、あれほどの因果の糸が集中するのは不可解だった」
QB「恐らく君の目的は鹿目まどかの安否。それだけを目的として、君は難度も時間を巻き戻したのだろう」
QB「さて――君が同じ時間を繰り返す毎に、まどかは強力な魔法少女になっていったんじゃないのかい」
ほむら「………………」
QB「やっぱりね。君は鹿目まどかの存在を中心軸にして、幾つもの並行世界を束ねてしまったんだ」
QB「その結果、君が繰り返してきた時間の中で循環した因果の全てが、鹿目まどかに繋がってしまった」
QB「お手柄だよほむら。君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ」
さやか(まどかが強力な魔法少女になるってそう言うわけだったんだ……)チラッ
まど神「………………」
さやか(ほむらにはまどかの願いを知っていてもらいたいけど、口止めされてるし……)
さやか(これで契約阻止できなかったら、ほむらが責任感じそうだし、やっぱり黙っていよ)
65
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:52:08 ID:ZEZG6PpE
ほむら「……話は終わりかしら? だったら今すぐ消えなさい」ジャキッ
QB「やれやれ。無駄に個体数を減らされても困るから、引き下がるとしようか」トコトコ
杏子「逃がしちまって大丈夫かよ?」
さやか「もしキュゥべえをやっつけたら、魔法少女は増えなくなるのかな?」
ほむら「あれを殺したところで、何の解決にもならないわ。まどかの契約を阻止することはできない」
杏子「それにしてもアンタも他人のために願ったクチだったとはね」
杏子「さしずめ願いの失敗トリオってところか?」
ほむら「私は失敗したつもりはないわ」
さやか「そこはあたしもほむらと同感だね」
杏子「ちぇ、何だよお前ら……」
66
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:55:50 ID:ZEZG6PpE
ほむら「本題に戻るわ。ワルプルギスの夜の特性・進路・攻撃とこちらの行動についてだけど……」
さやか「~~~」
杏子「~~~」
ほむら「~~~」
ほむら「ふう、今日はこんなところね。あと1度だけ、現場の下見も兼ねて集まって貰うわ」
杏子「はいよ。差し当たりグリーフシードを集めてりゃいいわけだな」
バタン
さやか「じゃああたしも当面は街の見回りだね。じゃあね、ほむら」ガタッ
ほむら「貴女は少し待ちなさい。美樹さやか」
さやか「?」
67
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 01:59:06 ID:ZEZG6PpE
ほむら「前に貴女はこう言ったわね」
ほむら「私が長い間まどかのことを見てきたような雰囲気がする」
ほむら「貴女の知らないまどかの時間を共有しているような、そんな感じだって」
さやか「……うん」
ほむら「どの時間軸でも貴女の鋭さには敬服するわ、美樹さやか」
ほむら「私はまどかとも、貴女とも、他の魔法少女とも繰り返し出会ってきた」
ほむら「そして何度も、まどかたちが死ぬのを見届けてきた」
さやか「!?」
70
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:02:57 ID:ZEZG6PpE
ほむら「一部の例外を除けば、まどかの死因はワルプルギスとの戦い」
ほむら「強力な魔法少女になるようになってからは、ワルプルギス撃退後の魔女化」
ほむら「つまり、前に言ったまどかを魔法少女にしないための必須条件とは私たちでのワルプルギスの撃破」
ほむら「今回の集まりはそのための戦力と作戦の確認よ。美樹さやか、それを覚えていて頂戴」
さやか「……ほむらはさ」
ほむら「何かしら」
さやか「杏子に声をかけたのも、あたしに協力を頼んだのも、全てまどかを救うためなんだよね」
ほむら「その通りよ」
71
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:07:34 ID:ZEZG6PpE
さやか「その繰り返しの期間に、マミさんとの出会いも入ってるの?」
ほむら「……ええ」
さやか「時間を繰り返して何でも知っているのに戦力を集めるのは、一人ではワルプルギスに勝てないから」
ほむら「………………」
さやか「そんなあんたが、ベテランのマミさんと対立し、見殺しにしたのは何で?」
さやか「本当に、ほむらはマミさんを見殺しにしたの? わけ分かんない!」
ほむら「……結果的に私が巴マミを救えず、それを仕方ないとしたのは事実よ」
さやか「……何でだよ。何でなんだよ。あんたの力なら、こんなことになる前に何とかできなかったのかよ!」
ほむら「私だって巴さんを助けたかったわよ!!」
さやか「!?」
72
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:11:14 ID:ZEZG6PpE
ほむら「私に戦い方を教えてくれたのは、ベテラン魔法少女の巴マミ」
ほむら「学校でも魔法少女としても私は彼女の後輩で、とてもお世話になった。できるなら彼女も助けてあげたい」
ほむら「助けてあげたいのは彼女だけじゃない、私は貴女が死ぬところも何度も見てきたわ」
さやか「……!」
ほむら「だけど、時間を繰り返すたびに誰とも言葉が、心が通じなくなる」
ほむら「もう私には、他の全てを切り捨ててもまどかを護るしか道は残っていないのよ!」
さやか「………………」
ほむら「はぁ、はぁ、はあ……下らないお喋りをしたわね。話はこれでお終いよ、帰って頂戴」
ギュッ
ほむら「……!?」
73
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:15:41 ID:ZEZG6PpE
さやか「辛かったんだね、苦しかったんだね。ずっと一人で戦ってて」
ほむら「美樹……さやか、貴女何を……」
さやか「誰にも話せず、誰にも理解されず、それでも一人で戦い続けることしかできない」
さやか「あたしも、ちょっと前までそうだって思ってたから、よく分かるよ」
ほむら「美樹……さ……」
さやか「でもね、どこかに絶対、自分を見てくれている人がいる。今ならあたしもついててあげるから」
ほむら「美樹……さん、美樹さん……うああぁあぁぁあぁああぁあ!!」
~~~
ほむら「……見苦しい姿を見せたわね、美樹さやか」
さやか「いつでもこのさやかちゃんが胸を貸してあげますからねー!」
ほむら「ふん。……考えておくわ」
74
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:18:26 ID:ZEZG6PpE
~~~
さやか「とは言ったものの……隣にこのまどかがいるのを見ると、守りきれる気がしないよな……」
まど神「大丈夫だよ」
さやか「えっ?」
まど神「わたしはあらゆる時間、あったかもしれない時間にも存在してるんだ」
まど神「この世界、この時間軸においてわたしが契約して今のわたしになるかどうかは、何とも言えないの」
さやか「あたしたちのいるこの世界ではまどかを守れるかもしれない、でもいつかどこかのまどかが契約しちゃうかもってか」
さやか「別の時空を含む全てのまどかをあたしたちが救うって言うのは、結局無理なのかな……」
まど神「さやかちゃん……それは……」
さやか「でもいいよ、単なる自己満足になっても。今のまどかはあたしたちが守る。絶対に」
75
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:21:09 ID:ZEZG6PpE
~スーパーセル襲来~
さやか「じゃ、行ってくるから」
ほむら「まどか、あなたは絶対に来てはダメ。大丈夫よ、あなたは必ず私が守る」
まどか「うん……」
さやか「心配性だなあまどかは。ほむらにはあたしがついてるってのに、そんなに気になるわけ?」
ほむら「貴女かいるから不安がっているじゃない」
さかや「なにおう!?」
まどか「えへへ……頑張って、ほむらちゃん、さやかちゃん」
76
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:25:18 ID:ZEZG6PpE
ビュウゥゥウゥゥゥウウゥゥ……
杏子「やっと来たかい」モグモグ
ほむら「待たせたかしら」
杏子「そうじゃねーけどさ。へえ……何かが来そうな気配がガンガンするね」
ほむら「間違いないわ。ワルプルギスの夜は、間もなく現れる」
さやか「ほむら、ほむらの過去についてはまどかに話したの?」
ほむら「いいえ。決着がついてからゆっくりお茶でも飲みながら話せばいいわ」
さやか「ははっ。尚更勝たないとな!」
杏子「お喋りはここまでだ。来るぞ!」
5
4
ほむら(必ず……ここで決着をつける!)
2
1
77
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:28:25 ID:ZEZG6PpE
>>76
の前にこれが入ります。すみません
さやか「とうとうワルプルギスの夜との戦いかあ……」
まど神「さやかちゃん……」
さやか「話に聞いたとおり強大な魔女だったら、もしかしたらまどかの仕事ができちゃうかもね」
まど神「そんな!」
さやか「もちろんあたしにそんなつもりはないけどさ、こればっかりはね」
さやか「ほむらが何度やり直しても勝てない相手ってのに、どこまであたしの力が通用するかわからないけど」
さやか「いざという時はよろしくね、まどか」
まど神「さやかちゃん……がんばって……」
78
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:33:33 ID:ZEZG6PpE
ゴゴゴゴゴゴ……
ほむら「事前に決めた作戦の通り、まず私が持てる全火力でワルプルギスを攻撃する」
ほむら「巻き添えを避けるために最初は近づかないで。これで撃破出来るならそれでよし」
ほむら「万一討ち漏らしたら貴女達が直接攻撃して頂戴。攻撃力の大半を失った私は使い魔の排除に回るわ」
さやか「オッケー、まずはお手並み拝見か」
カチッ
ドドドドドオォン! ドゴォン! ドゴォーン!
杏子「とんでもねぇな……あんだけの火力で仕留められないってあり得るのか?」
バシュウゥーーーッ!
さやか「ミサイルとか……もう何でもありか。軍隊でも相手にしてるみたい」
ドッゴオォォォーーーーーーン!!
79
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:37:26 ID:ZEZG6PpE
シュタッ
杏子「……どうなんだ」
さやか「やったの……かな」
ほむら「………………」
ドォン!
杏子「危ねぇ!」ガキイィン!
キャハハハハハ キャハハハハハ……
ほむら「ありがとう、杏子……」
さやか「あんだけやって、効いてるのかさっぱり分かんないくらいだなんて……」
杏子「もう後には引けないよ! 行くぞさやか! ほむらは援護を頼む!」ダッ
バヒュゥン!
80
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:41:31 ID:ZEZG6PpE
キャハハハハハッ!
さやか「すごい数の使い魔だね……」
杏子「あたしは使い魔なんかに興味ないんだから、ほむら頼むよ」
ほむら「任せて、貴女達はワルプルギスに集中すればいい」ズダダダダン!
バシュッ バシュッ!
杏子「近づくととんでもない大きさだな……どこ狙えばいいのか分かりゃしない」
さやか「こんにゃろ!」ガキイィン!
さやか「……っ、これ効いてるの!?」
81
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:45:49 ID:ZEZG6PpE
ガキン! ガキイィィィィン!!
さやか「何よこれ……まるで手応えを感じない……」
杏子「ちっきしょう……こうなったら最大出力だ!」
ブオォン!
さやか「なんなのこのバカでっかい槍!?」
杏子「魔力をかなり食うから使いたくなかったけど……これがあたしの奥のt
ほむら「危ない! 杏子! さやか!!」
さやか「!? ビルが……」
ズドゴオォォォォォォンンンンッ!!
まど神「さやかちゃああぁぁぁぁぁん!!」
82
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:52:32 ID:ZEZG6PpE
~避難所~
ザアァァァァ……
QB「みんなが心配かい、まどか」
まどか「みんなで力を合わせれば、大丈夫だよね……?」
QB「それを否定したとして、君は僕の言葉を信じるかい? 今更言葉にして説くまでもない」
QB「その目で見届けてあげるといい。ワルプルギスの夜を前にして、彼女達がどこまで戦えるかを」
QB「暁美ほむらはまたしても敗れ、何度やり直してもワルプルギスに勝てないと悟った瞬間」
QB「彼女の希望は絶望となり、ソウルジェムはグリーフシードとなるだろう」
まどか(……、私が、行かなきゃ……!)ダッ
ガシッ
詢子「どこ行こうってんだ? オイ」
まどか「ママ……」
83
名前:
一応酉てす ◆g10bsRF2p2
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:55:06 ID:ZEZG6PpE
まどか「わたし……友達を助けに行かないと」
詢子「消防署に任せろ。素人が動くな」
まどか「わたしじゃないとダメなの!」
パシッ
詢子「テメェ一人のための命じゃねぇんだ! あのなぁ、そういう勝手やらかして周りがどれだけ……」
まどか「分かってる。わたしにもよく分かる」
詢子「まどか……」
まどか「わたしもママやパパのこと大好きだから。大切にしてもらってるから、自分を粗末にしちゃいけないのも分かる」
まどか「だから違うの。みんな大事で、絶対に守らなきゃいけないから」
まどか「その為にも、わたし今すぐ行かなきゃいけない所があるの!」
84
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/17(火) 23:58:06 ID:ZEZG6PpE
詢子「理由は説明できねぇってか。なら、アタシも連れて行け」
まどか「本当はついてきて欲しい。一人じゃ心細いし、ママは頼りになるし」
まどか「でもダメなの。これはわたしにしかできないことだから。だからママは、パパやタツヤの傍にいてあげて」
詢子「絶対に下手打ったりしないな? 誰かの嘘に踊らされてねぇな?」
まどか「うん、大丈夫だよ」
詢子「………………」
ポスッ
まどか「!?」
詢子 グッ b
まどか「ありがとう、ママ」
詢子(しっかりなまどか。アンタはいつでもどこに居ても、アタシの娘だよ)
85
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:00:53 ID:iy1cjqAs
ガラガラ……ズズーン……
さやか「ほむら! しっかり!」
杏子「ほむらアンタ、アタシたちをかばって……」
ほむら「……満足に戦えない者が傷ついたほうが合理的と思っただけよ」
ほむら「まだ戦いは終わっていないわ。さあ、行って頂戴」
杏子「……行くぞさやか、コイツの思いを無駄にすんな」ダッ!
さやか「う、うん」バヒュッ!
ほむら(さっきの攻撃で完全に砂時計が尽きたみたいね……もう貴女達に賭けるしかない)
86
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:03:23 ID:iy1cjqAs
さやか「うぐぁっ!」
杏子「さやかぁ! ちっ……一旦引くよ!」
さやか「く……そったれ……」
杏子(回復が追いついていない……さやかも限界が近いかもな)
杏子「……って、アタシも人の事言えないじゃん」ガクッ
杏子「このままじゃ、アタシたちみんな……」
さやか「負けない……負ける、もんか……。あたしたちが負けたら、みんなが、まどかが――」
杏子「……少し聞いていいか、さやか」
さやか「杏子? こんな時に!?」
87
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:06:50 ID:iy1cjqAs
杏子「さやか、この戦いに生き残ったら……まだ希望を失わずに他人のために戦うつもりか?」
さやか「……もちろん! 何か問題でも?」
杏子「魔法少女としては、問題大アリだけどな」
さやか「なっ!?」
杏子「それでも、さやかはそれでいいと思ってる。精々頑張るんだな、アタシの分まで」
さやか「はっ? あんた何を――」
ゴスッ
杏子「さやかはそこで休んでな。コイツはアタシが引き受ける」
88
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:19:39 ID:iy1cjqAs
さやか「きょう……こ……」ガクッ
杏子「全く……シロウトでまだまだだったけど、その分教え甲斐はあったよな」
杏子「……マミさんから見たアタシも、こんな感じだったのかな」
杏子「……まあこれからの世の中、さやかみたいな魔法少女が普通になった方がいいんだろうな」
杏子(マミさん……今だけでいいから……。不出来な弟子に、力を貸してくれ……!)ビュッ
ほむら「杏子……まさか、貴女……!」
カッ!
ドッゴオォォォォォーーーーーーン……
さやか「きょお、こぉ……」ペタン
89
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:34:21 ID:iy1cjqAs
さやか「嘘……だよね、杏子……」
……ハハハハ
ほむら「……!?」
キャハハハハハ! キャハハハハハ!!
ほむら「そんな……」
さやか「杏子が……命をかけたってのに……」
ほむら「……どうして……」
ほむら「……何度やっても、あいつに勝てないっ……!」
90
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:36:58 ID:iy1cjqAs
さやか「ほむら! しっかり!」
ほむら(……そうだ、またやり直せば……)スッ
ほむら(……でも、繰り返せば、それだけまどかの因果が増える……)
ほむら(……私のやってきたことって、結局……)カタン
ほむら(……まどか、ごめん……私、貴女との約束、守れなかった……)
パッ
まど神「ほむらちゃん……」
ほむら「!?」
91
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:40:22 ID:iy1cjqAs
ほむら「まどか……貴女、その姿は……」
さやか「えっ、まどか……?」
まど神「あ、久し振り! この時間のお仕事?」
まど神2「うん、ほむらちゃんが限界みたいで……導きに来ちゃったけどどうしよう」
さやか「あたしには見えないけど……まさかほむら、今目の前に魔法少女のまどかが見えてない?」
ほむら「ええ……これは一体……。ねえまどか、どういうことなの!? まさかもう契約を……」
まど神2「ほむらちゃん……わたしが説明してもいいんだけど、本人に聞いた方がいいと思う」
ほむら「本……人……?」
「もういいんだよ、ほむらちゃん」
92
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:44:23 ID:iy1cjqAs
さやほむ「まどかっ!?」
さやか「まどか……どうしてあんた、こんなところに……」
QB「僕が案内してあげたんだ。それが彼女の意志だったからね」
さやか「キュゥべえ……」
ほむら「まどか、まさか……」
まどか「ほむらちゃん、ごめんね。私、魔法少女になる」
ほむら「そんな! 私は今まで、何のために……」
まどか「ごめん、本当にごめん。これまでずっと、たくさんの時間でほむらちゃんに守られてきたから、今の私があるんだと思う」
ほむら「!?」
93
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:47:48 ID:iy1cjqAs
ほむら「どうして!? 今のまどかには私の事話してないはずなのに……」
QB「僕が説明してあげたんだ。嘘を教えるわけには行かないから、前もってほむらに確認してもらったけどね」
ほむら(あの時の……!)
QB「おかげでまどかをここに連れてくることができた」
さやか「キュゥべえ、あんた何て事……」
QB「おあつらえ向きに君たちの敗北も間近だ。それともこの時間軸も無為にして、まどかに更なる因果を背負わせるかい?」
ほむら「インキュ……ベーター……」
QB「まあ、どちらでも僕は歓迎するよ。判断の猶予はあまりないだろうから、悔いのない選択をするんだね」
さやか「キュゥウゥウウゥゥゥウゥウゥべえぇえぇぇえぇぇっっっ!!」ダッ
ザシュッ!
94
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:50:24 ID:iy1cjqAs
QB「」
さやか「はぁ、はぁ、はあ……」
ほむら「……無駄よ、美樹さやか……アレはあいつ一匹じゃない。いずれ奴はここに来るわ」
ほむら「どうあがいても、私達にまどかは守れない……」
まど神2「大丈夫だよ、ほむらちゃん」
ほむら「まどか……やめて……」
まど神2「絶対に、今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから」
ほむら「まどか……」
95
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:53:00 ID:iy1cjqAs
まど神「そろそろお別れだね」
さやか「まどか……ごめん。あたし……まどかを守れなかった……」
まど神「ううん、そんなことないよ」
まど神「わたしね、この今のわたしになってから、意識が世界に溶け込みそうになるの」
まど神「今までのわたしも何もかもなくなってしまいそうになるんだ」
まど神「だけどさやかちゃんがいてくれたから、わたしは今まで通りのわたしでいられる」
まど神「さやかちゃんは、立派にわたしを守ってくれたんだよ」
さやか「うぅ……まどかぁ……」
まどかx3「だからこそ、信じて欲しい。わたしの答え、わたしの願いを」
96
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:56:28 ID:iy1cjqAs
QB「待たせたかな」ヒョコッ
QB「まったく、個体を潰されるのはもったいないから勘弁して欲しいんだけどね」ムシャムシャ キュップイ
QB「では改めて、鹿目まどか。君はその魂を代価に何を願う?」
QB「因果の特異点となった君なら、どんな途方もない望みだろうと叶えられるだろう」
まどか「本当……だね? わたしは……」
ほむら「まどか……」
さやか「まどかぁ……」
まどか「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を……この手で!」
カッ!!
──────
────
──
97
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 00:58:15 ID:iy1cjqAs
世界は新たな法則に従って改変された。
それは前の世界と変わらずに人類が、魔法少女が、インキュベーターが存在する世界。
変わったところといえば、魔法少女が魔女にならないため、魔女は存在しなくなったこと。
変わらぬ人の世の呪いは世界を歪ませ、魔獣という新たな脅威を生み出したこと。
そして、一人の少女の記録が、記憶が、存在が掻き消されたこと――。
98
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:04:10 ID:iy1cjqAs
グゥオァァァァァァッッ!
杏子「へっ、まあこんなもんだな」
マミ「佐倉さん、コンビネーションも板についてきたわね。一人の期間が結構あったから心配だったけど」
さやか「マミさんは誰にでも合わせられるからすごいですね!」
杏子「それアタシがじゃじゃ馬みてーじゃねーかよ、さやか」
ワイワイ
ほむら「……まどか……」
マミ「暁美さん? まどかって……」
杏子「……誰だよ」
さやか「………………」
99
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:07:28 ID:iy1cjqAs
マミ「じゃあ暁美さん、美樹さん、私たちはこっちだから」
さやか「杏子はまたマミさんのところですか」
杏子「いーじゃねーかよ、どうせ他人のために動いてんだろ?」
さやか「杏子のはただの寄生じゃない」
杏子「るせーな、そのうちさやかの所にも行くから覚悟しろよ」
マミ「あら寂しいわ、佐倉さんは私を捨ててしまうのね」
3人「あはははははは」
ほむら「………………」
100
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:09:58 ID:iy1cjqAs
テクテク
ほむら「………………」
さやか「……ほむら、元気ないね」
ほむら「……そんなことないわ」
さやか「……さっき口に出した『まどか』ってさ」
ほむら「……あなたに話しても仕方のないことよ」
さやか「ちょうどほむらの着けてるような、赤いリボンの似合う桃色の髪の女の子だよね」
ほむら「!?」
101
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:12:58 ID:iy1cjqAs
さやか「本当はあたしの嫁になるはずだったんだけどね」
ほむら「美樹さやか、貴女……」
さやか「みんな忘れちゃったと思った? 残念、さやかちゃんはバッチリ憶えてますよ!」
さやか「まどかと過ごした日々も、まどかに救われたことも、全部――」
ほむら「………………」
さやか「そりゃ心残りはあるけど、今ならよく分かる」
さやか「ああ、これがまどかの望んだ世界なんだなーって」
さやか「そう思うとさ、この世界も大事にしたいと思うわけですよ」
102
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:17:00 ID:iy1cjqAs
さやか「恭介の演奏も聴けるしね! なーんて」
ほむら「ふふっ。貴女と意見が合うなんて思いもしなかったわ」
さやか「あれ? ほむらも恭介の演奏聴きたいの?」
ほむら「そっちじゃないわ。でも……折角だから貴女と一緒に聴かせて貰おうかしら」
さやか「ほえー意外。まあいいや、今度ちょっと都合聞いてみるね」
さやか「ん? さっき一緒に聞かせて貰うって……」
ほむら「言葉のあやよ」
さやか「ははーん、またほむらはあたしに胸を貸してもらいたいのかな?」
ほむら「ふざけないで! 大体そんな記憶も残ってるなんて!」
さやか「泣きたいときはいつでも貸してあげるよ? あの時みたいに美樹さんって呼んでもいいけどさやかって呼んでも──」
ほむら「やめなさい!」
103
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:30:50 ID:iy1cjqAs
ほむら(そう、私は憶えてる。決して、忘れたりはしない)
ほむら(それに、私は一人じゃない)
さやか「何だか元気が出てきたぞ! 見てろよまどか! この世界はあたしたちがガンガン守っちゃいますからね!」
ほむら(一人では潰されそうな宇宙の真実の重みも、二人なら支えられる。そんな気がする)
さやか「あたしたちの戦いはこれからだ!」
ほむら「ふふっ。精々負け戦にならないように頼むわ、さやか」
さやか「えっ? ほむら今……」
ほむら「何でもないわ。行きましょう、さやか」
さやか「……うんっ!」
ほむら(だから私達は、戦い続ける)
さやか「あたしって、ほんとバカ」まど神「さやかちゃん……」
完
104
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:33:50 ID:iy1cjqAs
おわったー
vipで書いてた時はどうせスレ落ちるし終わったあとグダグダ書くけどここでは割愛
ここまで読んでくれた方に感謝
ありがとうございました
105
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以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/18(水) 01:48:05 ID:rofktUJQ
乙
面白かった
106
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以下、名無しが深夜にお送りします
[sage]投稿日:2012/01/18(水) 01:51:57 ID:1/P0WVag
乙乙
ずっと見てたけどこれは良作だった
107
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[sage]投稿日:2012/01/18(水) 05:05:47 ID:nBV1wQGY
一応ハッピーエンドで良かった
108
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以下、名無しが深夜にお送りします
[sage]投稿日:2012/01/18(水) 12:19:51 ID:I.I5tvnw
乙!
109
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以下、名無しが深夜にお送りします
[sage]投稿日:2012/01/23(月) 01:08:13 ID:HFUQaR.k
こういうのに突っ込むのってすごい野暮だと思うんだけど
まどかの契約は魔女を消すことで、
その副作用として自身が高次元の存在と化すってものだよね
つまり、契約した瞬間にまどかが最初からいなかった歴史に塗り替えられて、本編の結末になったんだよね
それならば、まど神とまどかは同時刻に存在出来ないはず
塗り替えてない歴史にはまどかしかいないし、
塗り替えられた歴史にはまど神しかいない
本編のほむらは時間遡行の能力を持っていて、既に半分高次元の存在だったから記憶を保てていたけど、本来ならばこの次元に居つつも両方のまどかには会えない
つまりこのSSは因果律がやばい
110
名前:
以下、名無しが深夜にお送りします
[]投稿日:2012/01/23(月) 01:22:58 ID:w4m8mTT2
因果律がねじれてるんだろ。SSではよくある話